墜落・死亡事故が相次いでいるオスプレイについて、昨日のしんぶん赤旗日刊紙は次のように報じました。
「墜落・死亡事故が相次ぎ、運用停止となっている欠陥機オスプレイに、新たな問題が浮上しました。米海兵隊のMV22、空軍のCV22に続き、米海軍が配備を計画しているCMV22オスプレイについて、米国防総省の運用試験・評価局が多数の不具合を指摘、『運用に適していない』と勧告していたことがわかりました。CMV22は原子力空母艦載機として、岩国基地(山口県岩国市)への配備が狙われています。同評価局が今年1月、米議会に提出した年次報告書によれば、CMV22は2021米会計年度に、限定的な配備が認められる『初期運用能力』を獲得。しかし、評価局は22年6月、①氷結防止装置など多くの不具合が、作戦任務の失敗の44%を占めている②整備に時間がかかりすぎるーなどをあげ、『運用に適していない』と勧告。一連の不具合の改善は確認されておらず、23年度に予定されていた『完全運用能力』の獲得は24年度以降に先送りされました。氷結防止装置が不具合だと翼やエンジンが凍り、最悪、堕落につながります。評価局は17年の年次報告書で、CV22にも同様の欠陥があると指摘。『飛行安全上の問題を引き起こす可能性がある』と記しています。22年3月には、普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のMV22が、氷結防止装置の不具合で石垣空港(同県石垣市)に緊急着陸しています。一方、米海軍はCMV22が初期運用能力を獲得した21年8月、原子力空母に搭載。防衛省沖縄防衛局の目視調査によれば、同年9月、普天間への飛来が確認されました。以来、空母が沖縄近海に展開するたびに、同基地や嘉手納基地(同県嘉手納町など)への飛来が続いています。昨年11月29日、鹿児島県屋久島沖でCV22が墜落、乗組員8人全員死亡した事故で米軍がオスプレイ全機の運用を停止するまで、CMV22は飛来を繰り返してきました。21年12月には空母の甲板上でエンジンから火を噴く事故も発生。最も深刻な『クラスA』に認定されました。事実上、沖縄県民の頭上で、安全性の担保がないまま『試験飛行』が繰り返されてきたといえます。『住民投票を力にする会』松田一志代表(日本共産党岩国市議)の話ー艦載機の交代として欠陥機オスプレイの岩国配備は許されません。情報をつかみしだい、反対運動を展開していきたい。」
運用に適さないとするオスプレイの岩国基地配備は許されません。
能登半島地震と原発に関し、15日、毎日新聞は次のように報じました。
「能登半島地震で、原発からの避難の課題が浮き彫りになっている。半島の中部にある北陸電力志賀原発(石川県珠洲市)周辺では交通網が寸断されたうえ、多くの建物が倒壊。空間放射線量も測れなくなるなど、避難の『前提条件』が崩れたためだ。同県珠洲市在住の北野進さん(64)はこう訴える。北野さんは、志賀原発の運転差し止め訴訟の原告団長だ。自宅は志賀原発から約70キロ離れた、半島の先にある。能登半島地震が起きた元旦は、金沢市へ車で向かっていた。すぐに帰宅しようとしたが、道路がほぼ寸断されていたため、いったん金沢市の親戚宅に身を寄せ、道路の開通を待って1月5日にようやく帰宅した。それでも金沢市から6時間ほどかかったという。『自宅はなんとか無事だったが、市内では多くの家が倒壊した。自治体の職員も対応に手いっぱいで、もし原発事故が重なったら対応は難しいのでは』と北野さんは話す。その上で『屋内退避も広域避難もできないことが明らかになった。これまで自然災害時の避難はもっと短時間で済むと考えていたが、今回のように長期間の孤立が続いた場合、原子力防災は破綻する』と語った。北野さんら原発立地自治体周辺の住民は2月2日、能登半島地震の新しい知見がまとまるまで原発の再稼働に向けた審議の凍結を求める要望書を、原子力規制委員会に提出した。原発事故時の住民避難や被ばく防護を定めたのが、東京電力福島第一原発事故を受けて規制委が2012年に作った『原子力災害対策指針』(原災指針)だ。