この間の県民からお聞きした要望で、その後の状況について報告します。
一つ目は、山口市阿知須の国道190号線阿知須中学校前交差点の停止線に改善についてです。
山口方面から宇部方面に向かって停止した場合、信号と停止線の距離が短く、信号が見えにくいとの指摘を県民から受けました。
山口県警本部に要望を伝え、先日、回答が帰ってきました。
県警の担当者は「国道190号線阿知須中学校前交差点山口方面から宇部方面に向かう左折車線から信号が見えにくいことは現認した。年度内に、左折レーンの停止線を下げる工事を実施したい。」と答えました。
交差点の左折停止線を下げると回答がありました。
第二は、県道美祢小郡線の災害復旧工事の見通しについてです。
先日の豪雨で、宇部市上小野の県道美祢小郡線横の法面が崩壊し、現在、通行停止となっています。
県宇部土木建築事務所の担当者に、復旧の見通しを訪ねました。
宇部土木建築事務所の担当者は、「現在、崩壊した法面周辺の木の伐採が終わった。今後、土砂の撤去を行う。仮設防護柵が必要な場合は、防護壁設置後に、通行再開する運びとなる。その後、恒久的な防護柵を設置し、仮設防護柵を撤去し、道路面を整備し、復旧完了となる見通しである。現時点で、通行再開の時期は不明である。」と答えました。
県道美祢小郡線の法面崩落の様子。早期復旧を要望。
私は、説明を受けた上で、早急な現場の復旧完了を要望しました。
引き続き、県民の皆さんの要望を県政に届けていきたいと思います。
皆さんの要望を藤本にお寄せ下さい。
1日付の毎日新聞の書評は朝日新聞取材班著「相模原障害者殺傷事件」を取り扱っていました。
書評を行うのは、私が敬愛する学者の一人である東京工業大学教授の中島岳志さんです。
中島さんは、書評で事件を起こした植松聖死刑囚についてこう書いています。
「植松は切迫感に駆られる。日本の予算は逼迫しており、借金大国になっている。もう時間的にも金銭的にも猶予がない。そんな中、障害者に予算を回すことは、社会全体にとって『不幸』である。『障害者を安楽死させるべきだ』。そんな歪んだ思考が固着していく。」「植松曰く、障害者には『生産性がない』。障害者は『金と時間を奪っている』。施設で働くことは、現実を追認することになる。『有害』とみなした存在を除去することこそ、社会の役に立つことだと思い込むようになる。」
その上で中島さんの考察はこうです。
「事件以来、評者が気になってきたのは、植松が一貫して『美醜』という価値観に固執していることである。彼は事件直後に、ツイッターに『beautiful japan!!!!!!』と書き込んでいる。記者の『今やりたいことはあるか』という問いに、『脱毛がしたいですね。毛は邪魔で不愉快です。目から下の毛は必要ないです』と答えている。常に顔のむくみを気にし、美容整形の一手法の『ボトックス注射』をやりたいと述べている。実際、彼は事件前に美容整形手術を受けており、衆議院議長に宛てた手紙では『進化の先にある大きい瞳、小さい顔、宇宙人が代表するイメージ』を実現したいと述べている。社会から異質な存在を除去し、自らが美しいと思えるものだけに包まれたいと考えるのは、安易に優性思想や全体主義につながる。先日ALS患者嘱託殺人事件が発覚し、医師2人が逮捕された。私たちの日常と、植松の思考は地続きである。相模原障害者殺傷事件を問い続けなけらばならない。」
私は、大学で障害者福祉を学んだものとして、相模原障害者殺傷事件の衝撃を今も忘れることは出来ません。まさに、事件から4年間、この事件を自分の心の中で問い続けた一人です。中島さんの書評を読み、書店で、この本を購入し、先ほど、読み終えました。この二日、空いた時間は、ただただこの本との格闘の時間でした。
この本は、朝日新聞の記者たちの相模原障害者殺傷事件の裁判の傍聴記であり、植松死刑囚との対話記録です。
植松死刑囚の発言は、対話記録にも出てきますし、裁判記録の中にも出てきます。今年の判決後の対話記録も掲載されています。
とても残念なのは、植松死刑囚が、この本の中では、「意思疎通のできない障害者は生きる意味がない」主旨の発言を変えていないことです。
そのことを知ったことが、この本の意義であるのかも知れません。植松死刑囚の「差別の深層」の一旦を知ることが出来る本だと思います。
この本には、植松死刑囚によって殺され、傷つけられた障害者の遺族の方がたの発言を知る事ができます。それぞれの遺族にとって「かけがえのない存在」であった一人一人の障害者の方々の姿が浮かび上がってきます。
