8月31日、朝日新聞は、村岡知事が、新型コロナウイルス感染者に発生届の提出を求める「全数把握」を継続する意向を示したとして次のように報じました。
「新型コロナウイルス感染者の発生届の提出を求める『全数把握』の簡略化を認める方針を政府が示したことについて、村岡嗣政知事は30日の記者会見で、当面は県内の全数把握を継続する考えを示した。これまではすべての感染者が保健所に発生届けを出す仕組みだったが、医療現場や保健所の負担が大きいとの指摘があり、政府は24日、発生届について65歳以上の高齢者ら重症化リスクが比較的高い人に限る運用を容認した。村岡知事は簡略化について、『医療機関や保健所の負担が軽減されることは重要』と述べた上で、発生届の対象外となる患者を把握できなくなることで、病状が急変して入院する際の本人確認や自宅療養者への支援サービスの提供に混乱が生じると指摘。患者自らが保健所に届け出るといった新しい仕組みを設けないと、簡略化の導入は難しいとの見解を示した。医療の関係団体からも『現状維持』を要望されているという。政府は当初、簡略化の採否を自治体の判断に委ねていたが、その後、9月中旬に全国一律で見直す方針に転換した。村岡知事は『いずれ一律でやるが待てないところではどうぞ、と同時に示されていればよかった。必要な情報をまとめて出してもらえると混乱は少なかった』と苦言を呈した。9月中旬の見直し前の県独自の対応について、『短い期間に再度見直しをすることになり、混乱をきたす』と否定した。朝日新聞の調べでは、29日時点で先行して簡略化することを決めたのは宮城、茨城、鳥取、佐賀の4件と一部にとどまる。県によると、新規感染者数の高止まりが続き、8日以降、病床使用率が50%を超えている。村岡知事は会見で、病床数を627床から678床に増やし、有症状者が自宅で抗原検査をするキットの配布を1日300人から800人に増やす方針を示した。」
私は、県民の命を守るため、知事の感染者に発生届の提出を求める「全数把握」の継続方針を評価したいと思います。
その上で、「全数把握」の司令塔である保健所の体制強化と医療機関の負担軽減をどう図るのかの検討が必要だと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
8月26日、参院厚生労働委員会で日本共産党の倉林参議院議員が、コロナ禍における保健所体制の強化について質問した内容を、しんぶん赤旗日刊紙は、次のように報じました。
「日本共産党の倉林明子議員は25日の参院厚生労働委員会の閉会中審査で、新型コロナウイルス感染拡大の影響による保健所の深刻なひっ迫で職員の過労死ラインを超える残業時間が恒常化している問題を追及しました。倉林氏は、2021年に大阪府で月100時間以上の時間外勤務をした職員が858人に上り、200時間以上の職員は21人、京都府でも最大で月204時間にも上る時間外勤務の例があったと指摘。労働基準法33条の『公務のための臨時の必要がある場合』に時間外勤務を認めていることによって、残業が青天井になっているとして『過労死ラインを超えたら休養させること、インターバルの確保など国と地方自治体の責任で過労死を生まない措置が早急に必要だ』と迫りました。加藤勝信厚労相は『労働時間の縮減そのものが図られるような対策と職員の健康管理にしっかり対応するべく取り組んでいきたい』と述べ、具体策は一切答えませんでした。また、倉林氏は感染者数が過去最多となる中で『一般医療も災害級の崩壊状態だ』と強調し、『今後も行動制限を行わない考えか』と質問。加藤厚労相は『社会経済活動を維持しながら、リスクのある高齢者などを守るべく注力していきたい』として、行動制限には言及しませんでした。倉林氏は『新規感染者数を減らす対策を抜本的に取らないと救える命が守れない』と厳しく批判しました。」
先日、娘がコロナ陽性となり、私が保健所からの電話を取りました。娘の検体を採取したのが金曜日、医師から陽性だと告げられたのが、土曜日の午後4時頃、保健所から娘の対応について電話があったのが、土曜日の午後7時半ころでした。
私は、県内の保健所においても、職員が過労死ラインを超える残業時間が恒常化している実態があることを痛感しました。
