月別アーカイブ:2008年11月

県福祉医療制度、本人負担導入検討

 土曜日の中国新聞に、県の福祉医療助成について「本人一部負担検討」との記事が掲載されました。

 私も独自に、市会議員さんを通じて複数の自治体の状況を聞いたところ、今月14日に行われた県主催の市町担当者会議で、県が「一部負担金導入を検討している」ことを明らかにしたようです。

 確かに、福祉医療制度で、一部負担金を取っていないのは、群馬、神奈川、福井、山梨、岐阜、愛知、三重、和歌山、山口の9県です。しかし、山口県は、高齢者・少子化が全国トッププラスの県だから当然です。

 「住みよさ日本一の県づくり」を標榜する山口県は、今後とも、本人負担のない福祉医療制度を堅持すべきです。

 私は、昨日、宇部湾岸道路の下で半日過ごしましたが、改めて、「やっぱり、この道路の2階部分はいらなかった。」ことを痛感しました。全県ですすめられている高規格道路の工事費を縮小すれば、数百億円の財源は簡単に生まれてきます。また、過大な国体の箱物の予算の更なる縮小も急務です。県は、400億円の財源不足といいますが、見直すべき点は多数あり、私は、この制度は堅持すべきと考えます。

 私は、金曜日に、都道府県議の研修会で、片山教授から「地方財政の基本は、住民福祉の向上」と学びました。この立場で、県は、現行制度の維持を続けるべきです。

 更に、地方を財政難に追い込んでいるのは国の責任は重大です。交付税を復活させる。全国で行われている福祉医療制度は国の制度として行っていく。福祉医療制度を行っているなら国保への国の補助金をカットするというペナルティーはなくす。など、国がただちに行うべきことは山積しています。このことを、山口県は国に強く求めるべきです。

 福祉医療の関係する子どもや母子や障害者の団体の方々とも連携し、県民の運動と議会での論戦を結合させ、福祉医療制度を堅持したいと私は強く思います。

 この問題での皆さんのご意見をお聞かせください。

 

ヒヌマイトトンボ

 午前中、日本蜻蛉学会会員の原さんにヒヌマイトトンボの生息についてお話をお聞きしました。

 原さんは、1995年に、宇部湾岸道路の建設用地周辺で、ヒヌマイトトンボを発見されました。同時にこの地域のヒヌマイトトンボの一部は、雌が雄と同じ緑色であることも判明しました。本州で、雌が雄と同色のヒヌマイトトンボの生息が初めて確認されたのがこの場所です。さらに、この地域には、ヒヌマイトトンボよりも稀少なベッコウトンボも生息している地域です。ヒヌマイトトンボは、環境省のレッドデーターブックでは絶滅危惧種Ⅰ類ですが、ベッコウトンボは、絶滅危惧種Ⅰ類に指定されていると同時に、希少野生動植物種(種の保存法)にも指定されており、捕獲が原則として禁止されたトンボです。原さんは、ヒヌマイトトンボとベッコウトンボが同時に生息しているのは全国でここだけではないかと話されていました。

 原さんの指摘を受けて1998年から「厚南地区ヒヌマイトトンボ等対策検討委員会」が設置され検討が行われた結果、工事による影響を回避するために、代替地を確保し、トンボの生息を維持することになりました。ヒヌマイトトンボは、代替地で順調に生息が確認されてきたのですが、今年7月の調査で、急激に個体数が減ってきたことが明らかになりました。06年に代替地で1958匹確認されたヒヌマイトトンボが今年の調査では、466匹に激減しているのです。

 原さんは、「地球温暖化の影響もあるだろうが、深刻な状況」と話されます。そして、原さんは、「この地域をきらら浜自然観察公園のように整備して、トンボなどを保護できる環境を保護・維持していくことが大切だ」と話されました。

 私は、地元に住んでいながらあまりの勉強不足を恥じました。そして、ここまでトンボが減っている現状を共通認識とし、打開策を専門家を交えて協議していくために「ヒヌマイトトンボ等対策検討委員会」を再開する必要があることを現地に立って痛感しました。

 その上で、原さんが提案される、公園としてこの地域を守っていく手法も検討していくべきだと感じました。

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 原さんが撮影されたオスと同色のメス

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県が確保したヒヌマイトトンボの代替地(本日撮影)

 

議会のチェック機能の強化

 昨日は、第8回都道府県議会議員研究交流大会に参加しました。朝、7時過ぎに家を出て、夜の11時前に到着するハードスケジュールでしたが、充実した一日でした。基調講演は、「地方分権時代と議会の役割」と題して元鳥取県県知事で、現慶応大学教授の片山善博さんが行いました。片山さんの話は、とても教訓的でした。ひとつは、「借金しなさい。交付税で面倒みるからという路線の誤り」を指摘されました。その一つは、バブル崩壊後の経済対策です。起債を認めるからどんどん公共事業をしないさい。償還財源は、交付税措置します。この間の借金の返済が今日、どれだけ全国の自治体を苦しめているか知れません。この時、なぜ、議会は、「この手法は問題がある」と言えなかったのかを片山さんは、考えるべきだったと語ります。

