テレビ大分は、10日、大分県の南海トラフ地震の被害想定を見直す有識者会議で、国東半島から山口県の周防大島に至る新しい活断層を被害想定に盛り込むことになったと次のように報じました。
「南海トラフ巨大地震などの大分県内の被害想定について県はいま見直しを進めています。10日開かれた有識者会議では、新たに確認された国東半島の活断層の影響について被害想定に盛り込む方針が確認されました。30年以内に発生する確率が、『80%程度』とされる南海トラフ巨大地震。国は2025年3月、およそ10年ぶりに想定される被害を見直し、県内の死者数はこれまでよりも1000人ほど多い1万8000人と想定されています、一方、県が2019年に発表した被害想定では最悪の場合2万人以上が死亡するとされています。国の動きを受けて県でも被害想定の見直しが進められていて、10日は2回目の有識者会議が開かれました。委員からは、国のデータは大まかなものも多いため、県独自により細かく具体的な想定を検討するべきなどの意見が出されていました。また国東半島沖に新たに見つかった活断層の影響についても想定に盛り込むことを確認しました。◆県有識者会議会長 産業技術総合研究所 吉見雅行主任研究員『今回、目指すものは出来るだけリアルなものを見せ、自治体や住民の行動を促すような出し方をしていきたい』有識者会議では2016年度中に提言をとりまとめ、その語、県が新たな被害想定を公表する予定です。国東市の国東半島から山口県の周防大島にかけて60キロほどの範囲に複数の活断層が存在することが確認されています。この活断層は、国の研究機関、産業技術総合研究所が去年行った調査で確認されたものです。調査を実施した研究所の主任研究院で、県の有識者会議の吉見会長は「今分かっているのは活断層であること。ほぼ直情に配置している断層なので横ずれが主体だろう」産業技術研究所によりますと、主に横ずれを引き起こすとみられることから、大きな津波を引き起こす可能性は低いとしています。しかし、一連の活断層が動いた場合には、マグニチュード7以上の地震が発生する可能性があるということです。この活断層は現在、国の地震調査委員会の調査対象にはなっていませんが国東市民は。『南海トラフとか心配だと思っていましたが、まさかここに断層があるとは思わなかった』『どういう風に備えをするかが一番大事かと思う』今回、県の新たな地震被害想定に盛り込まれることになった背景には能登半島地震の教訓があります。◆有識者会議会長 産業技術総合研究所 吉見雅行主任研究員『能登半島地震に関して国の活断層の長期評価が出ていなかったこともあって石川県では地震動の想定に能登半島地震を起こした断層を含んでいなかった』有識者会議では7月開かれる会議で活断層を調査した責任者を招き、議論を重ねることにしています。」
5月30日に開かれた今年度の「山口県防災会議」で、「山口県地震・津波被害想定の見直しについて」報告されました。
この中で、今年度宙に、南海トラフ巨大地震の被害想定の見直しを行うことが報告されました。
私は、13日、6月10日に行われた第二回大分県地震被害想定の見直しに関する有識者会議で、国東半島から周防大島にかけて60キロほどの範囲に複数の活断層が確認され、その海底活断層を県の地震被害想定に新たに盛り込むことになったと報じられてことを受け、県に、「この活断層を『山口県地震・津波被害想定の見直し』の中で、地震被害想定に新たに盛り込むことが検討されているのかについて照会を行いました。結果が分かり次第、報告します。
12日、NHK山口放送局は、山口宇部空港が、自衛隊などの利用を円滑に行える「特定指定空港」候補として国が検討していると県が公表したと次のように報じました。
「宇部市の山口宇部空港について、防衛力の強化に向けて自衛隊の訓練などで円滑に使えるよう国が指定する『特定利用空港・港湾』の候補として検討されていることを県が公表しました。指定された場合、年に数回程度、自衛隊の戦闘機や輸送機による離着陸訓練などの実施が想定されるということです。『特定利用空港・港湾』は、自衛隊や海上保安庁の航空機や船舶が普段から訓練などで円滑に利用できるよう国が指定して整備を促す空港や港湾で、これまでに全国で11の空港と25の港が指定されています。こうした中、国が宇部市の山口宇部空港を『特定利用空港』の候補として検討していることを県が公表しました。県によりますと、去年10月に国から県に対して候補として検討している説明があり、ことし1月、国から宇部市にも説明があったということです。これまでに県内で『特定利用空港・港湾』に指定された空港と港はなく、指定されれば初めてです。国によりますと、指定された場合も民間の利用が主体であることに変わりはありませんが、年に数回程度、自衛隊の戦闘機や輸送機による離着陸訓練などの実施が想定されるということです。県は地元の関係団体などの意見を踏まえた上で、今後、利用に合意するかどうかを判断することにしています。」
