山田洋次名作映画DVDマガジンVol.15「おとうと」を観ました。
山田監督はマガジンで「僕はかつて『愚兄賢妹』の物語、寅さん映画をつくっていたけれど、この『おとうと』は賢いお姉さんと愚かな弟を軸にしたホームドラマになると思いました。笑いと涙に溢れた『家族』というものがあぶり出されてくるだろう」と語っています。
姉は吉永小百合。弟は笑福亭鶴瓶。どちらもぴったりでした。
この作品は、2010年の作品で、今回、山田洋次名作マガジン収録作品の中でも最新の映画となります。
劇場でこの映画を見て、3年しか経っていないけれど、心に響くところが少しづつ変わってきます。
今回、涙が目に滲んだのは、娘の小春が、母吟子に再婚の意向を伝えるシーン。
私の娘は、まだ、9才ですが、娘の幸せを願う父としての自分がこの3年間で成長したからでしょうか。
娘役の蒼井優もいいですが、小春の再婚相手、亨役の加瀬亮の演技が特によかったですね。
吟子の弟、鉄郎の最期のシーンが見どころです。
鉄郎は、民間のホスピス「みどりのいえ」で息を引き取ります。
マガジンで、山田監督は、「身寄りのない人のための施設を国が主導してつくるべきです。公共事業に投入される予算や、戦闘機を購入するための防衛費に比べたら、こういう人たちを助けるためにかかる費用などほんのわずかでしょう。民間の努力だけに任せていい問題ではないのですから。」と語っています。
参議院選挙が終わった直後にこの映画を見て、この文章を読んで、とりわけ心に響きました。
参議院選挙後、「弱者切り捨ての政治をこれ以上台頭させてはならない」。
こんな気持ちにさせられた映画です。
そして、我が子らの幸せを願う気持ちで一杯になった映画でした。
次回は、「母べえ」。これも名作です。山田監督、いつもありがとうございます。「おとうと」もよかったです。
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