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イージスふあんクラブが県知事へ要請

 昨日、「イージスふあんクラブ・山口」が村岡知事へ要望書を提出しました。

ふあんクラブ2

 藤井郁子ふあんクラブ共同代表が要望書を提出

 要望項目の第一は、山口市など県内での住民説明会開催を国へ要請することです。

 総務部防災危機管理課は、「住民説明会は、その開催場所等、国において判断されるものであり、県において、お示しの住民説明会の開催を求める考えは」ないと答えました。

 要望項目の第二は、むつみ演習場使用に関する覚書についての県の見解についてです。

 防災危機管理課は、「陸上自衛隊山口駐屯地と地元萩市、阿武町の間で結ばれているものであり、県としては見解を申し上げる立場にない」と答えました。

 要望項目の第三は、山口県知事の説明責任と認否判断についてです。

 防災危機管理課は「県民の安心・安全を守る立場から、言うべきことは言うとの姿勢で、引き続き、地元市町と連携しながら、国に対し、住民の思いを踏まえた真摯な対応を強く求めていく」と答えました。

 要望項目の第四は、反対を表明している阿武町長の意思をどう捉えているかについてです。

 防災危機管理課は、「現在、まだ、国による説明の途中段階であり、阿武町長の発言はそうした中で現時点の思いを述べられたものと考え」ていると答えました。

 私は、住民説明会の山口市などでの開催を国に求めようとしない県の姿勢と阿武町長の反対表明を「現時点の思い」と評価している県の姿勢に共通するものを感じます。それは、住民の意向よりも国の姿勢を忖度しようとする姿勢です。

 この県の姿勢は、岩国基地問題に対する姿勢にも共通するものを感じます。

 その上で、県が「県民の安心・安全を守る立場から、言うべきことは言うとの姿勢で、引き続き、地元市町と連携しながら、国に対して、住民の思いを踏まえた真摯な対応を求めていく」としている点には、期待をしたいと思います。

 私は、この点に関して「昨年12月に第四目の県・萩市・阿武町の照会に対して国からの回答が寄せられた。県としてどのような検証をこの半年行ってきたのか、第五回目の国への照会を行うのか」と質しました。

 防災危機管理課の担当者は、「国からの回答について、県として十分な検証を行っていない」と答えました。

 山口大学の先生方を始め、昨年12月の国の説明資料に対して様々な問題点が指摘されています。

 県は、今こそ、国に言うべきことは言うべきです。

 参加者から萩市の専門家会議へのメンバーについて、県は、萩市の要請を受けて、専門家を紹介した点について指摘がされました。

 県が萩市に専門家を紹介したのか経緯について、後日、防災危機管理課が私に説明を行うことが、昨日の要請行動の中で確認されました。

 県は、今こそ、「国に対し、住民の思いを踏まえた真摯な対応」を求める時だと要請行動に参加して痛感しました。

 

