議員日誌

空母艦載機部隊の訓練が本格化する岩国

 昨日、日本共産党宇部協立病院後援会が「藤本かずのりさんを囲む集い」を開催しました。

 私は、岩国基地をめぐる問題についてお話しました。

 私が昨日お話した趣旨は以下の通りです。

・・・

 県議候補の藤本一規です。

 今日は、山口県内での大きな問題である米軍岩国基地をめぐる問題についてお話ししたいと思います。

 今年の3月までに、米軍岩国基地に神奈川県の米軍厚木基地から空母艦載機部隊の移駐が完了しました。

 資料1にあるように、現在の所属機が約60機です。空母艦載機部隊として、61機が移駐しましたので、合計121機となりました。

 移駐した戦闘機は、資料2にあるように、最新鋭の戦闘攻撃機FA18スーパーホーネットなども含まれます。

 資料3は、岩国日米協議会での確認事項です。飛行については、盆・正月は飛ばない、運用時間は、6:30~23:00までだとしています。また、着艦訓練については、資料9にあるとおり、岩国基地での実施は原則認めないとのスタンスを県は堅持しているとしています。

 これまで、まがりなりにも守られてきた、岩国日米協議会での確認事項などが空母艦載機部隊の移駐によって簡単に壊されてきているのが現状です。

 資料4は、防衛省中国四国防衛局が、空母艦載機部隊の移駐を受けて、岩国市に説明に来た時の山口新聞の報道です。

 空母艦載機部隊の戦闘機に乗るパイロットは、空母が出港する前に、空母着艦資格取得訓練(CQ)を行うことになっています。具体的には、艦載機のパイロットが洋上の空母に実際に着艦する試験、硫黄島での陸上着艦訓練(FCLP)後10日以内に開始する決まりです

 防衛省の担当者は、岩国基地への最終着陸時刻について「午後11時ごろまでと計画しているが、越えて帰投する場合もあり、滑走路の時間外運用の可能性がある」と述べました。

 県議会だよりの木佐木県議の報告を見ていただければと思います。

 岩国基地の運用マニュアルには、正月3が日とお盆の間について飛行を前提にした記述となっているということです。

 実際に、昨年の盆と正月に戦闘機が飛行を行っている実態があります。

 資料3で示した「岩国日米協議会」の同意のうち、盆正月に飛ばない約束は実行されず、夜11時以降は飛行しないという約束が壊されようとしていることが明らかになりました。

 資料5は、実際に、空母艦載機部隊の移駐が完了して、この間の騒音の状況を示したものです。

 5月8日、この日だけで176件もの騒音に対する苦情が岩国市に寄せられました。過去20年で最多となりました。

 2017年の苦情件数は、3077件で、滑走路沖合移設後最高となりました。沖合移設の効果は空母艦載機部隊には全く通用しないことが明らかです。

 4月上旬だけで、苦情件数は、702件、一日平均では、108回となり、すでに、苦情が多かった昨年の66回を超えています。

 資料6は、中国地方知事会が、今月23日に政府に行うためにまとめた、「住民の平穏な生活を乱す米軍機の飛行訓練への対策について」という文書です。文書には「米空母艦載機等の岩国移駐が完了し、騒音被害の増大や航空機事故の発生が懸念される」としています。騒音については、懸念ではなく実際に増大していることが明らかになりました。

 資料7は、仁比参議院議員が、指摘をした岩国基地「航空運用マニュアル」に関する質問内容です。

 米軍のマニュアルには、空母離着陸訓練は「同時に3機まで」「600フィート(地上約180メートル)で周回」しながらタッチアンドゴーを行うことや「昼間」「夜間」も行うなどが書かれてあります。

 先ほどから指摘をしているように、空母離着陸訓練は岩国基地では原則行わない、深夜は飛行しないことなどが確認されてきましたが、米軍のマニュアルではそのようなことは全く無視したものであることが明らかになりました。