 もう一つは、市町村合併。合併特例債を利用しなさい。その返済財源は交付税でみるから安心しなさいと経済対策と同じような手法が取られた。この時もバスに乗り遅れるなとの強烈な流れが出きて、次々に市町村合併が促進されました。今になって「そんなはずではなかった。」との想いが全国を覆い尽くしています。この時にも、全国が一斉に合併して交付税が足りるわけがない。結局、借金して苦しむのは、住民だということを議会がどれだけ指摘できたか反省しなければならないと片山さんは語ります。

 そして、片山さんは、執行機関のチェックが議会としての役割だと語ります。具体的には、①労使交渉の結果を条例化、予算化する際のチェック②行政委員会委員の選任同意を適切に行っているか③工事請負契約の締結の承認案件の点検が重要だと話されました。

 地方議会に本来、与党も野党もない。むしろ与党こそ、推薦した首長の品質管理をするために、厳しくチェックしなければならないと片山さんは語ります。

 私は、片山さんは当たり前の話をされたと思います。この当たり前のことを、山口県から参加した全ての会派の議員が聞いたことに意義があったと思います。

 私は、これからも執行機関をチェックする議会の構成員の一人として、その任を精一杯果たしていきたいと思います。

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都道府県議会議員研究交流大会での片山教授

  この点で、私が、この間、調査してきた問題が、今朝の中国新聞と明日付けの山口民報に掲載されています。それは、県が、平成18年2月に、キタイ設計株式会社山口支社に委託して作成した「やまぐち棚田保全モデル実証事業・やまぐち棚田実態調査業務楠北地区調査報告書」に、「吉部郷土史話」からの無断引用があったという事実です。

 現在、楠北土地改良区理事長をされている田中さんは、吉部郷土史話の編集委員であり、この程問題になった報告書作成のために行われた座談会のメンバーでした。先日、田中さんから、私に、「県が作成した報告書と吉部郷土史話に酷似した記述がある」という指摘を受けました。私は、ただちに、県農林水産部にこの事を伝え、調査が行われました。その結果、報告書の11ヶ所で、吉部郷土史話からの引用があり、そのほとんどで出典が明記されていないことが明らかになりました。そして、18日に、県とキタイ設計は、田中さんに対して、「吉部郷土史話を報告書に無断で引用した事実があり、申し訳けなかった。」「関係者に出典を明らかにした報告書を届けたい。」と謝罪しました。

 今回の報告書を県は、入札を行い、キタイ設計は、147万円で落札しました。税金が投入された報告書は、私が9月県議会で指摘したように、この地域では、ほとんど具体化されていない問題がまずあります。その上に、今回、この報告書に無断引用があったことが明らかになったわけです。

 私は、県が、本当に棚田を再生しようよいう気があるのかを疑わせる問題として憤りが収まりません。結局この報告書は、税金の無駄だったと言わざるを得ません。

 県とキタイ設計とが結んだ業務委託契約書の38条には、「甲(県)は、成果物にかしがあることを発見したときは、乙(業者)に対して相当の期間を定めて当該かしの補修を請求し」云々とあります。

 私は、完成した報告書にかしがあるとして、県は業者に補修を請求出来るのではないかと考えます。私の指摘に対して県は、「業者にかしがあるとは言えない」と言っていますが、更にこの点は、追及していきたいと思います。

 いずれにしても県が報告書を業者に丸投げして十分にチェックしていなかった体質が明らかになりました。県が業者委託して報告書などを作成した場合に、同様の問題が他にはないのか私は、引き続き県行政をチェックしたいと思います。

 私は、県民の付託に応え、税金の無駄使いを無くすために、県がコンプライアンスを徹底するために、「千里の道も一歩から」の精神で今後も奮闘する決意です。

 県民の皆さんの疑問や意見や情報を私に、どうかお寄せ下さい。

 

 

マツダ防府工場派遣社員500人削減へ

 日本共産党山口県委員会は、今月10日に、山口労働局に対して、マツダ防府工場で人員削減が安易に行われないよう求める要望書を提出しました。この時、労働局の担当者は、「現在、情報を収集している。情報が入ったら伝える」と私に約束してくれました。

 その約束が守られ、19日の昼、私の所に、山口労働局の担当者から電話が入りました。「昨日、マツダ本社から、山口労働局に連絡が入った。12月26日付で、派遣社員約500人を雇い止めしたいという内容だった」ということでした。私は、お礼を言って電話を切りました。

 私は、この情報をただちに山口県の担当者に伝えました。今朝の山口新聞では、山口労働局は、今月中を目標に対策本部を立ち上げる意向とのことですが、県内では、下関の三井の400人に続いて、防府のマツダの500人です。山口県としてもこれらの問題に対応する本部の立ち上げが必要です。私は、今後この事を強く求めていきたいと思います。

