議員日誌

「ナンバー」「血の轍」「共震」

 ここ数日、相場英雄さんの小説を読み続けています。

 古い順で行くと、まず、「ナンバー」。

 30代の西澤は、警視庁捜査二課に配属されます。

 捜査二課は、知能犯などを扱う部署。

 汚職を扱う五課との確執。協力者との駆け引き。などなど迫力満点です。

 「へそ」という章は、特に面白く読みました。

 「真実を言っていないとき、絶対にへそを取調官には向けない。」

 これは、FBIの最新の取調べメソッドに書かれている内容だと紹介されていました。

 次に、「鉄の轍」。この作品は、2013年、第26回山本周五郎賞の候補作になった作品です。

 この作品は、警察内の公安部と刑事部との争いを扱った作品です。

 兎沢刑事の人生を縦軸に、二人の元警察官が殺された事件を横軸に、警察内部の状況がディープかつリアルに描かれています。

 テーマの面白さと同時に、物語そのものにグイグイ引きつけられ一気に読んでしまいました。

 最後は、相場英雄さんの最新刊の「共震」。

 みちのく麺食い記者でも有名な大和新聞の宮沢賢一郎記者が東日本大震災の被災地を訪ね、復興を支えた県職員殺害事件を追う物語です。

 本書の解説は、「遺体」の著者である石井光太さん。私は、釜石の遺体安置所をルポした石井さんの作品に心打たれた一人です。

 石井さんは、「本書は、現場と向き合ってきた相場なりの犠牲者への祈りであり、遺族への励ましであり、我々に対する指南だったといえるのだ。」と書いています。

 東日本大震災から2年半経過しましたが、「共震」とは、被災者の気持ちに寄り添い、一緒に歩んでいこうという作家のメッセージだということがよく分かりました。

 「震える牛」で相場英雄さんに出会いまだ1年半ですが、多くの刺激を受けます。

 相場さんの真骨頂は、事実に向き合う真摯な眼でしょう。

 ノンフィクションのようなリアリティーが作品全体を貫いています。

 私は、相場さんの全作品を今年中に読破しようと思っています。

 今日から「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎シリーズ」を読もうと思っています。

 今、待っているのは、WOWOWでドラマ化された「震える牛」のレンタルDVDです。

 そして、次回作。相場さん筆致で、今度は、どんな真実が明らかになるのかとても楽しみです。

 相場英雄ファンの皆さん。感想をお聞かせ下さい。

 

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