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関西電力が原発敷地内に使用済み核燃料の乾式貯蔵施設を設置する計画を進めている

 2月27日、NHK福井放送局は、関西電力が原子力発電所内に使用済み核燃料を貯蔵する乾式貯蔵施設を設置する計画を持っていることについて次のように報じました。
 「原子力の安全性について協議する県の委員会が開かれ、関西電力が原子力発電所に使用済み核燃料を一時的に保管する『乾式貯蔵施設』を設置する計画について、安全性が確保されているかどうか関西電力に確認しました。関西電力は、県内にある美浜、高浜、大飯の原発すべてに使用済み核燃料を一時的に保管する乾式貯蔵施設を設置する計画を明らかにし、県や原発が立地する町が、設置に必要な国への申請を了解するかが焦点となっています。27日に県庁で原子力の安全性について協議する委員会が開かれ、オンラインも含めて原子力などの専門家13人が出席し、安全性が確保されているかどうか関西電力に確認しました。委員から、施設が狭い場所に設置されるとして、原発事故に対処する際の動線に影響があるかを問われ、関西電力は影響が出ないところに設置すると説明していました。計画では、核燃料を金属製の容器に入れてコンクリートで覆うことになっていますが、地震が起きた際の安全性について問われると、コンクリートが壊れるほどぶつかったとしても、容器に問題はないと答えていました。杉本知事は、27日の議論も踏まえて国への申請を了解する意向を示しています。委員長を務める福井大学の鞍谷文保名誉教授は『詳細が決まらないと結論は言えないが、地震や津波、竜巻などに対する堅ろう性がある程度担保されている印象を受けた』と話していました。」
 2月8日、関西電力は、美浜発電所、高浜発電所、大飯発電所の使用済み核燃料の乾式貯蔵施設の設置計画について、県に事前了解願いを提出しました。記事は、関西電力の事前了解願いを受けて開かれた委員会の内容を報じたものです。
 関西電力の資料によると、美浜発電所に約100トン、高浜発電所に約350トン、大飯発電所に約250トンの使用済み核燃料を貯蔵する乾式貯蔵施設を設置する計画です。
 2025年から高浜発電所での施設設置工事に入りたいとしています。収納する燃料の冷却期間は、15年以上とし、設計貯蔵期間は60年としています。
 末田げんぱつ新聞編集長によると、昨年9月末現在、美浜に約500トン、高浜に約1400トン、大飯に約1800トン、合計約3700トンの使用済み核燃料を関西電力は福井県内で保有している状況です。
 この度の乾式貯蔵施設の計画は、合計700トンです。
 関西電力は、この計画が成功したとしても、約3000トンの使用済み核燃料の処理の見通しが立っていないという状況です。
 しかし、この乾式貯蔵施設の建設は、関西電力が、上関町に中間貯蔵施設を本当に必要としているのかを問う重大問題です。
 そもそも、六ケ所村の再処理工場は依然として竣工の見通しが立っていません。
 核燃料サイクルシステムが破綻していることは明確です。使用済み核燃料の地方へのたらい回しは直ちに中止すべきです。
 国は、原発政策、核燃料サイクル政策を抜本的に見直す時です。
 関西電力が、原発敷地内に使用済み核燃料の乾式貯蔵施設を設置するための手続きに入りました。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

 

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