22年12月16日に閣議決定した「安保3文書」の一つである「国家安全保障戦略」には、「自衛隊、米軍等の円滑な活動の確保」のため「有事の際の対応も見据えた空港・港湾の平素からの利活用に関するルール作り等を行う」とあり、「防衛力整備計画」には「既存の空港・港湾等を運用基盤として利用するために必要な措置を講じる」とあります。政府は「総合的なっ防衛体制の強化に資するインフラ整備」を打ち出し、その具体化が「特定利用空港・港湾」の指定です。
23年11月27日の朝日新聞は、「38空港・港、軍事力強化」と報じましたが、国が24年4月1んちに明らかにした「特定利用空港・港湾」は、16カ所でした。有事の際、空港や港湾がミサイルなどの標的にされることへの懸念が、自治体が「特定利用空港・港湾」の受け入れに応じなかった理由だと思われます。
沖縄県の玉城デニー知事は、23年1月24日の記者会見で「抑止力の強化のみではかえって地域の緊張を高める」と指摘し、下野島空港について「民間機の運用に徹するよう要請していきたい」と述べ、「特定利用空港」の指定を拒否しています。
知事は、地域の軍事的緊張を高め、ミサイルの標的となる懸念を払しょくできないことから、国から山口宇部空港の「特定利用空港」指定を拒否すべきです。
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動うべ実行委員会は、来週中に、県知事と宇部市長に、山口宇部空港の特定利用空港指定を拒否するよう求める要請書を提出するための準備を進めています。
様々な団体が声を上げていこうではありませんか。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
10日、しんぶん赤旗日刊紙は日本共産党の吉良よし子参議院議員が不登校問題を参院決算委員会で取り上げたと次のように報じました。
「日本共産党の吉良よし子議員は9日の参院決算委員会で、子どもの不登校が41万人を超え、子どもも保護者も『学校を変えてほしい』と求めているとして、教育政策の大転換が必要だと主張しました。吉良氏は、2024年度の不登校は小中学生34万6482人、高校生を含めると41万5252人に上ると指摘し、心が傷つき苦しむ子どもたちに『つらいときには学校を休むことが必要だ』とメッセージを発するべきだと主張。石破茂首相は『子どもの人権が尊重されるために学校を休むことも必要だ』と答えました。吉良氏は、不登校を巡り共産党が発表した『子どもは安心して休む権利がある』という提言に対する全国の保護者からの反響を紹介し、不登校の子どもたちの休息と回復を温かく見守ることが重要だと強調。また、子どもの不登校に伴って親が仕事を休まざるを得ない場いいや『不登校離職』の実態があるとして親への支援を求めました。今年1月、厚生労働省が介護休業の判断基準を『引きこもり、不登校の状態にある対象家庭』にも適用できるよう見直しました。吉良氏は、不登校の状態にある子の親も介護休業を取ることが可能かとただすと、福岡資麿厚労相は『子どもが不登校のケースも想定される』と認めました。さらに吉良氏は、子どもがSOSを発した時に親がすぐに安心して休める制度を整えるべきだとし、『不登校休業制度』の新設や介護休業、育児休業制度の拡充を求めました。吉良氏は、この10年で子どもの不登校が3倍に、精神疾患で休業した教員が20年で6倍に急増しているとして、『子どもも先生も学校に行けなくなっている緊急事態を打破するには、教育予算を抜本的に増やし、教育基本法改悪以降の過度な競争や管理、抑圧するような教育政策の押し付けそのものをやめる大転換が必要だ』と主張。石破首相は教育政策を押し付けてはいないと開き直りました。」
