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映画「ドローン・オブ・ウォー」

 村瀬広著「映画は戦争を凝視する」をガイドに広瀬さんが紹介する戦争に関わる映画を順番に観ています。

 第一章は、「9.11テロ以降の戦争と映画」です。

 いつものように、宇部市で一番大きいレンタルビデオショップにあった映画を順番に観ています。

 「ユナイテッド93」「告発のとき」「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」「アメリカン・スナイパー」を観ました。

 どの映画も強烈に戦場や兵士の日常を描いた作品で、私の脳裏に焼き付くものばかりでした。

 村瀬さんは、この本の中で「イラク戦争では、4500人以上の米軍兵士が戦死している。イラク戦争は終わったことになっているが、イラクから帰還した兵士の『戦争』は終わっていない。(中略)なお悲惨なのは、イラクの民間人が12万人も犠牲になっていることである。」

 イラク戦争が国際法違反と指摘されている実態を鋭く表現した映画が「ドローン・オブ・ウォー」でした。

 この映画は、オバマ政権のもとで行われた無人戦闘機ドローンをつかった攻撃を扱った作品です。

 村瀬さんは、以下のようにこの実態を指摘しています。

 「オバマ政権がアルカイダ幹部殺害など、無人戦闘機ドローンを使った秘密作戦をアフガニスタンやイラク、リビア、パキスタン、イエメンなどで展開してきたことは周知のことだ。政権発足後、非戦闘地域での無人機攻撃は数百件に上り、ブッシュ政権時をはるかに上回っている。無人機攻撃は米国兵の犠牲を伴わないが、現地の多数の民間人を犠牲にしている。パキスタン外務省は、アメリカの無人機攻撃を主権侵害、国際法違反と批判しているが、アメリカは続行の方針をまげていない。」

 村瀬さんは、更に、無人戦闘機の攻撃について次のように指摘しています。

 「ドローンはロボット兵士と並ぶ究極の兵器である。戦闘地域に行かず、母国の安全な場所から遠方の敵に的確な攻撃をヒットさせることができる。『アメリカ人の命を守る』ことが大義名分である。(中略)無差別爆撃ではなく、正確な標的殺害だから巻き添え被害は最小限で済むといわれるが、果たしてそうだろうか。攻撃はつねに過剰に行われているのではないか。(中略)2012年にアメリカ・スタンフォード大学やニューヨーク大学の研究機関がパキスタンにおけるドローンの犠牲者家族や目撃者、政府関係者などにインタビューした結果では、①一般市民が負傷し、殺害されている、②一般市民の日常生活に被害をもたらしている、③アメリカがより安全になったする証拠はあいまいである、④『法の支配』『国際法』による保護が軽視されている、などと指摘、批判されている。2010年時点の事実を背景にしたこの映画は、ドローンの使用倫理のみならず、科学・技術がもたらす現代戦争の深い闇を物語っている。」

 映画の中で、無人戦闘機を操縦する兵士が「ここは、テロリスト製造工場だ」という趣旨の発言をしましたが、アメリカ軍による非戦闘員への攻撃が、新たなテロを生む温床となっていると感じました。

 最近、金閣寺・銀閣寺住職である有馬頼底さんと立命館大学名誉教授である安斎郁郎さんとの対話本「宗教者と科学者のとっておき対話」を読みました。

 その中で、安斎さんは「科学をきちんと管理し、制約しないと、とめどもない破壊のほうに向かいかねないわけです。こうした科学の行き過ぎた進歩にブレーキをかけるのは、科学それ自身ではなく、文学や芸術、宗教だと私は深く信じています。」「科学はいくらでも人を殺す道具立てをつくることができますし、ドローン兵器をはじめもっとやっかいなものができていくと思います。それに歯止めをかけるのは、命の大切さという普遍的価値を持つ仏教の思想が大事です。」とこの本の中で述べています。

 ドローン兵器だけではなく、核兵器や原子などの科学の行き過ぎた進歩に、ブレーキをかけるのは、「命の大切さと言う普遍的価値」であることは間違いありません。

 今、世界でまん延している新型コロナウイルス感染症をめぐる状況は、こうした科学の行き過ぎた進歩を見直し、「命の大切さという普遍的価値」を世界で共有していくことの重大さを世界に知らせていると思います。

