議員日誌

議会のチェック機能の強化

 昨日は、第8回都道府県議会議員研究交流大会に参加しました。朝、7時過ぎに家を出て、夜の11時前に到着するハードスケジュールでしたが、充実した一日でした。基調講演は、「地方分権時代と議会の役割」と題して元鳥取県県知事で、現慶応大学教授の片山善博さんが行いました。片山さんの話は、とても教訓的でした。ひとつは、「借金しなさい。交付税で面倒みるからという路線の誤り」を指摘されました。その一つは、バブル崩壊後の経済対策です。起債を認めるからどんどん公共事業をしないさい。償還財源は、交付税措置します。この間の借金の返済が今日、どれだけ全国の自治体を苦しめているか知れません。この時、なぜ、議会は、「この手法は問題がある」と言えなかったのかを片山さんは、考えるべきだったと語ります。

 もう一つは、市町村合併。合併特例債を利用しなさい。その返済財源は交付税でみるから安心しなさいと経済対策と同じような手法が取られた。この時もバスに乗り遅れるなとの強烈な流れが出きて、次々に市町村合併が促進されました。今になって「そんなはずではなかった。」との想いが全国を覆い尽くしています。この時にも、全国が一斉に合併して交付税が足りるわけがない。結局、借金して苦しむのは、住民だということを議会がどれだけ指摘できたか反省しなければならないと片山さんは語ります。

 そして、片山さんは、執行機関のチェックが議会としての役割だと語ります。具体的には、①労使交渉の結果を条例化、予算化する際のチェック②行政委員会委員の選任同意を適切に行っているか③工事請負契約の締結の承認案件の点検が重要だと話されました。

 地方議会に本来、与党も野党もない。むしろ与党こそ、推薦した首長の品質管理をするために、厳しくチェックしなければならないと片山さんは語ります。

 私は、片山さんは当たり前の話をされたと思います。この当たり前のことを、山口県から参加した全ての会派の議員が聞いたことに意義があったと思います。

 私は、これからも執行機関をチェックする議会の構成員の一人として、その任を精一杯果たしていきたいと思います。

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都道府県議会議員研究交流大会での片山教授

  この点で、私が、この間、調査してきた問題が、今朝の中国新聞と明日付けの山口民報に掲載されています。それは、県が、平成18年2月に、キタイ設計株式会社山口支社に委託して作成した「やまぐち棚田保全モデル実証事業・やまぐち棚田実態調査業務楠北地区調査報告書」に、「吉部郷土史話」からの無断引用があったという事実です。

 現在、楠北土地改良区理事長をされている田中さんは、吉部郷土史話の編集委員であり、この程問題になった報告書作成のために行われた座談会のメンバーでした。先日、田中さんから、私に、「県が作成した報告書と吉部郷土史話に酷似した記述がある」という指摘を受けました。私は、ただちに、県農林水産部にこの事を伝え、調査が行われました。その結果、報告書の11ヶ所で、吉部郷土史話からの引用があり、そのほとんどで出典が明記されていないことが明らかになりました。そして、18日に、県とキタイ設計は、田中さんに対して、「吉部郷土史話を報告書に無断で引用した事実があり、申し訳けなかった。」「関係者に出典を明らかにした報告書を届けたい。」と謝罪しました。

 今回の報告書を県は、入札を行い、キタイ設計は、147万円で落札しました。税金が投入された報告書は、私が9月県議会で指摘したように、この地域では、ほとんど具体化されていない問題がまずあります。その上に、今回、この報告書に無断引用があったことが明らかになったわけです。

 私は、県が、本当に棚田を再生しようよいう気があるのかを疑わせる問題として憤りが収まりません。結局この報告書は、税金の無駄だったと言わざるを得ません。

 県とキタイ設計とが結んだ業務委託契約書の38条には、「甲(県)は、成果物にかしがあることを発見したときは、乙(業者)に対して相当の期間を定めて当該かしの補修を請求し」云々とあります。

 私は、完成した報告書にかしがあるとして、県は業者に補修を請求出来るのではないかと考えます。私の指摘に対して県は、「業者にかしがあるとは言えない」と言っていますが、更にこの点は、追及していきたいと思います。

 いずれにしても県が報告書を業者に丸投げして十分にチェックしていなかった体質が明らかになりました。県が業者委託して報告書などを作成した場合に、同様の問題が他にはないのか私は、引き続き県行政をチェックしたいと思います。

 私は、県民の付託に応え、税金の無駄使いを無くすために、県がコンプライアンスを徹底するために、「千里の道も一歩から」の精神で今後も奮闘する決意です。

 県民の皆さんの疑問や意見や情報を私に、どうかお寄せ下さい。

 

 

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