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米軍岩国基地中心にまん延拡大 対策強化求め要請

米軍岩国基地内で、感染拡大が広がり、岩国市を中心に新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るっています。

 この事態を受け、山口県は、1月6日、広島県や沖縄県とともに、国に「まん延防止等重点措置」の適用を求めました。

 日本共産党山口県委員会(吉田貞好委員長)と同県議団(木佐木大助団長)は、1月7日、村岡継政県知事に対して、「新型コロナ・オミクロン株感染拡大に対応した対策強化を求める要請」を行いました。

 新型コロナ・オミクロン株感染拡大に対応した対策強化を求める要請を行う(左の右端が私)

 要請項目は①重症化リスクの高い高齢者などを中心に、6カ月後の3回目ワクチン接種を、最大限、迅速に行うこと②高齢者施設や医療機関に対して、積極的な定期検査を行う方針を明確に打ち出し、自治体のとりくみを全面的に支援すること。また、無症状者を対象に「いつでも、誰でも、無料で」受けられるPCR検査行うとともに、陽性者を保護すること③有症者を自宅に決して置き去りにせず、重症化を防ぐ医療を提供するために、地域の医療機関の連携と体制強化を図ること④国に対し、発熱外来の体制支援への補助金の復活、診療報酬の引き上げなど、医療機関への十分な支援を行うよう要請するとともに、県として保健所の恒常的な職員増など体制強化にとりくみこと⑤県と岩国市が1月4日、。政府「と米海兵隊岩国航空基地司令官に提出した『米軍岩国基地に係る新型コロナウイルス感染症対策の強化に関する要請」5項目の完全な履行を担保するため、文書での回答を求めること⑥一国も早く地位協定を抜本改定し、米軍人や軍属とその家族も、入国禁止や検疫の対象にするよう求めることーです。

 武田和雅県総務部防災危機管理課副課長は「要望項目は関係部局に伝える」と答えました。

 また、武田副課長は「岩国市と和木町に『まん延防等重点措置』が適用されたら、今月末まで、飲食店等に営業時間の短縮等を要請することになり、要請に応じた飲食店等に協力金等を支給することになる」と説明しました。

 政府は、7日、広島、山口、沖縄の3県に、まん延防止等重点措置を適用することを決めました。

 山口県では、岩国市・和木町の飲食店等約1000店へ明日から、時間短縮と酒類提供の停止が要請されます。

 要請に応じた飲食店等には協力金が支払われ、これら飲食店等と取引がある業者に支援金が支払われることになります。

 詳しくは明日以降のブログで報告したいと思います。

 岩国基地を中心に県内で新型コロナウイルスがまん延しています。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

岩国市・和木町に「まん延防止等重点措置」が適用されることに

 昨日、181名の新型コロナ感染者が県内で確認されました。この内、113人が岩国市での確認です。
 昨日、米軍岩国基地では115名の陽性者が判明しました。
 このような中、昨日、山口県新型コロナウイルス感染症対策本部第31回本部員会議が行われました。
 会議の中で、モニタリング指標に対する現状値が明らかになりました。
 確保病床使用率は、29.3%(161床)となり、基準値のレベル2(20%以上)となりました。療養者数(人口10万人あたり)は34.1人(457人)となり、基準値のレベル2(15人以上)となりました。直近1週間の新規感染者数(人口10万人あたり
)は35.2人となり、基準値のレベル3(25人以上)となりました。会議では、7指標のうち3指標で「レベル2」以上となり、医療提供体制に負荷が生じはじめていることから、専門家等の意見を踏まえ、「レベル2」の状況にあると判断したことが報告されました。
 会議では「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくまん延防止等重点措置の公示に関する要請について」報告されました。
 会議では、岩国市・和木町の全域をまん延防止等重点措置の措置区域として公示するよう国へ要請することが報告されました。
 会議では、本県へ「まん延防止等重点措置」の適用が決定された場合の方針が示されました。
 飲食店等への営業時間短縮要請の期間は、1月9日(日)から31日(月
です。対象行ジュは、職員衛生法に基づく営業の許可を取得している飲食店・喫茶店(テイクアウト等は除く)です。
 要請内容は①営業時間を5時から20時までに短縮(種類の提供は停止)②同一テーブルの同一グループの利用は4人以内に制限※ワクチン・検査パッケージ制度による人数制限の緩和はしない です。
 要請に強力した店舗に対し、協力金を支給します。
 県内全域において、イベント参加人数の上限を2万人にします。
 山口県が岩国市と和木町を措置区域として国にまん延防止等重点措置区域の公示を国に要請しました。