 新型コロナウイルスがまん延する最中、映画「ドローン・オブ・ウォー」を自宅で視聴しました。

 この映画から多くのことを学びました。引き続き、村瀬広著「映画は戦争を凝視する」をガイドに、「戦争と映画」について学んでいきたいと思います。

 皆さん方がご覧になった映画の感想をお聞かせ下さい。

林地開発許可制度要綱に太陽光発電施設の運用細則を追加

 太陽光発電施設に係る国の運用細則の追加に伴い、県の「林地開発許可制度の実施に関する要綱」が一部改正されました。

 施行日は、今年の4月1日です。

 私は、今年の3月6日に行った2月県議会一般質問で「林野庁長官は、県知事に対して『太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の許可基準の運用細則』を通知した。県は、この通知を受けて、『林地開発許可制度の実施に関する要綱』を見直すべきと考えるが、見解を示されたい。」と質しました。これに山根農林水産部長(当時)は「通知に関する国の説明会を受け、既に、県要綱の一部見直しについて、検討している」と答えました。

 私は、「要綱見直しの改定時期について」再質問しました。これに山根部長は「今後の見通しについて、申し上げられる段階にない」と答えました。

 国の通知を受け、県の要綱見直し作業が進み、この程の要綱一部改正となりました。

 改定された要綱は、県ホームページの農林水産部「森林整備課」のページに掲載されています。

 改定要綱の概要は以下の通りです。

 申請書に添付する書類として、太陽光発電施設の設置を目的とした場合は「地域住民説明会等概要書」の提出を求めています。

 添付する図面として、太陽光発電施設の場合は、パネル配置図の提出を求めています。

 審査基準の一般的要件として太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の場合以下のように定められてました。

 「防災や景観の観点から、地域住民が懸念する事案があることから、申請者は、林地開発許可の申請の前に住民説明会等の実施を通じて、地域住民の理解を十分に得るための取組を実施することが望ましい。ついては、申請書に説明会等の開催状況を記載した書面を添付すること。なお、説明会等を対象とする地域住民の範囲やその開催頻度等については、関係市町と相談の上判断することとし、説明会等の開催が必要ないとした場合には、その経過を書面に記載すること。」

 「太陽光発電事業終了後の土地利用の計画が立てられており、太陽光発電事業終了後に開発区域について原状回復等の事後措置を行うこととしている場合は、当該申請書の計画説明書に、植栽等、設備撤去後に必要な措置を記載するとともに、土地所有者との間で締結する当該土地使用に関する契約に、太陽光発電事業終了後、原状回復等する旨を盛り込むことが望ましい。以上の措置は、太陽光発電施設に係る開発区域が、太陽光発電事業終了後に原状回復等したときに、当該区域の地域森林計画対象森林への再編入を検討することをあらかじめ考慮して行うものとする。」

 「林地開発許可後に採光を確保すること等を目的として残置森林又は造成森林を適度に伐採することがないよう、あらかじめ、樹高や造成後の樹木の成長を考慮した残置森林又は造成森林及び太陽光パネルの配置計画とすること。

 「開発行為をしようとする森林の区域が、市街地、主要道路等からの良好な景観の維持に相当する悪影響を及ぼす位置にあり、かつ、設置される施設の周辺に森林を残置し又は造成する措置を適切に講じたとしてもなお更に景観の維持のため十分な配慮が求められる場合にあっては、太陽光パネルやフレーム等について地域の景観になじむ色彩等にするよう配慮することが望ましい。」

 「太陽光発電施設を自然斜面に設置する区域の平均斜度が30度以上である場合には、土砂の流出又は崩壊その他の災害防止の観点から、可能な限り森林土壌を残した上で、擁壁又は排水施設等の防災施設を確実に設置することとする。ただし、太陽光発電施設を設置する自然斜面の森林土壌に、崩壊の危険性の高い不安定な層がある場合は、その層を排除した上で、防災施設を確実に設置することとする。なお、自然斜面の平均傾斜度が30度未満である場合でも、土砂の流出又は崩壊その他の災害防止の観点から、必要に応じて、適切な防災施設を設置することとする。」

