議員日誌

映画「日本と原発 4年後」

 12日に山陽小野田市で上映された映画「日本と原発 4年後」を観ました。

 日本共産党の第27回党大会決定には、「安倍政権は、原子力規制委員会の『世界で最も厳しい基準」で合格したものを再稼働するとしている。しかし、その実態は、重大事故対策でもEU諸国の基準にはるかに及ばす、地震・火山対策でもまともな基準と呼べるものではない。最悪の『安全神話』の復活で、再稼働への暴走が、ここでも矛盾を広げている。」とあります。

 映画の中で、原子力規制委員会の基準は、重大事故が発生した後、最終的には放射能を大気に放出するとなっていることが解説されています。これこそ「最悪の『安全神話』の復活」といえると思いました。

 また、映画の中で、原子力発電所は「自国民にのみ向けられた核兵器」と指摘されていましたが、この言葉も心に残りました。

 映画の中で、小出裕章さんがセシウム137で換算すると、日本の原子力発電所には、広島に投下された原爆の168発分が放射性物質が保有されているという解説が紹介されていますが、この点だけ取ってみても再稼働を許してはならないと感じました。

 更に、映画の中で、2014年の大飯原発差し止め判決と、昨年の高浜原発差し止め判決の意義が改めて強調されていました。

 まず、大飯原発の差し止め判決についてです。

 判決要旨は、基準地震動について「全国で20か所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以後10年足らずの間に到来しているという事実を重視すべきは当然である。」「本件原発の地震想定が基本的には上記4つの原発におけるのと同様、過去における地震の記録と周辺の活断層の調査分析という手段に基づきなされたにもかかわらず、被告の本件原発の地震想定だけが信頼に値するという根拠は見出せない。」と指摘しています。

 また、判決要旨は、原子力発電所がCo2の排出削減に資するとする点について「被告が、原子力発言所の稼働がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。」と明確に指摘しています。

 次に高浜原発差し止め判決につてです。

 高浜原発差し止め判決は、原子力規制委員会の新規制基準について「新規制基準では、次のとおり、福島第一原子力発電所事故であられた教訓の多くが取り入れられておらず、過酷事故対策が不十分である。このような対策では、本件各原発の稼働上の安全性は確保されない。」としています。

 判決は、新規制基準の不合理性の具体的な内容として次の5点をあげています。

 ①不合理な単一故障指針の採用

 ②外部電源の重要度の不合理な低さ

 ③使用済み燃料ピットの不十分な防護

 ④計器類の改良不足

 ⑤立地審査指針の欠如

 大飯原発、高浜原発の運転差し止め裁判の判決文を「原発ゼロの日本」を実現するバイブルとして山口県でも粘り強く運動を継続していく大切さをこの映画で学びました。

 県内でも各所でこの映画が上映されるようです。一人でも多くの方に観ていただきたい映画です。

 原発問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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