甘利昭経済再生担当大臣や秘書が千葉県の建設会社側から1200万円の許与を受けたとされる疑惑で、甘利氏は昨日、内閣府で会見し、自ら現金を受け取ったことを認めた上で、閣僚を辞任すると発表しました。
しかし、口利きは否定するなど疑惑は深まっており、さらなる真相解明と安倍首相の任命責任が問われます。
今朝のしんぶん赤旗日刊紙には、税理士で立正大学法学部客員教授の浦野広明さんがこの問題でコメントしています。
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甘利氏は記者会見で建設会社の総務担当者らと面会し、現金50万円を2回にわたって直接受け取ったことは認めました。そのうえで、一般的な政治資金であり、口利きの依頼や見返りではないと弁明しました。しかし、こうした場合、カネを渡した側がどのように認識していたかが重要です。甘利氏の弁明は言い逃れであり、賄賂性への疑いは晴れません。
秘書が受け取った500万円のうち、300万円については返そうとしたが返せず、使ってしまったと言う説明は、なんとかつじつまの合う筋書きを考えたのでしょうが、にわかに信じがたい印象です。
受け取ったカネを全部返還するともいっていますが、借金ではない以上、いったん受け取った不明朗なカネを返したからといって免罪されるものではありません。泥棒したカネを返しても罪は消えないのと同じです。
閣僚辞任は当然ですが、辞任で幕引きは許されません。安倍首相の任命責任はより重くなったというべきです。
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甘利大臣が辞任しました。皆さんは、この問題をどのようにお考えですか。お教え下さい。
中路啓太さんの「うつけの采配」を引き続き読んでいます。
この本は、戦国時代から徳川幕府が出来る辺りの毛利家の様子がよくわかる歴史小説です。
とりわけ岩国藩を治めることになった吉川氏の経緯がよくわかります。
毛利輝元を藩徳川勢の総大将として天下を取ろうとする安国寺恵瓊。
「毛利は決して天下を争ってはならない」との毛利元就や小早川隆景らの遺言を守り、毛利と徳川との全面対決を阻止しようとする吉川広家。
天下分け目の関ケ原に突入していきます。
歴史に「もし」はありません。
吉川広家という人物がいなかったら、長州を、毛利氏が治めることにはならなかったのかも知れません。
吉川家が岩国を治めることにならなかったかも知れません。
毛利家そのものがどうなっていたのか分かりません。
広家を支え続けた伊知介が、「お家が滅びようが、知ったことではない」と言い出す広家を叱咤します。
「この世のどこを探そうと、力不足でない者などござりましょうや。『俺には何もかも揃っておる』などと申す者に、この伊知介は行き合うたことはありませぬぞ。」
「力不足などというのは、卑怯者の言い訳に過ぎまぬわい」
当時、殿に対して部下がこのような叱咤ができたかどうか分かりませんが、この下りなどは歴史小説を読む醍醐味を感じました。
歴史小説を自分にあてはめて読み、いろいろな事を教えてくれます。
やみくもに聖戦を叫び、多くの人民の命を奪うことになるのか、人民を守る道を選ぶのか。
毛利広家の選択は、今日を生きる私たちにも多くのことを教えてくれます。
歴史を分かり易く、面白い物語として私に伝えてくれる中路啓太さんの筆致に感服しています。
中路さんすばらしい物語をありがとうございます。
読書は人生を豊かにしてくれるものですね。
日本共産党の山下芳生書記局長は24日、沖縄県宜野湾市長選の結果を受けて、次のような談話を発表しました。
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大変残念な結果である。志村候補を支持された市民のみなさんをはじめ、志村勝利のために奮闘されたすべてのみなさんに心から感謝する。
現市長は辺野古「移設」の本音を隠したまま、「普天間基地の固定化阻止」「一日も早い返還」「政府とたたかう」と言って市民をごまかす論戦に終始した。政府はこの選挙結果をもって辺野古「移設」を民意だとすべきではない。
