益田市の診療所で、採血器具の使い回しが発覚したことを契機に、全国でその実態の広がりが明らかになっています。同時に、平成18年3月3日に厚生労働省医薬食品局安全対策課長から都道府県衛生主管部長宛てに出された「採血用穿刺器具(針の周辺部分がディスザブルタイプでないもの)の取扱いについて」という文書の取扱いが問題になっています。通知は、今回問題になったタイプの採血器具を複数人で使用しないように「貴管下医療機関等への注意喚起を図られるようお願いする。」と書かれています。最初に事案が明らかになった島根県では、中国新聞の報道によると「薬事衛生課長が通知を受けたが、健康福祉部のほかの六課と各保健所長への連絡にとどめた。」ようです。
山口県はどうだったのか。私は、数日前に調査を開始し、26日に、県の通知文書を入手しました。これは、平成18年3月8日付けの県薬務課長名によるものです。あて先は、県医師会、県歯科医師会、県薬剤師会、県病院協会、県看護協会、県薬業卸協会、県病院薬剤師会です。私は、正直、「山口県の対応は、島根県よりまし」と安心していましたら、今朝の報道です。山口県は、昨日、県立大学、県立衛生看護学院で、採血器具を学生同士が実習で使い回ししていたと発表しました。県は、身内の県立大学や県立衛生看護学院に厚生労働省課長通知を通知していなかったようです。山口新聞に、県は、「看護師を要請する学校で器具の不適切な使用申し訳ない」と陳謝したと報道がありますが、断じて許されない対応であり猛省が必要です。
島根県では、29日までに、県内57の病院で針の使い回しの実態が明らかになっています。しかし、中国新聞の報道によると厚生労働省課長通知を各病院に直接ファックスしたのは鳥取県だけだったようです。
山口県も上述したように、医療関係団体に通知しただけで、各病院への周知は、まさに「医師会任せ」「伝わるはず」の状況だったことは明らかです。山口県は、今後、県内医療機関など約一六五〇施設に対し独自に実態調査を始めたとのことですが、調査を早急に完了させ、その情報を県民に公開し、その結果、使い回しの実態が明らかなら、該当患者への身体状況の調査と対応に万全を尽くすことが重要です。
私は、引き続いてこの問題の調査と必要な発言を続けます。この問題に対する皆さんのご意見をお寄せください。
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