議員日誌

若きちひろへの旅

 連休明けの今日。小学生3人は元気に学校に。しかし、3歳の長女が熱を出しました。朝、長女を病院に連れていきました。その小児科で、知り合いの小学生を持つ親御さん二人にお会いしました。新学期と連休明けは、子どもの体調が変わるときです。皆さんの子どもさんは、連休明けお元気だったでしょうか。4人も子どもがいると、我が家では、誰かが小児科のお世話になります。

 さて、昨日から、平山知子著「若きちひろへの旅」を読んでいます。今、上の半分辺りを今、読んでいるところです。

 私は、ちひろの人生で衝撃を受けたことがあります。それは、ちひろの最初の夫が自殺したという事実です。そのことは、日本テレビで放映していた関口宏の「知ってるつもり」という番組で知りました。その後のちひろの開花を知る上で、この辺りの経過を詳しく知りたいと漠然と思い続けていました。その経過が、この本の第二章「仮面の花嫁」に詳しく書かれています。

 3姉妹の長女として生まれたちひろ。家を背負って結婚を余儀なくされたちひろ。ちひろは、彼を生理的に拒絶します。彼は、性病を患い自殺してしまいます。

 遺骨になったかれは、初めてちひろの腕に抱かれたのです。作者の平山知子さんは、日弁連の両性の平等に関する委員会委員長も務めた弁護士です。

 作者は、「今でもこそ、婚姻は両性の合意のみで成立すると憲法24条に規定されているが、当時はちひろのような結婚はいくらでもあった。さらに、今は、『性的自己決定権』、つまり、女性がどのような男性と、いつ性的交渉を持つかは自分の意思で決定できるということが、女性の人権として認められ始めている。当時は、いや今でもそようなな考え方が圧倒的ではあるが、結婚すれば性交渉は当たり前、特に妻はそれに応ずる『義務』がある、これに応じないのはけしからんことであり、夫である相手を傷つけ、苦しみを与えることだという評価を受ける。」と弁護士としての的確な指摘を行います。

 また、作者は、最初の結婚をした当時のちひろが全く絵を描かなかったことに注目して、「『自分らしく人間として生きる力』さえ失っていたからではないかと思う。自分の肉体を抹殺するという意味での『自殺』をする前に、ちひろは『尊厳をもった人間』としてはすでにほとんど死んでいた。それほど、ちひろの苦しみは深かったのではないだろうか。」と述べています。

 更に、作者は、「ちひろが自分自身をもう一度『人間として生き返らせるため』に、どうしてもやらなければならない、『この時代の自分の過去』との決別であったのではないかと思う。これまでの人生のページから、そこの部分だけは切り捨てなけらば、次の新しいページをめくることだできなかったのではないだろうか。ちひろは、けっしてうしろむきではなかった。苦悩の中からもけんめいに『生きる力』をもとめようとしていたのである。」としています。

 ちひろの人生を知り、金子みすずの結婚生活や時実新子の最初の結婚生活の話をそれぞれ思い出しました。時代を切り開いた女性たちには、共通する苦悩があったようです。しかし、時代に耐えるだけでなく、それを切り開く「生きる力」も共通しているようです。

 この本を読みながら、ちひろがもっと好きになりました。次は、戦後のちひろの物語です。

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