この本には、多くの識者のコメントが掲載されています。社会学者の最首悟さんの言葉は、私の脳裏に焼き付いたままです。
「現代社会には、生産性のない存在を始末するという思想が蔓延している。『重度障害者は不要』という考えはこの社会に生きる者とし到達したものとも言え、被告は全世界の若者に支持されると思っている。(中略)被告の回答には迷いがなかった。考えを曲げないということが良いと思っている。口にした『人間は美しいほうがいい』という言葉にも表れているが、外見が内実を決めると思い込んでいる。被告は人間の尊厳、平等、命の尊さを『タテマエ』として否定する一方で、自らは礼儀正しく振舞うなど、見た目をよくして『タテマエ』を重視している。被告が否定したのは、人間の、頼り頼られて生きるという性質。一人では生きることができないという弱さを失った社会は滅びるしかない。」
植松被告への死刑判決後、コロナウイルス感染症のパンデミックが世界で、日本で拡大しています。
人間の尊厳、平等、命の尊さという「タテマエ」の重要性に人類は向き合わざるを得なくなっています。
人類は、コロナ危機に直面し、頼り頼られて生きざるを得なくなっています。
私は、コロナ危機が、新しい希望ある日本と世界を拓く契機になることを期待しています。
期待するだけではなく、これからも「相模原障害者殺傷事件」を問い続けながら、私自身、社会を変える主体として必要な発言を行っていきたいと思います。
相模原障害者殺傷事件から4年が経過しました。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
この間、県民の方からの要望を県行政に伝え、いくつかの前進がありました。
今日は、国道490号(参宮通り)線にかかわるいくつかの改善点について報告します。
第一は、国道を北側から医大方面へ右折(西梶返交差点)する信号についてです。
「青の時間が短く、国道北側車線が渋滞する」との要望を宇部警察署交通課に伝えました。
北側から医大側への右折信号の時間が延長される
この程宇部署交通課の方から「西梶返交差点の右折青信号を6秒から10秒に伸ばす対応を取る」との報告が私に届きました。
第二は、国道490号の西梶返交差点から沼交差点間の銀杏の植栽の枝が歩道に伸びている点です。
「銀杏の枝が自転車や歩行者の通行の邪魔になっている」との要望を県宇部土木建築事務所に伝えました。
先日、県宇部土木建築事務所の方から「植栽の剪定作業を行う」との報告が私に届き、この程、剪定が完了しました。
歩行者の通行を邪魔する植栽の剪定作業が実施
引き続き、皆さんの身近な要望を県行政に届けてまいりますので、皆さんの要望は藤本にお寄せ下さい。
私が敬愛してやまない帚木蓬生さんの「ソルハ」が文庫として出版され、今、読んでいます。
文庫の裏表紙からこの本の概要を紹介します。
「1996年9月、アフガン政権崩壊。タリバンが首都カブールを制圧し、国民の意見を無視する圧政を敷いた。特に女性には教育の権利も外出の自由も存在しない。それでもビビは、勉強にも世界の動きにも好奇心旺盛な少女だった。生まれた時から戦争が日常の風景だったビビは、何を決意し、どんな支えを持って生き抜いたのか。平和へのメッセージを込めた渾身の一冊。第60回小学館児童出版文化賞受賞作。」
この作品は、高学年以上に向けた児童小説といえます。とても読み易く、アフガニスタンを始め中東の状況がよく分かります。
よくわかるからこそ、ビビを取り巻く戦場の光景に胸がつまります。
タリバンが「女性には教育の権利も外出の自由も存在しない」圧政を敷く中で、これとたたかった少女パキスタンで生活していた当時16歳のマララです。
マララは、タリバンに対する批判をブログに書き、テレビの取材に応じた直後、学校に向かうバスの中で、タリバンの兵士に撃たれます。
九死に一生を得たマララは、2013年7月国連でスピーチを行います。
彼女は演説の最後にこう述べました。
「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、そして一本のペンが、世界を変えられるのです。教育以外の解決策はありません。教育こそ最優先です。」
帚木さんは、この文庫の最後に手書きで「かつて子供だった大人のみなさんへ」というメッセージを寄せています。
メッセージの最後はこう結ばれています。
