議員日誌

映画「太陽の蓋」

 福島原発事故から6年目の3月を迎えました。

 このような中、福島第一原発事故が発生した2011年3月11日から5日間の首相官邸内で震災や原発事故に追われる日本政府要人と東京や福島で暮らす人々の姿に密着した映画「太陽の蓋」をDVDで視聴しました。

 監督は佐藤太さん。原発事故はなぜ起きたのか、事故を回避させることは出来なかったのかなどの問題を新聞記者の視点で、官邸内部の様子をリアルに描いた力作です。

 私たちは、福島原発事故を決して忘れてはなりません。その想いから、このような作品が今後とも作成されることを希望します。

 この映画のスピンオフ作品として、3作品が映像特典の中で収められていました。

 3つめの「最悪のシナリオ」は、私の心に残りました。

 原発問題に関心の深い方は、周知の事実だと思いますが、「最悪のシナリオ」と次のようなレポートです。

 福島第一原発事故から2週間後の3月25日、菅直人前首相の指示で、近藤駿介内閣府原子力委員長が作成した「福島第一原子力発電所の不測事態シナリオの素描」という題名のレポートです。

 福島第一原発は、全電源喪失で冷却機能が失われ、1、3、4号機で相次いで水素爆発が起き、2号機も炉心溶融で放射性物質が放出されていました。

 通称「最悪シナリオ」とされるレポートでは、1~3号機のいずれかでさらに水素爆発が起き原発内の放射線量が上場。余震も続いて冷却作業が長期間できなくなり、4号機プールの核燃料が全て溶融したと仮設した内容となっています。

 原発から半径170キロ圏内で、土壌中の放射性セシウムが1平方メートルあたり148万ベクレル異常というチェルノブイリ事故の強制移住基準に達すると試算。

 東京都のほぼ全域や横浜市まで含めた同250キロの範囲が、避難が必要な程度に汚染されると推定されました。

 今朝の読売新聞の「震災6年未完の事業(2回目)」は「東京電力は1~2月、福島第一原子力発電所で炉心溶融(メルトダウン)を起こした2号機の本格調査を事故後、初めて実施した。また、原子炉格納容器内に、パイプの先につけたカメラを入れた。映像から、炉心の真下にある金網の作業床に1メートル四方の穴と堆積物を確認した。炉心からこぼれ落ちた溶融燃料が突き破った可能性もある。廃炉作業を本格化するには、放射線をまき散らす溶融燃料の場所を特定する必要がある。その後、投入した調査ロボットは、堆積物にひっかかり動けなくなった。溶融燃料を探せないまま、調査を打ち切った。」

 炉心溶融した原子炉の廃炉作業でさえ中断している状況です。当然、4号機プールの核燃料は当然残ったままとなっています。

 先日も、東日本地域で大きな地震が発生しました。近藤駿介氏が作成した「最悪シナリオ」が回避される目途は全く立っていない状況に今日もある訳です。

 私たちは、6年間に起こった福島第一原発の事故を今こそ思い起こしましょう。

 そして、今でも8万1千人もの人々が避難生活を強いられている現実を思い起こしましょう。

 更に、福島第一原発で更に起ころうとしている「最悪のシナリオ」についても知ろうではありませんか。

 安倍政権は、「原発」から決別し、「再稼働」路線を再検証すべきです。

 上関原発の新設は断念すべきです。

 福島第一原発事故からもうすぐ6年になろとしています。

 原発に対する皆さんの想いをお教え下さい。

森友学園自民議員に働きかけ

 昨日、参院予算委員会で、日本共産党の小池晃書記局長は、大阪府豊中市の国有地が異常な安値で売却された学校法人「森友学園」をめぐる疑惑について、政治家が関与した記録を突き付けながら、安倍首相の責任を追及しました。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙を元に振り返ってみたいと思います。

 小池氏は「ある自民党国会議員事務所の面談記録を入手した」として次のように迫りました。

 小池「記録は、2013年(平成25年)8月5日から始まります。8月5日「籠池泰典氏が来訪。塚本幼稚園が小学校設立希望の件。豊中市の国有地借地を希望。近畿財務局より、学校の場合は『購入』のみと回答あり。ついては、8年間の着地にて、その後『購入』と出来ないか?」