吉良参院議員が指摘した、今年1月の厚労省の介護給食の判断基準とは、厚生労働省雇用環境・金当局による「介護給食制度等における『常時介護を必要とする状態に関する判断基準』の見直しに関する研究会報告書」です。この中に「政府は、判断基準の見直しに併せて、次の事項について対応を検討すべきである」として、不登校の子どもを抱えた家族などについて次のように指摘しています。
「いわゆるひきこもり、不登校の状態にある対象家庭が『常時介護を必要とする状態』に該当するか否かの判断に当たっては、こうした状態にある事実そのものではなく、『(1)項目①~⑫のうち、状態について2が二つ以上または3が1つ以上該当し、かつ、その状態が継続すると認められる』という基準に照らして判断すべきものであり、個々の事情に応じた適切な制度運用がなされるよう留意すべきである。」
この点について、吉良議員の質問に、福岡厚労大臣が「育児・介護休業法における常時介護を必要とする状態に関する判断基準に定期号する事例の中にはお子さんが不登校に至っているケースも想定され、基準に適合する場合は親が介護休業制度を利用することも可能だ」と答えました。
私は、10日付で、厚労省の報告書の上記の内容を県として、県内事業者にどのように周知徹底しているのか、照会を行いました。結果は、皆さんに報告します。
昨年、10月に公表された2023年度の不登校児童生徒数は、小学校で1284人(前年度より311人増)、中学校で2286(前年度より226人増)、高等学校で387人(前年度比42人増)合計3957人と過去最多となっています。
2023年度の決算委員会で示された資料の中に、過去5年の教職員の病気を理由とした長期休業者数を示したものがあります。
精神疾患を理由とした長期休職者は、2023年、小学校27人、中学校19人、高等学校等17人、合計63人となっています。22年8月30日の私のブログに、2014年の数は、小学校31人、中学校20人、高等学校等21人で計72人とあります。この10年間、精神疾患を理由に長期休職数は、60人から70人という数になっています。
吉良議員が指摘をするように、山口県内においても「子どもも先生も学校に行けない緊急事態」であることは間違いないと思います。
学力テストを止めるなど、過度な競争教育を見直し、教育予算を山口県としても増やす政策の転換が求められていると思います。
不登校をめぐる問題は、6月県議会で取り上げていく予定です。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
2月9日付、しんぶん赤旗日刊紙は、歌手でお笑い芸人のタブレット純さんのインタビューを次のように報じました。
「人気歌手・お笑い下人のタブレット純さん。自伝『ムクの祈り』を出版島sに田。どんな本?話を聞きました。西條正人記者 NHK『阿佐ヶ谷アパートメント』などテレビやラジオに引っ張りだこ。細い声でささやくように話しますが、歌うと一転して渋い低音を響かせます。永六輔、小沢悠里、蛭子能収、美輪明宏らの物まねも得意。浅草・東洋間や新宿・末広亭といった寄席にも出演し、現在は落語協会所属です。そんな彼が出版社の依頼を受けて記した自伝。実は、2度目の出稿でした。『いくつかの章を書いたのですが、エッセーのようになってしまって・・・リセットして書き直しました』ムクは、純さんが幼い頃に家で飼われていた犬。引っ越しの際に捨てられました。本には、こう書かれています。『ぼくは一匹の犬と自分を重ね合わせることが多くなっていた』運動が苦手で、クラスでいじめられました。初恋の相手は男性。勇気を出して告白するとフラれました。自分も向くと同じ野良犬ではないか・・・。本書は、後悔と懺悔を吐露した私小説のようです。『太宰治も夏目漱石も自分の恥部を書いていました。自伝なら醜い部分も書かなければならないのではないか。芸能人の自慢話に陥らないようにしたい、と思いました」とはいうものの、ただ暗い本ではありません。帯には、小説家・阿川佐和子さんが『まるで韓流ドラマのよう』という推薦の言葉を寄せています。物心ついた頃からムード歌謡が大好き。神奈川・相模原市の自宅から東京・町田の中古レコード店に通いました。和田弘とマヒナスターズに胸をときめかせる風変りな小学生でした。『おとなへの憧れがあって琴線に触れたのだと思います』高校卒業後は古本店で働きました。8年間勤めましたが、つぶれて訪問介護の会社に転職。ところが、そこも経営不振でリストラされました。新宿の歌声喫茶に就職したころ、マヒナスターズのギタリストと知り合ってグループのメンバーに選ばれました。