 神奈川県の横須賀基地に配備されているのが原子力空母「ロナウド・レーガン」です。いよいよ今日出港したことが明らかになりました。

 空母はが、九州沖に停泊し、実際の空母を使っての着艦訓練が行われることが明らかになっています。

 これから、岩国基地の空母艦載機部隊は、九州沖に停泊している原子力空母に向けて飛び立ち、訓練を行い、岩国基地に帰ってくることが繰り返されることが想定されます。

 資料8は、横須賀基地から空母がどの程度出港しているかを示した資料です。平成7年には、11回。ほぼ毎月出港しています。つまり、空母艦載機が空母の出港前に、陸上の着艦訓練場のある硫黄島での訓練を行い、空母が出港して九州沖に停泊した実際の空母の上で訓練を行うことは、1年に一度ではないということです。平均して3~4ヶ月に1回は行われる可能性があるということです。

 厚木基地では爆音訴訟が行われ、原告が勝利するなどの状況があり、空母艦載機部隊が岩国基地に移駐したわけですが、厚木の苦しみが岩国で本格化することになったということです。

 資料9は、空母艦載機部隊の移駐に対して、県がどのようなスタンツを取ってきたかということが書かれてあります。

 県は、今以上の機能強化は容認できないと空母艦載機部隊の移駐を拒否してきたのです。しかし、国から「生活環境全体として現状より悪化するとはいえない。」との説明をうのみにし、「機能強化ではない」として、空母艦載機部隊の移駐を容認しました。

 実際に、空母艦載機部隊が移駐して、今まで以上の生活環境の悪化は明らかなわけですから、県や岩国市は、空母艦載機部隊の撤退を国に求めなければならないことは明白です。

 そして、今まで見てきたように着艦訓練を岩国基地で行わないとは言えない状況であるという点でも、県や岩国市は、空母艦載機部隊の撤退を国に求めるべきです。

 更に、普天間基地の移設の見通しは全く立っていません。空母艦載機部隊の先行移駐の実態は明らかです。

 山口県と岩国市は、沖縄県と連帯して、国による辺野古新基地建設強行と空母艦載機部隊移駐強行に抗議すべきです。

 現状では山口県が、艦載機部隊の先行移駐を容認したことで、政府の背中を押して、更に辺野古新基地建設強行の背中を押している状況です。

 一斉地方選挙と参議院選挙勝利で、岩国基地の拡大を止めましょう。

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 今朝の毎日新聞は「米軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地(岩国市)へ空母艦載機部隊が移転した後、初の空母艦載機資格取得訓練(CQ)が30日にも始まる。硫黄島(東京都)での陸上空母離着陸訓練(FCLP)が完了したことに伴う訓練で、今回から九州沖で実施されるが、拠点となる岩国基地周辺で深夜に騒音被害が発生する可能性もある。」と報じました。

 住民の命と暮らしを最優先にした対応が行われることを強く望みます。

 日本共産党国会議員団中国ブロック事務所は、6月2日(土)午後1時~ 岩国市福祉会館で、「中国地方の基地問題を考えるシンポジウム」を開催します。比嘉沖縄県議会議員や仁比参議院議員が報告を行います。

 どなたでも参加できます。多くの皆さんのご参加をお願いいたします。

 岩国基地に移転した空母艦載機部隊が本格的な訓練を実施しています。

 皆さんはこのことをどのようにお考えですか、ご意見をお聞かせ下さい。

萩生田氏「男も育児 子どもに迷惑」

 28日の毎日新聞は「自民党の萩生田光一幹事長代行は27日、宮崎市での講演で、0~2歳の乳幼児の養育に関し「言葉の上で『男女共同参画だ』『男も育児だ』とか格好いいことを言っても、子供にとっては迷惑な話だ。子供がお母さんと一緒にいられるような環境が必要だ』と持論を展開しました。同時に『はっきりとした結果は統計を取ることができないが、どう考えてもママがいいに決まっている。0歳からパパがいいというのはちょっと変わっていると思う』と指摘した。」と報じました。

