安倍首相は27日午前、旧日本軍が1941年12月に奇襲攻撃を仕掛けたハワイ・真珠湾を「慰霊」のため訪れ、追悼施設「アリゾナ記念館」でオバマ米大統領とともに献花・黙とうしました。
日本共産党の志位和夫委員長は、安倍首相の真珠湾訪問に関して以下の談話を発表しました。
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反省なき外交では、真の和解と友好を築くことはできない――安倍首相の真珠湾訪問について
2016年12月28日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫
一、安倍首相の真珠湾訪問で何よりも問われたのは、首相が過去の日本の戦争をどう認識しているのか――その歴史観、戦争観だった。しかし、首相がのべた所感では、「戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない」というだけで、過去の戦争に対する認識は一切語られなかった。
75年前の真珠湾攻撃は、中国侵略戦争の行き詰まりを、戦線をアジア・太平洋全域に広げることによって打開しようとした、文字通りの侵略戦争である。日本の首相が真珠湾を訪問するというのならば、アメリカ国民に対してだけでなく、アジアの諸国民、そして日本国民に、甚大な惨害をもたらしたアジア・太平洋戦争に、真摯に向き合い、この戦争をどう認識し、どう反省しているかを、語るべきだった。
一、安倍首相は、2013年12月の靖国神社参拝に対して、内外からの厳しい批判が集中したのち、過去の戦争を美化する「歴史修正主義者」としての本心を隠しながら、「『戦後』を過去のものとして終わらせる」ために腐心してきた。2015年8月の「安倍談話」に続く、今回の真珠湾訪問は、そうした試みの一つである。
しかし、過去の日本の戦争を「間違った戦争」とは決して認めようとしない(2015年5月・党首討論)反省なき外交では、世界とアジアの諸国民との真の意味での和解と友好を築くことはできない。
一、安倍首相が所感でもっぱら強調したのは、戦後の一時期における米国の対日政策を礼賛することで、日米軍事同盟を「希望の同盟」として全面的に美化し、「いままでにもまして、世界を覆う幾多の困難に、ともに立ち向かう」と誓約することだった。
しかし、アフガニスタン戦争、イラク戦争のような米国の侵略と覇権の戦争に、自衛隊が安保法制=戦争法によって参戦し、「殺し殺される」道を進むことのどこに「希望」があるのか。沖縄での米軍基地問題が象徴しているような対等な主権国家間の関係とはいえない異常な従属体制を放置したまま「希望」が語れるか。
異常な従属を特徴とする日米関係の現状を変革し、対等・平等・友好の関係を築くことにこそ、21世紀のあるべき日米関係の未来像がある。
一、日本共産党は、日本外交を、過去の歴史に誠実に向き合う外交、憲法の平和主義をつらぬく外交、自主独立の外交に切り替えるために力をつくす決意である。
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安倍首相の真珠湾訪問に関して皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
22日付しんぶん赤旗日刊紙に、同志社大学大学院教授の浜矩子さんの「経済のあり方と共産党大会決議案」と題するインタビュー記事が掲載されています。
浜さんは「経済政策の本来の役割は経済の均衡回復と弱者救済です。安倍政権はそれとまったくかけ離れ、強い国家の土台となる強い経済づくりというよこしまな下心をもって経済運営にあたっています。それゆえに経済活動のバランスが崩れ、格差と貧困の犠牲になる人々が増えている。究極のゆがみです。政府がしりをたたいても人々はお金を使わない。経済活動が動かなくなっています。恐慌という経済活動のショック死的な現象と違って、だんだん回転が遅くなって、ついには停止状態に陥る。そういうプロセスに日本経済を追い込んでしまいました。」と述べています。
総務省が27日発表した11月の家計調査によると、1世帯(2人異常)当たりの消費支出は27万848円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.5%減少しました。マイナスは9カ月連続。2月のうるう年効果を除くと、マイナスは1年3カ月連続となります。