夢がかなったのもつかの間、和田さんが亡くなって再び無色に。29歳でした。雑誌の取材現場で歌手・渚ようこさんの知己を得て新宿のバーで働きました。各地のライブハウスを回るものの、酒におぼれ、『廃人すれすれ』の状態に・・・。歌をやめようと決意します。どん底から『救ってくれた』のはデイサービスの仕事でした。高齢の不機嫌な人も、重度の認知症の人も、一緒に歌えば満面の笑みに。介護の現場が『歌の力』を再認識させてくれました。37歳の時、東洋館の支配人を声をかけられ舞台に立つと、しだいに自らの『お笑い』の際の才能に目覚めました。華やかですが、明日の保証はない芸能界に身を置きます。『犬であれ、人間であれ、居場所なんてあってないようなものなんかな』吟遊詩人のよう。古本屋勤務の頃には詩集を自費出版したこともある、とか。少年時代から買い集めたレコードは1万枚以上。その頃から好きなもの『大相撲・プロ野球・昭和歌謡』は変わりません。『こんな私でも、好きなものをブレずに追及していたら道が開けたというところを感じとっていただけたらと思います』」
先日、NHKのラジオのゲストとしてタブレット純さんが出ておられ、生い立ちを語っておられ、この本の存在を思い起こし、書店で注文し、数日間で一気に読みました。
インタビュー記事に、阿川佐和子さんの帯の言葉がありますが、全文は次の通りです。
「まるで韓流ドラマのよう。切なさと愛おしさと弱さと大胆さと、愛とサスペンスに満ちたタブレット純の物語を知ったら、どんなに落ち込んでいても、きっと外に飛び出したくなるはずだ。」
武田砂鉄さんは次のように帯に書いています。
「この人が頑張っているなら今日も頑張ろうと思ったことが一日だけあります。それは自分がとても弱っている日のことでした。」
この本は、タブレット純さんの成功譚では決してありません。物語は、最後まで失敗の連続のようですが、必ず、タブレットさんを支える人物が現れます。
私たちの人生も失敗の連続のような時が多いですが、その中で、周りの人に助けられてまた、明日を生きているような毎日ではないでしょうか。
この本は、そのことに気づかせてくれます。
タブレットさんの今があるのは、インタビュー記事の最後にあるように「好きなものをブレずに追及」してきたらだ私もこの本を読んで感じています。
私も、政治の道を約35年歩んできましたが、「誰一人取り残されない社会」を目指して頑張ってきました。
これらも弱っている日や落ち込む日もあるかと思いますが、この本を開いて、この道を歩んでいこうと思います。
タブレット純著「自伝『ムクの祈り」を一人でも多くの皆さんにお読みいただきたいと思います。
読まれた方は、感想をお聞かせ下さい。
先日は、「笑点」にタブレット純さんが出演されていました。これからもタブレット純さんを応援していきたいと思います。
6月4日、しんぶん赤旗日刊紙は、全国市長会が、自治体情報システム標準化に伴う経費について国に要望したと次のように報じました。
「全国市長会(加盟815市区)が石破茂首相に対し自治体情報システム標準化に伴う経費を全額国庫補助とするよう求める意見書を出したことが、3日までに分かりました。同趣旨の要望は全国知事会や全国市長会、東京都内の区長会なども出しており、すべての自治体の一致した声となっています。全国市長会が5月30日に出した意見書は、地方の意見を丁寧に聞くよう要求。2025年度末までに自治体の税や生活保護など基幹20業務の情報システムを政府が定める標準仕様に移行する経費は、全額国庫補助で『確実に措置すべきだ』と求めています。また、国と地方が利用する共通基盤のガバメントクラウドへの移行後の運用経費について、米国企業のサービス利用による為替リスクへの対応や、高騰している運用保守費、アプリケーション利用料、回線接続料などのコストが『移行前を上回らないよう財政措置を講じるべきだ』と強調。政府に起因するコストの増加分は全額国庫で対応すべきだと訴えています。ガバメントクラウドの障害発生時にも住民サービスへ不利益が生じないよう万全の対策を要求。AI(人工知能)の活用については、個人情報の漏えいや不正アクセスへの対応、住民の理解促進が課題だと指摘し、導入を希望する自治体には、財政など十分な支援が不可欠だとしています。」
全国市長会の意見書は次の通りです。
・・・
デジタル社会の実現に向けた重点計画に関する意見
デジタル社会形成基本法(令和3年法律第35号)第38条第5項の規定に基づき、デジタル社会の実現に向けた重点計画について、下記のとおり意見を申し上げる。
