直木賞作家の真藤順丈さんの初期の作品「RANK」を読んでいます。
文庫本の裏表紙の文章を引用します。
「監視カメラのネットワークによって国民に絶えず順位を付ける制度-『RANK』によって管理された近未来・日本。『RANK』の圏外に落ちた人間は抹殺される。国家が企む本当の目的、そして隠された真相とは!?社会の崩壊を前にして、人間の未来と希望を描く物語。」
今読んでいるところは、「RANK」の圏外に落ちた人間を抹殺していく特別執行官の生々しい行動の場面です。
「社会がよくなれば、切り捨てられる人々のことはどうでもいいのか?そこに大義があったとしても許されることじゃない。世界がよくあるのはわかる。だけどそれは、誰のための世界だ?最大多数の最大幸福-政治家たちに濫用されてきたこのアフォリズムに、拒絶反応を示す者はこう叫んだ、犯罪防止の理屈はわかる、わかるけども、これはない。これはないぞ!」
抹殺は日常化していきます。
「どこでリミッターは外れたのか。もともと存在しないのではないか?憤怒と淵源とした、ある種の潔癖か。」
この小説が最初に出版されたのは、2009年。
物語が幕を下ろすのは、2019年2月16日。ちょうと今頃です。
このような中、菅官房長官の記者会見で東京新聞記者の質問を事実上封じるような申し入れを、上村秀紀総理大臣官邸報道室長名で内閣記者会あてに行っていたことが分かりました。
今朝の赤旗日刊紙の「潮流」はこう書いています。
「標的にされたのは東京新聞の望月衣塑子記者。これまでも官邸側の質問妨害や菅官房長官のバカにしたような答弁が続いていました。新聞労連は偽った情報を用いて記者に『事実誤認』のレッテルを貼り、取材行為を制限しようとする行為は、ジャーナリズムと国民の知る権利に対する卑劣な攻撃だと。メディアが権力に屈すれば国民にどんな悲劇をもたらすか。それは歴史が示しています。とくに軍国政治と一体になって破滅に導いた日本の新聞は、その反省の上に歩んできたはずです。『ジクソーパズルを作るときのように、ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていく』。望月記者は自身の仕事を著書でこう語っています。権力の偽りや隠ぺい、メディアへの攻撃は連帯して対決していく。それもまた歴史の教訓です。」
宇部市で望月衣塑子記者の講演会を行った時の事務局長が私でした。
望月記者への攻撃に対して恋愛して対決していきたいと思う一人です。
2019年2月を「権力のリミッターが外れた」月とすることなく、国民の自由が守られ発展する月にするために、連帯の輪を広げていきましょう。
望月記者を応援しています。
真藤順丈さんの「RANK]はジョージ・オーウェルの「1984年」を彷彿させる作品です。
「人間の未来と希望を描く」ところまでしっかり読み切って、今の時代を読み解く一冊にしたいと思います。
真藤順丈さんの「RANK」に対する感想や政府のマスコミへの攻撃に対するご意見などお聞かせ下さい。
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