 森林又は緑地の残置又は造成による環境保全の基準の「開発行為の目的」別の表の中に、「太陽光発電施設の設置」が盛り込まれました。

 「森林率はおおむね25%(残置森林率はおおむね15%)以上とする。」とされた上で次のように明記されました。

 「1、原則として周辺部に残置森林を配置することとし、事業区域内の開発行為に係る森林の面積が20㌶以上の場合は原則として周辺部におおむね幅30メートル以上の残置森林又は造成森林(おおむね30メートル以上の幅のうち一部又は全部は残置森林)を配置する。また、りょう線の一体性を維持するため、尾根部については、原則として残置森林を配置する。2、開発行為に係る1箇所辺りの面積はおおむね20㌶以下とし、事業区域内にこれを複数造成する場合は、その間に幅おおむね30メートル以上の残置森林又は造成森林・緑地を配置する」

 全国の自治体では、要綱を条例にしているところや森林率を上乗せしているところもあり、引き続き、山口県における太陽光発電施設に係る林地開発許可制度については、見直しを求めて引き続き必要な発言を続けていきたいと思います。

 その上で、山口県の林地開発許可制度に太陽光発電施設の運用細則が明記された点については、この問題で一般質問を行った議員として、率直に評価したいと思います。関係者のご努力に感謝します。

 県の林地開発許可要綱に太陽光発電施設の運用細則が追加されました。

 皆さん方のご意見をお聞かせ下さい。

厚東川沖ノ旦地区の堤防設置工事の現状

 厚東川の沖ノ旦地域の堤防設置工事の現状を報告します。

 私は、昨年9月県議会で、厚東川への堤防設置について次のように質問しました。

 「2009年9月の県議会において私は、厚東川水系河川整備計画を策定し、沖ノ旦橋以北の堤防未設置区域で事業着手をすべきだとただしました。その後、厚東川水系河川整備計画も策定され、そして、沖ノ旦橋以北四キロの堤防の整備計画に基づき事業着手が行われてはいるところです。

 しかしながら、資料5のとおり、昨年から今年8月までに、当該地域に厚東川氾濫のおそれがあるとの理由で、3回の避難勧告が延べ268人に出されています。
 現在着手されている430メートル区間の築堤工事を早急に完了させ、全長4キロの築堤工事を急ぐべきですが、県の見解をお尋ねします。」

 これに、森若土木建築部長(当時)は次のように答えました。
 「厚東川については、お示しの河川整備計画に基づき、これまでも築堤工事などを行ってきたところであり、引き続き、厚東川流域の住民の安心・安全を確保するため、河川改修を着実に進めてまいります。」

