参議院選挙が終わったとたん安倍晋三政権が介護第改悪の動きを加速させています。
8月から特別養護老人ホームなどに入所している利用者で新たな負担が増える人たちが生まれています。
障害年金や遺族年金を受給している人の食費と居住費の軽減策が縮小されたためです。
特養や老人保健施設などの利用者の食費と居住費は、2000年の介護保険発足時は保険給付の対象でした。05年の制度改悪で保険給付から除外されましたが、国民の批判の高まりをうけて、低所得者には軽減策(補足給付)をとることにしたものです。
この軽減策の縮小を14年成立の「医療・介護総合法」にもとづき実行しているのが安倍政権です。
最初の負担増は昨年8月から。夫婦の片方が特養などに入って世帯を分離した場合、それまでは入所した人のみ低所得(住民税非課税)なら軽減対象になりました。ところが、今度は配偶者も低所得基準を満たさなければ受けられなくなりました。単身で1000万円超の預貯金がある定収入の人なども軽減の対象外にされました。これと同時に、一定以上の収入がある人の介護サービス利用料負担を1割から2割へ引き上げる改悪まで行われました。
軽減策がなくなると一日の食費が3倍にはね上がる人もいます。
これらの結果、月の利用料負担が8万5千円から13万円以上になるなど過酷な状況も生じています。
「認知症の人と家族の会」の影響アンケートには、生々しい弊害が浮き彫りになっています。
要介護5の妻が特養ホームに入所する60大の男性は月7万5千円の負担増になりました。
その方は「年金収入だけでは月1.5万円足らなくなる。仕方なく今年中に施設を退所させて在宅介護に切り替えるつもり」と語っています。
安倍政権は、昨年4月、要支援1と同2の訪問・通所介護の「保険給付外し」や特養入所要件を原則要介護3以上に厳格化した上、介護の質を支える介護報酬も過去最大規模で引き下げました。さあに要介護1と同2の新たな「保険外し」に向けて議論をすすめています。
「介護離職ゼロ」どころか、介護保険制度の基盤を揺るがす改悪をおしつける安倍政権の暴走を認めることはできません。
介護大改悪に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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