記
1.誰一人取り残されないデジタル社会の実現に向けて、住民に身近な行政を担う都市自治体の役割は極めて大きいことから、国は、地方の意見を丁寧に聴き、デジタル社会を見据えた制度設計を行うなど主導的な役割を果たしつつ、都市自治体が重点計画に基づき進めている取組について、進捗に支障をきたすことのないよう、的確な情報提供やきめ細やかなフォローアップを行うこと。
また、急速なデジタル化に伴うデジタルデバイド対策については、今後、都市自治体の更なる取組・役割が想定されることから、独自の取組を行う都市自治体への必要な支援を行うこと。
2.地方創生2.0においても、AI・デジタルなどの新技術の徹底活用等を基本的な考え方にしていることも踏まえ、国は、若者・女性に選ばれる魅力的な地域づくり等に必要な施策の推進等のため、十分な財源の確保を含めた必要な措置を講じること。例えば、持続可能な社会を維持するために産業構造のデジタル化を明確に位置付け、都市自治体の中小企業のデジタル化推進に特化した補助金・研修・専門家派遣をパッケージ化して支援すること。
3.地域のデジタル化を進展させるためには、専門知識を有する多種多様な人材が不可欠であるが、都市部への人材流出・偏在による弊害が顕在化していることから、産官学連携など効果的な人材育成や人材還流促進の取組を強化すること。また、都市自治体におけるデジタル人材の育成・確保についても、一般職と専門職双方において、具体的な取組がより進むよう、更なる支援を行うこと。
4.各都市自治体における住民記録や地方税、福祉などの基幹業務システムについて、システム移行に係る経費については、令和7年度末までの移行期限に向けて準備に邁進してきた都市自治体が、事業を完了することができるよう、速やかに全額国庫補助により必要額を確実に措置すること。「特定移行支援システム」については、引き続き、都市自治体の推進体制や進捗状況も踏まえ、適切な認定や必要な支援を行うとともに、令和7年度までに移行するシステムと同様、移行に必要な経費については、全額国庫補助により確実に措置すること。
また、標準化・ガバメントクラウド移行後のシステムに係る運用経費についても、国が主体となって、関係者との協議を更に実施し、ガバメントクラウド利用料に対する低廉な料金設定の実現や為替リスクへの対応をはじめ、高騰している運用保守費やアプリケーション利用料、接続回線料等を含め、運用コストが移行前を上回ることがないよう必要な対策を行うとともに、確実な財政措置を講じること。その際、国に起因するコスト増に対しては、全額国費により確実に措置すること。
さらに、今後においても、基幹業務システムを国主導で構築する場合、開発費や運用経費等の増を招かないよう機能追加等に関し厳格に管理するとともに、将来的なシステムに係る経費負担などをよく検証し、国及び地方公共団体相互においてより良い方策を継続して検討していくこと。
5.ガバメントクラウドの管理・運用について、適切なクラウド運用の体制を
構築し、障害を未然に防止するとともに、障害発生時に遅滞なく周知し、早急に復旧できるよう適切に措置すること。
また、セキュリティ体制の確保に努め、住民サービスへの不利益が生じないよう万全の対策を講じるとともに、システムの標準化に伴いガバメントクラウド上で、又はガバメントクラウドに接続して運用する自治体の各種システムにおいて実施するセキュリティ対策や障害対応についても、ガバメントクラウド利用の特性にかんがみ、安定的で安全・安心な運用が図れるよう、財政支援を含め十分な支援を行うこと。
6.国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に当たっては、所管省庁によるデジタルを前提とした業務改革(BPR)や規制の見直しを積極的に進めるとともに、現場において関連する業務の連携等による業務効率化が図られるよう、関係省庁間の連携も併せて実施すること。
その際、既に行っている都市自治体の取組を検証し、都市自治体のニーズや課題を十分把握すること。
7.デジタル化の進展に伴い、個人情報等の利用が拡大していることから、個人情報保護法に則した運用を行うとともに、その利活用については、国民の理解が得られるよう、国として分かりやすく丁寧に説明すること。
