昨日の朝日新聞は、今年の本屋大賞で逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」に決まったと次のように報じました。
「全国の書店員が『いちばん売りたい本』を投票で選ぶ第19回本屋大賞が6日発表され、逢坂冬馬さん(36)の長編小説『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)に決まった。第2次世界大戦時、ドイツ軍によって母親を惨殺され、女性だけで編成された狙撃小隊に入ったソ連の少女が主人公。スターリングラード攻防戦をはじめとした最前線での過酷な戦いを、臨場感あふれる筆致で描いた。昨年11月の刊行以来36万部、電子書籍も1万部を超すベストセラーとなっている。今年1月の直木賞の候補にも選ばれた。逢坂さんは1985年、埼玉県所沢市生まれ。明治学院大学卒業後、会社勤めをしながら執筆した今作が昨年のアガサ・クリスティー賞を受け、デビューした。受賞のあいさつで逢坂さんは、喜びの言葉と共に、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来『深い絶望の淵にある』と語り始めた。ロシアに対する複雑な思いを述べ、『私の描いた主人公がこのロシアを見たならば、悲しみはしても絶望はしないと思います。彼女はただ一人、あるいは傍らにいる誰かと街に出て、自分が必要とされていると思ったことをすると思います。なので私も絶望することはやめます。戦争に反対し、平和構築のための努力をします。それは小説を書く上でも、それ以外の場面でも、代わりはありません』と締めくくった。副賞の10万円分の図書券に相当する額として、1千ドルをロシアで反戦運動に立ちあがった人たちへの寄付にあてるという。」
この19年間、本屋大賞と一緒に読書生活を送ってきました。大賞作品の半分以上は読んでいます。
第17回の凪良ゆうさんの「流浪の月」もよかったし、町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」もとてもよかったです。
本屋大賞の大きな特徴は、大賞作品のほとんどが映像化されているということです。
第12回の鹿の王、第13回の羊と鋼の森、第14回の蜜蜂と遠雷、第16回のそして、バトンは渡された、第17回の流浪の月がもうすぐ上映されます。
本屋大賞受賞作で映画化された作品のほとんんどを観ています。
映画好きの私にとって、作品が映像化される本と映画に触れることができることは、とても豊かな体験です。
今、逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」を読んでいます。
ドイツ軍により母が惨殺され、主人公が、狙撃小隊に入隊したところを読んでいます。
これから、独ソ戦争の最前線が展開されていきます。
まず、この作品を読んで感じたのは、スブェトラーナ・アレクシェーブィチの『戦争は女の顔をしていない」を想起することです。「戦争は女の顔をしていない」をリスペクトしてこの作品が書かれたのだと感じました。
逢坂さんの「戦争に反対し、平和構築のための努力をします。」という言葉に励まされ、この作品を読み進めていきたいと思います。
戦争を知らない世代の私が、実際に戦争が行われている中、この作品で戦争を実感したいと思います。
「同志少女よ、敵を撃て」の映像化にも期待しています。
本作を読まれた皆さん感想をお聞かせ下さい。
2月16日、JR西日本の長谷川一明社長は記者会見で、ローカル線に関する課題認識として「輸送密度が1日当たり2000人未満の線区は、大量輸送機関として鉄道の特性を発揮できていないと考えており、このままの形で維持するのは難しい」と述べました。
1日当たり2000人未満の線区は、県内では、山陰線の益田~長門市、長門市~小串・仙崎、岩徳線の岩国~櫛ケ浜、山口線の宮野~津和野、小野田線の小野田~居能等、美祢線の厚狭~長門市が該当します。
1月25日、中国地方知事会は、JR西日本に対し「JR西日本への地方ローカル線の維持・存続に関する要望」書を提出しました。
私は、3月8日に行った一般質問で、中国地方知事会の6点の要望項目全てに賛同し、機敏な要請を評価するとした上で、次の2点は、JR西日本に実行を迫る必要があると指摘しました。
第一は、「鉄道は広域ネットワークでつながっていることが重要であり、区間ごとに数字で判断することなく、適切に堅持されること」との要請です。
第二は、「コロナ収束後は、令和3年のダイヤ改正による減便も含め、速やかにダイヤを復活すること」との要請です。
