2月9日付、しんぶん赤旗日刊紙は、歌手でお笑い芸人のタブレット純さんのインタビューを次のように報じました。
「人気歌手・お笑い下人のタブレット純さん。自伝『ムクの祈り』を出版しました。どんな本?話を聞きました。西條正人記者 NHK『阿佐ヶ谷アパートメント』などテレビやラジオに引っ張りだこ。細い声でささやくように話しますが、歌うと一転して渋い低音を響かせます。永六輔、小沢悠里、蛭子能収、美輪明宏らの物まねも得意。浅草・東洋間や新宿・末広亭といった寄席にも出演し、現在は落語協会所属です。そんな彼が出版社の依頼を受けて記した自伝。実は、2度目の出稿でした。『いくつかの章を書いたのですが、エッセーのようになってしまって・・・リセットして書き直しました』ムクは、純さんが幼い頃に家で飼われていた犬。引っ越しの際に捨てられました。本には、こう書かれています。『ぼくは一匹の犬と自分を重ね合わせることが多くなっていた』運動が苦手で、クラスでいじめられました。初恋の相手は男性。勇気を出して告白するとフラれました。自分もムクと同じ野良犬ではないか・・・。本書は、後悔と懺悔を吐露した私小説のようです。『太宰治も夏目漱石も自分の恥部を書いていました。自伝なら醜い部分も書かなければならないのではないか。芸能人の自慢話に陥らないようにしたい、と思いました」とはいうものの、ただ暗い本ではありません。帯には、小説家・阿川佐和子さんが『まるで韓流ドラマのよう』という推薦の言葉を寄せています。物心ついた頃からムード歌謡が大好き。神奈川・相模原市の自宅から東京・町田の中古レコード店に通いました。和田弘とマヒナスターズに胸をときめかせる風変りな小学生でした。『おとなへの憧れがあって琴線に触れたのだと思います』高校卒業後は古本店で働きました。8年間勤めましたが、つぶれて訪問介護の会社に転職。ところが、そこも経営不振でリストラされました。新宿の歌声喫茶に就職したころ、マヒナスターズのギタリストと知り合ってグループのメンバーに選ばれました。夢がかなったのもつかの間、和田さんが亡くなって再び無職に。29歳でした。雑誌の取材現場で歌手・渚ようこさんの知己を得て新宿のバーで働きました。各地のライブハウスを回るものの、酒におぼれ、『廃人すれすれ』の状態に・・・。歌をやめようと決意します。どん底から『救ってくれた』のはデイサービスの仕事でした。高齢の不機嫌な人も、重度の認知症の人も、一緒に歌えば満面の笑みに。介護の現場が『歌の力』を再認識させてくれました。37歳の時、東洋館の支配人に声をかけられ舞台に立つと、しだいに自らの『お笑い』の才能に目覚めました。華やかですが、明日の保証はない芸能界に身を置きます。『犬であれ、人間であれ、居場所なんてあってないようなものなんかな』吟遊詩人のよう。古本屋勤務の頃には詩集を自費出版したこともある、とか。少年時代から買い集めたレコードは1万枚以上。その頃から好きなもの『大相撲・プロ野球・昭和歌謡』は変わりません。『こんな私でも、好きなものをブレずに追及していたら道が開けたというところを感じとっていただけたらと思います』」
先日、NHKのラジオのゲストとしてタブレット純さんが出ておられ、生い立ちを語っておられ、この本の存在を思い起こし、書店で注文し、数日間で一気に読みました。
インタビュー記事に、阿川佐和子さんの帯の言葉がありますが、全文は次の通りです。
「まるで韓流ドラマのよう。切なさと愛おしさと弱さと大胆さと、愛とサスペンスに満ちたタブレット純の物語を知ったら、どんなに落ち込んでいても、きっと外に飛び出したくなるはずだ。」
武田砂鉄さんは次のように帯に書いています。
「この人が頑張っているなら今日も頑張ろうと思ったことが一日だけあります。それは自分がとても弱っている日のことでした。」
この本は、タブレット純さんの成功譚では決してありません。物語は、最後まで失敗の連続のようですが、必ず、タブレットさんを支える人物が現れます。
私たちの人生も失敗の連続のような時が多いですが、その中で、周りの人に助けられてまた、明日を生きているような毎日ではないでしょうか。
この本は、そのことに気づかせてくれます。
タブレットさんの今があるのは、インタビュー記事の最後にあるように「好きなものをブレずに追及」してきたからだ私もこの本を読んで感じています。
私も、政治の道を約35年歩んできましたが、「誰一人取り残されない社会」を目指して頑張ってきました。
これらも弱っている日や落ち込む日もあるかと思いますが、この本を開いて、この道を歩んでいこうと思います。
タブレット純著「自伝『ムクの祈り」を一人でも多くの皆さんにお読みいただきたいと思います。
読まれた方は、感想をお聞かせ下さい。
先日は、「笑点」にタブレット純さんが出演されていました。これからもタブレット純さんを応援していきたいと思います。
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