8.マイナンバー制度の安全性や信頼性の確保に向け、丁寧かつ十分で分かりやすい説明に努め、制度に関する知識啓発を行いながら、マイナンバーカードの安全性と利便性の両立を可能とする仕組みの構築を図ること。
また、今後のカード等の更新に当たっては、都市自治体の窓口の混雑や職員の負担増が想定されることから、住民及び自治体に対し過度な負担が生じないよう更新手続の簡素化の検討や財政支援も含めた支援策を講じること。
さらに、健康保険証や運転免許証、在留カード等との一体化、救急業務や健康・医療・介護分野、母子保健分野における利用などマイナンバーカードの利用拡大に当たっては、当該カードの安全性はもとより、住民の利便性及び自治体の負担軽減を十分踏まえた制度設計・運用を行うこと。
加えて、行政手続のオンライン件数の増大が見込まれることから、マイナポータルの機能拡大や継続的な改善に取り組むとともに、公的個人認証サービスや個人向け認証アプリケーションの利便性向上等UI・UXの更なる改善に取り組むこと。
9.アドレス・ベース・レジストリについて、今後の整備範囲や整備スケジュールの検討等に当たっては、都市自治体に対し過度な負担が生じないよう、必要な支援策を講じること。
10.都市自治体におけるAIの利活用については、業務の効率化への期待がある一方で、AI活用に関する適切な運用ルールを策定し、AIの判断がブラックボックス化しないよう説明責任を果たす必要があること、個人情報に係る情報漏洩や不正アクセスのリスクへの対応、行政サービスにAIを導入することに対する住民の理解など様々な課題があることから、導入に向けた期限を区切ることなく、各自治体の判断を尊重し、丁寧な意見調整を図ること。また、導入を希望する自治体に対しては、十分な財政支援も含めた支援措置を講じること。
11.重点計画に掲げられた具体的な施策については、早期に住民がその恩恵を享受できるよう、広く普及しているスマートフォン等のデジタル機器や技術を考慮し、ユーザオリエンテッドなサービスや情報システムの導入、セキュリティ対策を検討すること。
12.重点計画では、様々な項目において目標時期や数値目標等が示されているが、各都市自治体においては、推進体制や予算を確保したうえで工程表等に基づき計画的に進める必要があることから、国においては、迅速な情報提供を行い、より具体的なスケジュール等を早急に示すとともに、必要な財政支援を講じること。
13.重点計画に基づいてデジタル社会の実現に向けた具体的な施策が講じられること等から、デジタル社会形成基本法に基づく重点計画の策定等に当たっては、本会に対し、できる限り十分な時間的余裕をもって意見聴取すること。
令和7年5月30日
全 国 市 長 会
・・・
私は、昨年2月県議会(3月7日)の一般質問で、自治体情報システム標準化問題を取り上げました。次の通りです。
・・・
(藤本 質問)
政府は、二五年度末までに自治体の業務システムを、国が新たに定めた標準準拠システムへ移行することを義務づけています。
全国知事会は、昨年十月五日、総務大臣に、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化の着実な推進に向けた緊急提言を行いました。緊急提言は、システム移行作業が本格化する中で、既存システムの契約解除に伴う違約金等も含め、多額の経費負担への懸念がいまだに解消されていないと指摘しています。
この緊急提言の提出者は、会長の村井宮城県知事とデジタル社会推進本部長の村岡知事です。村岡知事は、今も多額の経済負担への懸念が解消されていないとの認識ですか。国に移行経費の全額負担と二五年度末までのシステム移行期間の延長を求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。
(永富総合企画部長答弁)
まず、標準準拠システムの移行に係る経費負担への認識についてのお尋ねですが、国においては、全国知事会の要望を踏まえ、令和五年度補正予算で、移行経費の支援財源を追加され、今般、それを踏まえた支援内容等が示されました。
既存システムの契約解除に伴う違約金も対象とするなど、支援の充実が図られており、地方の懸念解消に向けて、国において適切に対応されていると認識しています。
次に、移行経費の全額負担や期間延長を国に求めるべきとのお尋ねですが、移行経費については、国から示された支援内容等の確認などが必要であることから、それを踏まえ、今後、対応について判断していきます。