令和3年のダイヤ改正で、県内におけるJR線の減便の合計は32本、令和4年のダイヤ改正で、県内におけるJR線の減便は合計は16本。コロナ禍で県内におけるJR線の減便は、合計48本になっています。
私は、「県は、市町と連携し、県内全てのJR線が維持されるよう引き続き、JR西日本に要請すべき。県は、市町と連携し、コロナ収束後は、令和3年のダイヤ改正による減便も含め、速やかにダイヤを復活するよう引き続き、JR西日本に要請すべき」と質しました。
三坂観光スポーツ文化部長は「昨年3月のJRのダイヤ改正において、山陽線をはじめ多くの路線で減便や最終列車の繰り上げが実施されたことから、県としては、JR西日本に対して、運行本数の維持・確保とコロナ収束後のダイヤ復活について要望を行ったところだ。また、本年3月のダイヤ改正やJR西日本長谷川社長のローカル線見直しに関する発言を受け、地方共通の課題として、中国地方知事会において、ローカル線の維持・存続に関する要望を行ったところだ。県としては、ローカル線が沿線住民の生活を支える重要な移動手段であるとともに、地域経済を支える重要な基盤であることから、沿線市町と連携し、JR西日本に対して、県内全てのローカル線の維持及びコロナ後のダイヤ復活について、引き続き要望してまいる。」と答えました。
三坂部長の「県内全てのローカル線の維持及びコロナ後のダイヤ復活について、引き続き要望してまいる」との答弁を評価したと思います。
私も、引き続き、県内のローカル線維持のために必要な発言を続けていきたいと思いますので、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日のしんぶん赤旗が、山口県庁ぐるみの公選法違反事件を次のように報じました。
「山口県の小松一彦前副知事が昨年10月の衆院選山口3区の林芳正外相を当選させるため、幹部職員らに後援会員の勧誘をさせたとして公職選挙法違反の罪で略式起訴された事件が波紋を広げています。県が3月下旬に発表した調査報告書からは、長年にわたる自民党と県幹部が一体となった『県庁ぐるみ選挙』の実態が見えてきました。県が設置した調査チームは、部課長級の県職員321人にアンケート調査し、305人から回答を得ています。これによると、昨年の衆院選で上司などから選挙リーフの配布や後援会入会の協力依頼をうけたのは195人(63・9%)にのぼります。小松前副知事は、なぜ職員に依頼したのかー。『山口県の自由民主党関係者から直接要請を受けておこなった』『山口県では自由民主党が圧倒的な政治権力を握っているため』調査報告書によると小松氏は、取り調べした検察官にそんな供述をしています。県政をスムーズに運営するため県議会で多数を占める自民党の依頼に協力する必要があった、というのです。県庁ぐるみの自民党支援は、昨年の衆院選だけにとどまりません。同アンケートでは、依頼が依然から『常態化していた』と128人(42%)が回答。1989年ごろから、ぐるみ選挙が始まったことがうかがえる内容になっています。調査チームが部課長級の計66人に聞き取りをしたところ、8割にのぼる53人が過去の選挙でも『同様の依頼があった』と答えています。選挙の種類も衆参の国政選挙にとどまらず、知事選、県議選、市長選、市議選でも同様の依頼が確認されたとしています。村岡嗣政知事の責任も問われています。定例記者会見(3月24日)では、大規模かつ組織的な後援会勧誘は村岡知事の時代になってからではないかとの質問が出ました。村岡知事は『私自身が指示をしたり、報告を受けたことはない』と否定します。ただ、アンケートでは職員から『知事が承知していないということで責任を問われないのは全くおかしな話』という意見もあがっています。小松氏に選挙活動を求めた『山口県の自民党関係者』が誰なのかも村岡知事は明らかにすることを拒んでいます。調査方法にも問題が残ります。小松氏や林外相の関係者、自民党関係者らの聴取はしていません。チームの構成もリーダーは外部の弁護士ですが、調査員は全員が県人事課の職員。第三者による調査とは言いがたい状況です。」
昨日のしんぶん赤旗には、4日に、日本共産党山口県委員会と同県議団が県知事に申し入れを行ったことも掲載されました。
引き続き、県庁ぐるみの公選法違反問題について必要な発言を行ってまいりたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨年の衆議院選挙の際、自民党の林芳正外相の後援会員の勧誘問題で、小松前副知事が公選法違反で罰金刑を受けた問題で、この程調査結果が明らかになりました。
しかし、報告書には、県幹部に後援会入会の勧誘を依頼した自民党関係者に対する解明はなされていません。