それによると、原発から5キロ圏の住民は、事故の兆候があった時点で即時に圏外避難する。一方、5~30キロ圏の住民は原則として屋内避難し、空間線量を実測して値が上昇すればその場所から避難するとしている。しかし、能登半島地震では、その前提が崩れた。その一つが交通網の寸断だ。半島沿岸を走る国道249号は土砂崩れが相次ぎ、金沢市と半島を結ぶ自動車専用道路『のと里山海道』も路面が崩落し、いずれも通行止めになった。内閣府などによると、志賀原発から30キロ圏内では、1月8日時点で最大8地区の約400人が孤立した。県内に69ある漁港のうち60港(1月31日時点)で防波堤や岸壁の損傷などが確認されている。特に半島北側の外浦地域では、隆起で使えなくなった港が多い。能登空港も10メートルを超える亀裂が複数入り、地震直後は使えなかった。つまり陸、海、空路いずれも機能せず、半島そのものが孤立したのだ。屋内退避も難しい事態になった。県によると、住宅被害は6万棟を超えた。その多くは長期間の退避には使えない。自治体が定めた近くの避難所に移ろうにも、道路網の寸断や交通渋滞で難しく、被ばくから身を守れなくなる可能性が生じている。空間線量も把握できなくなった。半島に約120カ所あるモニタリングポストのうち、地震後に最大18カ所が欠測した。通信トラブルが原因で、欠測したものは志賀原発から北側の30キロ圏に集中しており、避難するかどうかの判断ができなくなる恐れがあった。規制委はどう対応するのか。1月17日の定例会で山中伸介委員長は『屋内退避の防護という基本的な考え方を大きく変更する必要はない』と説明。屋内退避の期間を具体的に定めるという、原災指針の一部修正だけにとどめる方針を示した。他にも多くの課題があるのに、なぜ原災指針の修正の対象が屋内退避だけなのか。山中委員長は記者会見で『電気もガスも水もない状態で、1週間とか長い期間同じ場所にとどまるのは難しく、指針の中で(屋内退避の期間を)を明示する必要があると思う』と説明した。一方、道路の寸断やモニタリングポストの欠測などの問題については『自然災害への備えは、これまでの(原災)指針、あるいは防災基本計画や地域防災計画で対応できる』『可搬型モニタリングポストの設置や、無人航空機で測定する準備も進めていた』などと述べ、いずれも原災指針の改定は必要ないとの考えを示した。モニタリングポストの通信網の多重化などを今後進める方針だ。屋内退避自体の方針を見直さない背景には、被ばくのリスクよりも、避難自体のリスクの方が高かったという福島事故の教訓がある。2335人の災害関連死があった福島県は『遠方への避難や複数回に及ぶ避難所移動による影響が大きい』と指摘している。これは、労災などで認定された福島事故の被ばくによる死者数よりもはるかに多い。これを踏まえ、山中委員長は『複合災害の場合は、まず自然災害に対する対応を第一に考えていただくことが大切だ。その上で原子力災害が起こった時の防護策を考えるという、二重の備えだと思う』と述べた。だが、屋内退避そのものの実効性には、自治体からも疑問の声が上がる。福井県の若狭湾に集中する原発から30キロ圏にある滋賀県は、16年の熊本地震を機に、原災指針の屋内退避について研究し必要な改定を求める要望書を提出した。東電柏崎刈羽原発がある新潟県が設置した三つの検証委員会は、これまで福島事故の影響を独自に分析、検証してきた。検証委の一つが22年に県に提出した報告書では、屋内退避について『被害が大きい地域については現実的に不可能であり、推奨されるものではない』と指摘している。この検証委の委員長を務めた東京大大学院の関谷直也教授(災害情報論)は『地震と複合災害で家に居続ける屋内退避ができないというのは当たり前のことで、これまでも指摘されてきたが何年も議論されてこなかった。それが今回も顕在化した』と述べる。その上で『避難計画はそれぞれの地域で議論していて共有する仕組みがなく、指針や計画に自然災害の見地が生かされていないのが課題だ』と指摘する。」
