昨日、中国新聞は、都道府県の女性支援策について次のように報じました。
「都道府県の2025年度当初予算案で、人口減少対策を目的に、35都道府県が女性を支援する新規事業や、既存事業の拡充を盛り込んだことが17日、共同通信の調査で分かった。地元の助成を採用した企業に人件費を補助したり、働きやすい職場環境の改善に助成したりする。地方から大都市への女性流出を防ぎ、地元に定着してもらう狙い。地方を離れた人のUターン促進など、男性を含む若い世代が対象の新規事業は38都道府県が予定。自治体独自の取組が成功すれば、他地域にも参考となりそうだ。1月下旬~2月下旬、47都道府県に人口減少対策の女性、若者向けの新規事業や事業の拡充、継続があるかどうか尋ねた。女性向けは山口、鳥取など29都道府県が新規事業があると回答。うち岡山など14都府県は既存事業も拡充する。島根など6県は新規事業はないが、事業を拡充。広島など11府県は継続事業があるとした。知事選のある福岡は暫定予算のため未回答。福島は、県内にオフィスを設けて地元女性を雇用した企業に、賃料や人件費などを補助する仕組みを導入。埼玉は、物流や公共交通分野で女性の採用を促進するため、女性用トイレ設置など職場環境の整備に助成する。不妊治療に助成する茨城、奈良など妊娠を望む人の経済的負担を軽減する動きもある。徳島は、中小企業の男性社員が1カ月以上の育休を取得した場合などに奨励金を支給。富山は女性の人材の活躍へ官民連携会議を新設する。若い世代全体に向けた事業は、進学や就職を機に出身地を離れる若者のUターンを後押しするため、地元企業との交流機会の創出、地元に就職した際の給付金制度の新設などが並んだ。」
山口県での女性支援の新規事業は主に二つです。
一つは、やまぐち女性の就業応援事業です。女性の職域拡大等に向けた働きやすい職場環境を整備する企業に「女性活躍促進整備補助金」を支給するなどの事業を行います。
二つは、共家事・共育児行動変革促進事業です。
男女が共に家事・育児の責任を分かち合う社会の実現のため、県民と協働して兵活動が作成し、SNSを用いて発信するなどの事業を行います。
三つは、合格応援!保育士試験対策重点支援事業です。
まず、「受験対策学習費用補助事業」です。保育士試験により保育士資格を取得し、県内保育所等で保育士として勤務することが決定した者に、試験受験のために要した学習費用を上限20万円補助します。
次に、「保育士試験対策講座事業」です。保育士試験合格後に県内で保育士として勤務する意向のある者を対象に、保育士試験対策講座を受講料無料で実施します。
拡充する事業の主なものは、女性デジタル人材育成事業です。
未就業等の女性に対し、プログラミング等のデジタルスキルを習得する講座やインターンシップを実施する事業です。
新年度は、プログラマー要請口座を県内3会場で新たに実施します。
その他、女性支援や若者支援策が新年度予算で計上されていますが、私が調べた範囲で紹介しました。
紹介した制度の詳細は、県庁各課にお問い合わせください。
引き続き、女性支援策の拡充について発言していきたいと思います。
皆さんのご意見を藤本にお寄せください。
今村美都著「『不』自由でなにがわるい 障がいあってもみんなと同じ」を読んでいます。
この本は、脳性まひで車いすで生活している山下智子さん(本文では、『ともっち』さん)の生活を綴ったルポルタージュです。
山下さんは、21歳で参加した水泳の世界大会で世界新記録を出した方です。
その他、様々なチャレンジを続けています。
今日、紹介するのは、山下さんが、総合支援学校時代に寄宿舎で過ごした経験です。
山下さんは、小中高を総合支援学校で学びます。
山下さんは、小学校5年生の時と、高校2年生の時に寄宿舎で生活を送りました。
小学5年生の時は、水曜日から土曜日までの3泊を、高校2年生の時は、月曜日から土曜日までの5泊を寄宿舎で過ごしました。
作者の今本さんは、寄宿舎について「障がい児が生きていくことに必要な基本的習慣と社会性を身に付けることが主な目的」と書いています。
今村さんは、「障がい児を育てる大人にとって、自分がいなくなった世界で子どもが生きていく環境をいかに整えていくか、いかに生きていくことに必要な術を身に付けさせるかは、より切実なことと言えます。育てる大人にとっても、子どもと一時的に離れる休息(レスパイト)の時間は重要です。どんなに子どもを愛しく思っていても、四六時中一緒にいてはからだにも心にも疲れが溜まっています。子どもにも大人にも、自分のための時間が必要です。寄宿舎は、障がい児の自立が最大の目的ですが、育てる大人のためのレスパイトの意味もあります。」とも書いています。
