米軍岩国基地周辺の騒音について、今朝の毎日新聞は、次のように報じました。
「岩国市は2021年度の米軍岩国基地周辺の騒音発生状況をまとめた。市が騒音を測定している市内5地点のうち滑走路南側約2キロの尾津町など3地点の騒音測定回数が、米軍再編に伴う厚木基地(神奈川県)から空母艦載機約60基の移転完了(18年3月)後、最多となった。騒音軽減などを目的に岩国基地の約1キロ沖に建設された滑走路が供用開始された10年度以降でも最多で、さらに尾津町では09年度以来12年ぶりに1万回を超えるなど、供用開始前の水準に近付いている。市は、日常生活でうるさいと感じる70デシベル以上が5秒以上続く騒音を測定している。最多を更新した3地点と騒音測定回数は、尾津町1万809回(前年度9301回)、滑走路北側約2キロの川口町9148回(同7820回)、南側約10キロの由宇町港5324回(同4509回)。艦載機移転開始前の16年度に比べると、尾津町は約3倍、川口町は約2・7倍、由宇町港は約2・6倍となった。また、尾津町と川口町は滑走路供用開始前の09年度の水準に近付き、由宇町港では上回っている。他の2地点でも前年度を上回っており、市は増加原因を▽空母に搭載されて5月に基地を離れた艦載機が例年より約1カ月早く10月に帰還したこと▽12月には米空母のステルス戦闘機F35Aが米本土から12機飛来して基地所属機と訓練を繰り返したこと―などの影響とみる。基地周辺の騒音測定回数は10年5月の滑走路供用開始後、減少傾向が続いたが、艦載機移転が始まった17年度移行は増加傾向に転じている。基地機能強化に反対する住民団体『瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク』の顧問を務める久米慶典さん(66)は『米中対立が深まり、米軍は世界戦略を見直し、空軍機についても、いつでもどこへでも展開できるような態勢にしている。これに伴い、岩国基地にも空軍機など外来機の飛来が増えたうえ、外来機が岩国基地所属の海兵隊機や艦載機との訓練を繰り返すこととなり、騒音が増えた』とみる。そのうえで『ロシアによるウクライナ侵攻もあり、今後は極東の情勢が更に不安定化し、市民の負担が増える可能性がある』と指摘している。」
7日のしんぶん赤旗日刊紙は、最近の米軍岩国基地の騒音について次のように報じています。
「米軍岩国基地配備の複数の戦闘攻撃機が5日夕、同市の市街地などの上空で旋回を繰り返しました。旋回は午後4時前から約2時間続き、騒音が絶えませんでした。旋回していたのは米海軍の空母艦載機の戦闘攻撃機で約4機。主に滑走路から西に4キロあたりの市街地や広島湾の上空を旋回し、市街地ではほぼ1分間隔で頭上に機影が現れ、騒音が続きました。市によると同日、騒音などの苦情が50件寄せられたといいます。岩国基地の空母艦載機は6日から25日まで硫黄島で陸上着陸訓練(FCLP)を実施。例年、空母の出航に向け、住民への影響を無視した飛行訓練が相次いでいます。市内の『住民投票を力にする会』の松田一志代表は『市民生活を脅かす市街地上空での飛行訓練が繰り返されることは認められません。市街地上空での飛行訓練は中止するよう、岩国市と県は米軍に強く申し入れるべきだ』と指摘します。」
岩国市の「基地政策の基本姿勢」には、「基地機能が変更される際には、その影響により、周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられるとは認められない場合には、これを容認できないという立場を基本姿勢として堅持する考えである。」とあります。
空母艦載機移駐に際しては、岩国市は、国から騒音についての説明を受け「2006年当時の現況(沖合移設前)と比べて、全体として悪化する状態は生じない」と整理し、空母艦載機移駐を容認しました。
しかし、毎日新聞の報道にあるように「艦載機移転前の16年度に比べ」騒音測定回数が2倍から3倍になっている現状は、空母艦載機部隊移転前と比べ「全体として悪化する状況は生じていない」とは言えない状況と言えます。
騒音の現状は、岩国市の基本姿勢」にある「周辺環境が現状より悪化する」状況と言え、基地機能を変更する際に「容認できない」とする状況と言えます。
岩国市と県は、騒音の現状から、国に改めて「空母艦載機移駐」は「容認できない」とする姿勢を示すべきだと考えます。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