 今月中の工期で、現在、厚東川沖ノ旦地区で地質調査が行われています。

沖ノ旦地区工事

樋門築造へ矢板を打つための地質調査実施中

 宇部土木建築事務所の担当者に確認したところ、地質調査は、この地点に樋門を設置のために行われるものです。河川中に矢板を打つための地質調査です。

 担当者は、「この箇所での樋門の設置工事を進めながら、現在着手している430メートル区間の築堤工事を着実に進めていきたい」と答えました。

 引き続き、当該地域住民の安心・安全を確保するため、河川改修を加速させるために必要な発言を引き続き行っていきたいと思います。

 皆さんの河川改修に対する要望をお聞かせ下さい。

美祢市議会議員選挙スタート

 昨日、美祢市議会議員選挙がスタートしました。

 日本共産党からは現職の三好むつ子候補に加え新人の山下やすのり候補が立候補しています。

 私は、山下やすのり候補の出発式で挨拶しました。

山下出発式

美祢市議選、山下候補出発式で挨拶する私

 私の挨拶した趣旨は以下の通りです。

・・

 山下やすのり候補の出陣式にご参加の皆さんおはようございます。
 山下さんを一言で評するならば、「信頼のおける人」だと思います。信じて頼れる山下さん。私も心から皆さんに山下さんを推薦します。あともう一押し山下候補を押し上げて下さい。必ず市議会に送って下さい。
 山下候補と美祢市とのキーワードは、「直す」です。山下候補は、美祢市で「ワイワイキャンパス」を開いて、子どもたちの勉強の苦手を直してきました。そして、自動車整備会社を経営し、美祢市の車を直してきました。山下候補の仕事に美祢市の政治を直す仕事を加えて下さい。
 美祢市の政治を直す上で最大の問題は、二つの市民病院の統廃合を食い止めることです。去年の11月、私は、山下候補と一緒に、厚生労働省との交渉に参加ました。山下候補は、「美祢市の市立病院を守れ」と厚生労働省の官僚に直談判しました。今日、立候補する候補の中で、美祢市民病院を守れと厚生労働省の官僚に直談判した人がいるでしょうか。山下候補を市議会に押し上げていただいて、美祢市の二つの市立病院を守りましょう。
 3月市議会に、公的病院の「再編統合」の撤回を求める請願が出されました。賛成したのは、三好議員だけです。自民公明系議員と他の議員は全員反対しました。議会に提出された請願に反対する議員に、病院統廃合を阻止することは出来ません。美祢市の市立病院を守れるのは、山下候補です。
 山口県でも患者さんが増え、新型コロナウイルスに対する不安がかつてなく広がっています。三好さん山下さんと私の連名で、美祢市長に、新型コロナウイルス対策の申し入れを行いました。美祢市の政党や候補者の中で、新型コロナウイルス対策の申し入れを市長に行った団体や候補者があったでしょうか。新型コロナウイルス対策の不安な中だからこそ山下候補を押し上げて下さい。
 新型コロナウイルスの不安が広がる時に、市民の命の砦である市立病院をなくすわけにはいきません。市民病院を守れの願いを山下さんに大きくお寄せ下さい。
 明日から期日前投票が始まります。天気の良い時に、投票所に足を運んでください。この1週間で、山下の声をあと一まわり広げてください。必ず山下やすのりさんを市議会に送りましょう。よろしくお願いいたします。

・・・

 引き続き、新型コロナウイルス対策に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

大型盛土 県内に968か所

 3月31日付毎日新聞に大型盛土の事が報じられていました。

 阪神大震災の際、兵庫県西宮市で地滑りが発生し、34人が死亡する被害が発生したことなどを受けて、国は、06年に宅地造成等規制法を改正し宅地耐震化促進事業を創設しました。

 谷など3000平方㍍以上に土を埋めた谷埋め型と20度以上の斜面に5メートル以上の土を盛った腹付け型の同造成地を大規模盛土と定義し、国は、自治体に分布マップ作成と危険度調査、国、自治体、住民の三者で対策工事を進めるよう求めてきました。

 ようやく、全国の大型盛土の状況把握が完了し、毎日新聞の報道となりました。

 報道によると全国の大型盛土箇所は51306か所、山口県内は、968か所となっています。

 1月30日の中国新聞の報道によると県内で、大型盛土造成地が存在していることを公表している自治体は、17市町となっています。

 中国新聞は、国は「近く技術的な指針を作成。優先的に補強が必要な個所の判定方法などを示し、迅速化につなげたい考えだ。調査で危険と判明した場合の工事費は、住宅を集約する地域として自治体が定めた『居住誘導区域』にある造成地であれば、補助率を4分の1から2分の1に上げる。」と報じています。

 県土木建築部に確認したところ「県内の状況調査は県が行った。これから、市町が、優先的に補強が必要な個所を決めることになる。その後の地質調査や危険とされた場合の工事費などは今後明らかにしていくこととなる。」との説明を受けました。

 皆さんの身近なところにも、大型盛土が存在しています。

 大型盛土に対する皆さんのご意見をお寄せ下さい。関係機関に働きかけていきたいと思います。

新型コロナウイルス対策(第二次)知事に申し入れ

 日本共産党山口県委員会(佐藤文明県委員長)と同県議団(木佐木大助団長)は、昨日、村岡知事に対し「新型コロナウイルス関連肺炎対策の抜本的強化を求める緊急申し入れ(第2次)」を行いました。

第二回コロナ申し入れ

要望書を手渡す(右から河合、藤本、松田各氏)

 要望書は、健康福祉部健康増進課の松本副課長が受け取りました。
 厚生労働省の示した数式で計算した山口県の重症患者推計数は約2800人です。これに対し、松本副課長は、「現時点で確保できているのは40床である。現在、必要なベッド数を確保するよう関係機関と協議中である。」と答えました。
 軽症者・無症状者向けの宿泊施設の確保について、松本副課長は「重要な課題だと認識している」と答えました。
 一般医療機関の医師の判断で検査オーダーを行えるようにしてほしいとの要望について松本副課長は、「一般医療機関の医師が疑似症と認定した場合は、帰国者・接触者外来の医師にその情報が届けられ、帰国者・接触者外来の医師が検査するかどうか判断している」と答えました。
 以下、昨日要望した内容を掲載します。
 文書中に「要文書回答」としている項目については、4月臨時議会(4月30日)に向けての議会運営委員会開催日(4月24日)までに回答していただくよう求めました。
・・・