今村さんは、山下さんにとっての寄宿舎の意味について「家庭では経験できないことを経験できた寄宿舎生活は、のちに大人になったともっちさんが自立生活といって一人暮らしをする上でも大切な時間になりました。」
と書いています。
私は、昨年11月県議会で、総合支援学校の寄宿舎について一般質問を行いました。
私は、県内の総合支援学校4校にある寄宿舎7棟は、築44年以上経過しており、早期に建て替え計画を立案すべきだと求めました。
県教委は、過去の「山口県特別支援教育ビジョン実行計画」において寄宿舎は「遠距離に居住する通学が困難な児童生徒の通学の利便性を図るため」のものと位置付けています。
文科省は、2012年「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」で寄宿舎について「入居した障害のある児童生徒等が毎日の生活を営みながら、生活のリズムをつくるなど生活基盤を整え、自立した社会参加する力を養う貴重な場である」としています。
県教委は、寄宿舎を「通学が困難な児童生徒」のために限定すべきではありません。文科省が指摘するように、寄宿舎を「障害のある児童生徒が、生活基盤を整え、自立した社会参画する力を養う場」と位置づけるべきです。
県教委は、今村さんが指摘す、障害のある児童生徒の保護者にとっての寄宿舎の役割にも注目すべきです。
更に、県教委は、今村さんが、自立生活を送る上での寄宿舎の役割にも注目すべきです。
引き続き、県内の総合支援学校の寄宿舎建て替え計画の立案を県教委に求めていきたいと思います。
総合支援学校の寄宿舎についての皆さんの意見をお聞かせください。
私は、3月4日に一般質問で登壇しました。
今日は、中小企業の賃上げについて報告します。
私は、11月県議会で、「賃上げ・価格転嫁支援資金」と「初任給等引上げ応援奨励金」を新年度も実施するよう求めました。新年度予算案に、両制度が継続されています。
私は、「このうち『応援奨励金』については、制度の対象を若者だけでなく全ての従業員とするとともに、両事業とも、必要なら追加予算を投じて拡充すべきだ」と質しました。
高林産業労働部長は「初任給等引上げ応援奨励金は、若者層の県外流出を抑制し県内定着を図るため、特に若者層を対象としたものとしており、全ての従業員を対象とすることは考えていない。また、現時点で必要と見込まれる経費を当初予算に計上したところであり、追加予算については答えすることはできない」と答えました。
各制度の詳細は、県産業労働部にお問い合わせください。
引き続き、皆さんのご意見を藤本にお寄せください。
13日、毎日新聞は、米軍岩国基地のF35への機種変更について次のように報じました。
「米軍岩国基地(岩国市)の米海兵隊の機種変更に伴い、米本土からステルス戦闘機F35の1部隊がローテーション配備されたのを受け、基地周辺の住民らがつくる『瀬戸内ネットワーク』(瀬戸内ネット)は12日、『明確な基地機能強化だ』として、岩国市に対して機種変更の容認の撤回するよう申し入れた。岩国基地では、これまで米海兵隊がF35Bを2部隊常駐させ、このほか本土からF18戦闘機の1部隊をローテーションで配備してきた。8日に新たに10機のF35Bの到着が確認され、米海兵隊はローテーション配備される機種を今回、FA18からF35Bに変更したと発表した。これにより、岩国基地で米海兵隊が運用する戦闘機は全てF35Bになった。住民側は市役所であった申し入れで、防衛省が2024年7月、岩国市などに対して機種変更計画などを伝えたものの、時期などは明確にしていなかったことから『重大な変更が事前通告なしで実施された』と指摘。『機能強化は岩国基地への攻撃の脅威を増加させる』と容認撤回を求めた。」
14日、日本共産党県議団は、F35について、県岩国基地対策室に状況を照会しました。以下、県岩国基地対策室の回答を紹介します。
県が、防衛省に行った照会の回答が3月10日にされました。内容は以下の通りです。
①米側は、3月8日、アリゾナ州ユマ海兵隊航空基地を拠点とする、第3海兵航空団第13海兵飛行大隊のF-35B飛行隊である海兵戦闘攻撃中隊(VMFA)214は、海兵隊の部隊展開計画(UDP)に基づき、インド太平洋地域での第1海兵航空団第12海兵飛行大隊(岩国基地に配備された飛行隊)の飛行運用を一時的に支援するため、米海兵隊岩国航空基地に展開された旨を公表したものと承知しております。