総務省が3月29日に地方自治体に通知した「公立病院経営強化ガイドライン」について、今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、日本共産党政策委員会の谷本諭さんの小論を次のように掲載しました。
「4月中旬、複数の新聞が、『総務省 公立病院 統廃合撤回』と題する記事を掲載しました。総務省が3月29日に地方自治体に通知した『公立病院経営強化ガイドライン』の内容を報じたものです。総務省は、2007年に『公立病院改革ガイドライン』、15年に『新・公立病院改革ガイドライン』を策定し、公立病院の『赤字解消』や『再編・ネットワーク』の名による病床削減・病院統廃合の号令を自治体にかけてきました。とくに厚生労働省が16年の『地域医療構想』で高度急性期・急性期病床の20万床削減計画を打ち出して以後は、『新・公立病院改革ガイドライン』と『地域医療構想』を『整合』させながら公立病院の整理・淘汰を求めてきました。注目すべきは公立病院『改革』に向けた方針文書の『第三弾』にあたる『経営強化ガイドライン』が、『改革』の重点を『赤字解消』から『経営強化』に変更したことです。『再編・ネットワーク化』の文書をなくす代わりに『病院間の役割分担・連携』を強調。『改革』のための国の財政措置も、『複数病院の統合』を前提に施設整備費などを補助する従来のやり方から、『不採算地区病院』を維持しつつ、基幹病院から医師を派遣したり、救急体制の連携を行ったりするなど、『統廃合ありきではない』やり方に変えるとしています。軌道修正について総務省は『感染拡大時の公立病院の役割が改めて確認された』と説明しています。背景に、コロナ危機のもとでも病床削減・病院統廃合を進める政府への世論の批判があることは明らかです。『経営強化ガイドライン』は冒頭、21年12月の『地域医療確保に関する国と地方の協議の場』での議論を踏まえたことを強調しています。同協議に厚労省は、『地域医療構想』の取組みは、『病床の削減や統廃合ありきではな(い)』とする資料を提出。そこには『参考』として、21年10月の参院本会議で、日本共産党の小池晃議員が岸田文雄首相に病床削減計画の撤回をせまった論戦の議事録が添付されていました。同協議で、全国知事会の代表は、高齢化のピークとされる25年に向けて急性期病床を減らすという『地域医療構想』の考え方の変更を主張。今後の感染拡大に向け、『一定程度の余力がある』医療体制を国に求めました。全国市長会の代表も、新型コロナに対応できたのは『活用されていないベッドがあったから』だとし、『赤字』を理由にした病院統廃合は『大変な地域の問題になる』と訴えました。まさに、国会論戦と地方からの抗議の声が政府を追いつめ、言い訳と取り繕いに追い込んだといえます。一方、『経営強化ガイドライン」は引き続き、公立病院の民営化など『経営形態の見直し』や、医療機能の『集約化』の検討を自治体に迫っています。厚労省は『地域医療構想』を堅持し、400超の公立・公的病院を統廃合の対象として名指ししたリストも撤回しない立場です。高度急性期・急性期病床の20万床削減計画や、病床を減らした病院に消費税収を使って補助金を出す『病床削減給付金』の仕組みも手付かずです。『地域医療構想の名での急性期病床削減の計画はきっぱり中止し、拡充に切り換える』(4月7日、日本共産党全国総決起集会報告)論戦と運動を、国でも地方でもさらに強めることが必要です。」
文中にある資料は、昨年10月13日の参院本会議での小池晃議員と岸田首相との次のやりとりです。
・・・
小池議員「総理は、公立・公的病院の統廃合計画について、病床の削減や統合ありきではないと答弁しました。しかし、自公政権が地域医療構想に基づいて20万床の急性期病床を減らす計画を立て、骨太の方針でその強化、促進を掲げているのは紛れもない事実です。岸田内閣が本当に医療難民ゼロを実現しようというなら、それに反する地域医療構想と骨太の方針、消費税収を使った病床削減の仕組み、とりわけ急性期病床を削減、縮小する計画を直ちに撤回すべきです。答弁を求めます。
岸田首相「地域医療構想については、人口構造の変化を踏まえ、地域の医療ニーズに合わせ、質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指し取り組むものです。こうした観点から、地域での合意を踏まえ、自主的に行われる病床の減少に対して支援を行っています。病床の削減や統廃合ありきではなく、地域の実情を十分に踏まえつつ、地方自治体等と連携して検討を進めてまいります。
・・・
私は、総務省が3月29日に地方自治体に通知した「公立病院経営強化ガイドライン」に関する報道を受け、通知を所管している県市町課と、地域医療構想を所管する県医療政策課の担当者から通知の内容についての県の認識について説明を受けました。