2002年5月10日に、日本弁護士連合会が公表した「上関原発建設計画意見書」によると、上関原発計画の問題点の一つとして、原子力災害が発生した場合として次のように指摘しています。
「避難・搬送車両が、上関大橋に集中する結果となり、災害時における避難・搬送経路としては、甚だ脆弱である。」「特に原子力災害が地震によってもたらされた場合には、避難・搬送ルートの確保に、より困難な問題が浮かび上がる。」「(離島で)船舶を保有していない世帯では、定期便あるいは避難救助用船舶を待つしかないが、原子力災害時にも、これらの定期便が順調に運航される保障はない。」
能登半島地震での志賀原発の教訓を上関原発計画や伊方原発の避難計画の生かすべきと感じます。
原子力災害が地震によってもたらされた場合の避難計画をどうするのか、真剣に考えていかなければならない問題です。
皆さんのご意見をお聞かせください。
今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、東京都内の小中学校の給食費無償化の状況について、次のように報じました。
「東京都内で、小中学校の給食費無償化が大きなうねりとなっています。23区では、2024年度から全区で実現へ。都の予算案には、区市町村への補助事業が盛り込まれました。都議団はじめ日本共産党は7日、全額の補助とするよう都に要請。すべての自治体が無償化できるよう、取り組みを進めています。本紙の調査で新年度に実施、あるいは検討中の自治体が広がっていることが分かりました。東京都は『給食費は本来、国の責任と財源で無償化するべきだが、国が対象とするまで支援する』として、区市町村が給食費の保護者負担を軽減する場合、費用の2分の1を補助する方針です。特別支援学校など、都立学校での無償化も行います。23区のうち20区は、23年度中に区立小中学校での無償化を実施。特別支援学校や私立学校に通う子ども、アレルギーで弁当持参の子どもにも給食費相当を支給するなど、対象を拡大した区も少なくありません。期限を定めた区もありますが、20区とも新年度も継続する方針です。未実施の渋谷区と一部実施の新宿、練馬の3区も、新年度から完全無償化の予定です。渋谷区では、市民団体『給食無償化プロジェクト@渋谷』が、請願や署名活動を進めてきました。23年3月議会には、公立の小中学校と私立も含めて給食無償化を求めて請願を提出しましたが、自民や公明などの、区長会派の反対により否決。他区が続々と無償化を打ち出す中で、改めて請願を提出しました。集めた署名は、延べ約4500人分も。現役世代の後押しもあった、と同団体代表の折笠祐治さんは言います。『渋谷区での運動はもちろん、他で起きていた無償化を求める運動が自治体を追い詰めたのは確かです。私たちは議会の反応などのニュースを(赤旗)の折り込みに入れたり、各会派を回ったりと、すぐに実施するよう求め続けてきました。しかし、自民などは公立のみでは不公平になる、と言って先延ばししてきました』結果的に請願は採択されましたが『最初の請願でも(公立のみ)ではなったのに否決はなんだったのか』と折笠さんは憤ります。市では府中、狛江、武蔵村山が23年度中に完全無償化を実施(時限含む)。新たに立川、福生が実施、町田が第二子以降に実施する方針です。立川市では、23年9月の市長選で、日本共産党など野党が立川市民連合を介して共通政策を確認し、応援した酒井大史さんが初当選。政策に小学校給食の無償化が掲げられていました。都の補助を前提に中学校でも実施する意向です。議会で予算案が可決されれば、さっそく政策が実現します。そのほか、5町村が以前から無償化を継続し、神津島村と八丈町が23年度中に実施。大島町が新年度から実施する方針です。市町村は予算案が出そろっておらず、新年度の予定は『検討中』との回答も多くありました。”前向きに”とする自治体がる一方、財政を理由にためらいも見られ、国や都の制度として無償化実施を望む声があがっています。