わが党は、保革を超えた「オール沖縄」に結集されたみなさんと力をあわせて、辺野古「移設」によらない一刻も早い閉鎖・返還、爆音軽減、市民の暮らし、福祉を守るため全力を尽くす。また、6月の県議選、7月の参院議員選挙で「オール沖縄」勢力の勝利のために奮闘するものである。
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宜野湾市長選挙の結果を皆さんはどうお考えですか、お教え下さい。
24日い投開票された岩国市長選挙で日本共産党が加わる「住民投票を力にする会」など、米軍岩国基地強化に反対する5つの市民団体が支援した姫野敦子氏は健闘しましたが、現職の福田良彦氏に及びませんでした。
岩国市長選挙の結果をうけ、「住民投票を力にする会」の松田一志代表は、つぎのコメントを発表しました。
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1、選挙結果について
1月24日投票の岩国市長選で、私たち「住民投票を力 にする会」(以下「力にする会」)は、岩国市内の他の4 つの市民団体(愛宕山を守る会、住民投票を活かす会、 「草の根」、瀬戸内ネット)とともに、艦載機移駐・米軍 住宅建設反対をかかげる共同の候補に姫野敦子氏を擁立し てたたかいました。
投票率が47.49%と前回より大幅に下がるなか、姫野候 補は14,820票(得票率27.5%)を獲得し、善戦健闘しまし たが及ばず、福田良彦・現市長が39,074票(得票率72.5%) で再選されました。
ご支持、ご支援をいただいたみなさんに心から感謝申し 上げます。また「力にする会」にたいし、県内、県外から よせられた物心両面にわたるご支援に心から感謝申し上げ ます。
2、今回の選挙戦の様相と問われたもの
今回の選挙戦の最大の争点は、2017年に計画される艦載 機移駐の是非でした。姫野候補は、艦載機移駐・米軍住宅 建設反対を正面からかかげ、「子どもたちに平和で安心し て暮らせる岩国を残そう」「再編交付金に頼らず、自立し た市政を」と訴え、たたかいぬきました。この訴えは、市 民の強い共感を広げました。
福田候補は、市の総合計画に「基地との共存」をかかげ つつ、基地交付金に頼る「実績」の宣伝に終始し、艦載機 問題に全くふれませんでした。そのなかで、姫野候補が27.5%の得票を得たことは、福田市政への批判の表れです。
今回の選挙結果は、艦載機移駐計画と、なし崩しの基地 拡大への市民の不安がはっきり示されたものです。私たち は、福田市政に、艦載機移駐・愛宕山米軍住宅建設に反対 し、国とアメリカに中止するよう要望することを、あらた めて強く求めるものです。
3、今回の市長選の画期的意義と私たちの決意
今回の市長選で、市長選史上初めて、米軍岩国基地増強 に反対する5つの平和市民運動団体が共同して、姫野敦子 氏を候補者に擁立してたたかいました。このことは、これ からの市民運動の発展にとっても画期的意義をもつもので す。立候補の要請を敢然と受けて立った、姫野氏の勇気に 心から敬意を表するものです。
5団体は「艦載機移駐反対、愛宕山米軍住宅建設反対」 の一点で力をあわせ、選対も協議を重ねながら運営し、選 挙運動にとりくみました。福田陣営にとっても、この市民 の共同が一番の脅威となりました。
5団体の共同はこれからの運動に、大きな展望を開くも のであり、基地拡大強化に反対し、平和を望む多くの市民 に、希望を与えるものとなりました。 私たちは、市民運動5団体の連携と共同をいっそう強め、 沖縄そして全国と連帯し、幅広い多くの市民のみなさんと 力をあわせ、これからもたたかいつづけます。そして「オー ル岩国」に発展させ、「戦争する国づくり」をすすめる安 倍暴走政治、そして安倍直轄の福田市政ノーの声を引き続 き広げ、来年に迫った空母艦載機移駐計画を中止させるた めに奮闘していきます。
2016年1月24日
「住民投票を力にする会」代表 松田一志
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日本共産党は、艦載機移駐・米軍住宅建設反対の立場で、県民・市民と連帯して引き続き奮闘します。
