29日、奈良県で、妊婦が救急車内で死産するという事故が起こりました。搬送拒否で、妊婦死亡事故から1年。また、奈良県での痛ましい事故です。
奈良県には、周産期母子医療センターがありませんでした。山口県は、県立総合医療センターに、周産期母子医療センターが設置されています。毎日新聞の妊婦の死亡率の調査にようと、出生数10万あたりの妊婦の死亡割合が、一番低いのが広島県、1.84です。山口県は、5.42。全国平均は、6.39で、山口県は、それよりは低いですが、中国地方では、一番高いのが山口県です。山口県では、奈良県のような事故が起きないと誰が言えるでしょうか。
やはり、このような事故が起きる背景には、産婦人科医不足があります。山口県ではどうでしょう。病院一施設あたりの医師数は、産婦人科医が、全国平均3.7人に対して、山口県は、2.6人と深刻です。
政府は、「医師が増えると医療費が膨張する」といって医師の養成数を減らし続けてきました。これが、医師不足の最大の原因です。
厚生労働省、文部科学省、総務省などでつくる「地域医療に関する関係省庁連絡会議」が30日に、開かれ、全都道府県を対象に「緊急臨時的」な医学部定員増を認める方針を確認したようです。
この方針は、1997年に、閣議決定された、「医学部定員削減」の一部見直しです。この背景には、今回の妊婦事故など医師不足故の相次ぐ痛ましい事故への対応の必要性からでしょう。また、日医連推薦・武見敬三氏落選という参議院選挙での医療界・大激震を受けての対応だといえます。
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