私は、県人事課に①今年4月~8月までの月80時間以上の時間外勤務をした職員の数と所属名②同じ期間内に月100時間以上の時間外勤務をした職員の数と所属名③同じ期間内に月最長の時間外勤務をした職員の勤務時間及び所属名と何月だったのか④時間外勤務を解消するために人事課が行った対応ーについて、8月29日付で、照会を行いました。
来月中旬までに回答が届くことになっています。回答が届き次第、報告したいと思います。
日本共産党県委員会が8月24日に行った厚生労働省への要望の中で①保健所の正規・常勤の人員増、施設・設備の拡充が可能となるように必要な財政支援を行うこと②たび重なるコロナ感染拡大の波によって、保健所のひっ迫状態が繰り返され、他部署や市町からの応援だけでは限界。臨時的に保健所の個所数を増やすことも含めて、保健所の抜本的な体制強化に本格的な支援を講じることーを求めました。
県内でも保健所の体制が危機的な状況となっています。保健所の体制強化に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
8月18日、山口新聞は、公立小中学教員の精神疾患による休職が約5000で高止まりしている状況を次のように報じました。
「公立小中学校教員の勤務状況が過酷になっている。少子化が進んでいるにもかかわらず、デジタル対応など業務が拡大しているためで、教員の半数は勤務時間中の休息時間がゼロだったことが研究者の調査で判明した。立場が不安定な非正規教職員が増え、正規教員へのしわ寄せも起きている。精神疾患による休職者は約5千人の高止まりが続き、教員の負担軽減は喫緊の課題だ。教員の疲弊は子どもの成長に悪影響を及ぼしかねず、国や自治体は教員がゆとりを持って児童や生徒と向き合えるよう勤務実態を正確に把握して業務を精選し、待遇を改善する必要がありそうだ。文部科学省の『学校基本調査』を基に共同通信が町中学校の教員一人当たりの児童生徒数を算定したところ、2010年の15・7人から20年は14・2人と約1割減ったが、負担は逆に増えている。名古屋大の内田良教授(教育社会学)が昨年11月、公立小中の教員924人に実施したアンメートでは、小学校教員51・2%、中学の47・3%が勤務中に休憩を全く取れなかったと回答した。長野県教職員組合の今井正広法制部長は『情報通信技術(ICT)の教育活用が重荷になっている』と述べ、デジタル化による新業務が背景にあると説明した。精神疾患で休職する教職員は増え、公立校や校長、教頭らも含めると1990年代は千人台だったが、2008年度以降は5千人前後で高止まり。全体の0・5%台にあたる。教員経験者らの団体の調査によると、07年に公立小中、義務教育学校の教職員に占める非正規教職員の割合は9・4%だったが、毎年増え、21年には17・5%に。6人の一人が非正規で、継続的な仕事は任せにくいとの考えから正規雇用の教員に仕事が偏りがちだ。教員の働き方改善を進めている地域もあり、福井県教委は教員向けの研修を削減し、112のうち79で廃止や期間短縮などの見直しを行った。月80時間以上の超過勤務者をゼロにするとの目標をほぼ達成するようになった。公立小中学校の教員の6割強が、この2年ほどの間に辞めたいと思ったことがあるー。名古屋大の内田良教授(教育社会学)らがオンラインで実施したアンケートで、こんな結果が明らかになった。長時間労働が背景にあるとみられ、教員の士気低下は教育の質の低下につながる恐れがある。アンケートは昨年11月に実施。20~50代の公立小教員466人と公立中教員458人の計924人が回答した。『この2年ほどの間いに教師を辞めたいと思ったことのがある』との質問に、全体の65・8%が『ある』と回答した。小学校教員は68・2%、中学校教員は63・3%だった。1週間の残業時間(自宅への持ち帰り仕事を含む)別に見ると、小学校教員のうち『0~19時間』では57・7%だったが、『20~39時間』では73・0%、『40~59時間』では81・6%が『ある』と回答し、辞めたい気持ちの強さと残業時間の長さが正比例の関係になった。中学校教員でも同様の傾向が見られた。また、アンメートからは長時間労働の教員ほど準備不足のまま授業に臨んでしまっていると思ったり、いじめを早期に見つけられるか不安を感じたりしている傾向も明らかになった。内田教授は『教員の働き方の特徴は休憩時間がほぼなく、自宅に仕事を持ち帰っていること。長時間労働の問題を解消しないければならない』と指摘している。」