岩国市長選挙の結果について、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日は、近年にない大雪が西日本を襲いました。
午前・午後の予定は全て中止となり、読書三昧の一日となりました。
昨日から読み始めているのが中路啓太さんの「うつけの采配」です。
毛利元就の子どもである元春が養子となった吉川家。
元春の三男が広家。この小説は、吉川広家の物語です。
広家は、幼少期より「うつけ」と呼ばれましたが、叔父・小早川隆景から毛利家百二十万石の采配を任されようとしています。
山口県人として、戦国時代の毛利家を知ることが出来る良著です。
中路さんの文体は骨太で、現代にも生きる言葉が散りばめられています。
吉川広家は、秀吉の朝鮮出兵に駆り出されます。
広家は「浜辺にたたずんで働く姿を遠望していた広家は、それを世の腐りゆく臭いのように感じた。満つれば欠くる慣わしとでも言うべきか、隆盛を極めていた豊臣政権は腐敗しはじめているように思われたからだ。」
私は、この文章を読んで、「豊臣政権」は甘利大臣の疑惑事件を受けての「安倍政権」と読み替えました。
甘利大臣は、問題を暴露した一色氏に「得意淡然失意泰然」と書いた色紙を送っています。
甘利大臣は、今、失意の中かも知れませんが、「泰然」としているばかりではなく国民に一刻も早く説明をすべきです。
歴史小説は、様々なことを私たちに教えてくれます。
中路さんは、吉川英治文学新人賞候補になったり本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞するなど、時代小説のホープです。
今年は、中路さんの作品を少しづつ読んでいきたいと思います。
雪の中、家の中でのんびり読書するのもいいものです。
甘利経済再生大臣の口利き・金権授受疑惑に政権中枢と与党内が大きく揺れています。
この震源となった「週刊文春1月28日号」の記事を実際読んでみました。
この記事は、千葉県内の建設会社「S興業」の総務担当者だった一色さんが実名で告発した内容を元に書かれています。
一色さんは、「利益供与をしたわけですから、真実を話すことで自分が不利益を被ることは承知しています。しかし、安倍政権の重要閣僚で、TPP交渉の立役者と持て囃された甘利大臣や、それを支える甘利事務所の秘書たちが、数年もの間、金をとるだけ取って、最後は事をうやむやにしようとしている姿に不信感を抱くようになったのです。『うち(甘利事務所)が間に入りますから』というような甘い言葉を私にかけては、金をタカっつてきましたが、それは支援者に対する誠実な態度といえるのでしょうか。私は、彼らのいい加減な姿勢に憤りを覚え、もう甘利事務所とは決別しようと決心したのです。」と語っています。
一色さんは大臣室と甘利事務所で甘利大臣に直接50万円をそれぞれ渡した証言しています。
一色さんは、渡す現金をコピーしています。
そして、私が驚いたのは、2015年10月19日、一色さんが、清島甘利事務所長に現金20万円を渡す現場写真を週刊文春の喜捨が撮影していたことです。
週刊文春の記事はこう締めくくられています。
「甘利事務所に事実関係を詳細に尋ねたが、締め切りまでに回答はなかった。巨大な権力をお金に換える政治家や秘書にTPPのような国政の枢機を任せられないことは言うまでもない。」
日本共産党の山下書記局長は、22日放送のBS放送で、週刊紙に実名で証言した関係者の国会招致について「現職の大臣・有力閣僚にかけられた疑惑であり、国会としては立場を超えて当然取り組むべき問題です。(関係者を)国会に招いて真実を究明することは、与野党を超えてやらなければならない」と表明しました。
今回指摘されている口利き・金銭授受疑惑は、予算や法案の審議・採択に大きな影響力を持つ閣僚の在任中のものです。真相解明のうえ、閣僚および国会議員としての責任を明確にすることが、予算審議やTPPの審議を進める前提です。
予算審議を前に、政局は大きく緊迫しています。
長いものにまかれろの風潮がマスコミあるとの指摘もありますが、週刊文春のこの記事は、ジャーナリスト精神を感じさせるものでした。
真実を暴く記事に胸がすく思いでした。
甘利大臣の疑惑をみなさんはどうお考えですか。お教え下さい。