  今朝の毎日新聞は「岸田文雄首相は6日夕、山極大志郎経済再生担当大臣や後藤茂之厚生労働相ら関係閣僚と首相官邸で協議し、まん延防止措置適用の方針を確認した。」「政府は7日、基本的対処方針分科会に措置の適用について諮り、了承されれば、衆参両院の議院運営員会に報告した後、政府対策本部で正式に決定する。」と報じました。今日にも、山口県と広島県・沖縄県がまん延防止等重点措置に適用される見通しです。
 岩国市と和木町がまん延防止等重点措置区域の適用が決定されれば、飲食店等への営業時間短縮が要請され、飲食店等へ協力金が支給されることになります。
 必要な協力金が迅速に飲食店等へ支給されることを要請したいと思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
 

米軍関係者への検疫が免除される地位協定の抜本改定を早急に

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、米軍基地でのコロナ急拡大について次のように報じました。
 「新型コロナウイルスの新変異株『オミクロン株』の急速な感染拡大に伴い、沖縄県など全国各地の米軍基地で感染が急激に拡大し、基地周辺で市中感染の引き金になっており、国民の命・暮らしを脅かしています。沖縄県では4日、米軍基地内で新たに164人の感染を確認。累計の感染者数は3863人に達しました。大規模クラスター(感染者集団)が発生したキャンプ・ハンセンが最多の1206人ですが、それ以外でも嘉手納787人、キャンプ瑞慶覧515人となっています。岩国基地(山口県岩国市)でも5日、米軍関係者182人から新型コロナの感染を確認。沖縄県と岩国市では同時期に日本人の感染も急拡大しています。三沢基地(青森県三沢市)は4日、昨年12月26日~今年1月3日に新たに56人の感染が確認されたと公表。この人数は集計が漏れていた分で、既報分と合わせると4日時点で計82人が感染し隔離されています。青森県は5日、県内で初めてオミクロン株の感染を確認。同県によると、当該感染者は三沢基地の関係者だといいます。横須賀基地(神奈川県横須賀市)では、昨年12月30日までの8日間で米軍関係者75人の感染を確認。うち大半は最近入国したばかりでした。その後の感染状況の発表はなく、不安が広がっています。横田基地(東京都福生市など5市1町)では5日、新たに65人の感染を確認。うち57人は昨年12月29日以降に判明しました。57人のうち30人は米本土から入国した際の検査で陽性となりました。佐世保基地(長崎県佐世保市)でも、昨年12月28日までの8日間に16人、同29日~今年1月5日に16人の感染が確認されました。全国の米軍基地での感染拡大の背景に、米軍に特権を保障している日米地位協定によって、米軍関係者が検疫を免除されている実態があります。しかも、全ての来日する米軍関係者について出国時のPCR検査が免除されていたなど、ずさんな運用が発覚。到着後の検査も5日以内となっていました。今年に入り、米軍は24時間の検査に切り替えましたが、既に手遅れです。一刻も早い地位協定の抜本改定で、入国禁止や検疫の対象にすべきです。」
 日本共産党県委員会と県議団は明日、村岡知事に対して、米軍基地への感染拡大防止対策の強化に関する申し入れを計画しています。
 日本共産党中国ブロック事務所としても、13日、この問題で中国四国防衛局に対して、申し入れを計画しています。
 米軍基地関係の知事らで構成している渉外知事会などでも、今こそ、米軍の特権を保障し、米軍関係者への検疫を免除している日米地位協定の抜本改定を国や関係機関に求める時だと思います。
 今朝の毎日新聞は「政府は7日にも沖縄県へのまん延防止措置適用を決定する。県は政府への要請案で期間を9日から今月末とし、飲食店に営業時間の短縮や一部の店での酒類提供自粛を要請することを検討している。まん延防止措置を巡っては、山口県も岩国基地(同県岩国市)の地元で感染者が増えている岩国市と隣の和木町を対象に適用の要請を検討している。政府は山口県と隣の広島県から要請があるとみており、専門家の意見を踏まえて適用の可否を検討する。」
 山口県がまん延防止措置を国に要請し、適用された場合、飲食店に営業時間の短縮や酒類提供自粛が要請されることが予想されます。
 その場合は、飲食店に十分な補償がされる体制の確立を要請したいと思います。
 岩国基地と岩国市で感染拡大が止まりません。
 この問題に対する皆さんのご意見を引き続きお聞かせ下さい。

