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NHK100分de名著6月はナオミ・クライン著「ショック・ドクトリン」お勧めです

 NHKEテレの「100分de名著」。6月は、ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」です。解説は、国際ジャーナリストの堤未果さんです。
 先日立ち寄った本屋で、この放送を知り、テキストを買い、昨夜、第一回の再放送分をビデオで視聴しました。
 ナオミ・クラインの事を知ったのは、ある先輩の方から数年前にナオミ・クラインさんの本をプレゼントされて読んだのがきっかけです。

 一冊づつが、上・中・下刊であったり、上・下刊であったり(ショック・ドクトリンも上・下刊)で、中々、読了するのは時間が必要ですが、可能な限り、ナオミ・クラインさんの著作には触れる努力を続けています。
 ナオミ・クラインさんは、1970年生まれですので、私より若い50代前半のジャーナリストです。「ショック・ドクトリン」は2007年にアメリカで刊行された本です。刊行されて16年目の本が「100分de名著」で取り上げられるのも異例のことだと思います。
 この番組のテキストで解説の堤さんは「危機に便乗して過激な新自由主義を強引にねじ込むこの戦略を、クラインは『ショック・ドクトリン』と名付けます」と指摘しています。
 テキストの1回目の最後のページに「ショック・ドクトリン」にある「コーポラテイズム」について引用されています。
 コーポラティズムについて堤さんは「多国籍企業が政府と密接に結びつくことで、まるで株主が経営陣を動かすように、自分たちの都合の良い政策を次々と導入させて利益を拡大し、反対者を弾圧して黙らせるこのシステムを、ナオミ・クラインは『コーポラティズム』と表現します。」と解説し、「ショック・ドクトリン」の次の文章を引用しています。
 「コーポラティズムは、膨大な公共資産の民間への移転(往々にして莫大な負債を伴う)、とてつもない富裕層と見捨てられた貧困層という二極格差の拡大、そして安全保障への際限ない出費を正当化する好戦的ナショナリズムをおもな特徴とする。このようにして生み出された巨大な富のバブルの内側にいる者にとっては、これほど収益性の高い社会構造はほかにない。だが、バブルの外側にいる大多数の人々は明らかに不利な立場に置かれるため、コーポラティズム国家は露骨な監視活動(ここでもまた政府と大企業が互いに便宜を図り、契約を交わす)、大量の人々の監禁、市民的自由の制限、さらには多くの場合、拷問と言う特徴を持つことになる。」
 日本は、5年間で43兆円もの軍事費を使うことを宣言した「安保3文書」を昨年末、閣議決定し、大幅な軍事費増の新年度予算を編成するに至りました。
 まさに、日本は、ナオミ・クラインが指摘する「安全保障への際限ない出費を正当化する好戦的ナショナリズム」が爆走しています。
 ウクライナ戦争・台湾有事の「ショック」をあおり、軍事費を拡大する一方、社会保障費削減と増税を進めようとしています。
 ナオミ・クラインが指摘する「露骨な監視活動」は今国会で通過した「マイナンバー法」や「入管法」などにも表れていると感じます。
 日本は、「政府と財界の蜜月が生み出すコーポラティズム国家」を爆走している瞬間に立たされていると感じます。
 しかし、希望はあります。日本が進む「安全保障への際限のない出費を正当化」する流れに、抗して「敵基地攻撃能力反対」「9条改悪、絶対反対」をアピールする4年ぶりの若者憲法集会に1500人が集いました。
 G7サミットで回復していた岸田政権の支持率は、ANNの世論調査で前月より4・1ポイント支持率が下がり、36・9%になりました。不支持率は37%で6ポイント下がりました。マイナンバーの利用拡大に『不安を感じる』の質問に感じるは76%となりました。
 ショックをあおり、大軍拡により、大企業のもうけを最優先させ、国民の暮らしを削り、大増税をたくらむ岸田政権に総選挙ではノーの審判を下していきましょう。
 総選挙に向けて、この6月は、一人でも多くの方に、NHK100分de名著「ショック・ドクトリン」を観ていただいて、世界と日本の今を学び、国民にとって経済とはなにかを学んでいただきたいと思います。私も皆さんと一緒に、堤未果さん解説に耳を傾けたい、しっかり学びたいと思います。
 NHK100分de名著「ショック・ドクトリン」を視聴しておられる皆さん、感想をお聞かせくだしい。

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