夏目漱石「三四郎」読書ノート①

 NHKラジオ第二「朗読」の聞き逃しサービスで、夏目漱石「三四郎」を聴いています。
 「三四郎」は、夏目漱石が東京大学の教職の仕事を辞めて、朝日新聞の記者として、職業作家になってから二年目の作品です。
 「三四郎」が熊本から大学に入学するために、東京に出てきて、最初に広田先生に会った時、広田先生は、このように言います。
 「『あなたは東京が始めてなら、まだ富士山を見た事がないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれより外に自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだから仕方がない。我々が拵へたものじゃない』と云って又にやにやわらっている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出逢うとは思いも寄らなかった。どうも日本人じゃない気がする。『然しこれからは日本も段々発展するでしょう』と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、『亡びるね』と云った。」
 新潮文庫「文豪ナビ・夏目漱石」の「評伝 夏目漱石」は、「新訳 更級日記」の著者である島内景二さんが書いておられます。
 島内さんは、「三四郎」の中で、広田先生が、三四郎に「亡びるね」と言ったシーンを次のように書いています。
 「漱石は、もともと英文学者だったので学究肌だが、ジャーナリスティックな問題提起力にも優れていた。急ピッチで発展途上にあった日本を、『亡びるね』と言ってのけた『三四郎』の広田先生の言葉は、漱石の評論家的要素をよく示している。講演も、すぐれていた。『現代日本の開花』など、今でも通用するほど現代的であり、かつアジテーショナルだ。漱石に心酔する愛読者が絶えないのは、彼の作品が百年も前に『日本文化と日本人の致命的欠陥』を鋭く言い当てていたからだろう。その欠陥は、百年後の今でも、まだ改まっていない。巨視的な文明批判の魅力。すなわち、評論を内在した小説のおもしろさ。それが、漱石文学の魅力の一つだ。」
 集英社新書「漱石のことば」で著者の姜尚中さんは、広田先生が「亡びるね」と云ったシーンについてこう書いています。
 「当時の日本は欧米列強に追いつき追い越せで近代化への道を突っ走っていました。が、漱石はそのありようを疑問の目で眺めていました。広田先生は漱石の分身的な人物であり、つまり、彼は漱石の気持ちを代わりに語っています。」
 その上で、姜さんは、漱石について次のように書いています。
 「私が漱石を愛するのは、彼が隠遁的な態度にならず、懐旧にも向かわず、あくまでも目の前の現実を見つめ、そこで苦悩する人たちを描いたからです。なおかつ、その中で人間がいかによく生きるかを考え続けたからです。上滑りに滑りながらも、ギリギリの抵抗をして前を向く。その姿勢を私は尊敬するのです。」
 6月7日のしんぶん赤旗日曜版に、芥川賞作家の中村文則さんによる、最新作である「逃亡者」についてのインタビュー記事が掲載されています。
 中村さんは、今の時代をこう述べています。
 「この大変なコロナ時代を安倍政権で迎えるのは恐怖であり悲劇です。安倍政治であるがゆえに、国難は倍増するでしょう。僕は大変に憂鬱です。この本でも書いたように、『公正世界仮説』という心理学用語があります。自分たちが生きる社会が間違っていると思うと怖いので、大丈夫だと思いたい。だから、社会のせいで被害を受けた個人をみると、社会ではなく個人のせいにする。社会の問題を個人に還元する習性のことで、自己責任論にもつながります。安倍政権が国民に求めているのはこの発想だとも感じる。コロナ時代に安倍政権。これは最悪の組み合わせです。」
 富国強兵が跋扈する日露戦争の時代に、「亡びる」と配役に言わせた夏目漱石の「ギリギリの抵抗」に、今、注目したいと思います。
 自己責任論が跋扈する今の時代に、時の政権にはっきり自分の意見を述べる芥川賞作家の中村文則さんに、現代の漱石を見るようでした。
 引き続き、夏目漱石から、しっかり学んでいきたいと思います。中村文則さんの「逃亡者」にも注目していきたいと思いました。
 皆さん、夏目漱石のどの作品がお好きですが、ご意見・ご感想をお聞かせ下さい。
 

県内一級河川関連ダムで事前放流のため治水協定締結される

 5月11日の本ブログに記したように、私は、昨年11月県議会と今年2月県議会で、県管理ダムの事前放流を進めるよう質問を行いました。
 2月県議会での私の質問に対し、森若土木建築部長(当時)は、「現在、国において、ダム管理者および関係利水者の理解が得られる、事前放流の実施にあたっての基本的事項を定めるガイドラインの策定に向けた検討が進められています。県では、引き続き、こうした国の動向の把握につとめてまいります。」と答えました。
 4月22日、国土交通省水管理・国土保全局は「事前放流ガイドライン」を明らかにしました。
 国の「事前放流ガイドライン」に基づき、県が、県管理ダムについて「事前放流」をどのように進めていくのかを県土木建築部河川課に照会していたところ、口頭での回答が先日行われましたので報告します。
 河川課の担当者は、県管理ダムの事前放流について「国のガイドラインに基づき、県管理ダムで事前放流を行うため関係利水者と治水協定を締結することとなる。現在、河川課として、県管理ダムの事前放流を行うため関係利水者との治水協定をどのように締結していくのかについての基本方針を検討している段階だ」と答えました。
 また、河川課の担当者は、「県内の国が管理するダムや国管理の一級河川にある県管理ダムで、事前放流を行うため関係利水者との治水協定が、5月末までに締結された」と答えました。
 内閣府の既存ダムの洪水調節強化に向けた検討会議は、昨年12月「既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針」は「河川管理者である国土交通省と全てのダム管理者および関係利水者との間において、水系毎の協議の場を設け、ダム管理者及び関係利水者の理解を得て(中略)治水協定について、令和2年5月までに、一級水系を対象に、水系毎に締結する。」としていました。
 県内で、事前放流を行うため関係利水者との治水協定が締結されたのは、国管理の一級河川である佐波川にある国管理の島地川ダム、国管理の一級河川である小瀬川にある県管理の小瀬川ダム、国管理の一級河川である佐波川にある県管理の佐波川ダムです。
 広島県は、6月3日に行われた広島県議会建設委員会において、広島県内の一級河川にあるダムで事前放流に係る治水協定の締結状況を報告しました。
 同時に、県管理の二級河川について「現在、利水関係者等と協議を進めており、協議が整い次第、県も順次協定の締結を行う」と報告しました。同時に、県管理12ダムの内、7ダムを治水協定対象ダムとすることを明らかにしました。
 山口県においても、県管理の二級河川について、治水協定対象ダムを明らかにし、事前放流に向けて、利水関係者との治水協定が順次締結されることを望みます。
 この問題は、今後の議会で取り上げたいと思っています。
 事前放流に向けた治水協定が県内の一級河川で締結されました。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

