25日付の読売新聞に国際パラリンピック委員会会長であるフィリップ・クレーブンさんのインタビュー記事が掲載されていました。
「不寛容の動きが広がっているように見える。」との質問に対して、フィリップさんは次のように述べています。
「不寛容で保護主義まがいの主張が広がる今の傾向は、IPC(国際パラリンピック委員会)が掲げてきた理念とは、相いれないと感じている。他者への恐れや、自分は何をしてもいいといううぬぼれ、あるいは『もう一つの事実』などと名付けられた単なる嘘によって、踊らされる人々が増えていることに危惧を覚える。人々が生活への不安を抱えているのは確かだが、情報操作や分断では解決できない」
「例えば地球環境の中で人類が好き勝手をすれば、我々も長くは持たない。人々はバランスを取りながらも、ともに未来に向かうべきなのだ。身勝手な保護主義がこのバランスを壊せば、大きな危機が待っている。パラリンピック運動が発してきたメッセージも、人々が違いを認め合い、ともにあって初めて、より良い豊かな世界をつくることができる、という点に尽きる」
24日付の読売新聞には、難民支援活動を行う学生団体「SOAR」の活動が紹介されていました。
SOARは、2013年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の関係団体で就業体験をした学生が設立した団体で、毎年10校程度で出前修行を行っているそうです。
読売新聞の記事によると、UNHCRの調査で、2015年末の難民の数は6530万人。法務省によると日本国内の2016年の難民認定申請数は過去最高の1万901人。一方認定数は28人にとどまっています。
西宇部校区人権教育推進大会で、中学生の生徒が、難民問題について語っていたことを印象深く覚えています。
今、世界は、「人々が違いを認め合い、ともにあって初めて、より良い豊かな世界を作ることができる」という国際パラリンピック運動が発してきたメッセージを広げていくことが求められていると感じました。
「みんな違って みんないい」金子みすずのメッセージに通じるところがありますね。
フィリップさんの「地球環境の中で人類が好き勝手をすれば、我々も長くは持たない。」この言葉も世界は極めて重く受け止めなければならないと感じました。
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