 その後8月21日、27日、30日、9月9日と籠池氏からの報告が続いています。

 9月13日「籠池氏から相談あり。9月12日に大阪府庁に近畿財務局の国有財産管理官が来て、小学校設立許可のスミ付きが必要と。ニワトリとタマゴの話。何とかしてや」

 そして同日午後の記録。「同日、近畿財務局から回答。ある意味、ニワトリタマゴの話しですが、前向きにやって行きますから」

 10月12日籠池理事長夫妻が来訪して「小学校用地の県、近畿財務局と大阪航空局職員数名とともに、現地視察。その際、事務方の判断できる事ではないというニュアンスを感じたので、上からの政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい。土地価格の評価額を低くしてもらいたい」

 記録が続きます。小池氏は、「結果として、籠池さんの要望に沿う金額になっているわけですね。非常に重要な経過だと私は思います。」と指摘しました。

 今朝の読売新聞は、「鴻池祥肇・元防災相が代表を務める自民党支部が2014、15年、大阪府豊中市の国有地を小学校建設用地として購入した学校法人「森友学園」側から計20万円の寄付を受けていたことがわかった。学校側には、国有地取得に向けて鴻池氏に仲介を求める目的があったとみられる。鴻池氏は1日夜、記者団に、学園に便宜を図ったことはないとし、寄付は返還する意向を示した。」「鴻池氏は、これら2回の寄付とは別に、14日4月に参議院議員会館で、学園の鴻池康則理事長夫妻から現金の入っていた可能性がある紙包みを渡されたと説明。『(籠池氏からは)財務省にお願いがあるふうなことを聞いた。『頼んでくれ』とか『まけてくれ』とか言っていた。一瞬でお金だとわかった。『無礼だ、帰れ』と突き返した』と述べた。」と報道しました。

 小池書記局長は今日の午前9時から引き続き質問を行います。是非ご覧ください。

 私は、子どもたちが通う無認可保育園を認可させようと、保護者会の会長時代、数年に渡って行政との懇談を重ねていた時代の事を思い起こします。

 結局、その当時、認可をかちとることは出来ませんでした。

 全国で、同様の運動はあまたあります。

 その一方で、「上からの政治力で早く」特定の学校法人のために、国有地が激安で提供された事実は法治できません。

 この問題に、政治家がどのように関与したのか徹底的に解明すべきです。

 その上で、安倍首相の責任も厳しく問われなければなりません。

 森友学園の問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

 

「保険証の無い子」いまだに?!

 2月6日付「民医連新聞」は、「『保険証がない子どもが居た。』。石川・城北病院から、こんな発信がありました。子どもの貧困が社会問題になる中で、無保険の子どもを無くすべく国保法が改正され(2009年)、改善したはずでした。原因は、本来なら避けるべき18歳以下の子どもの保険証の『留め置き』が金沢市が行っていたため。城北病院や『国保をよくする会』が市役所に急行。子どもたちを診察した同院の医師も『いのちの危険につながる』と抗議しました。国保担当課長が謝罪し、子どもの短期保険証は郵送を徹底するよう、運用の改善も約束しました。『他の自治体でも同様のことが起きていないか。ぜひ。アンテナを張って。』。同院の川合優SWは語ります。」は報じています。

 「民医連新聞」は、具体的に、「当事者は、3歳と5カ月の二児をかかえた40才代のAさん一家でした。昨年10月上旬、子どもたちに咳と鼻水の症状が出て、嘔吐もしたため、受診させようと、保険証を受け取りにAさんは市役所に行きました。Aさんは、結婚を機に転職し、非正規のトラック運転手をしていました。月20万円程度の収入で国保料を払うのが難しく、滞納額は60万円になりました。16年10月、保険証更新のタイミングで、家族4人分の保険証が窓口に留め置かれ、未交付の状態になっていたのです。」