更級日記読書ノート①

 NHKラジオ第二の「古典講読」の「聞き逃し」サービスを移動中の車の中で聴いています。
 4月から「王朝日記の世界」と題し、日記文学の最高傑作と言われる菅原孝標女作の「更級日記」の朗読と現代語訳と解説が行われています。
 朗読は、元NHKアナウンサー加賀美幸子さん、現代語訳と解説は、電気通信大学名誉教授の島内景二さんです。
 島内景二さんは、今年3月、花鳥社から「新約 更級日記」を上梓されました。
 この本は、「原文」「現代語訳」「解説」が章ごとに行われています。島内先生の解説と加賀美さんの朗読に加え、解説をされている島内先生自らの「新約 更級日記」を読めば、千年前の日本の風景が目の前に蘇ってきます。
 古典全般に親しんでこなかった私ですが、日本を代表する王朝日記文学研究の第一人者の島内先生の講義を直接聞くことができることに幸せを感じています。
 これまでに島内先生が講義された部分は、「東海道紀行」です。
 孝標の女(以下、作者)が上総の介として赴任した父親とともに、上総の国で暮らし、父親の任期が終わり、都に向かって出発する頃から物語が始まります。
 更級日記を作者が書いたのは、52歳の時ですが、物語がスタートするのは、作者が13歳の時です。
 13歳の作者が、都に向け下総を出発したのが、寛仁四年(1020年)の秋です。ちょうど千年前です。
 まず、驚いたのは、作者ら高貴な女性たちは、車で移動したということです。島内先生は、車を引いたのは、牛馬ではなく、人間だったと解説しています。
 当然、舗装もされていない悪路を、人力で三カ月かけて都まで車で移動することを想像しただけで、車を引いた従者たちの苦労はいかばかりだったかと感じます。
 幾本もの川を渡ります。大きな川は、車を船で渡したとあります。どれほどの労力をかけて移動したのだろうかと想像できるのも、「更級日記」を読んでみてリアルに分かることです。
 作者は、沿道で出会いと別れを経験します。
 別れは、作者が生まれた時にお乳を飲ませてくれた乳母との別れです。乳母は、作者らとともに、上総の国に付いてきて作者の世話をしてくれました。都に帰る途中で出産して、上総の国と武蔵の国との国堺で、一行とは別れ一人あばら屋に臥しています。乳母と作者との対面と別れのシーンは、千年の時を超えて私の心にも響くものです。
 出会いは、足柄山の遊女とのものです。作者は、彼女らの歌声をこう評しています。
 「その歌声は、秋の夜空に吸い込まれるように、澄み昇ってゆく。」(現代語訳)
 彼女らとの別れをこう書いています。
 「彼女らが遠ざかってゆくのを、皆は、まだまだもっとここにいてほしかったと名残惜しくて、泣くのである。まだ子どもである私も、幼な心に、彼女たちが立ち去ってゆくのに加えて、自分たちが明日の朝、ここを旅だってゆくことまでも、名残惜しく思われるのだった。」
 人を想う気持ちは、千年の時を超えても同じなのだと感じました。
 いや、千年前の人々の感情の方が、より素直だということが分かりました。

