山田洋次名作映画DVDマガジンVol.6「故郷」を観ました。
この映画は、1972年の作品です。舞台は、瀬戸内海の倉橋島。
海のダンプカーと言われる「石船」で生計を立てる家族の物語です。
船が古く、故障が続きます。新しい船を買うにも資金がありません。
この夫婦を井川比佐志と倍賞千恵子が演じます。
井川・倍賞夫婦は、「家族」でも同じでした。
倍賞は、酪農家の妻役も石船の機関長役も様になっていますね。
働く女性を見事に演じています。
働く母役の倍賞の演技を観ていて、私の子どもの頃の母の姿を思い出しました。
我が家は農家で、父は教師をしていましたので、平日は母が農業をしていました。
私が子どもの頃は、お茶の栽培もしていました。
摘み取ったお茶を納屋に積み上げていました。
竹で編んだ円筒形の大きな籠を背中に担ぎ、お茶を畠から納屋まで運んでいました。
いっぱい汗をかいた母が、大きな籠を納屋に運んで籠を下ろして一息ついている姿を昨日のように思い出します。
その時の緑輝くお茶の葉がむされた匂いも思い出されます。
母を誇りに思うような子どもの頃の気持ちも思い出されます。
母は強しです。
時代の波には勝てず、我が家で営んでいた肥育やお茶の出荷を止めたように、家族で営む石船も今ではすっかりなくなってしまいました。
主人役の井川が「なんでワシら、大きなもんには勝てんのかいのう」の言葉は明言です。
過疎・過密が進み、日本は高度経済成長の坂を駆け上っていきます。
その真っただ中の時代、家族がどのようにさせられたのかの記録がこの映画です。
シナリオのある映画ではあるが、「家族」同様ドキュメンタリーのような映画でした。
この映画も涙涙でした。
次回は、「学校Ⅱ」です。この映画は当時映画館で観ました。
現在では特別支援学校といいますが、当時は養護学校と呼ばれていた「障がい児学校」高等部を取り扱ったドラマです。
この作品も今から楽しみです。
高校受験が終わった長男も、このシリーズを観てくれています。山田作品が、我が家の子どもたちにも受け継がれることに喜びを感じます。
あなたの好きな山田作品をお教え下さい。
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