移行期間については、期間内の移行の難易度が極めて高いシステムについて、所要の移行完了期間を設定するとされたことから、こうしたシステムについては、適切な移行期限を設定するよう既に求めているところです。
・・・
全国知事会は、昨年11月25日、「デジタル社会の実現に向けた提言~誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化のために~」を発表しました。この中の「デジタル・ガバメントの構築」として、次の内容を提言しています。
・・・
デジタル原則への適合を実現するため、アナログ規制の見直しの取組が進められる中において、デジタル技術を活用した新たな制度を確実に施行していくため、必要となる地方自治体のシステムの改修等に対して、技術的・財政的支援を確実に実施するとともに、その維持管理・更新等に対して継続的かつ十分な財政措置を講じること。
また、国民一人ひとりのポータルサイトであるマイナポータルについては、行政機関と民間事業者のサービスとのAPI連携による官民の「情報ハブ」として機能するよう、UI・UXの向上や、APIの開発・提供等に取り組むこと。併せて、マイナポータル上のオンライン申請可能な手続の増加に向け、各自治体がより活用しやすいような改善を図ること。
その上で、オンライン化が実現した行政手続については、オンライン申請が定着するよう、手続の概要、変更点、メリット等について、様々な広報媒体を活用した効果的な広報活動に取り組むとともに、マイナポータル利用者への操作支援の充実など、様々なフォローアップに努めること。
なお、手数料納付を伴う一部の行政手続きについて、マイナポータルを利用したオンライン化・キャッシュレス化が進められているが、そうした手続きのなかには、窓口でも申請できるものが存在する。これらについては、国とキャッシュレス決済で納付できる環境を整備した地方自治体との間で、手数料の納付方法に違いが生じることから、利用者のUXの向上、業務の効率化を図るため、一元的なキャッシュレス化の導入など、状況の早期改善に取り組むこと。
「地方公共団体情報システム標準化基本方針」において、基幹業務システムを利用する地方自治体が、令和7年度までにガバメントクラウドを活用した標準準拠システムに移行できる環境を整備することを目標とし、国は、令和5年4月から令和8年3月までの「移行支援期間」において、必要な支援を積極的に行うとされている。しかしながら、移行支援期間中における各自治体の作業が集中し、それを担うベンダーやデジタル人材の不足によるシステム構築等の進捗への影響や、地方の責任によらない経費の追加も生じているため、全ての地方自治体がシステムの移行を円滑かつ確実に実現できるよう、先行事業における検証結果等の速やかな情報提供を含め、地方自治体の状況に応じたきめ細やかなフォローアップに努めること。
なお、移行の難易度が極めて高いと考えられるシステムについては、当該システムの状況を十分に把握したうえで、所要の移行完了期限を設定するとされているが、今般、一部ベンダーにおいて、標準準拠システムの移行完了時期が期限より遅れることが明らかになり、今後、期限内の移行が困難なシステムの更なる増加が見込まれる。国においては援を充実させるとともに、安全なシステム移行を実現できるよう、地方自治体や事業者の状況に応じた移行期限を設定すること。
地方自治体の標準準拠システムへの計画的かつ円滑な移行を図るため、令和7年度までのシステム移行に係る事業については、デジタル基盤改革支援補助金による支援が行われる。当該補助金については、令和5年度補正予算で5,163億円が追加計上されたが、国において行われた自治体情報システムの標準化に関する移行経費の状況調査の結果等を踏まえ、地方自治体に財政負担が生じないよう、国の責任において、当該補助金の上限額にとどまらない支援を確実に行うとともに、令和8年度以降の移行に伴う経費についても確実な支援を行うこと。なお、これらの補助金に係る対応については、自治体の意見を十分に踏まえながら検討するとされているが、現時点において具体的な方針が示されていない。自治体の予算確保やシステム移行に影響が出ないよう、具体的な方針等を早急に提示すること。
さらに、当該補助金の補助対象が限定的であることから、基幹業務システムの変更により影響を受ける全てのシステムの改修や令和5年4月以降の標準仕様書の改定への対応に係る関連システムの改修なども補助対象とすること。また、地域におけるデジタル人材の確保等の観点から、地域のベンダーの参入機会の確保に配慮すること。