②その上で、機数については、これまでご説明しているとおり、変動する可能性があるものの、現在の配備機数から大きく増えるというようなことは想定されないとの説明を受けております。
③これ以上の詳細については、今後、お示しできる情報が得られ次第、改めてご説明させていただきます。
その他の情報として、県基地対策室が防衛省に照会し回答があった情報として、党県議団に示されたものは、以下の通りです。
①米側からは、岩国飛行場に所属している第121海兵戦闘攻撃中隊(VMFA121)及び242海兵戦闘攻撃中隊(VMFA242)のFー35Bの保有機数については、2024年9月まで(米会計年度末)に、それぞれ12機程度に最適化されたものとの説明を受けております。
この情報をまとめると、米軍岩国飛行場に所属する第121海兵戦闘攻撃中隊は、F-35Bが12機程度。第242海兵戦闘攻撃中隊は、F-35Bが12機。第1海兵航空団第12海兵飛行大隊の支援に、海兵隊戦闘攻撃中隊214が、米海兵隊岩国航空基地に展開していることを3月8日、米側が公表しました。
新聞記事と県の情報を統合すると、
現在、米軍岩国基地には、2部隊で24機のF-35Bが常駐しており、F-35Bが8日に10機到着した。つまり、確認できる岩国基地のF-35Bは34機配備されているということになります。
記事にあるように、昨年7月、岩国市や山口県に示された機種変更計画は、三沢飛行場や嘉手納飛行場に関しては、機種と機数が明らかになっているのに対し、岩国飛行場に関するものは、「現在F/ A-18で構成されているが、今後、米本土の海兵隊飛行部隊が機種変更されることに伴い、常駐機と同様にF/A-18からF-35Bに変更の見込み」「岩国飛行場については、第5空母航空団の態勢の更新についても連絡あり。現在、詳細について米側に確認中」という内容でした。県は、防衛省に詳細を紹介しましたが、防衛省は「米海兵隊の具体的な配備機数については、米軍の運用に関することであり、防衛省としてお答えすることが困難である」との回答しか受けていません。
そのような防衛省が、「機数が若干減少する見込みであると承知している」と答えても、根拠はブラックボックスに入ったままの説明で、不十分なままです。
このような説明を県や市が受け、具体的な部隊など移動が行われている中、防衛省に対し「当初の説明から一定の情報提供があったことは理解できる」として「無通告配備にあたらず抗議はしない」という姿勢は、問題ありと私も考えます。
県は、他の米軍飛行場では公開されている、岩国飛行場における、今の配備されている戦闘機の数と、配備変更後の戦闘機の数を防衛省に明らかにさせるべきです。
いずれにしても、主な戦闘機の全てが最新鋭のステルス戦闘に更新された岩国基地の基地機能が強化されていることは明らかであり、この事実に対して、県は、国や米側に抗議すべきです。
岩国基地の米海海兵隊の戦闘機が全て最新鋭のステルス戦闘機に置き換えられました。このことに対する皆さんのご意見をお聞かせください。
昨日、議会が閉幕しました。
私は、反対討論で登壇しました。
反対討論を行う私
私が行った反対討論の内容は以下の通りです。
・・・
日本共産党県議団を代表して、本議会に提出された議案に対する反対討論を行います。
反対する議案は、第1号、14号、15号、17号、26号、33号、49号、50号、58号、71号及び75号の11議案です。その他の62議案には、賛成します。
議案第1号は、2025年度山口県一般会計予算です。
総額約7400億円の同予算には、避難所環境改善推進事業や県有施設トイレ洋式化など県民要望を反映した施策もあります。
そのうえで、反対する理由の第1は、円安等を背景にした法人二税や地方消費税清算金の増加などによる税収増の果実が、物価高騰の影響を受けている県民生活への支援に十分に回っていないことです。
第2は、大企業を優遇した予算になっているためです。産業労働分野の新年度予算案では補助上限額50億円の企業立地サポート事業など、産業基盤の整備に15億6716万円が計上されていますが、賃金見直しによる人材確保・定着支援事業の予算額はわずか1億9592万円に留まっています。類似の事業を実施している岩手県の予算額は19億4千万円、徳島県は11億円であり、見劣りしています。
また、企業の国際競争力強化に資する港湾や幹線道路網の整備に91億4716万円計上する一方、土木施設維持管理経費は59億4306万円と前年度並みに留まり、建設資材物価の高騰を考慮すれば実質マイナスです。