「自分の国だけが平和であり続けるのは不可能です。平和から戦争への変化はあっという間であり、再び平和を取り戻すには、長い時間と大きな犠牲が必要です。私たちは平和な国にいるからこそ大人も子供も戦争の悲惨さに敏感でなければならないのです。」
日本共産党は、パンデミック収束への国際協力を4点訴えています。
第一は、医療・保険における大規模な包括的な協力。
第二は、途上国に対する国際的支援。
第三は、世界の紛争地での即時停戦、核兵器廃絶をはじめ軍縮を行い、コロナ対策に力を集中する。
第四は、富裕層などへの課税でコロナ対策の財源をつくるなど、より公正な世界をめざす。
志位委員長は記念講演で「パンデミックで明白になったことは、武力紛争がコロナ危機を破滅的なものとすることと、軍備増強がウイルスとたたかううえで何の意味ももたないことではないでしょうか。」と語っています。
「自分の国だけが平和でありつづけることは不可能です。」の帚木さんの言葉通り、パンデミックの今、世界全体で、即時停戦と軍縮が求められていると思います。
帚木蓬生著「ソルハ」は、まさに「平和へのメッセージ」が込められた渾身の一冊です。
一人でも多くの方に読んでいただきたいと思います。
パンデミックの中、平和について考えた皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
29日付毎日新聞は、国土交通省が提起している新たな防災・減災施策「流域治水」について次のように報じています。
九州で猛烈な雨が降っていた7月6日。東京・霞が関の庁舎会議室に、赤羽一嘉国土交通相ら国交省幹部が集まり、新たな防災・減災施策を取り求めた。その主要項目の最初に「あらゆる関係者に流域全体で行う『流域治水』へ転換する」との方針が明記された。急勾配の川が多い日本は、大雨になると川の流れが一気に強まり、洪水になるリスクが高い。その防止に中心的な役割を担ってきたのがダムや堤防だ。だが、ダムの貯水容量や堤防の高さは過去の降水量を基にしており、近年の豪雨への対応が難しくなっている。例えば川で洪水が起きる一歩手前の「氾濫危険水位」。これを超えた川の数は2014年は83だったが、19年は403と5倍近くになっている。今世紀半ばには洪水発生の頻度が2倍になるとの試算もある。予算不足の問題もある。00年代前半に1兆6000億円程度あった治水関連予算は、10年代前半に6000億円台に減少。19年度は1兆円超に回復したものの、洪水を防ぐための川の掘削や堤防整備は徐々にしか進まず、洪水を招く一因になっている。国が新たに打ち出した流域治水は、企業や住民にも洪水防止や被害軽減に協力を求めるものだ。ビル地下に貯水施設を整備してもらい、水をためる場所を増やす。田んぼや農業用ため池も非常時には水の出口を塞ぎ、臨時の貯水池として活用。川の流域での水害リスクが高い場所では、改正都市計画法に基づき22年から開発を抑制する。洪水や崖崩れの災害危険区域などは現在、老人ホームや病院を知事らの許可があれば建てられるが、原則禁止する。市街地調整区域にある浸水想定区域のうち命に危険を及ぼす可能性の高いエリアでは、盛り土を施しているか、避難施設が近くにあるかなど安全対策を考慮し、住宅開発の可否を決める。既存の住宅は移転を促す。
国土交通相のホームページに、「流域治水プロジェクト」があり、こう書かれてあります。
「気候変動による水害リスクの増大に備えるためには、これまでの河川管理者等の取組だけでなく、流域に関わる関係者が、主体的に治水に取り組む社会を構築する必要があります。河川・下水道管理者等による治水に加え、あらゆる関係者(国・都道府県・市町村・企業・住民等)により流域全体で行う治水『流域治水』へ転換するため、令和元年東日本台風で甚大な被害を受けた7つの水系での『緊急治水対策プロジェクト』と同時に、全国の一級水系でも、流域全体で早急に実施すべき対策の全体像を『流域治水プロジェクト』として示し、ハード・ソフト一体の事前防災対策を加速してまいります。『総力戦で挑む減災・防災プロジェクト』のとりまとめ(令和2年7月6日)を踏まえ、今後、各一級水系において、国・都道府県・市町村等との協議会を設置し、議論を進め、令和2年度末までに、流域治水プロジェクトを策定する予定です。」
山口県においても、今年度中に、一級河川の佐波川で、国、県、市町等との協議会が設置され、今年度末までに、流域治水プロジェクトが策定される見通しです。