私の手元に、県教委からいただいた2014年度から2021年度までの病気を理由とした長期求職者の内、その理由が精神疾患だった小学校・中学校・高等学校等の教職員の人数を示した資料があります。
精神疾患を理由に長期休職した教職員の以下人数です。
2014年度、小学校31人、中学校20人、高等学校等が21人、計72名。以下、合計を示します。
2015年度計60人、2016年度58人、2017年度48人、2018年度58人、2019年度58人、2020年度55人、2021年度69人。
山口県の小中高等の教職員の内、毎年60人前後の方々が、精神疾患を理由に長期休職されていることが分かりました。
8月24日に日本共産党山口県委員会は、文部科学省に対して「山口県教育委員会によると、今年5月1日時点での教員不足は、小学校15人、中学校16人、高校1人、特別支援学校22人、計54人に上っている。この実態を文科省はどう認識しているのか。」との要望を行いました。
私は、「文科省は小学校低学年の35人学級化をスタートさせた。このことは評価する。しかし、担任の数は増えたが、教員の総定数は増えていない。担任以外の加配教員の数を増やすべきだ。」と指摘しました。
文部科学省の担当者は「担任だけでなく、加配教員の数を増やすべきとの指摘は全国からいただいている。そのため、今年度は、加配教員を従来より1000人程度増員した。今後とも担任の定数だけでなく、加配教員の定数も増やす努力を行っていきたい。」と答えました。
県内でも精神疾患で休職する先生方が毎年60名程度おられる状況を改善するためには、正規の教職員の数を大幅に増員すべきだと思います。
同時に、県としても、教職員の労働条件を改善するための対策を独自に講じるべきだと思います。
教職員の方々の働き方を改善させるために引き続き、必要な発言を行っていきたいと思います。
教職員の働き方に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
しんぶん赤旗日刊紙は、27日、文科省の有識者会議が、「生徒指導提要」の改定案を大筋で了承したと次のように報じました。
「文部科学省の有識者会議は26日、小学校から高等学校までの生徒指導の基本文書『生徒指導提要』の改定案を大筋で了承しました。現行の提要が校則や学校の規律に関して子どもの尊厳や人権に全く触れていないのに対し、改定案は子どもの権利条約を紹介し『児童生徒の基本的人権を十分配慮』するよう求めています。『ツーブロックなど特定の髪形の禁止』『下着の色まで指定した検査』などの校則が社会問題になるなか、生徒指導提要の見直し作業に注目が集まっていました。改定案は『生徒指導の取組上の留意点』として、第一に教職員の子どもの権利条約についての理解が重要だと強調し、子どもの意見表明権など同条例の4原則を紹介しています。また、実態に合わない方針や基準が硬直化して運用されていると子どもの成長にマイナスに働くことがあると指摘。校則の制定にあたっては子どもの権利の視点が重要だとし、一度定めた校則も絶えず見直しが必要だとしています。見直しに子どもが主体的に取り組むことは教育的意義があるとも書いています。同日の議論でも、複数の委員から『子どもの権利を第一に指導に当たることが大事』との意見が出されました。日本共産党は、提要を子どもの尊厳と基本的人権の尊重を土台とするものに見直すよう主張。約3千人からの回答が寄せられた校則アンケートの結果を文科省に手渡し、改定作業に生かすよう求めていました。」
先日、私は、多部制の松風館高校を視察しました。高校には、校則はなく、生徒が伸び伸び学習に取り組む姿が分かりました。中学時代は、不登校傾向にあった子どもたちが、校則のない高校に通えるようになった経験は重要だと思いました。
私は、過去の議会で、県立高校の校則を調べ「ツーブロックなど特定の髪形の禁止」「下着の色まで指定」などの校則があることを明らかにして校則の見直しを求めました。
「生徒指導提要」の改定を受け、県立高校で校則が早急に見直されるよう、引き続き、県教委に強く求めていきたいと思います。
引き続き、校則に関するご意見を藤本までお寄せください。