 さて、日本共産党は、今月11日に、「景気悪化から国民生活を守る緊急経済提言」を発表しました。提言の中で、国に、こう求めています。「『労働者の職業を安定させるための事業主の努力を助長するよう努める』(雇用対策法第1条)ことは国の責務です。財界にも、個別企業にも、派遣社員や期間社員の解雇をやめるよう行政指導をすることをはじめ、強力な指導、監督をおこない、国の責任を果たすべきです。」

 この立場が、山口労働局と山口県に求められています。

 その上で、提言が言うように①失業した労働者の生活と再就職への支援をおこなう②下請け企業などへの対策の強化が求められていると思います。

 マツダ防府工場は、県内で最大級の事業所です。山口県経済に及ぼす影響は大きいだけに、国・県・地元防府市が連携を取って対策を取っていくことが重要だと思います。

星野哲郎記念館とみかん狩り

 今日は、西宇部小学校PTA主催のバス旅行で周防大島に行きました。

 まず、行ったのは、星野哲郎記念館。山口県が生んだ偉人の一人である星野哲郎さんの記念館。一度は行こうと思っていました。星野哲郎さんは、4000曲をこえる歌謡曲の作詞をされました。私が、感動したのは、その原点が、20代前半の闘病生活にあったというエピソードです。記念館で買った佐藤健著「わたしの生き方星野哲郎」によると、星野さんは、高等商船学校を卒業し、漁業会社に就職しますが、結核性の腎臓病を患います。病床での楽しみは、詩や小説を投稿することだった星野青年。偶然応募した「コロムビアレコード全国府県対抗歌謡コンクール課題歌詞募集」で入選したことがきっかけで作詞家・星野哲郎が誕生したそうです。星野さんの歌詞は、「援歌」と呼ばれていますが、星野さんの詞は、若い時の苦悩を乗り越えたものだから、多くの人を励ますのでしょう。また、星野さんの詞には、海の詞が多いですが、実体験に基づいているから説得力があるのだということがよく分かりました。

 もう一つ感動したのは、「風雪ながれ旅」誕生秘話です。星野さんが、心筋梗塞で入院している時に、友人が「高橋竹山」の自伝を持ってきた。星野さんは、その本を読んで感動してこの詞が出来たそうです。私は、高橋竹山のCDを聞き自伝を読んでいます。私の川柳の駄作に「竹山の三味が津軽を旅させる」というのがありますが、私は高橋竹山を敬愛してきましたが、「風雪ながれ旅」のモデルとは知りませんでした。

 「風雪ながれ旅」は好きでカラオケで何度も歌う曲の一つです。特に、「三味が折れたら、両手で叩け バチが無ければ 櫛でひけ」の詞にはインパクトがあると思っていたのですが、竹山がモデルと知ると余計にこの歌詞に力を強く感じます。今日は、星野哲郎記念館に行くことができてとてもいい一日でした。

 サザンセトで昼食を取って、道の駅に寄って帰る予定でしたが、急きょみかん狩りにと話がまとまり直行しました。平日でしたので、貸し切り状況でのみかん狩りでした。みかんを沢山食べて、子どもたちにお土産も買いました。

 PTA会長として今年度の大きな行事がほぼ終わりました。楽しい旅行となりほっとしています。

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星野哲郎記念館にある星野さん等身大のレリーフ

 

発砲事件

 今日は、終日、12月議会に向けての日本共産党山口県地方議員会議が山口市であり、参加していました。私は、会議の司会をしていました。午後に、マナーモードにしていた私の携帯が震えます。学校からです。会議終了直後、直ちに教頭先生に電話しましたところ、「見初校区で発砲事件があった。」とのことでした。今日のスポーツ少年団の練習などは全て中止し、外で遊ばないよう子ども会を通じて各家庭に連絡を取っているということでした。 一人の親として、事件の早期解決を強く望みます。

 さて、子どもを取り巻く状況に関して、本日の毎日新聞に、興味深い記事が掲載されていました。それは、07年に国連児童基金(ユニセフ)が発表した、経済協力開発機構(OECD)加盟国を対象に実施した子どもの「幸福度」に関する調査結果です。

 「自分は孤独だと感じるか」という質問に「はい」と答えた割合は、日本が29・8%で回答のあった24カ国中トップだったそうです。2位がアイスランドの10・3%ですから、日本の数は突出しています。「自分は不器用だと思う」と答えた割合も日本が18・1%と最も多かったそうです。このデータをシンポジウムで発表したオランダ在住の教育研究家のリヒルズ直子さんは、「学力に偏重した改革ではなく、人間としての総合的な発達を目指してほしい」と話されたと報道されていますが、私も全く同感です。

 子どもが自己肯定感を持てず、孤独感を感じる社会の実情は、犯罪が増加している社会の実情と共通するものがあるように思えてなりません。

 競争社会が激化している状況がこれらの問題を増大させている思います。

 一人一人が幸福を実現できる社会を作っていくことが、子どもたちの発達にとって不可欠だと思います。このような社会を作ることが、犯罪を防止して行く上でも重要だと思います。

 私は一人の親として、一人の小学校のPTA会長として、一人一人の幸福が実現できる社会を強く望みます。