市町課の担当者は新ガイドラインについて「前ガイドラインは、『経営強化』に主眼が置かれて、病院や経営主体の統合についても触れられていたが、新ガイドラインは、病院間の役割分担と連携強化に主眼が置かれたものになっている。」と説明しました。
一方、医療政策課の担当者は、「地域医療構想」や400超の公立・公的病院の統廃合の対象として名指ししたリストについて「これまでの厚労省の文書に、『地域医療構想』の見直しやリストを見直しに関する記述はない。」と説明しました。
厚生労働省は、4月27日、下関構想区域(独立行政法人国立病院機構関門医療センター、独立行政法人地域医療機能推進機構下関医療センター、社会福祉法人恩賜財団済生会支部山口県済生会下関総合病院、地方独立行政法人下関市立病院)を、地域医療構想の実現に向けた、「重点支援区域」に選定しました。
重点支援区域に指定された下関市の4病院の再編統合に対し、厚生労働省から技術的支援や財政的支援が行われることになります。
しんぶん赤旗日刊紙にある「病床を減らした病院に消費税収を使って補助金を出す『病床削減給付金』の仕組み」が、下関市の4病院の再編統合に向けて使われようとしています。
政府は、公立病院の経営について統廃合ありきではないやり方に変えるというのであれば、急性期病床20万床削減する「地域医療構想」計画を中止し、400超の公立・公的病院の統廃合を対象にしたリストを撤回すべきです。
更に、病床を減らしたら病院に補助金を出す仕組みを見直しべきです。
これら制度が温存されたままなら、病院統廃合路線の軌道修正は難しく、自主的ではなく、強制的に進んでしまいます。
コロナ禍の中、病院削減計画はきっぱり中止、拡充に切り換えるべきだと私も考えます。
今度の参議院選挙は、急性期病床削減の計画を継続するのか、中止し、拡充に切り換えることができるかが大きな争点になっています。
病床の拡充を訴える日本共産党に皆さんのお力をお貸しください。
6日のしんぶん赤旗日刊紙は、米軍岩国基地に配備されている空中給油機について次のように報じました。
「米海兵隊はこのほど、航空機などの配備計画を示す『2022海兵航空計画』を公表しました。同計画の公表は3年ぶり。それによると、岩国基地(山口県岩国市)に配備されているKC130J空中給油機を2023年米会計年度(22年10月~23年9月)前半までに、現在の12機から17機に増強する計画です。空中給油により、海兵隊を含む在日米軍機の航続距離を伸ばし、海外遠征能力を高める狙いです。KC130は『沖縄の負担軽減』を口実に14年8月までに普天間基地(同県宜野湾市)から岩国に移転されましたが、今も頻繁に沖縄県内で訓練を繰り返しています。さらに、山梨県甲府市上空付近で空中給油を繰り返していたことも判明。全国各地で基地負担が増える危険があります。また、岩国基地のF35Bステルス戦闘機をめぐっては、21年秋までに従来の16機から32機に大幅増強する計画が示されていましたが、22航空計画では、この計画を修正して24年度以降、20機にするとしています。ただ、米海兵隊は中国を念頭に置いた部隊配置計画『フォース・デザイン2030』に基づいて航空機の配備計画見直しを進めており、流動的な状況です。」
報道の通り、米軍岩国基地でKC130空中給油機が5機増えれば、岩国基地の機能強化は明白です。
KC130は、訓練中に事故を頻発させています。また、山梨県上空での空中給油訓練が判明したばかりの同機の増強は看過できるものではありません。
山口県は、基地機能を強化させるKC130の増強を拒否すべきです。
米軍岩国基地が、名目とも東アジア最大の軍事基地になっています。同時に海外遠征能力を強め、世界の人々の平和を脅かす、危険極まりない基地になろうとしています。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
4月17日付のしんぶん赤旗日曜版に作家の角田光代さんが登場しました。
角田さんの作品では、ドラマや映画になった「八日目の蝉」などを読んだことがあり、人間の葛藤を丁寧に描ける作家だと敬意を表していました。
このインタビューでは、最新作の「タラント」が紹介されていました。
このインタビューを読み、書店で「タラント」を買い、今日までに半分程、読みました。
この小説には、パラリンピックのアスリートが重要な配役として登場します。
角田さんは、パラリンピックの歴史について、次のように語っています。
