2月6日付「民医連新聞」は、「『保険証がない子どもが居た。』。石川・城北病院から、こんな発信がありました。子どもの貧困が社会問題になる中で、無保険の子どもを無くすべく国保法が改正され(2009年)、改善したはずでした。原因は、本来なら避けるべき18歳以下の子どもの保険証の『留め置き』が金沢市が行っていたため。城北病院や『国保をよくする会』が市役所に急行。子どもたちを診察した同院の医師も『いのちの危険につながる』と抗議しました。国保担当課長が謝罪し、子どもの短期保険証は郵送を徹底するよう、運用の改善も約束しました。『他の自治体でも同様のことが起きていないか。ぜひ。アンテナを張って。』。同院の川合優SWは語ります。」は報じています。
「民医連新聞」は、具体的に、「当事者は、3歳と5カ月の二児をかかえた40才代のAさん一家でした。昨年10月上旬、子どもたちに咳と鼻水の症状が出て、嘔吐もしたため、受診させようと、保険証を受け取りにAさんは市役所に行きました。Aさんは、結婚を機に転職し、非正規のトラック運転手をしていました。月20万円程度の収入で国保料を払うのが難しく、滞納額は60万円になりました。16年10月、保険証更新のタイミングで、家族4人分の保険証が窓口に留め置かれ、未交付の状態になっていたのです。」
「本来なら、その場で短期証が受け取れるはずでした。しかし、窓口は『30万円を払い、今後の滞納の納付を誓約しないと保険証は渡せない。法律で決まっている』と対応。Aさんは『いますぐ30万円は払えないが、少しづつでも納付する意思はある』と話しました。ところが、窓口職員と会話は平行線。保険証をもらえないまま帰宅しました。それから10日ほど後、生活福祉資金の貸付制度を知ったAさんが金沢市社会福祉協議会に相談すると、無料定額診療事業を行っている城北病院をすすめられました。その日の夕方に受診し、気管支炎と診断されました。
診察した武石医師は、「5カ月の子は咳や鼻水で母乳が上手く飲めない状態だった。今回は気管支炎だったが、悪化させれば肺炎になることも。危険な病気だったらどうなっていたか」と語っています。
平成22年5月26日に、厚生労働省保健局国民健康保険課長と厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長が、都道府県民生主管部長などにあてた「資格証明書世帯に属する高校生世代以下の子どもに対する短期被保険者証の交付について」との通達は次のように書いています。
「医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律の施行により、本年7月1日より、資格証明書世帯に属する高校生世代以下の被保険者に対しては、有効期限が6カ月の被保険者証を交付することとされたところである。」「法律の施行日において、対象となる被保険者の世帯主に対して適切に被保険者証が交付され、速やかに被保険者の手元に届くよう、対象者の抽出や被保険者証の印刷等、事前に必要な準備に努める必要がある。都道府県におかれては、この旨、貴管内保険者への周知徹底を図られたい。」
国民健康保険法の一部改正が行われて7年目となりますが、早くも、法改正が履行されない実態が生まれているのは残念です。
私も、「山口県内の全ての子どもたちに保険証を」の質問を県議会で行ったことを思い起こします。
金沢市の事例が全国で起きていないとは言えないと思います。
城北病院の川合SWがおしゃるように「アンテナを張って」いくことが大切だと思います。
18歳以下の子どもさんがおられる国民健康保険の加入者も皆さん。子どもさんに保険証は届いていますか。
国民健康保険に対するご意見も含めて実態をお教え下さい。
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