月別アーカイブ:2008年11月

星野哲郎さんに学ぶ

 先日、東京に出張した新幹線の中で、佐藤健著「演歌・艶歌・援歌 わたしの生き方 星野哲郎」を一気に読みました。PTAの日帰り旅行で周防大島の星野哲郎記念館に行って買ってきたものです。北島三郎・水前寺清子の楽曲の中に、星野さんの詩がいかに多いのかも感動しましたが、「黄色いさくらんぼ」も「男はつらいよ」も星野さんの作詞だとは知りませんでした。郷土が生んだ偉人の一人として誇らしく思います。

 星野演歌の決定的なキーワードは、「20代の星野哲郎を苦しめた結核である」と佐藤さんは記しておられます。結核がなかったたら星野さんは、船乗り人生を全うされたでしょう。大作詞家星野哲郎は生まれなかった。また、星野演歌の限りない優しさを作ったのが、この病気の経験だと佐藤さんはこの本で書いておられます。

 星野さんは、今でも1日1曲書くことを目標にされているということもこの本には書かれてありました。この本を読むと私も表現したくなりました。私には、ささやかながら続けてきた川柳があります。しかし、最近、忙しさにかまけて、作品を作ることが極端に減ってきました。星野さんのように1日一句なら私にもやれそうな気がします。私も表現者のはしくれとして、言葉を磨く努力を続けていこうと決意しました。

 明日から、12月。明日から新しい手帳にチェンジします。この手帳には、広々かける日記帳が付いています。この日記帳に一日一句を目標に記していこうと思います。それを「川柳援歌」というコーナーとして、ブログに載せていこうと思います。いつまで続きますやらこうご期待。

池上永一

 10日位前だったでしょうか。NHKラジオのニュース番組に作家の池上永一さんがゲストとして話をしていました。話題は、彼の最新作「テンペスト」でした。彼は、この作品を2年かかって作りあげたそうです。その間は、電話にも出ず、テレビも観ず、物語を紡ぎ出すことに集中したそうです。今どきこんな作家がいるのかと思い書店で、「テンペスト」を手にしました。今、上巻のちょうど真ん中あたりを読んでいます。琉球王国の末期が生き生きと描きだされつつ、だたの歴史小説に留まらず、物語がとてもスリリングでグイグイ読者を引っ張っていきます。これら議会に突中しますが、今年の内に読み上げたいと思います。

 同時に、彼のエッセイ「やどかりとペットボトル」を買って一気に半分読みました。彼は、1970年生まれ、那覇で生まれ石垣島で育ち、早稲田大学在学中に、「バガージマヌバナス」が第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞して作家活動を続けています。

 この本には、彼の子どもの頃の話や島での暮らしがほのぼのと書かれています。彼は、子どもの頃から本が大好きで空想癖があり、変わり者扱いされていたようです。周りから押し付けられる子ども像との狭間で、悩まされたようですが、この時代の経験が今の彼が描く物語の根底となっていると思うと、親として子どもを育てる視点が広くなくてはならないと痛感しました。

 アジアの中心に近い沖縄。亜熱帯の沖縄。地上戦を経験した沖縄。軍事基地に占領されている沖縄。沖縄には様々な魅力や学ぶべき点が多いと思います。沖縄の作家も多いですが、独自の視点で、独創的に沖縄の歴史と今と未来を紐解く彼の作品にも今後大いに注目していきたいと思います。

 

滋賀県のダム行政を視察

 昨日、日本共産党県議団は、滋賀県のダム行政を視察しました。滋賀県では、計画中の芹谷ダムの事業中止を決定しました。芹谷ダムは、昭和38年から調査が開始されたもので、紆余曲折がありながら、現在398億円の事業費で工事がすすめられ、現在、33億円が執行されましたが、この程、中止が決まりました。

 滋賀県では、中長期整備実施河川の検討をこの間行いました。その中で、河川ごとの現況安全度を試算しました。その結果、現況安全度が、10年未満の河川が数多く残されていることが明らかになりました。このような中、安全度100年を目指すダムに多大な投資をするよりも、戦後最大洪水規模相当の安全度30年を全県で確保する道を滋賀県は選択したことが今度の視察で分かりました。

 今回の中止が決まった芹谷ダムが計画されている芹川は、現況安全度20年あります。これを30年にするには、ダムよりも、堆積土を除去した方が、費用が少額で済むとして滋賀県は結論づけた訳です。

 滋賀県では、県営ダムとしては、北川第一ダムがあります。このダムは、イヌワシの営巣が確認されて工事中断しています。その問題もありますが、現況安全度30年を全県にの視点で捉えると、ダムよりも、「総合治水」「流域治水」の考えで中止となる可能性大とは、日本共産党滋賀県議団長の森議員の談です。

 山口県は、平瀬ダムの建設に多大な投資をしようとしています。安全度を一か所で高くするよりも、全県で安全度30年以上を目指すという滋賀県の考え方を学ぶ必要があるのではないでしょうか。

