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宇部市議会が「選択的夫婦別姓制度導入に反対する意見書」可決 「総がかり行動うべ」抗議声明を発出

 昨日、TYSテレビ山口は、宇部市議会で、選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書が可決され、市民団体が抗議声明を出したことに対して次のように報じました。
 「前回の衆院選の争点のひとつとなり、今の国会でも議論が進められている選択的夫婦別姓制度の導入について、山口県の宇部市議会で制度の導入に反対する意見書案が提出され、賛成多数で可決されました。宇部市議会で『選択的夫婦別姓制度』の導入に反対する意見書案について提出した河崎運市議が説明しました。(河崎運市議)『旧姓の通称使用の法制化こそ、まずは実現すべき政策。決して選択的夫婦別姓を優先して導入すべきではない』意見書案に反対する議員からは、『制度は、女性活躍に貢献し、婚姻にあたっての選択肢を増やすもの』などの意見も出されましたが、賛成多数で可決されました。意見書では、地方自治法に基づき、国に対して旧姓の通称使用を拡充する法制度の創設や子どもへの影響を調査する委員会を設置することなどを求めます。これを受け、夫婦別姓制度に賛成の立場の市民団体が会見を開いて意見書案の可決に異議を唱えました。(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動うべ実行委員会 佐々木明美共同代表)『選択的夫婦別姓制度の導入は、個人の尊厳を大切にする社会への一歩です。このことこそ子どもの将来の幸せにつながります』市民団体は、『意見書は人権についての無理解を露呈するもの』と批判しました。」

 記事にある総がかり行動うべが行った抗議声明は以下の通りです。

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「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」に対する抗議声明

2025年3月25日

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動うべ実行委員会
共同代表 坂田 勇司/佐々木明美      
〒755-0031宇部市常盤町1-1-9宇部緑橋教会内
電話080-5029-5599(小畑太作)

 本日の宇部市議会最終日に「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」(以下「意見書」という。)が採択されました。この人権を軽視し歴史に逆行する市議会の行為に対して、私たちは以下の理由で、ここに抗議を声明するものです。
1. 意見書は、これまでの市民の、取り分け女性たちの取り組みを踏みにじるものである。
 この「制度」は、法務省の法制審議会が選択的夫婦別姓制度導入を盛り込んだ民法改正案を1996年に答申してから、国会においても導入に向けて超党派で取り組みが進んでいます。それは、宇部市民を含む日本中の多くの人々が、特に女性は実現を待ち望み、そのために長い間力を尽くしてきたからです。
2. 意見書は、人権についての無理解を露呈するものである。
 名前とは人権の中核である人格権に係るものです。民法第750条は、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」と定め、夫婦同姓を義務付けています。その結果、特に多くの場合女性が(約95%)婚姻に際して改姓し、アイデンティティの喪失に直面したり、仕事や研究等で築いた信用や評価を損なったりするなど様々な場面で不利益を被っています。
 日本経済団体連合会は昨年6月に「希望すれば、不自由なく、自らの姓を自身で選択することができる制度を早期に実現すべく、政府に提言する」と発表しました。提言では、旧姓の通称使用の拡大に関して、「ビジネスの現場においても、女性活躍が進めば進むほど通称使用による弊害が顕在化するようになった」と具体的な事例を挙げて指摘しています。旧姓の通称使用の拡大は姓を喪失することによって生じる本質的な問題が解決するわけではありませんし、むしろダブルネーム使用による弊害や課題を負わされることになるのです。
3. 意見書は、国際社会でも通用しない偏見と偏狭を露呈している。
 現在、国際的には婚姻時に夫婦同姓を強制しているのは日本だけと言われています。夫婦同姓を強制することに対して、これまでに国連女性差別撤廃委員会からは、2003年、2009年、2016年、そして昨年10月の4度にも亘り、「差別的な法規定」として是正勧告がなされています。
 選択的夫婦別姓制度は、選択肢を広げるものであり同じ姓を名乗ることを妨げるものではありません。両親の姓が違うと子どもの親に対する、またきょうだい間にも悪影響を与えるという意見がありますが、上述したとおり世界では夫婦別姓が趨勢であること、また日本においても既に国際結婚や事実婚、未婚、離婚、再婚などで親と姓が違う子どもは多く存在しているのであり、それらの子どもたちへの偏見と言わざるを得ません。また、日本において夫婦同姓制度が導入されたのは1898年からであり、この偏見は且つ偏狭な見解と言わざるを得ないものです。個人として尊重されることこそが、子どもにとっての幸せの大前提です。

 選択的夫婦別姓制度の導入は、個人の尊厳を大切にする社会への一歩です。このことこそ子どもの将来の幸せにつながります。また、カップル双方がアイデンティティーを喪失することなく、様々な不利益を被ることなく、一人ひとりの可能性を花開かせることにつながります。選択的夫婦別姓制度は「夫婦同姓・別姓選択制度」というほうが分かりやすいかもしれません。結婚する2人のどちらの思いも尊重し、個人の尊厳と本質的平等を保障する、それが選択的夫婦別姓制度です。
 私たちは「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」を採択した宇部市議会に強く抗議いたします。

以上

・・・

 私は、県議として総がかり行動うべの事務局長として、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める立場で、引き続き、関係機関に働きかけていきたいと思います。

 選択的夫婦別姓制度に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

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