 「本来なら、その場で短期証が受け取れるはずでした。しかし、窓口は『30万円を払い、今後の滞納の納付を誓約しないと保険証は渡せない。法律で決まっている』と対応。Aさんは『いますぐ30万円は払えないが、少しづつでも納付する意思はある』と話しました。ところが、窓口職員と会話は平行線。保険証をもらえないまま帰宅しました。それから10日ほど後、生活福祉資金の貸付制度を知ったAさんが金沢市社会福祉協議会に相談すると、無料定額診療事業を行っている城北病院をすすめられました。その日の夕方に受診し、気管支炎と診断されました。

 診察した武石医師は、「5カ月の子は咳や鼻水で母乳が上手く飲めない状態だった。今回は気管支炎だったが、悪化させれば肺炎になることも。危険な病気だったらどうなっていたか」と語っています。

 平成22年5月26日に、厚生労働省保健局国民健康保険課長と厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長が、都道府県民生主管部長などにあてた「資格証明書世帯に属する高校生世代以下の子どもに対する短期被保険者証の交付について」との通達は次のように書いています。

 「医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律の施行により、本年7月1日より、資格証明書世帯に属する高校生世代以下の被保険者に対しては、有効期限が6カ月の被保険者証を交付することとされたところである。」「法律の施行日において、対象となる被保険者の世帯主に対して適切に被保険者証が交付され、速やかに被保険者の手元に届くよう、対象者の抽出や被保険者証の印刷等、事前に必要な準備に努める必要がある。都道府県におかれては、この旨、貴管内保険者への周知徹底を図られたい。」

 国民健康保険法の一部改正が行われて7年目となりますが、早くも、法改正が履行されない実態が生まれているのは残念です。

 私も、「山口県内の全ての子どもたちに保険証を」の質問を県議会で行ったことを思い起こします。

 金沢市の事例が全国で起きていないとは言えないと思います。

 城北病院の川合SWがおしゃるように「アンテナを張って」いくことが大切だと思います。

 18歳以下の子どもさんがおられる国民健康保険の加入者も皆さん。子どもさんに保険証は届いていますか。

 国民健康保険に対するご意見も含めて実態をお教え下さい。

インフル追試35府県市で実施へ

 今朝の読売新聞は、「高校入試の際、インフルエンザなどで体調を崩した受験生への救済策として、26府県市が別日程での追試験を来春以降導入する方向で検討していることが文部科学省の調査でわかった。追試の実施を求めた昨年10月の同省の通知を受けた措置で、公立高入試での追試はすでに導入している9府県市と合わせ35府県市に拡大する見通しとなった。」と報じました。

 読売新聞の報道によると、今春、来春とも追試を行う自治体(都道府県)は、秋田県、静岡県、三重県、京都府、和歌山県、徳島県。来春以降、追試を実施する方向で検討している自治体(都道府県)は、岩手県、山形県、神奈川県、新潟県、山梨県、岐阜県、愛知県、大阪府、島根県、岡山県、広島県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県。

 中国地方で、来春以降も追試を実施する方向が示されていないのは、鳥取県と山口県だけとなっています。

 我が家の中三の三男は、約10日前にインフルエンザと診断され学校を休んでいました。幸い体調は戻り、元気に学校に通っています。

 私は、数日前にインフルエンザと診断され、仕事を数日休んでいます。幸い、受験生の息子と同じ型で、移ることはないということで安心しています。

 山口県では、いよいよ来週、公立高校入試が行われます。

 受験生を持つご家庭では、それぞれ神経を使っておられるところだと思います。

 山口県でも、早急に、インフルエンザなどで体調を崩した受験生への救済策として追試験などの対策が講じられることを期待したいと思います。

 受験生を持つ保護者の皆さん、ご意見をお聞かせ下さい。

 