 今朝の毎日新聞は、「全国父子家庭支援ネットワーク」の村上吉宣代表にインタビューしています。

 村上さんは萩生田氏の発言について「件名に一人で子育てする父親は『やっぱり母親がいなければだめか』と思ってしまう。」「母親に限らず、父親も祖父母も里親も子供と愛着形成できる。これも精神医療の中で証明されている」と語っています。

 この記事には、東日本大震災の津波で妻を亡くし、18、16、14歳だった3人の子を一人で育ててきた阿部英敏さんのインタビューも掲載されています。

 阿部さんは、震災直後は「子の暮らしを考えれば、妻じゃなく俺が死ねばよかったと、うんと思った」と語っています。

 阿部さんは、萩生田氏の発言について「そう言われても、いないものはどうしようもない」と語っています。

 遺族基礎年金は「男が家計を支える」という前提で、、父を亡くした母子家庭に受給対象を限ってきましたが、2014年4月、父子家庭にも広げましたが、それ以前に妻をなくした家庭は対象外です。

 村上さんらは、阿部さんら対象外の父子家庭への支援を求める署名を4万筆集めたと毎日新聞は報じています。

 今こそ「児童憲章」を生かす政治を実現しなければなります。

 児童憲章を引用します。

「われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。

 児童は、人として尊ばれる。

 児童は、社会の一員として重んぜられる。

 児童は、よい環境の中で育てられる。

 一 すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される。
 二 すべての児童は、家庭で、正しい愛情と知識と技術をもつて育てられ、家庭に恵まれない児童には、これにかわる環境が与えられる。
 三 すべての児童は、適当な栄養と住居と被服が与えられ、また、疾病と災害からまもられる。
 四 すべての児童は、個性と能力に応じて教育され、社会の一員としての責任を自主的に果たすように、みちびかれる。
 五 すべての児童は、自然を愛し、科学と芸術を尊ぶように、みちびかれ、また、道徳的心情がつちかわれる。
 六 すべての児童は、就学のみちを確保され、また、十分に整つた教育の施設を用意される。
 七 すべての児童は、職業指導を受ける機会が与えられる。
 八 すべての児童は、その労働において、心身の発育が阻害されず、教育を受ける機会が失われず、また、児童としての生活がさまたげられないように、十分に保護される。
 九 すべての児童は、よい遊び場と文化財を用意され、悪い環境からまもられる。
 十 すべての児童は、虐待・酷使・放任その他不当な取扱からまもられる。あやまちをおかした児童は、適切に保護指導される。
 十一 すべての児童は、身体が不自由な場合、または精神の機能が不充分な場合に、適切な治療と教育と保護が与えられる。
 十二 すべての児童は、愛とまことによつて結ばれ、よい国民として人類の平和と文化に貢献するように、みちびかれる。 」

 村上さんが今朝の毎日新聞で述べているように、「母親に限らず、父親も祖父母も里親も子供と愛着形成は」できます。

 どの保護者に育てられている子どもも人とて尊ばれ、良い環境で育てられるべきです。

 そのために、遺族基礎年金の対象外の父子家庭への支援は児童憲章の立場から政府が取り組むべき重要な課題だと思います。

 自民党の萩生田幹事長代理が「男も育児 子供に迷惑」という趣旨の発言を行ったことを皆さんはどうお考えですか。

 お教え下さい。  

 

住民の平穏な生活を乱す米軍機の飛行訓練への対応について

 24日の毎日新聞は、「米軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地への空母艦載機部隊移転などに伴う騒音増加を巡り、中国地方知事会は23日、米軍機の飛行訓練空域下の自治体を対象に『実態に応じた必要な措置』を国に求める共同アピール文を採択した。」「アピール文は、中国地方での米軍機の飛行訓練について『地元住民に多大な不安を与えている』と指摘。速やかな実態把握や、地元自治体への説明と意見交換などを求めた。」と報じました。