同時に発表した11月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指標が99・8となり、前年同月比0.4%下落しました。9カ月連続のマイナスです。
総務省の調査で分かった消費支出15カ月連続減と消費者物価9カ月連続マイナスは、浜さんが指摘する日本経済が「だんだん回転が遅くなって、ついには停止状態に陥る」プロセスに入っていることを示しているのではないでしょうか。
浜さんは、「今の資本の動きには全然ルールがありません。ものすごく大きなスケールで国境を越え、速く、節操なく飛び回る。これまでと全く違う次元です。資本をどうやってまともな枠組みの中に引き戻すか。すべを見つけ出さなくてはいけません。まともな枠組みとは、経済が人を幸せにする、格差と貧困が広がることのない経済のあり方です。」と述べた上で、「決議案の『4つの改革』はいずれも納得性が高い。」と述べています。
日本共産党の大会決議案にある4つの改革とは。
①前金の集め方の改革-「能力に応じて負担する、公正・公平な税制」
②税金の集め方の改革-「社会保障、若者、子育て中心の予算」
③働き方の改革-「8時間働けばふつうに暮らせる社会」
④産業構造の改革-「大企業と中小企業、大都市と地方などの格差を是正」
(詳しくは日本共産党中央委員会のHPを参照してください。)
最後に浜さんは「立憲主義を壊す安倍政権を決議案が『戦後最悪の反動政権』と呼んだのはその通りです。『戦後レジュームからの脱却』を明言し、これほどませに大日本帝国に立ち戻りたいという思いを前面に出した政権はありませんでした。明らかに国民の上に国家を位置づけようとしています。共産党が市民と野党の共闘を明確に打ち出していることが貴重です。野党共闘で現政権の打倒を一刻も早く成し遂げなければなりません。野党共闘で国民連合政府を何としても実らせないと。ものすごく切迫感のある課題だと思います。」
私は、衆議院山口3区で、野党共闘を実現させ、野党の国会議員を誕生させ、中国ブロック比例で日本共産党が複数議席を獲得できるように、浜先生の提言を力に益々頑張ろうと決意を新たにしました。
安部龍太郎さんの「下天を謀る」を読んでいます。
文庫版の解説で三重大学の藤田達生教授は、高虎が秀長に出会って成長したと書いています。
「秀長に仕えての政治思想に共感した高虎が、天正十九年(1591)に52歳で病没した主君の遺志と人脈を受け継ぎ、安定した武家政権の確立を、家康の参謀となることで実現した。」
作中に秀長が高虎に「人の上に立つ者は、人の幸せと喜びのために尽くさなくてはならぬ。戦などは愚かなことだ」「実りが豊かで戦いがなければ、皆が幸せになれるのじゃ」と諭す場面が出てきます。
安部さんは、この時の高虎の心情を「これまでは敵に勝ち手柄を立てたいと思うばかりで、何のために戦っているかと考えたことはない。そのことに思い当たり、不意打ちをくらったような衝撃を受けたのだった。」と書いています。
更に、藤田教授は、高虎について「幕府の法令に藩を創るためのマニュアルはなかった。高虎は、幕藩体制という新たな武家国家の屋台骨を築くことに献身した敏腕政治家だった。」と書いています。
藤田教授は、「司馬氏は全作品で高虎を俗物武将の典型として一貫して描いている。」と指摘した上で、安部さんの本作について「高虎の人脈に彼の大成を描いたことは、司馬文学へのアンチテーゼだと私は理解している。」と書いています。
藤田教授は、「いかなる大名も司馬氏が好むような『男のロマン』に人生を捧げたりはしなかったとみている。現代的に表現するならば、彼らは、『社長』なのであり、何千・何万の『社員』とその家族を路頭に迷わせるわけにいかなかったのだから。」とも書いています。
藤田教授らは、三重県で、「下天を謀るプロジェクト」に取り組んでいるそうです。
具体的には高虎を活かした町おこし運動です。
根拠のない高虎像を打破し、新しい戦国時代像に挑戦し、町の活性化に繋げる意欲的な運動に読んでいた私もワクワクしてきました。
民の暮らしの安定のために力を尽くした高虎の人生を「下天を謀る」の中で、読み解いていきたいと思います。
司馬さんの戦国像を超える新しい戦国時代像を描こうとする「下天を謀る」を読む中で、戦国時代の真の姿を学びたいと思います。