また、最近、自民党県連が主催した林芳正外相に関わるパーティー券購入を小松前副知事が、県幹部に依頼していた事実が明らかになりました。
この問題についても、報告書には未記載です。
日本共産党山口県委員会と同県議団は、昨日、「公選法違反、パーティー券斡旋問題に関する申し入れを行いました。
申し入れ書を県人事課職員に手渡す(左手前から、木佐木県議、吉田県委員長、藤本)
申し入れの内容は以下の通りです。
・・・
山口県知事
村岡嗣政様
公選法違反、パーティー券斡旋問題に関する申入れ
2022年4月4日
日本共産党山口県委員会
委員長 吉田 貞好
副委員長 河合 喜代
吉田 達彦
日本共産党山口県議団
団 長 木佐木大助
幹事長 藤本 一規
昨年10月の衆院選を巡る小松前副知事の公職選挙法違反(公務員の地位利用)事件の背景や原因を調査し、再発防止に向けた提言をまとめるため設置された「調査チーム」(リーダ・高村七男弁護士)が課長級以上の管理職321人を対象に実施したアンケート調査を通じて、山口県庁内では、数十年も前から自民党候補の後援会への勧誘が常態化していた実態が明らかになりました。
こうした調査結果を踏まえ、調査チームがまとめた報告書では、再発防止を含む県政全般の正しい運営を実現する最も重要かつ根本的な方策として「自民党に対する悪しき配慮を完全に断ち切り、特定の政党に偏ることなく公平・公正な立場で行動する」ことを提言しました。
これを受けて知事は3月24日、幹部職員20人の処分を発表しましたが、小松前副知事に後援会への勧誘を依頼した自民党関係者については調査もせず、不問に付す対応に終始しています。
加えて、3月26日には、小松前副知事が昨年10月に自民党山口県連が主催した政治資金パーティーの会費1万円の支払いに協力するよう当時の部下に依頼していたことが発覚しましたが、この件についても知事は「県として調査はしない。今後、起こさないようにする」とコメントするだけの対応です。
この事案も、公職選挙法第136条の2「公務員等の地位利用による選挙運動の禁止」に抵触する疑いがあり、全容解明と再発防止策の徹底が必要です。
同時に、こうした行為を小松前副知事に働きかけた人物は、犯罪行為を幇助、教唆したとして罰せられるべきと考えます。
よって、日本共産党県委員会と同県議団は、下記事項について申入れます。
記
1,公職選挙法第136条の2「公務員等の地位利用による選挙運動の禁止」に抵触する行為を県幹部に依頼した人物・団体を特定し、今後、一切、同種の依頼を行わないよう要請するとともに、犯罪行為を幇助、教唆した疑いで告発すること。
2,県職員への政治資金パーティー券斡旋依頼についても、全容解明を行い、再発防止策を講じること。
3,調査チームが提言した「自民党に対する悪しき配慮を完全に断ち切り、特定の政党に偏ることなく公平・公正な立場で行動する」ことを知事として県民に向けて宣言し、行動で示すこと。
以上
・・・
公職選挙法第136条の2で「公務員等の地位利用による選挙運動の禁止」が規定され、同239条2ー2で「136条の2の規定に違反して選挙運動をした者は、2年以下の禁固旗は10万円以下の罰金に処する」と明記されています。
刑法61条には、幇助に関する規定があり、同62条には教唆に関する規定があります。
私たちは、公選法239条2ー2で、罰則規定のある犯罪行為を幇助したり教唆したりした者を刑事告訴することは可能だと考えています。
私たちの申し入れに対し、県人事課の担当者は、「現在、再発防止策に全力で取り組んでいる。今回の申し入れには、後日、文書で回答する。」と答えました。
県庁ぐるみの公選法違反、パーティー券斡旋問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
4月2日、中国新聞は、村岡知事が自民党から100万円の寄付を受けていたと次のように報じました。
「山口県の村岡嗣政知事が、3選した2月の県知事選で自民党山口県連から100万円の寄付を受けていたことが県選管への取材で1日、分かった。県では党県連主催の政治資金パーティーの会費を払うよう当時の副知事が部下に依頼していた問題が明らかになっている。専門家は昨年のパーティー収益の一部が繰り越されて選挙資金になっているとし『知事の政治責任』を指摘する。村岡知事は知事選に無所属で立候補し、自民、公明両党から推薦を受けた。県選管に提出した選挙運動用収支報告書によると、推薦料として1月19日に自民党からの200万円に加え、自民党県連から100万円の寄付を受けている。党県連のパーティーは昨年10月31日に山口市で開かれ、村岡知事は来賓で出席した。