知事と岩国市長が米軍基地へコロナ感染対策強化求める文書要請行う

 昨日、山口県新型コロナウイルス感染症対策本部第30回本部員会議が開かれ、昨年12月23日から昨日までの県内新規感染者の状況が示されました。
 この期間中、県内では、221人の感染者が確認され、その内、約7割を占める160人が岩国市民でした。
 この期間中、米軍関係者の感染者数は累計で240人に達しています。
 米軍基地内で感染が拡大し、岩国市内で感染が拡大していることを受け、昨日、村岡知事と福田岩国市長は、国と岩国基地司令官に対して、「米軍岩国基地に係る新型コロナウイルス感染対策の強化に関する要請」を文書で行いました。
 米軍基地司令官への文書要請の内容は以下の通りです。
・・・

米軍岩国基地に係る新型コロナウイルス感染症対策の強化に関する要請

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けて、米軍岩国基地において、次の事項が速やかに実施されるよう要請します。
1 感染経路や行動歴など、米軍関係者の感染者に関する情報提供を、速やかに行うこと。
2 外出時には、必ずマスクを着用し、基地外において、感染拡大につながるような行動は厳に慎むこと。
3 岩国基地関係者は、基地の新型コロナウイルス規則を遵守し、米軍関係者に対して幅広く PCR 検査を実施するなど、感染拡大防止対策を徹底すること。
4 基地内において確認された新型コロナウイルス感染症に対するゲノム検査を速やかに行い、オミクロン株が確認された場合は、遅滞なく国や関係自治体に対して情報提供を行うこと。
5 日本人従業員等への感染拡大防止対策に万全を期すこと。

令和4年(2022 年)1月4日

米海兵隊岩国航空基地司令官
フレデリック・L・ルイス大佐 様

山口県知事 村岡 嗣政
岩 国 市 長 福田 良彦
・・・
 米軍岩国基地司令官は、知事と岩国市長からの文書要請を受けて、基地内でのPCR検査体制や陽性検体へのゲノム解析の状況、日本人従業員の感染防止対策などの状況を保健当局である山口県に情報を提供すべきです。
 本ブログで再三指摘していますが、この問題を検討する前提として、米軍基地内の状況はクラスターではないのかどうか明らかにすべきだと思います。
 米軍基地内での感染拡大が止まらず、岩国市を中心とした感染拡大が広がっています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

