昨日、知事の定例記者会見が行われ、その様子を各社が報道していました。県のホームページには、昨日の内容はアップされていませんが、各社の報道内容を見ながら、いくつか指摘したいと思います。
まず、前進面です。それは、新型インフルエンザ対策に関連して、抗インフルエンザウィルス薬の前倒し購入を知事が明らかにした事です。
5月8日の私のブログを参照していただきたいのですが、県議会厚生委員会の場で、県は、人口45%分の備蓄量に対する不足する量を13万5千人分と答え、H23年までかけて備蓄すると答えました。
そして、県は、私の質問に対し、今年度分は前倒しで購入するとしたものの、H22年度以降分を前倒し購入するとは言明しませんでした。
しかし、知事は、昨日の記者会見で、「今後2年間で備蓄を完了する」と答えたと報道されています。1年前倒しで抗インフルエンザウィルス薬が購入されることになるようです。
私の委員会での質疑が知事の記者会見によって前進したものと、率直に評価したいと思います。
一方で、昨日の記者会見で問題だと感じるのは、福祉医療制度のセーフティネットに対する知事の発言です。
知事は昨日の記者会見で、県のセーフティネット対策について「患者負担が生じる市町を県として支援できないか検討中」「すべての市町が無料化になれば、県として新しい対策を考える必要はないと思う、もうしばらく様子を見ながら考えたい」と答えたと報道されています。また、今月中に、具体的な方針を示す考えだと答えたとも報道されています。
私は、この問題についても、8日の厚生委員会で県の考えを質しました。その時点で、県はセーフティネットの考え方を明らかにしませんでしたが、昨日の知事の記者会見で、考え方の方向は見えてきました。
この発言を評価する上で、この問題を少しさかのぼって見てみます。
まず、知事は、「さらに(負担を)軽減する方法があるのかどうか、検討していきたい」と2月県議会の厚生委員会で答えました。
そして、2月県議会の厚生委員会の委員長報告で、「実施日までにセーフティネットの充実に努めること」などが、執行部に要請されました。
知事の記者会見での発言は、この厚生委員長の要請を真摯に受け止めたとは思えないものです。議会軽視と言われてもしかたがない発言だと思います。
全ての市町が一部負担金を取らない場合は、県として新しい対策を考える必要はない―県は何もしないとの発言は、いかがなものでしょうか。
私は、財政難の中、市町の単独予算で、一部負担金を取らない自治体こそ県は財政支援をすべきだと思います。
住民から、一部負担金を取らないために、市町が苦労していますが、その苦労の原因を作った(一部負担金を取る)のは、県です。その責任を県は感じるべきです。
また、一部負担金を導入すれば援助を考えてもいいという趣旨の知事の発言は、県が市町に対し一部負担金導入を誘導するものとして問題があるものだと思います。
一部負担金を導入する自治体にも、導入しない自治体にも県は手厚いセーフティネットを行うべきです。
知事は、3万人の署名が寄せられるなどの県民の声、厚生委員会委員長報告の中身などの議会の声に真摯に耳を傾けて、最大限の努力を行うべきです。
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