日本共産党山口県委員会が8月24日に行った政府要望に対して、今日は、厚生労働省に関する内容について報告します。
日本共産党山口県委員会の政府要望 前列が、岩国市議団、後列が県議団(後列左が私)
厚生労働省関係では、新型コロナ感染からいのちを守る施策について要望しました。
一つは「医療機関、高齢者・障害者・子どもの福祉施設・事業所、学校等においては、頻回検査を実施できるよう必要な予算を確保すること」を要望しました。
県内では、8月だけで、新型コロナ陽性の方の中から100人超お亡くなりになる方が出ています。
背景の一つは、医療機関や高齢者施設で次々にクラスターが発生していることです。
この状況を改善するために、医療機関や高齢者施設などで、従業者等に対する検査体制を強化することが重要です。
私たちの要望に対し、厚生労働省の担当者は、「7月15日に、都道府県などに『高齢者施設等の従業者等に対する検査の実施について』とする事務連絡を行っている。この中で、オミクロン株の感染拡大に対応した高齢者施設等の従業員等に対する検査の『集中的実施計画』の見直しを求めた。計画を変更する場合は、厚労省に7月25日までに報告するよう求めている。」と答えました。
山口県が高齢者施設等の従業者等の検査を実施する『集中的実施計画』をどのように見直したのか、確認したいと思います。
二つ目は、「保健所の正規・常勤の人員増、施設・設備の拡充が可能となるように必要な財政支援を行うこと」を要望しました。
県内の療養者数が常時2万人を超える状況が長期間続いています。県内では、療養者の9割以上が自宅療養であり、その一人一人に対応するために、司令塔である保健所体制の抜本的強化が求められます。
厚生労働省の担当者は、「昨年度と今年度で、全国で保健師を900人増員する予算措置を行った。」と答えました。
私は、「その事には感謝するが、今、療養者数の急増に耐えきれない保健所の体制強化が必要だ。今、人材を各保健所に配置する緊急の措置が必要だ。」と訴えました。
厚生労働省の担当者は、「保健所がひっ迫している状況は理解している。何ができるか検討したい。」と答えました。
三つ目は、「子ども、若年層の感染者が増加していることを踏まえ、同居する家族等への感染を防ぐため、積極的に宿泊療養施設への受け入れを行うとともに、受け入れ可能な居室を増やすための支援を講じること。」です。
県内では、陽性患者の家族に、基礎疾患がある者や高齢者がいなければ、原則、自宅療養となっています。
自宅療養者の家族に感染が拡大するという悪循環が広がっています。
私は、家族が陽性患者になった経験を伝え、「自宅療養で隔離することは難しい。若年者であっても、希望すれば、宿泊療養できるようにすべき。若年層感染者を宿泊療養にし、感染拡大を防止する観点から、宿泊施設を増やすことを厚労省から都道府県に通知してほしい。」と訴えました。
厚労省の担当者は「宿泊療養施設の確保については、交付金を措置している。若年層に向けて宿泊療養施設を増やすことを都道府県に通知できないか検討したい。」と答えました。
厚生労働省関係では、原爆被爆者の救済についても要望しました。
要望内容は「いわゆる『黒い雨』による放射能被害にあわれた方々の認定手続きについては、円滑かつ早急に進めるよう都道府県への支援を強めること。」です。
いわゆる「黒い雨」による被爆者健康手帳の申請及び交付状況は、中国新聞の報道によると次の通りです。
広島県では8月4日現在で833人の申請があり314人に交付されているのに対し、山口県では、7月末現在で、申請20人、8月上旬までに、交付3人となっています。
厚生労働省の担当者は、「広島県と広島市から、認定手続きの事務を行うための増員が必要との要請を受け、交付金を自治体に交付した。」と答えました。
県内では、昨年11月に申請した方が、今年6月に「書類に不備があるので書き直してほしい」との連絡が入り、8月上旬にようやく手帳が交付された事案がありました。
私は、「山口県が、認定手続きのための増員を国に要請すれば、交付金を交付していただけるのか。」と質しました。
厚生労働省の担当者は「山口県から増員の要望があれば、予算を確保したい」と答えました。
その他の省庁に関する要望と懇談の内容は後日報告します。