映画「MINAMATA」を観ました。

 1月2日、連れ合いと一緒に小倉昭和館で映画「MINAMATA」を観ました。
 ハリウッドの大作「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどに出演し、アカデミー賞に3度、ゴールデン・グローブ賞は10度ノミネートされた俳優ジョニー・デップがこれまでのキャリアの全てを賭けてプロデュースした映画が「MINAMATA」です。
 映画のパンフレット(ストーリー)から引用します。
 「1970年代初等、ニューヨーク。フォトジャーナリストのユージン・スミス(ジョニー・デップ)は『LIFE』の編集長のボブ(ビル・ナイ)に、自分の回顧展のオープニングで、『LIFE史上最高の写真家だ』とスピーチしてくれと頼む。だが、ボブからは『君は史上最も厄介な写真家だ』と断られてしまう。今でも腕は一流だと自負するユージンだが、輝かしい時代は過ぎ去り、金もなく安酒に溺れる日々を送っていた。そんな時、日本のカメラマンと通訳のアイリーン(美波)が、CM撮影のためにユージンのスタジオへやって来る。ユージンはアイリーンから、日本の大企業チッソが、熊本県水俣市の海に垂れ流している工場廃水によって、病に脅かされている人々を取材してほしいと頼まれる。過去に第二次世界大戦の取材中、日本で大ケガを負ったユージンは、『もう日本には行かない。沖縄戦の撮影で懲りた』と拒絶する。だが、アイリーンが置いていった水俣の写真を見たユージンは息をのむ。翌日、『LIFE』編集部を訪ね、『特集記事を』と迫るユージンを最初は拒んでいたボブも、事の重大さに気づき承諾する。水俣市に到着したユージンとアイリーンを、松村夫婦(浅野忠信・岩瀬晶子)が温かく迎えてくれる。夫婦は生まれつき目が見えず話せない長女アキコを、窒素の工場廃水に含まれる、水銀による胎児性水俣病だと訴え出ていたが、チッソ側は『脳性マヒだ』と主張して何の補償もしない。松村は苦境を語ってくれたが、ユージンの写真を撮りたいという申し出には、『勘弁してください』と頭を下げるのだった。」
 1970年、20歳でユージンと出会い、結婚することになるアイリーンは、2020年12月にユージンの回顧写真展「一筋縄ではいかない」に向けて、次のように語っています。
 「ユージンは、私たちはみなそれぞれ異なる成長の過程で身に付けた固有の偏見、先入観、予断を有していると言っていました。だからこのタイトルは、私たちの偏見や先入観が可能な限り真実に近いものであれ、という彼なりの言い方なのです。ジャーナリズムというのは、人々が先入観を抱いてきたかもしれない状況やことがらを真実へと導くひとつの方法なんだと。何であれジャーナリズムを通じ、人はより多くを知ることによって、持っていた偏見を変えていく。たとえ直接的に経験しなくとも、その現実、その中にある真実へと近づいていく」
 キャスターの金平茂紀さんは、なぜ今「MINAMATA」なのか次のように書いています。
 「今の時代だからこそ、この『MINAMATA』はみられるべきではないか。特にこの日本という国で。ほら、MINAMATAはフクシマにも地続きだし、全国の入管施設にもつながっている。沖縄の軍事基地建設の現場にもつながっている。実際、水俣病訴訟はまだ続いている。決して終わっていない。映画の公開で、この国にこういう歴史があったことを知るきっかけになれば、おそらくデップに降臨したユージン・スミスも照れるようにほくそ笑んでいるのではないか。」
 パンフレットの冒頭に2020年ベルリン国際映画祭公式記者会見でジョニー・デップが語ったコメントが掲載されています。
 「一人の関心を持つ者として、この歴史は語り継がれなければならないと思いました。映画の持つ力をフルに活用して伝えたいメッセージを発信することが我々の願望でした。私たちは皆、ただの一片のホコリであり、同時に小さな力なのです。私たちが窮地に立たされたとき、誰かが率先して、巨大な壁を壊そうとすれば、きっと大勢の人々が後に続いてくれるはずです。」
 パンデミックの中で、一人一人の国民は窮地に立たされています。
 今こそ、国民の窮地を救う方向に政治を動かさなければなりません。そこには大きな壁が立ちはだかっていますが、それを取り除こうと大勢が力を合わせれば、その壁を壊すことはできることをこの映画で学びました。
 今の時代だからこそ一人でも多くの人に映画「MINAMATA」を観ていただきたいと思います。今月21日まで小倉昭和館(093-551ー4938)で上映しています。
 「女帝 小池百合子」を書いたノンフィクション作家の石井妙子さんが「魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣」をこの程、上梓されました。
 今、石井妙子さんの「魂を撮ろう」を読んでいます。ユージン・スミスとアイリーンの生い立ちから出会い、水俣での活動などが克明に描かれています。この本から、ユージン・スミスとアイリーンの生き方を学びたいと思います。
 映画「MINAMATA」をご覧になった皆さん、感想をお聞かせ下さい。