第3は、大型開発優先の予算になっていることです。
新年度予算案に、1450万円の高速交通道路網調査費・山陰道整備促進事業が計上されています。アクセス道路など含めると事業費が1兆円越えも想定される下関北九州道路など不急の高速道路網整備は見直すべきです。
また、新年度予算案に、7億5320万円の山口きらら博記念公園交流拠点化事業が計上されています。昨年度を加えると11億6800万円となります。山口きらら博記念公園みらいビジョンには、整備未着手の新規事業が数多く残されています。
「山口ならではの体験創出支援事業」補助金を約9000万円支出するグランピング施設が、公園対岸の秋穂二島に今春オープン予定です。ビジョンにあるグランピング施設を始め、類似事業は見直すべきす。
議案第58号は、2024年度山口県一般会計補正予算です。
補正額は39億円ですが、県税は103億円、地方消費税清算金は62億円、地方交付税は78億円など大幅な収入増です。しかし、約280億円は安心・安全基盤強化基金及び財政調整基金の積立金に充てられ、物価高騰に苦しむ県民、中小事業者への直接的な支援策は不十分なことから反対します。
議案第14号は、国民健康保険特別会計予算です。
標準世帯の協会けんぽの保険料は24万4千円であるのに対し、山口市の国民健康保険の保険料は41万850円と高額です。国に国庫負担率の大幅な引き上げを求めるとともに、約40億円の県基金を活用して、市町の保険料軽減にあてるべきです。
議案第15号及び71号は、産業団地整備事業特別会計です。
今年度当初予算に計上された2億8130万円は、補正予算で2億5846万円減額し、新年度予算には、昨年度を3241万円上回る3億1370万円が計上されています。私は、宇部市・山陽小野田市にある県関与団地を購入する企業に対し、県と市で8割の用地取得費を補助する産業団地取得補助金の問題点を指摘してきました。土地開発公社を廃止した二井知事は、新たな産業団地は造成しないことを公言してこられました。大幅な売れ残りを残し、破格の税金投入を行ってきた反省に立ち、新たな県産業団地の造成は慎重であるべきことを指摘します。
議案17号は、工業用水道事業会計予算です。
小瀬川第二期工水に日量3万2千㎥の未事業化分の水源があり、2024年度までに未事業化分に一般会計から負担した金額は、164億6900万円にのぼります。さらに今後もダム分担金年間約4000万円の負担は続きます。未事業化分を「先行水源」とする認識を「塩漬け水源」に転換し、ダム使用権を国に返還することに尽力すべきです。
私が昨年6月県議会で指摘しましたが、企業局は、2017年度から毎年約3000万を企業誘致関連事業費として一般会計に繰り出しています。今年度までの総額は、2億4千万円です。企業局が一般会計に繰り出すべきは、未事業化分に対するダム分担金であることを指摘します。
議案第26号は、知事等の給与及び旅費に関する条例及び山口県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例です。
議案26号は、知事及び県議の期末手当を3.4月から3.45月にするものです。今議会には、一般職等の期末手当を2.45月から2.50月にする条例改正も提案されています。そもそも、勤務成績に左右されない期末手当について、一般職員等と知事及び県議におよそ1月の差があることは過大であります。よって、この条例改正に反対します。
議案第33号は、森林の整備に関する費用に充てるための県民税の特例に関する条例の一部を改正する条例です。
本条例は、森林づくり県民税を5年間延長するものです。森林づくり県民税は、個人県民税を年額500円、法人県民税を年額1000円から4万円上乗せし負担を課すものです。加えて、今年度から政府は、森林環境税を一人年間1000円徴収しています。今年度から、県民は、国と県から森林づくりのために、年間1500円徴収されているのです。
国税による森林環境税が導入された今日、二重課税となる森林づくり県民税は延長せず廃止すべきです。
議案第49号は、山口県学校職員定数条例の一部を改正する条例についてです。