 中国地方知事会による「住民の平穏な生活を乱す米軍機の飛行訓練への対策について」とする共同アピールは、まず、「住民の平穏な生活を乱す飛行訓練の実態把握と訓練内容の改善」として、①住民が生活する地域で、日米合同委員会の合意等に反する低空飛行訓練や危険を及ぼすような飛行訓練が行われないように措置を講じること。など6点を要望しています。

 次に「航空機の安全対策措置の実施」として、「米軍機の事故に関する徹底した原因究明とその早期公表に努めるとともに、航空機の整備点検、住民の安全を最優先したパイロット等の安全教育など、航空機の安全対策の措置を講じ、事故の防止に努めること。」を要望しています。

 次に、「飛行訓練の事前の情報提供等」として「住民の不安を軽減するため、住民生活に影響が大きい訓練については、その訓練予定日や飛行ルートなどの訓練内容を、国の責任において、関係自治体や住民に事前に情報提供を行うこと。また、オスプレイについても、事前に飛行訓練に関する十分な情報提供を行うとともに、必要に応じ、自治体や住民に対して、安全対策等に関する説明を行うなど、地域毎の実態に配慮した対応をすること。さらに、今後、横田基地に配備される予定のオスプレイについても、仮に中国地方へ影響が及ぶ場合には、適切に情報提供を行うこと。」を要望しています。

 最後に、「日米合意の厳密な遵守」として、「日米合同委員会合意を遵守し、住民に危険を及ぼし不安を与え、住民の平穏な生活を乱すような飛行訓練が行われないよう措置すること。」を要望しています。

 20日付山口民報は、「ゴー、バリバリ、ギューン・・・連休明けの8日、空母艦載機の離着陸で、岩国は昼も夜も耐え難い騒音に襲われました。『どうなっているんだ』『もうガマンできん』。この日だけで一七六件もの苦情が市役所に寄せられ、過去20年で最多となりました。」「沖合移設後、艦載機移駐を含むこの十年の状況を見ても、米軍機の機種変更の名目での強化に加え、昨年8月9日から今年3月24日にかけての艦載機移駐による米軍機倍化(約120機、自衛隊機を含め総計160機)で、『沖合移設による騒音軽減効果』はふっ飛び、かつてない危険吉に変貌しました。とくに、移設開始の翌月・昨年9月には苦情が2・2倍702件に増加。防衛省データが公表されている4月15日までの騒音発生回数(1日平均)はすでに昨年度の66回を上回っており、今後が心配されます。」と報じています。

 山口県は、空母艦載機の移転に関して「今以上の機能強化は容認できない」としてきました。

 山口県は、艦載機が移転しても「生活環境は全体として現状より悪化するとはいえない。よって機能強化ではない。」などとして容認しました。

 しかし、空母艦載機移転後早々に、中国知事会が「空母艦載機等の岩国移設が完了し、騒音被害の増大や航空機事故の発生が懸念される。」として国に要望をしなければならないのが実態です。

 空母艦載機部隊の岩国移駐完了に伴う、騒音被害の増大は「懸念」ではなく実際に発生しています。

 空母艦載機部隊移駐後騒音が増大している最大の原因は、艦載機部隊が、資格取得訓練(CQ)を行うために、硫黄島でNLP訓練を行うための往復飛行や岩国基地での独自訓練が行われているからです。

 岩国基地移転後、初めての原子力空母ドナルドレーガンが横須賀基地を離れ洋上での訓練を開始されるようです。

 航空母艦は、年に何度も横須賀基地への入港・出港を繰り返します。

 その度に、艦載機部隊は、CQ訓練を繰り返します。その度に、早朝から深夜まで騒音を岩国市周辺に轟かせることになります。

 これを「機能強化」と言わず何と表現すればいいのでしょうか。

 空母艦載機部隊移駐に伴い岩国基地が機能強化されたことは明白です。

 山口県は、騒音激増の現状に鑑み、艦載機部隊の撤退を国に求めるべきです。

 空母艦載機部隊の移駐に伴い、騒音が激増しています。

 皆さんはこのことをどうお考えですか。ご意見をお寄せ下さい。

「明治日本の産業革命遺産」と強制労働

 昨日、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の総会が行われ、引き続き、運営委員を務めることになりました。

