偶然、書店で森浩美さんの「家族の言い訳」を手に取り、一気に読みました。
森浩美さんは、日本を代表する作詞家です。
森川由加里「SHOW ME」、田原俊彦「抱きしめてTONIGHT」、SMAP「青いイナズマ」と聞けば、私たちの世代は、懐かしい歌ばかりです。
森さんは、この本のあとがきに、「いつかは小説」と思っていたと語ります。
「作詞家としては、十代、二十代向けの作品を多く書いてきた。」「半世紀近くも生きてきた今、年相応の世界を描く機会のないことに気づく。」
「『家族の言い訳』は、そんな僕の第一投となる。読者の胸に届く一球であってほしいと願うばかりだ。」
彼の本格的な小説(短編集)である作品の一つ一つが私の胸にしっかり届きました。
「ホタルの熱」の駿君の「ママ、ごめんね」の一言で、この小説に釘付けになりました。
「乾いた声」の由季子さん。「星空への寄り道」の島本さん。「カレーの匂い」の舞子さん。「柿の代わり」の吉村さん。
「かあちゃんの口紅」の貴志さん。「イブのクレヨン」の沢口さん。「粉雪のキャッチボール」の津本さん。
主人公全員が、40代半ば。つまり私の年代です。
辛いことも、嬉しいこともあった人生を一生懸命生きてきて、ふと立ち止まって人生を考えさせてくれる時に出会う。
こんな物語の数々です。再び歩みだそうというきっかけを与えてくれるのは、結局は、周りの家族の助けだということを作者は切々と語っています。
この小説に、励まされた自分がいました。
この小説を読んだみなさんは、どの主人公に共感しましたか。感想をお聞かせください。
「家族の言い訳」は三作までシリーズが出ているようです。続きを読むことにいたしましょう。
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