本条例は、新年度の学校職員を169人減員するものです。一般質問で指摘しましたが、22年度の時間外在校等時間が月45時間を超える職員の割合は、小学校が36.1%、中学校が49.1%、県立学校が24.7%です。昨年12月末までの教育委員会全体の2週間以上の男性育休取得率は、知事部局や県警よりも低い35.9%に留まっています。また、1カ月超の育児関連休暇等の取得率は、知事部局や県警より低い25.6%に留まっています。
さらに22年度の加配教員は、567人でしたが、24年度の加配教員は314人です。本条例で、教員数が減った原因は、学級数等の減少によるものですが、県独自の財政による加配教員を増加させ、教育現場で時間外在校等時間を減らし、男性育休などが取りやすい職場環境を整備することが急務です。
議案第50号は、山口県立高等学校等条例の一部を改正する条例です。
本条例は、新年度から県立岩国高校と下関西高校にそれぞれ附属中学校を設置するものです。県教委は、文教警察委員会で示された、本条例の参考資料において、中学校2校を設置する理由について「大学での高度な学習につながる高い学力に加え、急激に変化する社会の中でも未来を切り開く次代のリーダーとして求められる力を育成する」ことなどと説明しました。
2010年に子どもの権利条約の実施状況に関する日本政府の第3回報告を審査していた国連子ども委員会の最終意見は「過度に競争主義的な環境による否定的な結果を避けることを目的として学校制度および学力にかんする仕組みを再検討すること」などを勧告しました。
県立高校に「高度な学習につながる高い学力」づくりを目的とした附属中学校を開設することは、県教委が、子どもたちに「過度な競争教育的な環境」を拡大させることであり、国連こども委員会の日本への勧告に真っ向から逆行するものです。
文教警察委員会の教育委員会の審議が終わった夕方、更に10校全日制県立高校の削減を検討しており、今年9月県議会に素案が提出される見込みとの報道がありました。この報道が事実なら極めて議会軽視の県教委の姿勢として厳しく抗議したいと思います。多様な学びを制限する高校再編を強硬に進める一方、高度な学習につながる高い学力づくりを目的とした進学重視の県立中学校は新設する県教委の姿勢を厳しく批判するものです。
議案第75号は、2024年度の県事業に対する市町負担金を定めるものです。
提案された市町の負担金は38事業で総額37億円にのぼります。繰り返しになりますが、国に対して直轄事業負担金の廃止を求めながら、市町に県事業負担金を求めることは矛盾しています。加えて、本来、県が担うべき負担を市町に丸投げしている制度があります。子ども医療費助成制度です。無償化の対象年齢は今年度時点で、19市町のうち16市町は高校卒業まで拡充し、3市は中学卒業まで対象としています。ところが県はこの20年間、小学校就学前までに据え置いたままです。県が負担すべきものを市町に肩代わりさせているのです。その上、市町に、県事業負担金を課すなど許されません。直ちに廃止すべきです。
次に請願についてです。
請願第1号、2号及び3号を不採択とした委員長報告に反対します。
請願第1号は、「日本政府に核兵器禁止条約の調印・批准を求める意見書」の国への提出を求めるものです。
日本共産党は、先の核兵器禁止条約第3回締約国会議に日本政府が参加するよう強く要請するとともに、同会議に吉良よし子参院議員と笠井亮前衆院議員を派遣し、国会議員会議で発言もしました。
広島で被爆した山田玲子さんは、「いつも遊んでいた友達の家では、子どもたち5人がお母さんの帰りを待っていました。原爆投下から2日目に、四つん這いで真っ黒い塊が家に飛び込んできたので、子どもたちは黒い犬だと一瞬思ったそうですが、それはお母さんだったのです。お母さんは、子どもたちのところに来るなり倒れて亡くなり、子どもたちが庭で火葬しました。」と戦後まもなくして語っています。
原爆は人として死ぬことも、人間らしく生きることも許さない、絶滅だけを目的とした兵器です。いかなる場合にも核兵器が再び使用されないことを保証するには、「核抑止」ではなく核兵器をこの世界から永久に廃絶するしかありません。
「現実的な対応」と主張して、核兵器禁止条約を批准しないことは、結局、核抑止力論に立ち、核兵器の使用を前提とした脅しの理論に立ち、その危険を人類にもたらし続ける論理です。
日本被団協がノーベル平和賞を受賞する一方で、日本政府が条約に参加しない姿は、世界中から奇異に受け止められています。請願が主張するように、唯一の戦争被曝国である日本政府が条約を締結することは、被団協の行動をさらに力強く補強し、核兵器廃絶への大きな希望を世界にもたらします。議員各位の賛同を呼びかけます。