「戦中戦後の日本ではリハビリの発想などありません。太平洋戦争から負傷して帰ってきた人たちは、一生寝たきりで家から出さないというのが普通でした。でも、イギリスに亡命したユダヤ系医師が戦争での後遺症をスポーツでリハビリできないかと考え実行した。これを見学した日本の医師が『日本でも』と決意し実現させる。小説よりおもしろいくらいです(笑い)」
小説では、主人公のみのりの祖父を通して戦争が語られています。
角田さんは、戦争への思いを、次のように語っています。
「若いころは、小説の題材としては自分の周りにしか興味がもてませんでした。戦争を題材にしたいと思うようになったのは、年齢を重ね、身の回り以外にも関心が向かってきたからだと思います。私の祖父は二人とも戦死をしています。彼らはどんな人だったのだろうという思いもありました」
インタビューで、ロシアのウクライナ侵攻について問われ、角田さんはこう答えました。
「小説は何か立派なことを伝えるものではないと思っています。でも、反戦は私の意志ですし、この時期に出すことで連載で書いていた時とは違った意味合いが加わっていると思います。たとえ小さな力でも、主人公が一歩、前へ出ようとするところに、私的にはいま、すごく意味がある気がします」
この小説に、成功者は登場しません。主人公のみのりも、甥の陸も、祖父の清美も。
しかし、この小説は、私に興味を抱かせ続け、ページをめくらせる力を持っています。
丁寧に丁寧に話は進みます。その中で、私は、丁寧に丁寧に励まされてるのです。
主人公のみのりと一緒に、一歩前へ出ようという気持ちにさせてくれる作品です。
5月1日は、第93回メーデーに参加しました。
「教え子を再び戦場に送るな」「二度と召集令状(赤紙)は配らない」「再び戦場の血で白衣を汚さない」平和こそ労働組合運動の原点です。ロシアのウクライナ侵略が続く中でのメーデーになりましたが、平和のために世界が一歩前に出るために、私は、メーデーに参加しました。
角田光代ファンの皆さん、お勧めの作品をお教え下さい。
第93回宇部地域メーデーが、宇部市ヒストリア宇部で行われました。
私は、日本共産党を代表して挨拶を行いました。
第93回宇部地域メーデーで挨拶をする私
集会の後、参加者は、デモ行進を行いました。
私が行った挨拶の要旨は次の通りです。
・・・
第93回メーデーにご参加の皆さん、県議の藤本です。
ロシアはウクライナから撤退せよ、ロシアは、核兵器を使うな、の声を宇部地区メーデー会場から皆さんと一緒にあげていきたいと思います。
ウクライナ危機に乗じて、岸田政権が「戦争できる国づくり」を加速させています。その一つが、自民党の安全保障調査会がまとめた「国家安全保障戦略」などの改訂に向けた提言です。
提言は、「敵基地攻撃能力」について、名称を「反撃能力」に変更しますが、攻撃対象をミサイル基地だけでなく、「指揮統制機能などにも拡大した上で保有を求めています。
自民党の調査会の元防衛大臣の小野寺会長は、相手国が攻撃に「着手」したと認定すれば攻撃は可能だと説明したと報じられています。
ならば、ウクライナ侵略を行ったロシアのように、自民党は、日本が国際法違反の先制攻撃できる能力を保有しろと言っているのです。
自民党は、プーチンを批判しながらプーチンになろうとしているのです。
攻撃対象に「指揮統制機能等」を含むとは、攻撃目標が相手国の軍司令部だけでなく、政権中枢などに際限なく拡大する恐れがあります。
提言が「NATO諸国の国防予算の対GDP比2%以上も年頭に防衛力を抜本的に強化」としている点も重大です。
日本の軍事費が2%以上になれば、10兆円以上に倍増することになります。そうなると、国民生活関連予算が削られることは必至です。
そうなれば、社会保障、教育、若者・子育て支援が進むどころか後退してしまうことになります。
7月には参議院選挙があります。戦争か平和か―日本の進路が根本から問われる選挙となります。
憲法9条を生かした平和な日本を、憲法25条を生かした健康で文化的な生活が送られる日本をつくるために、岸田政権に審判を下し、野党連合政権への展望を開く参議院選挙にしていきましょう。
日本共産党は、自由と平和を守るために働く皆さんと一緒に頑張る決意を述べて、私の挨拶といたします。メーデー万歳。
・・・
戦争か平和かが問われる参議院選挙も目前です。
平和を開く結果を作りましょう。
・・・
私は、明日から4日まで休暇を取ります。
ブログも休ませていただきます。
5日分から、本ブログを再開する予定です。
英気を養います。引き続き、本ブログへのご愛顧よろしくお願いいたします。
4月27日、毎日新聞は、運動部活動について次のように報じました。
