「前衛」8月号にある日本共産党政策委員会の山根隆志さんの論文「『海外で戦争をする国』への暴走を許すな」を学習しました。この内容を元に集団的自衛権行使容認の閣議決定の問題点や識者の見解について触れてみたいと思います。
7月1日の閣議決定で「他国に対する武力行使が発生した」場合にも武力行使が行える、集団的自衛権の行使容認に踏み込む大転換が図られました。
安倍内閣は、72年に政府が示した見解をもとに、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合に武力行使が可能としています。
しかし、72年の政府見解は、憲法上許される武力の行使は「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処」するためで、集団的自衛権の行使は憲法上許されないというのが結論です。
この事について、阪田元法制局長官は、朝日新聞のインタビューで「見解はあくまでも全体で判断すべものだ」「集団的自衛権を使うのは、日本が武力攻撃を受けていない状況が前提になる。日本が攻撃を受けていないのに、国外で起きている事態がどうして『国民の権利を根底から覆す事態』になるのか理解できない」と述べています。
また、柳沢元法制局長官は、共同通信のインタビューで「集団的自衛権行使容認にすり替えるのは、幸福追求の権利どころか、政府の国民の幸福追求権を破壊させることにつながりかねない」と述べています。
更に、古賀元幹事長は、雑誌「世界」で集団的自衛権の行使容認「過去の戦争への反省もなく、深みのある議論もなく、先人や先達が積み重ねてきた選択への敬意もなく、またそれによってもたらされることへの責任と覚悟もないままに、この解釈改憲を実行するならば、将来に大変な禍根を残すであろう」と述べています。
山根氏は、安倍政権の閣議決定を「保守政治の矜持の欠片もない」と厳しく批判すると同時に、「閣議決定だけで自衛隊を動かせるわけではない」今後の「法案とのたたかいがきわめて重要」と指摘しています。
集団的自衛権行使容認の閣議決定は、「将来に大きな禍根を残す」ものであることは明白です。
閣議決定を具体化させないよう安倍政権を国民の目で厳しく監視していきましょう。
また、9条を守る運動を強めていきましょう。
集団的自衛権行使容認の閣議決定について改めて皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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