12日付 しんぶん赤旗日刊紙の「許すな安倍9条改憲」特集のインタビューに臨済宗妙心寺派龍門寺住職・元全日本仏教会会長の河野太通さんが登場しました。
河野さんは「安倍政権はいま、自衛隊をアメリカ軍とともに海外で武力行使ができるようにしようとしています。戦中、戦後の日本の歴史を知っている者として、古き体制に近づいていることに危惧しています。こうした動きは極めて危険であり反対です。再び自ら戦争をする国にしてはなりません。時代を逆戻りさせてはなりません。」と語っています。
河野さんのインタビューの中で、注目したのは次の部分です。
「仏教は、命を大切にすることから出発している宗教です。「命を大切に」「人を殺すな」と教えています。戦時中には、仏教の教えに反して、政府の政策に迎合し、自ら戦地に向かったということがありました。それだけではなく、檀家や信徒から寄付をつのり、戦闘機を軍部に献納した歴史があります。そうしたことは、誤りだったとして、各宗派が2001年前後に『戦争協力ざんげ表明』を行い戦争責任への反省と平和への決意を表明しました。再び過ちを繰り返してはいけません。」
私は、浄土真宗本願寺派の門徒として山口教区の役員を務めています。
龍谷大学の元学長で、先日亡くなられた信楽峻麿さんは、自らの著作の中で繰り返し、戦争に協力した東西本願寺教団の戦時共学を批判しています。
信楽さんの著作「親鸞はどこにいるのか」の第二章「東西本願寺教団の戦時共学」に詳しく書かれてあります。
私が関わっている西本願寺教団に関わる部分だけ引用したいと思います。
本願寺派では明治19(1886)年1月に制定した「宗制」で次のように規定しました。
「一宗の教旨は仏号を聞信して大悲を念報する之を真諦といい、人道を履行し王法を遵守する之を俗諦という。これすなわち他力の安心に住し報恩の経営をみなすものなれば、之を二諦相資の妙旨とす。」
信楽さんはこの「宗制」を「明確なる天皇中心の国家体制への隷属を意味する真宗教義の改変です。」と書いています。
1939(昭和14)年には、本願寺では、本願寺派教務部の梅原真隆氏が「興亜精神と仏教」を刊行し、「日本の戦争は、それが天皇陛下の御名によって進めらるるから正しい。すなわち聖なる戦いである。」と書きました。
1945(昭和20)年には、西本願寺の大谷光照法主は、「皇国護持の消息」を発して「念仏の大行は千苦に耐へ万難に克つ。国難何んぞ破砕し得ざることあらむや。遺弟今こそ金剛の信力を発揮し念仏の声高らかに各々その聖戦に挺身し、あくまで驕敵撃滅に突破すべきなり。」と門信徒に檄をとばしました。
信楽さんは、このような動きをこう書いています。
「真宗の根本聖典である『無量寿経』には、「兵戈無用』と教説されて、軍備をもってはならない、戦争をしてはならないと、厳しく教えております。にもかかわらず、東西本願寺教団は、このアジア・太平洋戦争に全面的に賛成し、教団を挙げて率先協力したわけで、まさしく仏法を裏切るという、重大な罪科を犯したわけであります。」
真宗に関わる私たちは、「仏法を裏切るという、重大な罪科を犯した」戦時教学の間違いを決して忘れてはならないと思います。
仏教に関わる私たちは、河野太通さんが指摘した「再び過ちを繰り返してなりません。」の言葉を決してわすれてはならないと思います。
そして、「人を殺すな」と教える仏教に関わる私たちが、日本を戦争する国にしようとする安倍9条改憲にNOの声を挙げていくときだと思います。
仏教に関わる私たちは3000万署名の成功のために力を尽くす時だと思います。
3000万署名に協力したいという皆さん、私にご一報ください。
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