 総会後に、「強制動員真相究明ネットワーク」と「民族問題研究所」が作成した「『明治日本の産業遺産』と強瀬労働」と題するDVDを視聴しました。

 同名の「日韓市民による世界遺産ガイドブック」を読んでいます。

 ガイドブックには、作成の意図が次のように書かれてあります。

 「2015年7月5日、ドイツのボンで開催された第39回ユネスコ(UNESCO、国際連合教育科学文化機関)世界遺産委員会は、『明治日本の産業遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』を世界遺産に登録すると決定しました。ユネスコの世界遺産に登録されたということは、その遺産が『顕著な普遍的価値』を持つ人類共同の遺産であり、また特定の国家や国民の専有物ではなく、すべての人類が大切にし、保護するべき遺産であり、そしてわたしたちの世代だけでなく、次世代にまできちんと引き継いでいくべき遺産として、特別に指定されたということです。しかし、日本と韓国の市民団体は、『明治日本の産業革命遺産』には日本の侵略戦争、植民地支配、強制動員、強制労働など、記憶すべき『負の歴史』が示されていないと批判しています。『明治日本の産業革命遺産』にはユネスコの精神と価値がきちんと反映されているのでしょうか。『明治日本の産業革命遺産』が世界遺産に登録された際、世界遺産委員会は、日本に対して、各施設の『歴史の全貌』が分かるようにする『解釈戦略』を立てなければならないと特別に勧告しました。これをふまえ、佐藤地ユネスコ日本大使は、『日本は、1940年代にいくつかのサイトにおいて、その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また、第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる所存である』(日本政府訳)という立場を明らかにしました。さらに、『日本は、インフォメーションセンターの設置など、犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を『世界遺産委員会が勧告した』説明戦略に盛り込む所存である』とも発言しました。このため日本政府は、各施設の『歴史の全容』を示さなければならず、2017年12月1日までにこれに関する進行状況をユネスコに報告しなければならず、2017年12月1日までにこれに関する進行状況をユネスコに報告しなければなりません。しかし、これまでの日本政府の対応から、世界遺産委員会の勧告を日本政府が忠実に履行するとはみられません。わたしたちは強制労働被害者と共に日本と韓国で被害の真相を明らかにし、被害回復に向けて活動してきました。その立場から、『明治日本の産業革命遺産』の説明では、不合理ではあっても背を向けてはならない強制労働などの『負の歴史』を加えなければならないと考えます。日本の植民地支配と侵略戦争によって被害を受けて人びとの訴えは今も継続しています。第二次世界戦争が終わってから70年余りが過ぎたにもかかわらず、いまだに強制動員、強制労働の傷が解決されていないからです。『負の歴史』の徹底した真相究明、謝罪と賠償、犠牲者追悼と記憶がすすめられなければならないのです。これが、わたしたちが『明治日本の産業革命遺産』を批判する理由でもあり、このガイドブックをつくった目的でもあります。」

 ガイドブックには、「明治日本の産業革命遺産」関連施設での朝鮮人、中国人、連合軍補助の動員数が書かれています。

 八幡製鉄所関係(製鉄所、八幡港運、二瀬炭鉱)で、朝鮮人が、約1万2千人、中国人が、1009人、連合軍捕虜が1954人動員されていました。

 その他、長崎造船所、高島炭鉱、三池炭鉱、釜石鉱山・釜石製鉄所を含め、合計で、朝鮮人が約33400人、中国人が4187人、中国人が4187人、連合軍捕虜が5140人動員されていたのです。