「スポーツ庁の有識者会議『運動部活動の地域移行に関する検討会議』(座長=友添秀則・日本学校体育研究連合会会長)は、26日、東京都内で会合を開き、運動部活動の活動主体を学校から地域に移行させることに関する提言案を公表した。公立中学校の休日を対象とし、2025年度までの3年間を『改革集中期間』と位置付ける。各自治体に具体的な取り組みやスケジュールを定めた推進計画の策定を求める。受け皿として民間クラブなどを想定し、財源にスポーツ振興くじ(toto)の助成も検討する。平日についても『できるところから取り組む』と盛り込まれた。民間クラブなどで活動する外部指導員については、企業やクラブチームなどからの派遣や、人材バンクの活用を検討する。教員が引き続き活動を望む場合は、公務員の兼業許可も得られるようにする。現在は学校単位の各種大会参加資格を民間クラブに認めることも求めた。5月下旬に提言をまとめ、室伏広治スポーツ庁長官に提出する。部活動を巡っては、部活動を指導する教員の長時間労働や、少子化で学校によっては団体競技のチーム編成が難しくなっている実情がある。『休日』の部活動を先行して地域に移行させる文部科学省の方針について、末松信介文科相は、会合前に行われた閣議後記者会見で『平日も含めた検討が行われてしかるべきだ』と述べた。だが、提言案では慎重な表現が目立った。私立中学校や高校についても『取り組みことが望ましい』と推奨する表現にとどまった。平日と休日、公立と私立、中学と高校で一律に『完全移行』が始まると捉えられれば、『部活動がなくなる』との強い反発が予想されるためだ。地域移行を休日に絞った最大の目的は『教員の休日確保』にある。休日だけでも部活動から離れられれば、心身の負担軽減が期待できる。されに、現在の学習指導要領では部活動は『学校教育の一環の課外活動』とされており、スポーツ庁幹部は、『完全に学校から外に出すと整合性が取れなくなる』と事情を明かす。学校の自主性をうたう私立学校法の精神を尊重し、市立中学校は『学校などの実情に応じて』と断った上で、積極的な地域移行への取組みに期待した。高校は『積極的に』との言葉を使わず、さらにトーンを弱めた。義務教育でなく、スポーツに特色を打ち出すことで生徒募集を図っている学校もあるためだ。また、過疎地域で顕著な移行先の受け皿や指導者不足などの課題について、提言案では『多様な方法』を示し、各地の状況に応じて対応できるようにした。だが『どの地域にも当てはまる唯一の解決策は存在しない』と、改革のむつかしさもにじませる。検討会議のある委員は『知事体は国から(これでやれ)と言われた方が進めやすい。実効性があるのか』と疑問を呈する。受け皿を整備するための財源も大きな課題で、保護者の負担増が懸念されている。スポーツ振興くじ(toto)が例示されたが、検討会議でも複数の委員から『国費の投入が必要』との意見が相次いだ。ところが、昨夏に東京オリンピック・パラリンピックが終わり、スポーツに関する予算は縮小していくとみられ、見通しが立っていない。部活動は金銭的な負担がほとんどなく、放課後に校内でスポーツに親しむことができるため、スポーツ関係者ナイでは『日本が世界に誇るシステム』と表現されてきた。だが、社会構造の変化に伴い、改革は待ったなしの状況にある。提言案では『抜本的な改革を進める上で最大で最後のチャンス。改革の歩みを止めることはあるべき姿でない』と不退転の決意が記された。」
私は、昨年11月県議会の一般質問で、部活動改革の問題を取り上げました。
様々な問題を指摘しましたが、主には、3点を質しました。
一つは、「教育の一環」として部活動として位置づけられることの重要性です。
二つは、兼職兼業の教員の労働時間を誰が管理するのかという問題です。
三つは、地域移行後の部活動の財政支援についてです。
4月26日に行われた第6回部活動の地域移行に関する検討会議で示された「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言(案)」に目を通しましたが、私が、指摘したどの問題についても、クリアーされていないと感じました。
今度の提言は、公立中の休日の部活動の地域移行と限定されたものですが、最初が肝心です。見切り発車してはいけないと思います。
生徒にとって、保護者にとって、教師にとって、受け皿となる民間クラブにとって、これなら安心といえる案になるよう、更に、改革していくことが必要だと感じました。
私は、部活動の改革は必要だと思っています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。