NHKドラマ「トットてれび」を観ました。
黒柳徹子さんが、渥美清さんに出会ったばかりの頃、「『星の王子さま』ぐらい読みなさいよ」というシーンが出てきました。
ドラマの中で、渥美清さんが、「星の王子さま」を繰り返し読むシーンが出てきます。
私は、本棚から内藤濯訳の岩波書店から出版された「星の王子さま」を出しました。
「1987年第43刷」とあります。私が大学生の時に先輩から薦められ購入した記憶があります。
今日、主要な書店のほとんどから「星の王子さま」が様々な方の訳で出版されています。
今、新潮文庫、河野万里子訳の「星の王子さま」を読んでいます。
河野万里子訳は、2006年に出版されました。私が購入したのは、2016年4月の53刷のもの。
21世紀になっても「星の王子さま」は多くの方に読み継がれていることが分かりました。
新潮文庫は、サン=テグジュペリの「夜間飛行」「人間の土地」など他の本も出ているので、引き続き、読み進めていきたいと思っています。
「星の王子さま」の理解を進めたいと、2015年にフランスで製作されたアニメーション映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」を観ました。
現代を生きる女の子が「星の王子さま」に出会う物語です。
女の子は、母親から与えられた厳しいスケジュールのもの、勉強漬けの毎日を送っています。
彼女は、隣に住んでいた年老いた飛行士と出会います。
その飛行士こそ、「星の王子さま」に登場する飛行士だったのです。
「星の王子さま」の最初に、「レオン・ヴェルトに」という献辞があります。
「この本は、昔子どもだったころのその人い、ささげるということにしたい。おとなだって、はじめはみんな子どもだったから。」
この小説が理解できないという私たちは、子どもの心を失い始めている証拠かも知れません。
小説の途中で、「変な大人」が数人出てきます。
一番分かり易いのは、「実業家」。
人間としての幸せとは何かをこの本は強く語っています。
小説の後半に出てくるきつねが「いちばん大切なものは目に見えない」と言います。
「見えないものでもあるんだよ」と詠う金子みすずの詩に通じる概念を感じます。
サン=テグジュベリが献辞を送っているレオン・ヴェルトは、ユダヤ人であったため、ナチスによる当時の弾圧を避けて、フランス東部のジュラ山脈にあった山荘に隠れ住んでいたと新潮文庫の訳者・河野万里子さんのあとがきに書かれています。
岩波書店の訳者・内藤濯さんのあとがきには、サン=テグジュベリも、故国フランスがナチスドイツの侵すことになったことがもとで、アメリカに亡命したとあります。
内藤さんは、このもの狩りは、時世や祖国の事に直接ふれていないものの「人知れず心の底に燃えている憂愁なり信念なり待望なりは、さまざまな象徴となって、読む人たちの心に迫るものです。」と書いています。
大人の心に凝り固まった私は、まだまだこの物語を読みこなすことが出来ていません。
しかし、サン=テグジュベリが求めた信念や待望を一つでも多く読み取っていきたいと思います。
「星の王子さま」を理解する上で映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」は大変参考になる作品でした。
現代社会がいかに、子どもたちを人間を窮屈にしているかが良くわかりました。
冒頭に帰って、渥美清さんは、「星の王子さま」のどこに興味を惹かれていたのでしょうか。
黒柳徹子さんの本に書いてあるのでしょうか。ご存知の方はお教えください。
また、「星の王子さま」のファンの皆さん、感動した場面をお教え下さい。
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『星の王子さま』ではありませんが、サンテックスが『戦う操縦士』のなかでこう云っています:「僕には勝利の法則がわかってきた。即ち建築成った大伽藍の堂守や貸し椅子係りの職に就こうと考えるような人間は、すでに敗北者である;それに反して、何人であれ、その胸中に建造すべき伽藍を抱いている者は、既に勝利者なのであると。勝利は愛情の結実だ。知能は愛情に奉仕する限りで役に立つ。」座右の銘にいかがですか? この堀口大学訳新潮文庫版は入手しにくいかも知れませんが、宇部市立図書館で山崎庸一郎訳みすず書房版が見られます。『サンテクジュペリ・コレクション第4冊』の175ページです。
by Tetu Makino — 2016年6月16日 16:22 PM