映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」を観ました

連れ合いと一緒に、昨日、小倉昭和館に出向き、「モーリタニアン 黒塗りの記録」と「MINAMATA」を観ました。
 今日は、映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」の感想を述べたいと思います。
 この映画は、映画鑑賞会を主宰する方から「昨年No1の映画」と勧められ、小倉昭和館での上映が分かり、観に行った作品です。
 アメリカ近代史の闇を照らした素晴らしい作品でした。私の生き方を励ましてくれる映画でした。今月21日まで小倉昭和館(093-551ー4938)で上映中ですので、是非、多くの方に観て頂きたい作品です。
 映画のパンフレット(ストーリー)を引用します。
 「人権派弁護士として仕事に人生を懸けるナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)にとって、それはどうしても放っておけない案件だった。時は2005年、アメリカ。ナンシーは無償奉仕活動として、キューバのグアンタナモ米軍基地に拘束された男の弁護を買って出る。彼の名はモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)、2001年にアフリカのモーリタニアから、米同時多発事件の首謀者の一人として連行されたが、裁判は一度も開かれていない。『不当な拘禁だ』と訴えることにしたナンシーは、若手弁護士テリー・ダンカン(シャイリーン・ウッドリー)に通訳兼アシスタントを依頼する。時を同じくして、『グアンタナモに収容中の敵戦闘員を、9.11の戦犯法廷で裁け』という大統領令命令が下り、政府が死刑第1号にと望むモハメドゥの起訴をスチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が担当する。中佐はハイジャックされた機の副操縦士だった親友の無念を晴らそうと意気込んでいた。グランタナモを訪れたナンシーとデリーが、異様なほど厳重な警備を通過すると、足かせをされたモハメドゥが待っていた。ナンシーは、尋問官に知られると危険だと恐れるモハメドゥを、証言として手記を書くよう説得する。帰国したナンシーとテリーは、一通または一通と届くモハメドゥの手記の予測不能な展開に息をのむと共に、彼のユーモアと人間味溢れた人柄にも惹かれていく。そんな中、政府に請求していた軍による調査資料がようやく届くが、中身はほとんど真っ黒に塗りつぶされていてた。なぜかスチュアート中佐側にも、半端な報告書しか与えられない。報告書に訓練生時代の同期であるニール・バックランド(ザッカリー・リーヴァイ)の名前をみつけた中佐は、彼に相談を持ち掛けるが、『機密だ』と一蹴される。」
 パンフレットにジャーナリストのシェリーめぐみさんが次のように書いています。
 「アメリカ人は驚愕した。拷問というのはスパイ映画などフィクションの世界のものと思っていたのが、自分の国が実際にやっているのを見せつけられたのだ。実はその少し前にはイラクでの捕虜に対する虐待や拷問がショッキングに報道された。アメリカ軍のモラル低下を嘆く声は怒りにも変わった。人権を侵してでもどんな手を使ってでも容疑を立証したかった当時のブッシュ政権が、どれほど追い込まれていたかがわかる。報復を叫んで侵攻したアフガニスタンで結果を出すことができず、続いて侵攻したイラクでは、その理由だった大量破壊兵器の存在が嘘と発覚した。また9.11テロ直後に主犯ビンラディンの家族を10人以上サウジアラビアに緊急帰国させたこともでも非難されていた。もちろん9.11で3000人もの人々を殺したテロリストに対して、拷問ぐらい当たり前だと言う人もいた。しかし、この国は自由で平等であるにもかかわらず、公正でもあると教わって育ったアメリカ人への衝撃は小さくなかった。この頃から若者の政治への不信が募っていく。」
 大量破壊兵器を持つ国への報復戦争という嘘に基づく戦争が破綻する中、グアンタナモ収容所に収容されている9.11の容疑者を人権を侵す拷問によって容疑を立証しようとした実態がこの映画で見事に描き出されています。
 シェリーめぐみさんは、現代のアメリカについてこう書いています。
 「アメリカ人はこの国は平等と自由、公正を重んじる国であると教えられてきた。そのためある者は現実との矛盾で苦しみ、ある者はそこから目を背けてきた。しかし、今の若者たちは少し違うように見える。アメリカはまだ理想を達成する途上にあると彼らは考えている。奴隷制から数々の戦争まで、これまでの過ちを暴き検証して正していくことで、新たな未来が開けると信じている若者は少なくない。これは去年燃え上がったブラックライブズマター運動にも共通している。映画では主人公たちが暴き出す真実が見る者に大きな希望を与えるが、アメリカの未来を救うのもまた、真実だけなのかもしれない。」
 12月19日付しんぶん赤旗日曜版にフリージャーナリストの青木理さんが次にように語っています。
 「いま必要なのは、ファクトを抉り出して政府や与党の責任に迫る、徹底した『批判力』です。そのための共産党の情報取集・調査能力は高いと思っています。『野党は批判ばかりを改めよ』とのメディアの主張は、権力や与党の悪事を黙認しろというのに等しいものだと思います。このことは野党にも問われていることです。」
 平等と自由、公正を重んじる国になるために、真実を明らかにしなければならない、そこにこそ未来があるということをこの映画で感じました。
 前副知事が、自民党の国会議員の後援会の勧誘を県庁内で大々的に行っていたという容疑で略式起訴される事件が年末に起こりました。
 自民党の誰が、前副知事に指示したのかの真実を明らかにする責任のある野党の県議会議員の一人として新年からしっかり役割を発揮していこうとこの映画に励まされました。真実を明らかにしてこそ県政の未来が開かれることを信じて今年もしっかり働いていこうとこの映画に励まされました。
 是非、一人でも多くの皆さんに映画「モーリタニアン」を観ていただきたいと思います。
 映画の原作であるモハメドゥ・ウルド・スラヒさんが書いた「モーリアニアン 黒塗りの記録」を購入しました。正月休みの間に読みたいと思っています。
 映画「モーリタニアン」をご覧になった皆さんはご感想をお聞かせ下さい。