鎌田實著「忖度バカ」に2015年にノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アクレシエーヴィチさんのことが書かれてありました。
鎌田さんは、彼女についてこう書いています。
「1983年にこの本(『戦争は女の顔をしていない』)の原稿を出版社に渡したとき、『英雄的ソ連女性のイメージを失墜させる』と当局から非難され、2年間出版を差し止められました。次に『私は村を出た』を書くと、反体制派というレッテルを貼られました。ベラルーシ共和国はルカシェンコが20数年大統領を続けています。ソ連が崩壊し、一時、自由な空気が広がったのに、一強というシステムがこの国の進歩を止めました。一強が忖度バカを生んで、国力を落としていきます。他山の意思にしなければなりません。先制君主のいる国で、アレクシエービッチは忖度なんてまったくしていません。ひっそりと生きる小さきものに目を向け、闇に葬られたものを掘り起こしていきます。人々が心の奥深くにしまって語らずにいた記憶を本にし、フッ化させないようにしてきました。権力がつくる歴史は嘘をつきますが、『小さき人々』の言葉をきちんと書き込むことで、国家の意思や思惑とは違う真実をあぶりだそうとします。」
私は、是非彼女の作品を読みたいと思い、今、「戦争は女の顔をしていない」を読んでいます。
この作品は、第二次世界大戦時、ソ連が戦場に送り込んだ元女性兵士に取材した作品です。
この作品を書こうとする彼女の想いが、書かれています。
「悪は善より多様で、人を引き付ける。ますます深く戦争の無限世界に身をひたすと、ほかのすべては色あせて、さらにあたりまえのことになってしまう。戦争の世界は恐ろしく獰猛だ。」
「戦争のことを聞いただけで、それを考えただけでむかつくような、そんな本が書けたら。戦争のことを考えるだけでぞっとするような、そういう本を。将軍たち自身が吐き気おもよおしてしまうような本を。」
南京事件から80年。日本では今なおこの事件を否定する言論がふりまかれています。
このような時代だからこそ、スヴェトラーナ・アクレシエーヴィチの作品を読みたいと思いました。
忖度せずに、戦争の真実を知ることが、私たちの未来にとって今必要だと感じます。
スヴェトラーナ・アクレシエーヴィチファンの皆さん、感想をお聞かせ下さい。
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