山口県民主医療機関連合会(以下、山口民医連)は、9月、県内の医療機関、介護事業所の経営状態を把握するためのアンケートを行いました。
結果は、医科、歯科、介護それぞれ利用者、収益とも大きく減少しているというものでした。
この結果を受けて、昨日、山口民医連は、村岡嗣政知事に対して「医療崩壊を防ぎ、コロナ禍から県民のいのちを守るための緊急要望」を行いました。
要望項目は次の通りです。
①「全ての医療機関・介護事業所」を対象とする財政的保障を速やかに執行してください。
②医療・介護の経営崩壊を防ぎ、第三波以降に備えるために更に大規模な緊急財政支援を国に対して要請してください。
県からは土屋健康増進課主幹らが対応しました。
山口民医連の要望書を提出する深谷事務局長(右手前)、受け取る土屋健康増進課主幹(左手前)右手奥が私
深谷山口民医連事務局長は、県内の医療機関への次のような調査結果を県職員に伝えました。
県内の医療機関への調査は、今年9月に行われ、93の医科事業所、38の歯科事業所から回答が寄せられました。
「経営への影響」の有無について尋ねたところ、「一定程度」・「深刻」をあわせて医科で71%、歯科が81%が影響があると答えました。
外来患者の減少について尋ねたところ、医科・歯科とも約半数が、20%以上減少したとの回答でした。
深谷事務局長は「インフルエンザのシーズンを迎え、今後発熱患者の鑑別診断を行う『診療・検査医療機関』として地域医療を担う一般の医療機関の役割が期待される中、医療崩壊を防ぐためにも、これら事業所の財政面についての状況を十分把握し、必要な支援策を緊急に行う必要がある」と指摘しました。
土屋健康増進課主幹は「県の6月補正予算に、医療機関等を支援する財源45億3千万円を計上した。現在、2割弱の執行状況だが、速やかな予算執行を図り、医療機関を支援していきたい。また、『診療・検査医療機関』は県内で437事業所を指定した。また、これら事業所への補助金について、郡市医師会などに丁寧な説明を行っているところである。」と答えました。
佐々木医療生協健文会在宅介護福祉事業部長は、介護事業所に対して行った次のような調査結果を県職員に伝えました。
県内の154の介護事業所から回答が寄せられました。
利用者実人数は、前年度に比べ5月6月ともに約40%の事業所が利用者が減少したと答えています。
2カ月続けて前年度に比べ経常利益が減少したと答えた事業所は、約33%に及びます。
5月は68%、6月は49%の事業所で利用休止者が生まれました。
介護報酬算定の臨時的な取扱いについて、通所系では55%が2区分上の報酬を算定していました。
一方で、33%の事業所が算定していませんでした。制度を利用することで利用者負担増になり、限度額を超えると10割負担になるなど、臨時的取扱いの弊害が明らかになりました。
佐々木部長は「長期化するといわれる新型コロナに対して今後も引き続き、財政的な支援、医療・衛生材料の十分な提供が必要である。また、利用者負担にならない、介護事業所への財政支援が必要だ。」と指摘しました。
長寿社会課の担当者は「県として、介護事業所の職員への慰労金支給、かかり増し経費の差額の支給などを行っている。これらの制度を徹底したい。介護事業所への更なる財政支援について、県として国に要請をしている。」と答えました。
山口民医連のアンケート調査の結果の内容や知事への要望内容は重要な内容ばかりです。来る11月県議会にしっかり反映したいと思います。
新型コロナ対策に対する医療・介護現場での要望を引き続き、お聞かせ下さい。
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