(共産党都議団コメント)学校給食無償化は、長年にわたる都民の声と運動、日本共産党の議会論戦が切り開いた成果です。党都議団は昨年の第4回定例会で、都立も区市町村立学校も給食費を無償化する条例案を4回派共同で提出し、6会派の賛成を得ることができました。条例は否決されましたが、これまでに共同の広がりで都民の願いが実り、都の補助につながりました。一方、2分の1補助にとどることから、党の区市町村議員団や都委員会に対し全額補助を求める要請行動を行いました。参加した議員からは、第三子からでも難しい現状や新たな格差を生むことになるなどの厳しい実態が示されました。都市長会、町村会からも知事に負担軽減を求める緊急要望が出ています。完全無償化をめざし、これからも力を合わせます。(青森県も財政配分方針)青森県が給食費無償化の財源を各市町村に配分する方向だと15日、地方紙『東奥日報』が報じました。日本共産党青森県議団は、全県的な給食費無償化の実現を繰り返し求めてきました。安藤晴美県議団長は『正式な報告は20日に受けます。宮下宗一郎知事が最初に編成する予算案え、前向きな方向が見えたことを歓迎します』と表明。今後も県民運動と一緒に、子どもの権利保障を中心にすえた子育て支援策の拡充へ、がんばる決意をのべました。」
山口県内で、今年度までに実施されている、小中学校での給食無償化の状況は以下の通りです。
岩国市、和木町、柳井市(中学のみ)、萩市、阿武町、上関町、平生町、周防大島町
新年度から長門市で学校給食の無償化が実施される方針が示されました。
山口県は、市町で学校給食が無償化されるよう全額補助を実施すべきです。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
15日、東奥日報は、青森県が新年度予算で小中学校給食費を無償化する方針を明らかにしたと次のように報じました。
「青森県が県内小中学校の給食費の無償化に向け、市町村へ財源を配る方向で調整していることが14日、複数の関係者への取材で分かった。児童生徒数に応じた額を2024年度中に各市町村に配分し、無償化を促す。既に給食費を無償化している市町村にも配り、浮いた予算を別の子育て経費の無償化に活用してもらう方向で検討している。全県での給食費無償化が実現すれば全国初となる見通し。県は、20日に発表する24年度当初予算案に市町村への配分額を盛り込む。給食費、医療費、おむつ代などの子育て経費の段階的無償化は、昨年6月に就任した宮下宗一郎知事が公約に掲げている。県教育委員会によると、昨年10月時点で県内17市町村が給食費を無償化している。市町村側の準備が必要になるため、年度当初の4月からの全県的な実施は見送り、年度途中から一斉に無償化できるよう調整を進める。市町村への配分額は、児童生徒一人当たりの単価を設定して進める。学校給食を巡って県は、県産農林水産物を食材に積極的に取り入れる取り組みも進める。子育て支援に加え、給食を通じた食育や地元産品のPRにも力を入れていく。これまで複数の市町村長や市町村議会議長から給食費無償化の要望を受けていた宮下知事は『どの自治体で育っても、同じ公的支援が受けられるようにするべきだ。県内市町村の(支援の)ばらつきをならしていくのが自分の使命』との考えを示していた。県は24年度当初予算の編成に当たり、『少子化への挑戦』を最重要課題に設定。給食費をはじめ子育て経費が連鎖的に無償化される環境を整え、子育て世帯の負担軽減を図っていく。各種施策を推し進めるため、4月に県庁の組織を改編し、子ども・子育て施策を集約した『こども家庭部』を新設する。」
東京都が新年度から、市区町村の学校給食費の2分の1を支援する方針を決めたことを過去の本ブログで紹介してきました。
人口が約124万人の青森県が小中学校の学校給食費を無償化する支援に乗り出したことは重要です。
山口県においても、20日に、新年度予算の概要が明らかになりますが、村岡知事も少子化対策が重要な課題としています。
