本日、日本共産党山口県常任委員会の学習会で、議会と自治体(2011年7月号)の大島堅一立命館大学教授のインタビュー記事を学習しました。
このインタビューの中の「原発は安い」は「神話」の部分が圧巻でした。
資源エネルギー庁の発電ごとのコスト試算(kWh当り)によると、一般水力11.9円、石油火力10.7円、石炭火力6.2円、LNG火力5.7円、原子力5.3円となっており、原子力が一番安い結果です。
大島先生は、資源エネルギー庁の試算は、モデル計算によるものだとし、実績値からの計算が必要と指摘します。
大島先生は、①発電に直接要する費用②バックエンド費用③国家からの資金投入④事故にともなう被害と被害補償費用を含めて実績値での比較が必要だと指摘します。
④だけでも数兆円になることが今回の福島の事故で想定されますが、これを含めず、大島先生が実績値を基に発電単価を比較されたものが次の結果です。
一般水力3.98円、水力7.26円、火力9.90円、原子力10.68円と原子力が一番高いという結果となりました。
その上で大島先生は、福島の事故の補償額は少なくとも4~5兆円。東電がこれまでに原発から得た利益は約4兆円。
大島先生は、コストだけ考えても東京電力は、「原発はやらない方がよかった事業だ」と言えそうだと断言します。
更に、大島先生は、電気事業連合会の原子力がCO2排出が少ないというデータにも疑問を投げかけます。
日本の電気事業連合会は、CO2排出を太陽光38グラム、風力25グラム、原子力20グラムと「太陽光、風力などの自然エネルギーより原子力が優れている」と試算しています。
しかし、大島先生は、スタンフォード大学のジュイコブソン氏の試算を引用します。
ジュイコブソン氏は、プラント建設、燃料採取、運搬、施設稼働時、廃棄物の処理、廃炉までふくめて、CO2の排出量の比較を行っています。
その結果、1キロワット時の発電に対するCO2排出量は、原子力は9~70グラム、太陽光は19~59グラム、風力は、2.8~7.8グラムと試算しました。
原発がかなりのCO2を排出していることは事実のようです。
現在、原子力に年間4千億円、新エネルギーに1500億円の国家予算が使われ、事業者が2500億円の再処理費用を使っています。
原子力から自然エネルギーに転換すれば、6500億円の資金が生まれると大島先生は指摘します。
ドイツの自然エネルギー買取りのための費用は、年間6000億円なので、日本で使われている財源を自然エネルギーの買取り制度などに振り替えれば大きな政策転換が可能です。
大島先生は、「原発から撤退すれば、自然エネルギーの爆発的普及は国民の追加負担なしにできる」と結論づけました。
大島先生の理論は、同感できる内容です。やはり、日本は、原発からの撤退を決断すべきだと思いました。
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