藤田教授の解説で、この作品が百倍興味深いものに思えてきました。
年末は、「下天を謀る」の読了にあてたいと思います。
相次ぐ米軍機墜落事故で要請
大平衆議院議員と藤本衆院候補らが
中国四国防衛局へ事故を受け要請
日本共産党の大平喜信衆議院議員と衆院比例中国ブロック垣内京美候補、中国5県の衆院小選挙区候補、地方議員が12月22日、中国四国防衛局(広島市)を訪れ、米軍海兵隊岩国基地所属機などで相次ぐ墜落事故の原因究明や、安全が確保されるまで飛行中止などを要請しました。
中国5県から約30人が参加。山口県からは、藤本一規3区候補を含む4人の衆院小選挙区候補、木佐木県議、山田岩国市議が参加しました。
大平議員は「中国地方は日米一体の戦争する国づくりの一大拠点になろうとしている。大変な怒りと不安を感じている住民の立場から許すわけにはいかない」と強調しました。
今月7日に岩国基地所属のFA18ホーネットが高知沖で墜落した際の訓練内容について、担当者は「米軍の運用に関することで承知していない」と回答しました。
9月に沖縄本島沖で墜落したAV8ハリアーと併せ、日米政府として米側に飛行中止を求めておらず、担当者は「米側で対策が講じられた上で飛行している」と述べました。
米国外で初となるF35Bの岩国基地配備を「実験場みたいなものだ」と批判したのに対し、担当者は「配備は問題ない」と発言。
オスプレイを墜落させた空中給油機の美保基地配備撤回の要請にも「中止する位置づけではない」と答えました。
要請団(二列目左端が藤本衆院山口3区予定候補)
「岩国基地の今を知る学習会」盛況
うべ憲法共同センターは12月23日、吉岡光則岩国平和委員会事務局長を講師に「岩国基地の今を知る学習会」を行いました。
来年度政府予算案は、艦載機移駐に伴い、山口県に支給される「再編関連特別地域整備交付金」を盛り込みました。交付金は、17年度以降3年間延長される見通しです。
吉岡事務局長は、「県知事が、F35B受け入れを表明した直後に、交付金の延長が決まった。露骨な買収政治だ。」と述べました。
吉岡光則岩国平和委員会事務局長から学ぶ
第5回うべ憲法共同センター市民公開講座
テーマ「経済政策は何のため~さらば下心政治~」
日時 3月4日(土)
14:00開会 16:00閉会
会場 宇部市総合福祉会館4階大ホール
宇部市琴芝町2丁目4-20
℡0836-38-3136
会費 500円
講師 浜矩子同志社大学大学院教授
浜矩子同志社大学大学院教授
主催 うべ憲法共同センター
山口民医連内 ℡0836-35-9355
事務局 藤本 090-3747-2855
一気
あけましておめでとうございます。「飛ぶ総理 落とす勢い出す選挙」この川柳は、山口民報新年号に投句した私の作品です▼日本共産党第27回大会決議案は「安倍政権の強権政治=暴走政治は、この政権の『強さ』では決してない。それは、古い自民党政治が深刻な行き詰まりに直面し、国民との矛盾をいよいよ広げていることのあえあわれにほかならない」と述べています▼今年は、酉年です。鳥に関する諺に「飛ぶ鳥を落とす勢い」があります。「飛ぶ鳥を落とす勢い」は、暴走政治を進める安倍政権にあるのではなく、野党と市民の共同を進める私たちにあるのです▼今年は、総選挙の年です。私は、日本共産党の衆院山口三区予定候補として、野党と市民の共闘で勝利を目指して頑張ります。同時に、比例中国ブロックでの大平喜伸衆議院議員の議席を確保し、複数議席の獲得を実現していくために頑張る決意です。酉年の今年が、皆様にとって「飛躍の年」となることを願っております。
13日付の毎日新聞は、「たん吸引や栄養剤注入などの医療的変えが必要な子どもについて、全国の主要自治体のうち少なくとも12市区が保育所に受け入れない方針でいることが毎日新聞の自治体アンケートで分かった。」と報じました。
このアンケートは、10月~11月、政令指定都市、道府県庁所在地、東京23区の計74自治体を対象に実施されたものです。
今年6月の児童福祉法改正で自治体に医療的ケア児支援強化の努力義務が課せられました、毎日新聞は、「全国的に保育所の受け入れ準備は進んでいない。」「医療的ケア児を受け入れないと回答した12市区が挙げた理由は『看護師を配置できない』『安全確保が困難』『待機児童対策を優先している』など。背景には財政難や看護師・保育士確保の難しさがあるという。調査対象の74自治体に比べ財政基盤や弱い中小自治体は、さらに対策が遅れている可能性が高く、医療的ケア児は障害者福祉の対象外となるケースも多い。」と報じています。
