自動車の定期点検で、車屋さんで待っている時、置いてあった「通販生活2015年夏」を読んでいました。
この中に、落合恵子さんと元内閣官房副長官補の柳澤協二さんの対談が掲載されていました。
対談の内容に共感し、今、柳澤協二さんの集英社新書「亡国の集団的自衛権」を読んでいます。
日本共産党の志位委員長は、5月27日の衆議院特別委員会で、イラク戦争のと維持、首相官邸で自衛隊派兵の中心を担った、柳澤協二さんの「朝日新聞」のインタビューを引用して質問しました。
志位委員長は、柳澤さんの 「自衛隊派遣の前提だった『非戦闘地域』という概念は、憲法上のつじつま合わせだけではなかったと思います。実質的に自衛隊を戦闘部隊の指揮下に入れず、直接の戦闘に巻き込ませないという意味であった。この概念を廃止して活動範囲を広げれば、今までより確実にリスクは高まります。イラクでは何とか戦死者を出さずに済みましたが、あれ以上のことをやれば必ず戦死者が出ると思います。」との発言を引用し、「総理、自衛隊員に戦死者が出来るようになるのは避けがたいと考えますが、いかがでしょうか。」と質問しました。
安倍首相は、「柳澤さんはですね、重大な間違いを犯しておられます。まず、自衛隊がですね、この輸送して、届ける先の部隊のですね、指揮下に入ることはありません。これは、明確に申し上げておきたい。柳澤さんがなんでこんな初歩的なことをわからずに、べらべらしゃべっているのかですね、私も大変驚いている。」などと答えました。
志位委員長は、「自衛隊は指揮下に入らないと言われましたけれども、兵隊部隊が全体の指揮下に入るというのは軍事の常識ですよ。」と切り返し、安倍首相は、これに反論しませんでした。
志位委員長の質問で、柳澤さんと安倍首相のどちらが、「初歩的なことがわからない」かが明白になりました。
柳澤さんは、「亡国の集団的自衛権」の中で、「かつて自民党の政治家たちには、さまざまな価値観を持ちながらも、『戦争をしてはいけない』という共通の判断基準があったように思います。しかし、戦争体験を持たない世代が政界の中心を担うにつれ、人を殺すことや人が死ぬことに対する実感がまったくない政治家が、『戦争もありだ』という前提で国の安全保障に関わる問題を議論するという恐ろしい事態になっています。戦争は政治の延長であり、政治の失敗が本来防げるはずの『無駄な戦争』を引き起こすという自覚が、現在の政治にはたしてあるのでしょうか。」と述べています。
柳澤さんは、この本の結論として「集団的自衛権は、日本の防衛にとってはむしろ有害無益のものです。」と断じています。
元防衛官僚を務めた柳澤さんのこの批判は重いものがあると思います。
安倍首相は、国会を延長して、戦争法案を成立させようとしていますが、今こそ柳澤さんの意見に耳を傾けるべきです。
うべ憲法共同センターでは、来月、憲法学者の小林節さんの講演会を行います。
国会延長を受けて、秋に柳澤さんの講演会を開けないか検討に入りたいと思っています。
戦争法案に対する皆さんのご意見を引き続きお聞かせ下さい。
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