 ILO(国際労働機関)は、日本による戦時の朝鮮人、中国人への強瀬労働は、強制労働に関する条約(第29条)に違反したものと認め、1999年、日本政府に問題解決に乗り出すよう専門家委員会報告を出しています。

 しかし、日本政府は、沈黙を続けています。

 日本政府が強制労働の歴史を認知し、侵略戦争と強制労働という負の遺産を明示することが求められています。

 山口県も県内での「明治日本の産業革命遺産」を中心に、明治150年のイベントを大々的に行おうとしています。

 「不都合であっても背を向けてはならない『負の歴史』」を説明しなければなりません。

 明治期の日本の歴史を正しく伝える明治150年イベントにする必要があります。

 私は、長生炭鉱で1942年2月3日に行った水没事故で亡くなられた183人の犠牲者を追悼し、真相究明、謝罪と賠償などを求める運動に参加しています。

 183人の犠牲者のうち、136人が朝鮮人であり、韓国の遺族の方との毎年のように交流を行っています。

 2013年2月2日の長生炭鉱の「水非常」を歴史に刻む会の追悼文はこう結ばれています。

 「渡したしは、このような悲劇を生んだ日本の歴史を反省し、再び多民族を踏みつけにするような暴虐な権力の出現を許さないために、力の限り尽くすことを誓い、ここに犠牲者の名を刻みます。」

 私は、この追悼文を胸に刻み、今後ともこの活動を続けていく決意を新たにしています。

 「明治日本の産業革命遺産」や明治150年に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

あなた自身の社会

 スウェーデンの中学教科書「あなた自身の社会」を読んでいます。

 今の子どもたちの教科書を十分読み込んでいる訳ではありませんが、日本の教科書は知識を教える傾向がある一方、スウェーデンの教科書は、生きる力を教えるものであると感じました。

 訳者である川上邦夫さんは、「訳者まえがき」で「あなた自身の社会」の特徴を6点挙げています。

 第1点と第4と第5を紹介します。

 「第一、『実社会への手引き』となっている。—子どもたちが、日常の社会生活を賢く、安全に送るために、いましっているべき事項、近い将来において必要となってくる事項がきちんと説明されています。題材の選択と記述には、子どもの視点が貫かれています。」

 「第4、子どもたち自分自身の意見をもつことを徹底して奨励している。-『課題』として用意されている170余の質問がそれです。『君自身はどう思うか、友達の意見と比較しよう、みんなで討論しよう』が基本的な問い方です。その一方、これが模範解答だというものは、ほとんどの場合与えられていません。」

 「第5、社会は自分たちの手で変革できることを教えている。-社会を動かしているあらゆる制度や規則は、異なった見解をもつ人々の妥協の結果として存在している。もし、より多くの支持者を獲得できるなら、それらを変えることが可能になる。もし、より多くの支持者を獲得できるなら、それを変えることが可能になる。この可能性を強調することを通じて、子どもたちには、社会は彼ら自らがつくり変えていくものであるとのメッセージを伝えています。スウェーデン文部省が発行した『1994年学習指導要領の概要』には、学校の任務は『生徒に、将来を築くという困難な事業への楽観的な展望を与えること』とありますが、これはその目的に沿うものと言えましょう。」

 「生徒に、将来を築くという困難な事業への楽観的な展望を与える」はいい言葉です。

 コミューン(行政機関)に対しても詳しい記述があり、次のようなくだりがあります。

 「私たちの国には、政治家不信があると人々は言います。われわれ普通の国民—影響力がない。彼ら権力者—頭越しに物事を決定する。また人々は、政治家とは、一般の人々の言うことを聞く意思と能力を欠いた大物だとも言います。確かに、そういう政治家がいるのです。しかし、政治家は議会に出て議決に加わるけれども、みんなの要望を満足させることはめったにない、というのは言いすぎでしょう。政治家のほとんどは、自らの行動に責任をもち、彼らを選出した有権者に敬意を示します。彼らは、任期がわずか4年しかないことをよく知っているのです。」

