議員日誌

空母艦載機部隊の訓練が本格化する岩国

 昨日、日本共産党宇部協立病院後援会が「藤本かずのりさんを囲む集い」を開催しました。

 私は、岩国基地をめぐる問題についてお話しました。

 私が昨日お話した趣旨は以下の通りです。

・・・

 県議候補の藤本一規です。

 今日は、山口県内での大きな問題である米軍岩国基地をめぐる問題についてお話ししたいと思います。

 今年の3月までに、米軍岩国基地に神奈川県の米軍厚木基地から空母艦載機部隊の移駐が完了しました。

 資料1にあるように、現在の所属機が約60機です。空母艦載機部隊として、61機が移駐しましたので、合計121機となりました。

 移駐した戦闘機は、資料2にあるように、最新鋭の戦闘攻撃機FA18スーパーホーネットなども含まれます。

 資料3は、岩国日米協議会での確認事項です。飛行については、盆・正月は飛ばない、運用時間は、6:30~23:00までだとしています。また、着艦訓練については、資料9にあるとおり、岩国基地での実施は原則認めないとのスタンスを県は堅持しているとしています。

 これまで、まがりなりにも守られてきた、岩国日米協議会での確認事項などが空母艦載機部隊の移駐によって簡単に壊されてきているのが現状です。

 資料4は、防衛省中国四国防衛局が、空母艦載機部隊の移駐を受けて、岩国市に説明に来た時の山口新聞の報道です。

 空母艦載機部隊の戦闘機に乗るパイロットは、空母が出港する前に、空母着艦資格取得訓練(CQ)を行うことになっています。具体的には、艦載機のパイロットが洋上の空母に実際に着艦する試験、硫黄島での陸上着艦訓練(FCLP)後10日以内に開始する決まりです

 防衛省の担当者は、岩国基地への最終着陸時刻について「午後11時ごろまでと計画しているが、越えて帰投する場合もあり、滑走路の時間外運用の可能性がある」と述べました。

 県議会だよりの木佐木県議の報告を見ていただければと思います。

 岩国基地の運用マニュアルには、正月3が日とお盆の間について飛行を前提にした記述となっているということです。

 実際に、昨年の盆と正月に戦闘機が飛行を行っている実態があります。

 資料3で示した「岩国日米協議会」の同意のうち、盆正月に飛ばない約束は実行されず、夜11時以降は飛行しないという約束が壊されようとしていることが明らかになりました。

 資料5は、実際に、空母艦載機部隊の移駐が完了して、この間の騒音の状況を示したものです。

 5月8日、この日だけで176件もの騒音に対する苦情が岩国市に寄せられました。過去20年で最多となりました。

 2017年の苦情件数は、3077件で、滑走路沖合移設後最高となりました。沖合移設の効果は空母艦載機部隊には全く通用しないことが明らかです。

 4月上旬だけで、苦情件数は、702件、一日平均では、108回となり、すでに、苦情が多かった昨年の66回を超えています。

 資料6は、中国地方知事会が、今月23日に政府に行うためにまとめた、「住民の平穏な生活を乱す米軍機の飛行訓練への対策について」という文書です。文書には「米空母艦載機等の岩国移駐が完了し、騒音被害の増大や航空機事故の発生が懸念される」としています。騒音については、懸念ではなく実際に増大していることが明らかになりました。

 資料7は、仁比参議院議員が、指摘をした岩国基地「航空運用マニュアル」に関する質問内容です。

 米軍のマニュアルには、空母離着陸訓練は「同時に3機まで」「600フィート(地上約180メートル)で周回」しながらタッチアンドゴーを行うことや「昼間」「夜間」も行うなどが書かれてあります。

 先ほどから指摘をしているように、空母離着陸訓練は岩国基地では原則行わない、深夜は飛行しないことなどが確認されてきましたが、米軍のマニュアルではそのようなことは全く無視したものであることが明らかになりました。

 神奈川県の横須賀基地に配備されているのが原子力空母「ロナウド・レーガン」です。いよいよ今日出港したことが明らかになりました。

 空母はが、九州沖に停泊し、実際の空母を使っての着艦訓練が行われることが明らかになっています。

 これから、岩国基地の空母艦載機部隊は、九州沖に停泊している原子力空母に向けて飛び立ち、訓練を行い、岩国基地に帰ってくることが繰り返されることが想定されます。

 資料8は、横須賀基地から空母がどの程度出港しているかを示した資料です。平成7年には、11回。ほぼ毎月出港しています。つまり、空母艦載機が空母の出港前に、陸上の着艦訓練場のある硫黄島での訓練を行い、空母が出港して九州沖に停泊した実際の空母の上で訓練を行うことは、1年に一度ではないということです。平均して3~4ヶ月に1回は行われる可能性があるということです。

 厚木基地では爆音訴訟が行われ、原告が勝利するなどの状況があり、空母艦載機部隊が岩国基地に移駐したわけですが、厚木の苦しみが岩国で本格化することになったということです。

 資料9は、空母艦載機部隊の移駐に対して、県がどのようなスタンツを取ってきたかということが書かれてあります。

 県は、今以上の機能強化は容認できないと空母艦載機部隊の移駐を拒否してきたのです。しかし、国から「生活環境全体として現状より悪化するとはいえない。」との説明をうのみにし、「機能強化ではない」として、空母艦載機部隊の移駐を容認しました。

 実際に、空母艦載機部隊が移駐して、今まで以上の生活環境の悪化は明らかなわけですから、県や岩国市は、空母艦載機部隊の撤退を国に求めなければならないことは明白です。

 そして、今まで見てきたように着艦訓練を岩国基地で行わないとは言えない状況であるという点でも、県や岩国市は、空母艦載機部隊の撤退を国に求めるべきです。

 更に、普天間基地の移設の見通しは全く立っていません。空母艦載機部隊の先行移駐の実態は明らかです。

 山口県と岩国市は、沖縄県と連帯して、国による辺野古新基地建設強行と空母艦載機部隊移駐強行に抗議すべきです。

 現状では山口県が、艦載機部隊の先行移駐を容認したことで、政府の背中を押して、更に辺野古新基地建設強行の背中を押している状況です。

 一斉地方選挙と参議院選挙勝利で、岩国基地の拡大を止めましょう。

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 今朝の毎日新聞は「米軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地(岩国市)へ空母艦載機部隊が移転した後、初の空母艦載機資格取得訓練(CQ)が30日にも始まる。硫黄島(東京都)での陸上空母離着陸訓練(FCLP)が完了したことに伴う訓練で、今回から九州沖で実施されるが、拠点となる岩国基地周辺で深夜に騒音被害が発生する可能性もある。」と報じました。

 住民の命と暮らしを最優先にした対応が行われることを強く望みます。

 日本共産党国会議員団中国ブロック事務所は、6月2日(土)午後1時~ 岩国市福祉会館で、「中国地方の基地問題を考えるシンポジウム」を開催します。比嘉沖縄県議会議員や仁比参議院議員が報告を行います。

 どなたでも参加できます。多くの皆さんのご参加をお願いいたします。

 岩国基地に移転した空母艦載機部隊が本格的な訓練を実施しています。

 皆さんはこのことをどのようにお考えですか、ご意見をお聞かせ下さい。

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