山口県知事
村岡嗣政様

2020年4月10日
日本共産党山口県委員会
委員長 佐藤 文明
日本共産党山口県議会議員団
団 長 木佐木大助
幹事長 藤本 一規

新型コロナウイルス関連肺炎対策の抜本的強化を求める緊急申し入れ(第2次)

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、国は4月7日、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県に「緊急事態」を宣言しました。
 山口県内でも、これまで下関市、山口市、周南市、下松市、光市の5市で計17人の感染者が確認されるなど、今後、爆発的に感染拡大する危険をはらむ極めて重大な状況下にあり、可能な限りのあらゆる感染防止策の徹底、医療・検査体制の抜本強化が急務です。
 山口県は「緊急事態宣言」を受け、感染が広がっている自治体における学校休業や企業活動・移動・イベントなどの自粛などを要請しています。感染防止に必要な行動を求めることは当然ですが、同時に多くの県民と子ども・事業者が、生活と行動を制限され、収入を断たれ、先行きが見えない苦境に追い込まれています。
 いま必要なことは、山口県が「自粛と一体で補償を行う」という立場で、感染防止・医療体制整備と、くらし・営業・子どもへの緊急支援に、総力を挙げて取り組むことです。感染防止を実効あるものにするためには、現在極めて貧弱な、自粛要請に伴う補償・支援を大幅に引き上げることが不可欠です。
 よって、改めて下記の対策を緊急に実施するよう申し入れるものです。

1、感染拡大防止、医療・検査体制の緊急強化

①感染患者の入院に対応するため、厚生労働省の重症患者推計数に見合った病床数を緊急に確保し、医師・看護師など専門職員の派遣体制を確立する。空床を確保する医療機関や職員を派遣した医療機関への減収補填などの補助を行う。
②感染患者の入院に対応する全医療機関を対象に、陰圧装置の整備や感染者の動線確保、防護服・マスク・フェイスシールドなどの配備を行う。
③人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)の県内における活用可能台数をただちに把握し、必要台数を緊急に確保、配備するとともに、活用できる医師・看護師などの人材を確保する。
④軽症者・無症状者向けの宿泊施設を必要数確保するとともに、自宅待機での療養も併せて、必要な経費は公費で負担する。患者と家族への医療、生活支援を十分に行う。
⑤大学など研究機関や民間検査機関への協力要請、迅速検査機器の導入、臨床検査技師などマンパワーの確保で県内の検査能力を大幅に引き上げる。
⑥一般医療機関の医師の判断で検査オーダーを行えるよう徹底周知する。
⑦県内全保健所に保健師と行政職職員を増員するなど、保健所の機能強化を急ぐ。各保健所の「帰国者・接触者相談センター」にフリーダイヤルの専用回線を設置する。
⑧福祉・介護入所施設へのマスク、消毒液などの配布を、県独自に国負担に上乗せして十分に行う。
⑨国民健康保険・介護保険の、保険料・窓口負担(利用料)の緊急減免を市町村と協力して実施する。
⑩国民健康保険の資格証が、新型コロナウイルスに関する受診については保険適用となっていることを該当世帯にもれなく周知するよう市町と医療機関に徹底する。
⑪公立・公的病院の統廃合、病床削減計画を撤回するよう国に求める。県として医療体制後退につながる病院再編・統合は推進しない。

