ブログ

辻村深月原作 映画「かがみの孤城」を観ました

 辻村深月さん原作、原恵一監督の映画「かがみの孤城」を観ました。
 原作の文庫本の背表紙から、本作のストーリーを紹介します。
 「学校での居場所をなくし、閉じこもっていた『こころ』の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような建物。そこにはオオカミの面をつけた少女が待ち受け、こころを含め、似た境遇の7人が集められていた。城に隠された鍵を探すことで願いが叶えられるという。すべてが明らかになるとき、驚きとともに明らかになったとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。原作は、2018年本屋大賞受賞作であり、映画化を待ち望んでいました。
 2021年度の小中学校の不登校児童生徒数は、全国で24万人、山口県内で、2603人です。大きな社会問題である不登校児の心にこれほどまでに寄り添いながら、エンターテイメント小説としても成功させた作品であるからこそ160万部ものベストセラーとなっているのだと思います。
 コロナ過で同調圧力も強まる社会の中で、私たち一人ひとりのストレスはかつてなく高まっています。この作品に登場する子どもたちの境遇は、私たちの気持ちにも相通じるものがあり、登場人物と自分を重ねながら原作と映画を観た方も多いと思います。
 不登校に至る子どもたちそれぞれにきっかけはありますが、親や教師や周りの子どもたちの誰かが、その子どもの人格を否定するような行動を取っているケースが多いことがこの作品を観て分かりました。
 原作者の辻村深月さんは、映画のパンフレットに、子どもたちの部屋の鏡が城につながる設定について次のように語っています。
 「外の世界が敵だらけに思えて怖いなら、こっちから迎えに行く、という思いで部屋の鏡を光らせて入り口にしました。中学生の日常は、居場所が家と学校とせいぜい塾や習い事ぐらいで、昼間外出しているだけでもとても目立ってしまうから、物理的にも居場所がない状態。その中で主人公たちが過ごせる場所をひとまず提供して、その後何が起こるか彼らにまかせようというくらいの気持ちで書き始めました。」
 不登校という同じ子どもたちが、不器用でありながら、孤城で出会い、友情を深める物語です。
 人は人との中で成長するという当たり前のことをこの作品で知る事が出来ました。
 ならば、不登校の子どもたちが成長できるような居場所を提供することが、必要なのではないかとこの作品を通じて感じました。
 以前、本ブログで、「不登校特例校」のことを書きましたが、行政や民間それぞれのレベルで、不登校の子どもたちの成長を保障する場を数多く提供していくことが必要だと感じました。
 同時に、この日本全体に浸透している競争至上主義社会を見直していくこと、そして、子どもたち一人ひとりを取り残さない社会を構築していく必要性を感じました。
 やはり、30人以下学級を実現し、教員も増やし、子どもたち一人ひとりに目が行き届く教育条件を整備していくことの重要性を感じました。
 私は、4月の県議選で、少人数学級の実現を公約に掲げています。子どもたち一人ひとりに目が行き届き、行きたい学校になる教育を山口県で実現していきたいと思っています。
 小説か映画で「かがみの孤城」に触れられらた皆さん、感想をお聞かせください。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。