 新年度財源不足400億円というなら、余計に山口県は、ダム優先の河川行政から流域治水を優先する河川行政に転換する必要があるのでないでしょうか。

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   日本共産党山口県議団の滋賀県での視察

本田宏医師の講演に圧倒

 24日、山口県保険医協会主催の県民公開講座「医療崩壊阻止のため」に参加しました。講師の埼玉県済生会栗橋病院副院長本田宏さんの話に魂が揺さぶられました。厚生労働省は、この間、国民に、「日本の医療費は高い」ことを国民に植え付けてきましたが、それは誤りで、日本の医療費が世界でいかに安いか、そして、自己負担がいかに高いかを様々なデータを元に語られました。数年前に日本の医療従事者の実態を見てヒラリー・クリントンが、「聖職者さながらの自己犠牲」だと語ったという話は印象的でした。

 そして、本田先生は、日本の医師数が世界でいかに少ないかを語られました。そして、それが、医療事故に結びつき、それを刑罰強化だけで乗り切るのは惨いと話されました。また、日本にベットが余っているという宣伝の間違いも指摘されました。日本の敬老は軽老になっていると話されます。そして、話は、日本の国の方向に及びます。憲法25条を生かして、富国強経から、豊国幸民の政治を実現することが大切と話されました。

 本田先生は、自らを「闘う医療界のスポークスマン」と述べておられますが、まさに職と命を賭して医療崩壊と闘っているという迫力に満ちた講演でした。私の生き方も大いに励まされました。

 講演の後の宇部市内のある病院の外科医の話が印象的でした。「日々、サムライや兵士の気持ちを感じる。兵士は、突然、命を襲われることがあるが、医師は、いつ手術あるかあらかじめわかる分いいかと自らを納得させている。手術に向かうときは、今日でこの仕事も終わりかといつも頭をよぎる」「私は40代だが、私の下の医師がいない。この病院もあと数年と感じる。」「医師会・学会は、腐りはじめている。大胆に変革しなければいけない。」という趣旨の発言をされました。

 この先生もまさに命を賭して医療と向き合っておられる迫力を感じました。身近の病院の同世代の先生の発言だけに、このまま医療崩壊を放置できない気持ちでいっぱいになりました。

 一人の県議として、一人の県議会厚生委員会の委員として、12月議会から医療崩壊を阻止していくために闘います。

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     圧巻だった本田宏先生の講演

持久走大会とカレンダーづくり

 今日は、一日、PTA尽くしでした。午前中は、持久走大会の交通整理。親の応援が過熱して子どもたちが走るコースにはみ出るのを抑えるのがPTA役員の役目です。役目は果たしながら、3人の我が子の応援もしっかりしました。三男は、1年生男子で、6位。次男は、3年生男子で15位。長男は、5年生男子で30位。それぞれ練習よりタイムがよかったようで満足しています。

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 5年生の列が走っていく様子です。右端が長男。

 午後は、毎年、私たちの小学校が地域の独居老人の方々にカレンダーを送っているのですが、このカレンダーづくりを3時過ぎまで行いました。新しい年のカレンダーの台紙に子どもたちの絵を貼っていきました。どの絵も力作揃いでした。来月には、地区の役員の方々に贈呈する式を行い、年内にお年寄りの皆さんにお配りします。

 

みんなの県政をつくる会「緊急要望」

 本日、みんなの県政をつくる会が二井知事に提出した「県民の暮らしを守るための『緊急要望』」に関する県担当者との交渉が行われ、私は参加しました。

 健康福祉部関係では、「母子家庭医療費助成事業を父子家庭も対象にする」との要望が出されました。県担当者は、来年度から父子家庭にも医療費助成を実施する意向を明らかにしました。次に、「福祉医療制度の『自己負担なし』、『現物給付方式』の大原則を堅持する」との要望が出されました。これに、県担当者は、「市町と協議して決める」と回答しましたが、私は、土曜日の中国新聞報道などを示し「県は福祉医療制度の自己負担導入を検討しているのではないか」と質しました。これに、担当者は、あくまで市町と協議して最終的には決める事としながら、県として「一部負担金の導入を検討している」ことを認めました。また、私たちは、知事のマニュフェストには、「福祉医療制度の拡充」と書かれてあった事実を指摘し、「父子家庭を対象に入れることはプラスだが、一部負担金の導入は、大きなマイナスとなる。」と指摘しました。

 現在の福祉医療制度に父子家庭を含めることで必要な財源について県担当者は、3500万円だと説明しました。しかし、福祉医療制度の一部負担金が導入されその合計額が3500万円を超えるのであれば、制度は拡充ではなく後退したと言えます。もし、知事がこのことを強行するなら「公約違反」は否めません。この問題は、12月議会の大きな論点になります。

 商工労働部関係では、マツダの派遣社員などの雇い止め問題に対する県の対応を質しました。県担当者は、「情報収集に努めている」としか答弁しなかったので、私は、「派遣社員が約500人雇い止めされる事実は、会社から県に報告がなかったのか」と質問しました。県担当者は「説明があった」と答えました。私は、「これ以上、何を情報収集するのか。県として今掴んだ事実への対策をただちに検討すべき時だ」と指摘しました。参加者からは、企業に雇い止めの中止するように求めたのかとの問いもありましたが、県担当者は、「今後、求めるかどうか検討する」と答弁しました。これらの答弁に、参加者は、「県は、年末に失業する県民の気持ちが分かっていない。県は、緊張感を持った対応を行うべきだ」などの抗議が相次ぎました。この問題も12月議会の重要なテーマです。

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  申し入れの冒頭発言を行う福江代表世話人