標準化対象事務に関する情報システムの運用経費等については、平成30年度(2018年度)比で少なくとも3割の削減を目指すとされているが、移行形態によっては、当面の対策及び中期的対策による費用削減の効果を見込んでもなお、大幅に増加するとの試算もある。地方自治体のガバメントクラウドの利用料については、利用に応じて地方公共団体が負担することとされていることから、システム運用経費等の削減が確実に図られるよう、国が主体的に事業者との調整を行い、適切な額に設定すること。その上で、なお、標準準拠システムの利用料を含む、システム運用経費等に増加が見込まれる場合は、地方公共団体に新たな財政負担を生じさせないよう、国の責任において確実に財政措置を講じること。また、「国・地方ネットワークの将来像及び実現シナリオに関する検討会」での将来的な国と地方自治体のネットワークの在り方等に係る議論においても、地方の負担増とならないよう、配慮すること。
なお、標準準拠システムへの円滑な移行の実現に向けて、地方自治体における取組の推進に影響を及ぼす事項がある場合には、速やかに情報提供を行うとともに、地方自治体からの意見を積極的に取り入れること。
また、国が主導して地方公共団体の意見を聴きながら作成する仕様書に沿ったシステムを原則ガバメントクラウドに構築し、地方公共団体が複数の団体と同じシステムを利用する形でサービスを受ける取組(いわゆる共通SaaS)の推進にあたっては、自治体現場の実情や意見を十分に踏まえ、共通化すべき業務・システムを選択するとともに、特に既存システムの共通化については、基幹20業務の取組を検証し、取組手法等を十分に検証した上で進めること。
併せて、維持管理やシステム移行に多大なコストと人役を要する「レガシーシステム」の解消や、地方独自の助成制度や行政サービス、アナログ規制の見直しなどスマート自治体を加速化するための取組等、業務改革を含めた地方自治体独自の取組や既存システムから共通SaaSへの移行に対しても、技術的・財政的支援を行うこと。
こうした地方のシステムに影響を与える事項が、関係省庁において一方的に決定されることのないよう、地方の意見を丁寧に聞き、限りあるリソースを有効活用するよう努め、真に住民サービスの向上と行政の効率化につながるものとすること。
また、情報システム等の調達については、国に加え、地方自治体においても、スタートアップ等の参入促進による担い手の拡大及び調達の迅速化等に向け、デジタルマーケットプレイスを含めた施策の検討を進めることが示された。地方のデジタル化の取組において、スタートアップ等が開発した優れた技術の導入促進につなげるとともに、地域の活性化に向けて、地方のIT企業の受注機会の拡大にもつながるよう、国において調達制度の改善に向けた取組を着実に進めること。
併せて、地域社会のデジタル化を集中的に推進するため、引き続き、地方財政計画に計上する地域デジタル社会推進費の拡充を図るなど、地方自治体のデジタル化に係る取組への支援を充実・強化すること。加えて、地方自治体の情報システムの標準化に伴う運営経費等について減少が見込まれる場合、地方行政のデジタル化や住民サービスの維持・向上のための経費に振り替えること。
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全国知事会の提言は昨年度中のものですが、全国市長会の意見書は、今年度の国の予算措置が行われた後に出されたものです。
新年度予算が措置された後も、全国市長会から、自治体情報システム標準化に伴う経費の全額国庫補助を求める意見などがだされる事態は重大です。
国は、今年度の補正予算の中で、全国市長会などの意見に応える十分な財政措置を講じるべきです。更に、その他の要望にも応える対応を国は行うべきです。
私は、6月県議会から総務企画委員会で発言することになります。
4日付で、担当課に、県と県内市町の情報システムの移行の状況や国の財政措置の状況などの照会を行いました。しっかり、準備をして、自治体情報システム標準化問題を委員会で取り上げたいと思っています。
自治体情報システム標準化問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。