 十三歳の作者ら一行は、上総、下総、武蔵、相模、駿河、遠江、三河、尾張、美濃、近江、山城と3カ月かけて京に到着しました。

 武蔵は、現在の東京都周辺ですが、背丈以上の草に覆われていました。

 箱根ではなく足柄山を越えていました。

 相模、駿河の海岸は、延々と砂浜が続いていました。

 浜名湖は、今より、海と湖が離れていました。

 などなど、千年前の東海道の様子が、作者の目を通じて生き生きと描き出されているのも、更級日記の魅力の一つでしょう。
 島内先生は「『更級日記』という作品が持っている可能性は、中世文化の開幕を告げた藤原定家の予感を大きく超えて、二十一世紀の現代にこそ発芽し、開花・結実できると信じている。」と「新訳 更級日記」の「はじめに」で書いておられます。
 まずは、千年前の作者の言葉に共感できた自分に驚いています。

 私は、島内先生という最良のガイドを得て、ようやく「更級日記」の入り口に立つことができました。
 今年前半は、島内先生のラジオでの解説と本から「更級日記」の世界をじっくり学んでいきたいと思います。その先のいつか「源氏物語」にも挑戦してみたいと思えるようになりました。
 「更級日記」に対する皆さんの想いをお聞かせ下さい。

コロナ禍での高圧ガス製造施設の定期自主検査等について

 今週の日曜日付の山口民報に、県内で行われている高圧ガス製造施設をかかえる事業所で行われている定期自主検査等に関する問題に関するレポートを寄稿しました。

ケミカル工場遠

定期自主検査が行われている宇部興産ケミカル工場

 山口民報に寄稿した文書について、その後分かった事実などを加筆・修正しましたので、以下、掲載します。

・・・

 村岡嗣政知事は、東京など5都道府県や5月25日まで緊急事態宣言下にあった関西3府県や感染者が相次いでいる北九州市への移動自粛を県民に求めています。新型コロナウイルス拡大での移動自粛が完全に解消されない中、県内の高圧ガス製造施設では、今年の定期自主検査や保安検査(以下、定期自主検査等)のための定期修理が行われています。
 宇部市民の方から「県民には移動自粛を求めているのに、他県から高圧ガス製造施設の定期自主検査等のための定期修理に千数百人の労働者の方々が来宇していると聞くが、不安だ」との声が寄せられました。
 高圧ガス製造施設の定期自主検査等は、高圧ガス保安法に基づき実施が義務付けられたものです。新型コロナウイルス拡大を受け、経済産業省は4月10日、高圧ガス保安法の特例措置を決めました。特例措置は、4月10日から9月30日の間までに完了する高圧ガス製造施設の保安検査の期間を4ヶ月延長するものです。
 県消防保安課は、4月15日、関係事業所に、高圧ガス保安法の特例措置を周知し「定期自主検査等の実施に係る作業員等の対象地域からの受け入れの計画に際しては、今回講じられる法令上の延長措置を最大限に活用し、感染拡大防止、周辺地域の健康面、安全面の観点も十分考慮されるよう」要請しました。
 久保田后子宇部市長は、4月17日、定期自主点検等を予定している泉原雅人宇部興産代表取締役に対して「山口県への全ての都道府県を対象とした移動や来訪の自粛要請を改めてご留意頂く」ことと「実施期間中においては、作業員に不用不急の外出を避けることを要請していただくなど、感染拡大防止、周辺地域の健康面や安全面への影響を十分にお考えいただく」ことを要請しました。
 更に、県消防保安課は、関係事業所が延長措置活用の有無と活用しない場合にどのような感染予防対策を行うのか県に文書で連絡するよう要請しました。
 県内に24ある高圧ガス製造施設の保安検査を行う事業所の内、11事業所が、8月までに保安検査を行う計画です。
 事業所から県消防保安課へ寄せられた文書を集約した結果、24事業所の内、保安検査を延期する事業所はありませんでした。
 宇部興産は、4月22日、自社のホームページで、「5月から2ヶ月間、山口県宇部市の工場群において定期検査工事を予定」していることを明らかにした上で「当社グループの定期検査工事の実施にあたっては、山口県・宇部市のご指導に従いながら、従業員及び工事業者の方々の新型コロナウイルス感染症防止に最大級務める」ことを明らかにしました。
 更に、宇部興産は、5月7日、自社のホームページで、「本定期検査工事につきましては、山口県・宇部市にも予め報告した上で進めており、今後も県・市とは密接に連携し、進捗状況についても定期的にご報告していく所存です。なお、新型コロナウイルスの感染防止には上記の通り最大限の対策を講じますが、従業員や工事業者に感染者が発生した場合は、速やかに山口県・宇部市に報告するとともに当社ホームページに公表し、保健所等の指導に従って適切に感染拡大防止策を講じ」ることを明らかにしました。
 私は、衆議院経済産業委員会委員をつとめる日本共産党の笠井亮衆議院議員に、経済産業省が行った延長措置が活用されていない県内の実態を伝え、国において関係事業所に対し延長措置の周知を徹底することと感染症予防対策について住民への説明を徹底するよう求めてほしいと伝えました。
 同時に、県消防保安課には、8月までに保安検査を行う11事業所に対して、新型コロナウイルス拡大防止対策を徹底するよう要請しました。
 第二波が心配されます。引き続き、関係機関への働きかけを強めてまいりたいと思います。