2、くらし・営業の危機への緊急支援

⑫感染防止対策として、国に対し「自粛要請と一体に補償を行う」ことを一刻も早く基本方針にすえるよう要請する。?要文書回答
⑬「緊急経済対策」に盛り込まれた地域経済や住民生活を支援し地方創生を図るための「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(全国で1兆円)を財源にして、学校休業や自粛要請によって、経済的損失をこうむっている中小小規模事業者、自営業者、フリーランスなどに対する収入補填制度を創設する。?要文書回答
⑭「緊急経済対策」に盛り込まれた「新しい給付金制度」については、条件付きの限定給付ではなく、すべての国民を対象に1人10万円の給付金を支給する制度とするよう国に要請する。
⑮「経営安定資金」、「新型コロナウイルス感染症対応短期支援資金」、セーフティネット保証制度に係る保証料と利子を補填し、無利子・保証料無料の制度とする。据置期間、融資期間も伸ばす。?要文書回答
⑯中小企業の税や社会保険料の減免制度を、国と協力して設ける。既往債務の支払い猶予、返済条件の緩和をはかるよう国に求める。
⑰雇用調整助成金の特例措置における中小企業への補助率を10/10とするよう国に求めるとともに、国が実施するまでは国補助率との差額を補填する。申請方法の簡素化、支給までの期間の短縮を国に求める。県内事業所に制度の内容と申請手続きの方法を周知する。
⑱小学校休業等対応助成金の、1日当たり定額4100円となっているフリーランスなどへの助成を大幅に引き上げるよう国に求める。県内事業所に制度の内容と申請手続きの方法を周知し、県に申請の相談窓口を開設する。
⑲新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生活福祉資金貸付制度の申請手続きにあたっては、柔軟で丁寧な対応に留意するとともに、迅速に貸付が行われるよう窓口である市町社会福祉協議会に要請する。?要文書回答
⑳電気、ガス、上下水道、電話・通信事業者に対し、個人又は企業にかかわらず、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、料金の支払いに困難な事情がある者に対しては、料金の未払いによる供給停止の猶予など、柔軟な対応を行うことを要請する。?要文書回答
㉑県関連イベントの中止や、県の自粛要請によって減収となった人・事業所への補償制度を設ける。イベント中止で減収となる文化・芸術関係者、団体への支援を国に求める。
㉒米軍岩国基地所属の米兵、軍属とその家族、同基地従業員で感染者が判明した場合は、「在日米軍と日本国の衛生当局間における情報交換について(2013年1月24日、日米合同委員会の覚書)」に基づいて、感染者の行動履歴や濃厚接触者など公衆衛生上必要な情報を迅速に岩国健康福祉センターに情報提供・公表するよう関係機関と米軍に要請する。?要文書回答
㉓生活支援、営業支援の制度を紹介した「県政だより」臨時号を発行する。

3、子どもと教育現場への支援

①県立学校の開休校は、科学的知見に基づき、実効ある感染対策を講じた上で判断する。市町立学校の開休校については市町の判断を尊重し、必要な支援を行う。
②小・中・高・支援学校に対し、マスク、消毒液、石鹸、非接触体温計、ペーパータオルなどを配備する。教室の換気設備(空気清浄機なども含む)を早急に整備する。
③学校再開後は、現場とよく協議し、時差通学や学級の少人数化などの感染防止措置を講じる。児童生徒への予防教育を徹底する。
④全公立学校にスクールカウンセラーを配置し、児童生徒の心のケアを行う。
⑤休校中の教育課程を新年度において無理なく履修できるよう、学校・教員に最大限の裁量を保障するとともに、必要な支援を行う。
⑥「学力定着状況確認問題」は当面中止する。
⑦保育所・放課後児童クラブ(学童保育)に対し、マスク、消毒液、ペーパータオルなどを配備する。幼児・児童への予防教育を徹底する。
⑧保育所・放課後児童クラブが学校休校などに対応できるよう、人員確保などへの補助を拡充する。
⑨県立大学の学生の収入減、アルバイトのシフトカットや雇い止めの実態を調査し、相談・支援を強める。「災害及び家計急変に伴う学費減免制度」を全学生に周知し、柔軟に適用する。
⑩県内の大学生の収入減、アルバイト減、内定取り消しなどの実態調査を行う。

4、対策にあたっての基本姿勢

①以上の対策を行うために、国の財政措置をフル活用するとともに、県としてさらなる補正予算を編成し、大規模かつ緊急に財政出動を行う。
②今後、山口県が「緊急事態宣言」の対象とされた場合は、知事が宣言にもとづく措置を講じるに当たっては、県民と県議会に十分な説明を行う。措置に伴う県民と事業者の損失は、国と協力して全面的に補償する。

以上

・・・
 引き続き、新型コロナウイルス感染症対策に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。