議員日誌

池上永一

 10日位前だったでしょうか。NHKラジオのニュース番組に作家の池上永一さんがゲストとして話をしていました。話題は、彼の最新作「テンペスト」でした。彼は、この作品を2年かかって作りあげたそうです。その間は、電話にも出ず、テレビも観ず、物語を紡ぎ出すことに集中したそうです。今どきこんな作家がいるのかと思い書店で、「テンペスト」を手にしました。今、上巻のちょうど真ん中あたりを読んでいます。琉球王国の末期が生き生きと描きだされつつ、だたの歴史小説に留まらず、物語がとてもスリリングでグイグイ読者を引っ張っていきます。これら議会に突中しますが、今年の内に読み上げたいと思います。

 同時に、彼のエッセイ「やどかりとペットボトル」を買って一気に半分読みました。彼は、1970年生まれ、那覇で生まれ石垣島で育ち、早稲田大学在学中に、「バガージマヌバナス」が第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞して作家活動を続けています。

 この本には、彼の子どもの頃の話や島での暮らしがほのぼのと書かれています。彼は、子どもの頃から本が大好きで空想癖があり、変わり者扱いされていたようです。周りから押し付けられる子ども像との狭間で、悩まされたようですが、この時代の経験が今の彼が描く物語の根底となっていると思うと、親として子どもを育てる視点が広くなくてはならないと痛感しました。

 アジアの中心に近い沖縄。亜熱帯の沖縄。地上戦を経験した沖縄。軍事基地に占領されている沖縄。沖縄には様々な魅力や学ぶべき点が多いと思います。沖縄の作家も多いですが、独自の視点で、独創的に沖縄の歴史と今と未来を紐解く彼の作品にも今後大いに注目していきたいと思います。

 

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