毎日新聞の記事に山口県立大学の空田助教は「法改正で自治体は医療的ケア児支援に務めるように明記されたおり、自治体は早急に支援体制を整えるべきだ。医療的変えを理由に、保育園という発達の場の選択肢を奪われることがあってはならず行政の責任で保障されなくてはならない。国が主導して拠点園の整備などのモデル事業を進めるべきだ。」と述べています。
毎日新聞の調査対象であった山口市は、医療的ケア児を行け入れ可能と答えています。
その他の県内市町の受け入れは可能なのでしょかうか。
22日付毎日新聞に「医療的ケア児と学校生活」と題する宇田川記者のレポートが掲載されていました。
レポートには、「新生児集中治療室の整備などにより先天的な疾病で従来は出産直後に亡くなっていた命が救われる例が増え、医療的ケアが必要な子どもも増加傾向にある。公立の特別支援学校では2006年の501人から15年度は8143人に増えた。」と書いています。
レポートは更に「文部科学省は16年度、看護師配置経費の一部を自治体に補助する事業の対象を、特別支援学校がででなく小中学校に広げ、7億円を計上した。17年度は8億4000万円に拡大する方針だ。17年度からはさらに、医師や看護師らと連携して受け入れ態勢の充実を図る学校など30か所を支援する事業を支援する事業も盛り込んだ。」と書いています。
私は、以前、特別支援学校内で医療的ケアが必要な児童・生徒が校外活動に参加できてにくい状況をお聞きしました。
原因は看護師の態勢の不十分さでしたが、この問題を県議会で取り上げる中で、特別支援学校内の医療的ケアが必要な子どもたちが、校外活動に参加できる態勢が整備されました。
また、PTA活動の仲間であるある役員さんが、医療的ケア児を抱えておられます。
現在は、子どもさんは、病院内学級で学んでおられます。
そのお母さんから聞いたお話しを思い起こしながら、毎日新聞のこれらの記事を読みました。
児童福祉法改正で自治体に児童福祉法改正で医療的ケア児支援強化の努力義務が課せられたのなら、それに見合う態勢が各自治体で確立できるよう、国や県は財政支援を抜本的に強化すべきだと思います。
特別支援学校においても、保育園においても、小中学校においても、医療的ケア児が育ち学ぶ環境を拡充していくことが必要だと思います。
医療ケア児を抱えておられる県内の保護者の皆さん。県内の状況をお教え下さい。
18日付しんぶん赤旗「日曜版」に作家の安部龍太郎さんのインタビューが掲載されています。
安部龍太郎さんの最新刊は「家康」。安部さんは、家康について次のように語っています。
「江戸時代の家康像は、『神君・家康公史観』です。江戸幕府を倒した明治政府は、幕府の理念を否定し創健者の家康にも非常に否定的な見方をした。そこから生まれたのが、『タヌキおやじ史観』です。われわれも、知らず知らずのうちに明治政府の思想操作に影響されている。でも僕は、神君でもタヌキおやじでもない、生身の人間としての家康が書きたかった。約260年の江戸幕府の基礎を描いた人間を、生きた現場から見直したかったんです。」
安部さんは、現代の現象に警鐘を鳴らします。
「戦国だけでなく、日本史全域に若い人たちが正しい歴史観を持ちにくくなった。この現状は大変な問題です。戦前は歴史を正しく認識する知力が育っていない」
「日本はもちろん、世界中でナルシシズム(自己愛)が肥大化しています。これがぶつかりあったらどうなるか。戦争になりますよ。この風潮は非常に危うい。でも、その方向へ誘導しようとする人たちがいるんです。例えば戦前の歴史を肯定すべきところと否定すべきところを客観的に評価して、そこから自分の方向性を見いだす必要があると思います。そこで手抜きして『日本良い国』と思い込んでいては、また戦前のような過ちを繰り返してしまう」
私は、安部さんの言葉が脳裏から離れず、今、安部龍太郎著「下天を謀る」を読んでいます。
信長、秀吉、家康の激動の時代を生き抜いた武将・藤堂高虎の物語です。
安部さんが描く戦乱の中に入り込んだような気持ちで読み始めました。
安部龍太郎さんの作品を少しづつ読んでみようと思います。「家康」も読んでみたいですね。
歴史を評価する視点を学びたいと思います。
安部ファンの皆さん。お勧めの作品を紹介してください。