映画「64 ロクヨン」

 映画館で観たいと思っていながら観れなかった映画「64 ロクヨン」(以下64)をDVDで聴視しました。

 64とは、昭和64年。「天皇崩御」で7日間しかない昭和64年の間に起きた少女誘拐殺害事件。

 その事件に翻弄される群衆劇です。

 主人公のD県警広報官の三上に佐藤浩市さん。

 DVDの特典映像の中で語っているように「身を削る」演技は圧巻でした。

 助演級の役者さんだけでも数十人に及びますが、その一人一人と対峙し、常に矢面に立たされる三上を演じた佐藤浩市さんの演技は、映画史に残るものだと思います。

 犯人の声の録音に失敗した科捜研研究員の日吉浩一郎は、その後、県警を退職して引きこもりの生活を送っています。

 この日吉に、三上が「君は悪くない」とのメモを送り、読んだ日吉が涙を流すシーンは胸に沁みました。

 また、加害者の匿名報道で、記者クラブの怒りを買った交通死亡事故で、被害者の生活実態を語る三上の言葉の暖かさにも胸が痛みました。

 更に、三上自身が娘と葛藤するシーンは、見物です。

 我が家も思春期を迎えた4人の子どもを抱えているので、胸に詰まされます。

 世の中、理不尽な事だらけだけれど、相手を信じて真正面からぶつかって語り合っていくしかないんだということを熱く語る映画だと思いました。

 横山秀夫さんの作品は、ほとんど読んでいます。映像化された作品の多くも観ています。

 人物描写の職人のような横山秀夫さんが益々好きになりました。

 小説「64」は、「震度0」から7年後に発表された作品です。

 横山さんには、この間、心筋梗塞や記憶障害など相次いで病魔が襲ったようです。

 そのような中、何度も推敲を重ねて完成した小説「64」を今、心に刻みながら読み直しています。

 小説「64」が出版されて5年目を迎えました。横山ファンとしては、そろそろ次回作を読みたいと思っているところです。

 今度は、警察小説でしょうか、「クライマーズ・ハイ」のように場面が変わるのでしょうか。

 いずれにしても横山秀夫さんの新作を大いに期待する日々です。

 よりよい未来のために、今を大切に生きていく。映画「64」からそのことを学びました。

 映画「64」のスタッフ並びに出演者の皆さんありがとうございました。

国際パラリンピック委員会会長へのインタビュー

 25日付の読売新聞に国際パラリンピック委員会会長であるフィリップ・クレーブンさんのインタビュー記事が掲載されていました。

 「不寛容の動きが広がっているように見える。」との質問に対して、フィリップさんは次のように述べています。

 「不寛容で保護主義まがいの主張が広がる今の傾向は、IPC(国際パラリンピック委員会)が掲げてきた理念とは、相いれないと感じている。他者への恐れや、自分は何をしてもいいといううぬぼれ、あるいは『もう一つの事実』などと名付けられた単なる嘘によって、踊らされる人々が増えていることに危惧を覚える。人々が生活への不安を抱えているのは確かだが、情報操作や分断では解決できない」

 「例えば地球環境の中で人類が好き勝手をすれば、我々も長くは持たない。人々はバランスを取りながらも、ともに未来に向かうべきなのだ。身勝手な保護主義がこのバランスを壊せば、大きな危機が待っている。パラリンピック運動が発してきたメッセージも、人々が違いを認め合い、ともにあって初めて、より良い豊かな世界をつくることができる、という点に尽きる」

 24日付の読売新聞には、難民支援活動を行う学生団体「SOAR」の活動が紹介されていました。

 SOARは、2013年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の関係団体で就業体験をした学生が設立した団体で、毎年10校程度で出前修行を行っているそうです。

 読売新聞の記事によると、UNHCRの調査で、2015年末の難民の数は6530万人。法務省によると日本国内の2016年の難民認定申請数は過去最高の1万901人。一方認定数は28人にとどまっています。

 西宇部校区人権教育推進大会で、中学生の生徒が、難民問題について語っていたことを印象深く覚えています。

 今、世界は、「人々が違いを認め合い、ともにあって初めて、より良い豊かな世界を作ることができる」という国際パラリンピック運動が発してきたメッセージを広げていくことが求められていると感じました。

 「みんな違って みんないい」金子みすずのメッセージに通じるところがありますね。

 フィリップさんの「地球環境の中で人類が好き勝手をすれば、我々も長くは持たない。」この言葉も世界は極めて重く受け止めなければならないと感じました。