村岡知事に少子化対策に実効性のある施策を新年度実施するよう求めるものです。
是非、保育料や医療費の無償化の拡大と同時に、学校給食の無償化に山口県も踏み出すことを強く求めたいと思います。
青森県が学校給食費の無償化に踏み出す方針を明らかにしました。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
昨日、日本共産党山口県委員会主催の「山口県地方議員会議」が開かれ、私は、自治体研究社主催の「地方議会議員政策セミナー」で行われた「自治体行政のデジタル化」セミナーに参加した内容を報告しました。
私は、自治体業務のガバメントクラウドへの移行問題と山口県の動きについて報告しました。
報告した内容は以下の通りです。資料請求は、私にお願いいたします。
・・・
地方議会議員政策セミナーで、私は、自治体行政のデジタル化に関するセミナーに参加しました。
今日は、自治体のデジタル化に関する二つの資料を準備しました。
一つは、雑誌経済2月号に、東京自治労連副議長の稲葉多喜生さんが書かれた「ガバメントクラウドで自治体はどう変わるかです。
(53ページ)2026年度以降の自治体業務はガバメント上でおこなわれます。
政府は、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律=標準化法を2021年に制定し、全国の自治体の業務システムを、国が新たに示した「標準準拠システム」へ2025年度末までに移行することを義務づけました。
自治体の基幹業務システムは各自治体が個別に調達しており、規格が異なります。自治体は標準準拠システムへ移行するため、現行の基幹業務システムを「統一・標準化」することが新年度の大きな課題になります。
自治体が標準準拠システムを利用するには、デジタル庁が調達する「ガバメントクラウド」を原則利用しなければなりません。
(54ページ)自治体は2025年度末の標準化システム移行へ向けた統一・標準化の経費負担が、国の補助金を上回っています。全国知事会は2023年10月、政令指定都市市長会が同年11月に国へ、統一標準化にかかる費用は全額、国が負担すること等を求める要請を行いました。
(55ページ)国がシステムの移行期限を2025年度末に固執するため、全国の自治体が同時期に移行作業を進めています。そのため、必然的にシステムベンダー(システム再構築を請け負う業者)の不足と人件費の高騰が起きています。
(56ページ)国は、ガバメントクラウド移行で情報システムの運用経費が3割削減と言っています。ガバメントクラウドの利用料は、現行の自治体システムよりも高額になる可能性があります。
(57ページ)標準準拠システムではカスタマイズ不可(独自に作り変えることはできない)ため、自治体の独自施策の「上乗せ・横出し」するためには、「オプション機能」の別途構築が必要で経費がかかります。
現行の基幹業務システムよりもランニングコストが増額することになれば、システム経費が足かせになって自治体の福祉施策の後退となります。
資料の二つ目は、県が市町などと、2020年度から行っている「山口県デジタル・ガバメント構築連携会議」昨年8月29日のものです。
6ページにあるように、課題として、①デジタル基盤改革支援補助金に上限額の設定があることや今後の改訂内容等が不明瞭であり、既存システムの契約解除に伴う違約金等を含めた、移行費用の自治体負担の増大について大きな懸念②自治体負担の軽減が図られるか不透明②運用経費の増大が懸念されるなど、稲田副議長の指摘については、県内でも共通する懸念となっています。
その一方で、何が何でも2025年度末までに移行を完了させるということで、7ページにあるように、昨年7月末で情報システムの標準化・共通化についての進捗率は29.8%と全国平均より県内は進んでいます。
8ページにあるように、県は、移行に伴う全ての経費に対する確実な財政支援や運用経費等の削減が確実に図られるように、全国知事会等を通じて国に要請を行っていくとしています。