国・県・市町の公的役割はしっかり果たしつつ、ダムに頼らない総合的な治水対策を講じることは必要だと考えます。
山口県で、一級河川の流域治水プロジェクトをどう策定しようとしているのか、県土木建築部からレクチャーを受けることにしています。
レクチャーの結果は、後日、報告いたします。
豪雨災害から、皆さんの命と財産を守るために、何ができるのか、ともに考え、提案していきたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
県は、6月県議会で、県内8医療圏に1カ所以上の地域外来・検査センターを設置する補正予算を計上しました。
地域外来・検査センターは9月中に設置するとしながら、宇部・小野田医療圏への地域外来・検査センターは8月中に設置する方針を示しました。
私は、昨日、宇部・小野田医療圏の地域外来・検査センターの業務を受託した宇部市の責任者の一人である宇部市健康福祉部参事の加生明美さんから現時点での準備状況をお聞きしました。
宇部市保健センターに設置された検体採取ボックス
コロナ感染を確認する方法として、現時点で、県民は、帰国者・接触者相談センター(保健所)に相談することになります。
帰国者・接触者外来で、診察・PCR検体採取を行い、検体は、環境保健センターで行われています。
新しく設置される地域外来・検査センターは、県民が、かかりつけ医で診断を受け、かかりつけ医が地域外来・検査センターに検査実施を要請します。
地域外来・検査センターでは、PCR検体採取を行い、地域の民間検査機関で、検査を行います。
検査結果は、地域外来・検査センターに返されます。陰性の場合は、その旨が患者に伝えられます。
陽性の場合は、結果が、保健所に伝えられ、保健所から患者に、入院先等が伝えられます。
加生参事は、「現在、圏域の宇部市、山陽小野田市、美祢市の関係者及び、宇部医師会、山陽小野田医師会、美祢市医師会、美祢郡医師会の関係者と最終調整を行い、8月中にはスタートさせたい」と述べました。
加生参事は、調整中とした上で、「検体採取を行う場所は、宇部市保健センターの旧夜間休日診療所玄関付近(市道側)を検討している。また、PCR検体採取は、唾液による方法を検討している。体制は、看護師と事務で対応し、医師による支援を考えている。」などと話しました。
検体の数で、職員体制などの増減が想定されます。検体採取が少ない場合も多い場合も、感染防止体制と人的体制が適切に捉える必要があることを感じました。そして、委託する県が、その都度、適切に、物的、財政的支援を行うべきだと感じました。
7月1日、村岡知事ら114人が、国に、「積極的感染拡大防止戦略による経済社会活動の正常化に向けた緊急提言」を発表しました。提言は、第二波に備え、1日当たりのPCRなどの検査件数を9月末までに10万件、11月末までに20万件おこなえる態勢の整備が不可欠だとしています。
1日10万件を山口県にあてはめると約1000件になります。7月29日現在で、感染者が県内で、53例と増加傾向ですが、PCR検査件数は、ここ数日で一番多かったのが147件、通常は、数十件で推移しています。県内で、現在の10倍以上のPCR検査件数としなければなりません。
厚生労働省は、15日、都道府県に対し、新型コロナウイルス感染症の行政検査について、有症者と「濃厚接触者」などに制限してきた方針を改め、特定の地域や集団、組織等で、①患者が複数発生するなど感染の確率が高い②接触を生じやすいなどクラスター連鎖が生じやすい状況-の条件に該当する場合を新たに対象に加える方針を示しました。
昨日は、全国の感染者数が1200人を超えるなどコロナ第二波の状況となっています。
日本共産党の志位和夫委員長は、28日、安倍晋三首相に対して、新型コロナウイルス感染症の急拡大を防止するために、感染震源地(エピセンター)を明確にし、PCR等検査を大規模に拡充することなどを求める4点の緊急申し入れを行いました。
山口県では、各医療圏にPCR等検査を行う地域外来・検査センターの設置を始めました。
県のこの姿勢を評価しつつ、山口県にPCR等検査を抜本的に増やすよう引き続き、要望を強めていきたいと思います。
宇部・小野田医療圏に地域外来・検査センターが来月中に開設される見通しとなりました。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。