 政治家を理解するためのすばらしい文章だと思います。

 昨日、「働き方」法案が衆院厚生労働委員会で強行採決されました。

 まさしく、「政治家とは一般の人々の言うことを聞く意思と能力を欠いた大物」だと思われる事態です。

 過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は「こんな暴挙は許さない。決してあきらめることなく、成立させないよう力を尽くす」と述べました。

 「政治家のほとんどは、自らの行動に責任をもち、彼らを選出した有権者に敬意を示します。」

 政治家は有権者から選ばれた存在です。

 政治家が有権者の声を聞く国会になるよう、国民の意思を国会に示すときだと思います。

 社会は自分たちの手で変革できることを子どもたちに示す時ではないでしょうか。

 「働き方改革」法案の廃案をめざして力を尽くしましょう。

 引き続き、スウェーデンの中学教科書「あなた自身の社会」からしっかり学んでいきたいと思います。

 あなたは、昨日の「働き方改革」法案の強行をどうお考えですか。

 ご意見をお聞かせ下さい。

いのちをいただく

 昨日、浄土真宗本願寺派山口教区宇部北組の初組会が行われました。

 2年間務めた宇部北組門徒総代会長を退任しました。

 山口教区会議員は、引き続き、務めることとなります。

 その際に各寺院に配られた、浄土真宗本願寺派重点プロジェクト推進室作成の「いのちをいただく」というパンフレットを読みました。

 浄土真宗本願寺派では、食前のことば「多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。深くご恩を喜び、あたりがたくいただきます。」と食後のことば「尊いめぐみをあおいしくいただき、ますますご恩報謝につとめます。おかげで、ごちそうさまでした。」を唱和します。

 パンフレットいは、「いただきます」「ごちそうさま」のことばに込められた3つの心について次のように書いています。

 「まず、一つに食事を作ってくださったお母さんやお父さんをはじえとする家族、調理人やコックなど、私たちに直接料理を作ってくださっている方々への感謝。二つめには、私たちに食材を届けてくださっている農家や漁師、畜産や流通に携わっている方々への感謝。そして三つ目は本来一番大切な心持のはずなのですが、一番忘れられている心もち。それは、私たちが今日食事としていただいたお米も魚もお肉も野菜も、すべていのちであること。いただきます、ごちそうさまは、それらの多くのいのちに感謝することばなのです。」

 パンフレットは、食品ロスのことを次のように書いています。

 「日本国内における年間の食品廃棄量は、食料消費全体の3割にあたる約2800万トン。このうち、売れ残りや期限を越えた食品、食べ残しなど、本来食べられたはずの、いわゆる「食品ロス」は約632万トンとされています。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料支援量(平成26年で年間約320万トン)を大きく上回る量です。また、日本人が一人当たりに換算すると、『お茶碗約1杯分(約136g)の食べ物』が毎日捨てられている計算となります。日本の食糧自給率は39%(平成27年度)で、大半を輸入に頼っていますが、その一方で、食べられる食料を大量に捨てているという現実があるのです。」

 家庭における食品ロスは全体の約半数にあたる年間302万トンだとあります。

 各家庭でも食品ロスを考えたいですね。

 パンフレットには、外食での食品ロスを減らす目的で、ドギーバック普及委員会が提唱する「事故背人表明カード」の普及や、宴会の時に最初の30分と最後の10分自席で食べる「30・10運動」や期限が間近の食品や規格外品を有効活用する「フードバンク活動」などが紹介されています。

 浄土真宗本願寺派としてもお寺のお供えものを提供する「おてらおやつクラブ」や「子ども食堂」の取り組みを進めていくことが提唱されています。

 このまま人類がいのちが粗末にされつづけると、人類の存続そのものが危うくなるでしょう。

 政治に携わるものとして、いのちを大切にする行政の仕組みを作っていくことが政治に求められていることを学びました。

 食品ロス日本で約632万トン発生しています。皆さんはこの状況をどうお考えですか。

 ご意見をお聞かせ下さい。