・・・

今こそ少人数学級を進めよう

 日本共産党は、6月2日、「子どもたちの学び、心身のケア、安全を保障するために」-学校再開にあたっての緊急提言ーを発表しました。
 緊急事態宣言が解除され、6月1日から全国の学校が3カ月ぶりに再開しました。長期の休校による子どもたちの学習の遅れと格差の拡大、不安とストレスはたいへんに深刻です。新型コロナ感染から子どもと教職員の健康と命をいかにして守っていくかは、重要な課題です。こうした問題を解決するための緊急の提案です。
 提言は、「学習の遅れと格差の拡大、心身のストレスは、手厚い教育、柔軟な教育を求めている」「学校の新型コロナウイルス感染症対策が、重大な矛盾に直面している」として、次の政策の実施を求めています。
 第一は、教員10万人増などの教育の条件の抜本的整備です。
 提言は、教員を10万人大幅増員し、20人程度の授業とすべきとしています。
 第二は、子どもの実態に応じた柔軟な教育のために、学習指導要領の弾力化を行うべきだということです。
 山口県教育委員会は、5月「新型コロナウイルス感染症対策に対応した学校の臨時休業に係る学習補償について」の中で、「身体的距離の確保」として「授業の際は、必要に応じて、学級を複数のグループに分けた上で、使用していない教室を活用するなど、生徒の席の間に可能な限り距離を確保し、(おおむね1~2メートル)、対面とならないような形で教育活動を行うことが望ましい。」と指摘しています。
 しかし、身体的距離を確保し、学級を複数のグループに分けた上で、使用していない教室を活用して授業を行うにも、児童・生徒に対応できる教員が配置されていなければ、実行は困難です。
 平成30年度決算特別委員会資料「令和元年度における国の基準を下回る『学級編成基準の弾力的運用』の実施状況について」によると、山口県は、小学校1年生は「学年4学級の以上・1学級当たりの児童数が30人を超える学級のうち、特に必要があると認められる学校で30人以下学級」であり、その他小中学校は、35人以下学級となっています。
 全国的には、秋田県では、小中学校の全ての学級が30人以下学級です。中国地方では、鳥取・島根県で、小学校1・2年生が30人以下学級となっています。
 コロナ禍の中、少人数学級が要請されています。一人一人の学びを保障するためには、少人数学級がいいことは明らかです。
 私は、最近、壷井栄著「二十四の瞳」を読んで感動しました。大石先生と12人の子どもたちが心を通わせたように、山口県で、せめて30人以下学級を、コロナ禍を契機に実現させるべきだと思います。
 文科省は、小学校6年生と中学校3年生で少人数授業を実現するために、教員3100人を今年度追加することを決めたとの報道がありました。
 コロナウイルスによる休業で生じた学習の遅れを取り戻すため、一人一人の子どもたちに寄り添う教育を実現するため、山口県で少人数学級を実現させることが必要だと思います。
 少人数学級の実現のために皆さんのご意見をお聞かせ下さい。