9ページは、マイナポータルを活用した電子申請の推進です。
昨年8月時点で、19市町で延べ463手続きの電子申請化が行われています。
11ページは、RPAの取組です。人間が行っていた作業をデジタル化する取組です。今年度、市町がグループに分かれてシナリオの作製が行われています。
15ページは、アナログ規制の点検・見直しです。これまで、例えば、検査など人の目視が義務付けられていたものをデジタル化しようとするものです。国は、2025年6月までに完了させようとしています。県は、今年度内を目途に見直し方針を整理の上、随時、条例改正等を行う予定としています。
最後に、稲葉さんの論文に戻ります。自治体はデジタル化によって、①データ主権が国へ移行する②業務データの収集が行われる③システムの運営主権の移行が行われるなどの地方自治体の主権を奪うものです。
・・・
デジタル栄えて民滅ぶという状況になっては本末転倒です。
デジタル化の中で、住民の福祉向上が図られるよう、しっかり監視し、しっかり発言していきたいと思います。
自治体業務のデジタルガバメント移行問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設中止を求める署名が中国電力に提出されたことを8日、朝日新聞は、次のように報じました。
「中国電力が上関町で計画している使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、地元住民でつくる『原発に反対する上関町民の会』など4団体のメンバーが7日、広島市の中電本社を訪れ、建設中止を求める27万5043筆の署名を提出した。上関原発の建設計画の中止も申し入れた。『町民の会』のほか、『上関の自然を守る会』『原発いらん!山口ネットワーク』『原水爆禁止山口県民会議』の代表メンバー計9人が参加した。中電側は地域共創本部の幹部らが対応した。『中間貯蔵施設の建設中止を強く求める』趣旨の署名を、各団体が協力して昨年9月から今年1月末にかけて集めた。インターネットも活用して、県内外に呼び掛けたという。住民団体のメンバーはこの日、段ボール箱に詰め込んだ署名を中電本社に運び入れ、中間貯蔵施設と上関原発の建設計画の『白紙撤回』を申し入れた。中電側はこれに対して『中間貯蔵施設は今後の調査の結果を踏まえて具体的な計画を策定するが、基本的には上関原発の計画と並行して進められるものと考えている。建設計画の撤回は考えていない』と述べた。その後、団体のメンバーと中電側の担当者のやり取りは1時間ほど続いた。『町民の会』の三家本誠さん(75)は、昨年12月に村岡嗣政知事が原発と中間貯蔵施設が上関町内に併存するのは『大きな負担』と述べたことについてただしたが、中電側は『発言は承知している。具体的な計画を提示することになれば当社の考えをお示ししたい』と述べるにとどめました。中電は、建設予定地でのボーリング調査に先立って1月から森林の伐採を始めた。上関原発建設に向けた調査で中電が『ボーリング調査で出た汚水は循環させ、外部には出さない』と説明しながら、現場で流れ出ていた事例があったとして、団体側は『ネット上で作業の様子(の映像)を公開したらどうか』と迫ったが、中電側は応じなかった。『自然を守る会』共同代表の山本尚佳さん(70)は、上関の海で見られる絶滅危惧種のカンムリウミスズメの生息調査に取り組んでおり、昨年、中電の調査の6倍にあたる個体数を確認したとして、『中電の調査は精度が低すぎる』と指摘した。三家本さんは『県外からもたくさん署名に参加してくれた。使用済み核燃料を、危険を冒してわざわざ上関に持って来なくても、と多くの人が思っている。中電は27万5043筆という署名の重みを受け止めてほしい』と話した。」
中国電力は、署名の重みを受け止め、中間貯蔵施設及び上関原発をきっぱり断念すべきです。
私も微力ながら署名に協力しました。27万5千余の署名が提出されたことに対する皆さんのご意見をお聞かせください。