案内状が県職員の自宅に届き、当時の副知事が課長級以上の幹部に会費1万円を払うよう依頼していた。党県連は『関知しておりません』とし、案内状を送った職員数や会費を払った人数を明らかにしていない。関係者によると、近年は150人程度の『県庁枠』があったとみられる。村岡知事は3月28日に報道陣の取材に、時期は把握していないとしながら『もっと前の副知事時代から行われていた』と述べた。再選した2018年の選挙にも党県連から200万円の寄付がある。山口県では昨年10月の衆院選山口3区に当選した自民党の林芳正外相の後援会への入会を、当時の副知事が部下に勧誘させたとする公選法違反(公務員の地位利用)事件もあった。県庁で起きた政治がらみの相次ぐ不祥事の動機を、村岡知事は『自民党へのあしき配慮』とした。『選挙を巡る組織的な勧誘やそれにつながる恐れのあることを一切行わない』とした公選法違反事件の再発防止策を実践する構えでいる。『政治とカネ』の問題に詳しい神戸学院の上脇博之教授は『今年の知事選時に県連から寄付を受けていたのだから、県幹部たちが会費を払わされた昨年の県連主催パーティーの収益の一部が繰り越されて選挙資金になっていることになる』とみる。現時点では違法性は確認できないものの『当然、知事にも政治的責任が生じる』と指摘する。さらに職員にこれ以上の実態調査をしない姿勢も疑問視する。『調査に消極的なのは政治的責任問題になることを回避するためだろうが、再調査しないこと自体が知事の政治的問題として責任を負うべき事態になっている』と強調する。」
日本共産党県委員会と同県議団は、本日、村岡知事に対して「公選法違反、パーティー券斡旋問題に関する申し入れ」を行います。
その内容については、明日のブログで報告する予定です。
県庁ぐるみの公選法違反問題について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
今年のアカデミー賞は、日本の映画「ドライブ・マイ・カー」が国際映画賞を受賞したことが大きな話題になりました。
作品賞は、「コーダ あいのうた」でした。宇部市の映画館で上映しているので、昨日、観ました。
映画の後半は、涙、涙。悲観の涙ではなく、希望の涙でした。
「CODA」とは、「Child of Deaf Adults」の略語で、ろう者の親を持つこどもという意味です。
主人公の高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で、ひとりだけ耳が聞こえます。
映画のパンフレットで、自らもコーダだというライターの五十嵐さんがこう書いています。
「コーダは幼い頃から『通訳』を担わされることが多い。ルビーも病院や競りの場面で、親に付き添い、代わりに大人とやり取りしている。その姿を『親を支える立派な子ども』と見なし、美談や感動秘話として消費することもできる。けれど、本当にそれでいいのだろうか。本作ではその問いかけに一歩踏み込み、ルビーに胸の内を語らせている。〈私はただの通訳〉〈私は・・・生まれてずっと通訳の役目を〉〈もう疲れたわ〉端的なこのルビーのセリフには、幼い頃から抱えてきた彼女の苦しみが滲んでいる。」
コーダは、日本国内では、2万2千人ほどいると推察されると五十嵐さん。今日、注目されているヤングケアラーにコーダの一部は含まれるのではないかと思いました。
両親と兄を演じた俳優は全てろう者の方が演じました。
アカデミー賞助演男優賞を受賞した父親役トロイ・コッツァーさんは、こう語ります。
「私は熱狂的な映画ファンですが、めったに映画の中で手話を観たことがありません。すごく稀なんです。映画にもっと多くのろう者が登場したらうれしいですね。それに、これまでは健聴者の俳優にろう者を演じさせてきました。手話を知らない健聴者は、役を演じることがでいても手話がめちゃくちゃ下手なんです。これをきっかけに、いくつかの扉が開かれて、みんながもっと偏見のない心が持てるようになればいいなと思います。」
監督のシアン・ヘダーさんはこう語ります。
「CODAと話してわかったことは、彼らは親に伝達しなければならない状況に追い込まれることで、あっという間に人一倍多くの大人の事情のなかに身を置いてしまうのです。」
ルビーを演じたエミリア・ジョーンズさんは、見事にルビーを演じきっていました。
物語は、「ルビーの夢である歌を歌うことをろう者である家族にどう理解させるか」に焦点が当たります。
その過程を観て、観客は涙します。悲観ではなく希望の涙を。
是非、「コーダ あいのうた」を劇場でご覧ください。
今年のアカデミー賞作品賞です。最高の映画を劇場で。
「コーダ あいのうた」をご覧になった皆さん、感想をお聞かせ下さい。