請願第2号は、使用済み核燃料「中間貯蔵施設」の上関町への建設に反対することを求めるものです。
請願要旨によると、同施設の最大の危険は、使用済み核燃料を貯蔵するキャスク内で核分裂の連鎖反応(臨界)が起こることです。地震等でキャスクの振動・転倒が起こり、バスケットが破損する可能性があります。使用済み核燃料が臨界を起こせば、キャスクは破壊され、重大な原子力事故となります。このような危険性をはらんでいる施設であるのに、「中間貯蔵施設」には、原子力発電所では必要とされる原子力災害対策重点区域の予防的防護措置を準備する区域、緊急時防護措置を準備する区域の策定が必要とされていません。
県民の安心・安全の確保に責任を持つ立場に立ち、中国電力による立地可能性調査の結果を待つことなく、県議会として、使用済み核燃料「中間貯蔵施設」の建設に反対する意思を示すべきです。
請願第3号は、最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求めるものです。
請願者が指摘するように、日本の最低賃金の低さは、労働者の賃上げを抑制し、年金、生活保護費、公務員賃金など多くに悪影響を与えるとともに、地方から都市部への若者の流出を招いています。また、最低賃金が低い地域の経済を疲弊させ、日本経済を歪める原因にもなっています。
世界各国の最低賃金を各通貨の為替レートで換算すると日本は1004円に対し、イギリスは1998円、ドイツは1885円と2倍近い格差があります。最低賃金を直ちに全国一律1500円に引き上げることは急務です。そのための中小企業への支援について日本共産党は、この10年間に大企業が増やした内部留保に対して、毎年2%、5年間の時限的課税で約10兆円の財源をつくり、中小企業の賃上げを支援するよう提案しています。
山口県議会として、この請願を採択し、国に意見書を提出しようではありませんか。賛同を呼びかけて、討論とします。
・・・
今議会も激動の議会でした。
引き続き県政全般のご意見、ご要望、情報は、藤本にお寄せください。
11日、文教警察委員会の内、警察本部所管の審議が行われました。
文教警察委員会の内、警察本部所管の質疑を行う私です。
私が質疑を行った内容について報告します。
第一は、山口県警察特定事業主行動計画についてです。
まず、男性職員の育休取得率についてです。
県警の特定事業主行動計画において、25年度目標で、男性職員の育児休業取得率は、60%です。
県警の昨年4月から12月末までの、2週間以上の育休取得率は、88.5%でした。
私は、「2週間以上というハードルを課した上で、60%の目標を大きくこえる取得率となった理由」を質しました。
藤井警務課長は「研修会の開催、男性職員の上司による面談、育児休業支援員派遣制度の運用などによって、育児休業の取得を促している」と答えました。
現在の県警の行動計画は、新年度末までの期間となっています。
私は、「男性育休については、2週間以上で100%の目標にすべきだ。また、育休取得率は、1カ月超で100%にすべきだ。総じて、26年度以降の行動計画をどのように立案するのか」と質しました。
藤井警務課長は「令和8年度以降の目標は今後検討することとなるが、引き続き希望する男性職員が育児休業を取得できるように取り組んでいく」と答えました。
第二は、警察音楽隊のバスについてです。
音楽隊のバスは、購入後25年が経過し、更新すべきとの声が県民から出ています。
私は、「県警としての公用車の更新基準」を質しました。
樋口会計課長は「原則として11年以上経過し、かつ走行距離が12万キロメートル以上の走行距離があり、更新年度に車検となる車両だ」と答えました。
音楽隊のバスは、今年2月末で走行距離が15万㌔を超え、車検は、毎年受けています。
私は、「音楽隊のバスは、県警の公用車更新の基準を満たしている状況だ。車両の更新を行う時だ」と質しました。
樋口会計課長は「音楽隊のバスは、いわゆる観光バス等に当たるが、通常走っている路面バスの買い替え時期は10万キロから20万キロとなっている」と答えました。
第三は米兵犯罪です。
私は、一般質問で、米軍が、昨年10月1日から「リバティー制度」を厳しくした後に、何件の事件が発生しているかと質問しました。
県警本部長は「昨年10月に、米軍人を傷害事件で検察庁に送致している」と答えました。
この質疑をKRY山口放送は、4日夕方のニュースで取り上げ「山口県警は『関係者のプライバシーなどを総合的に判断した』として、この事件についてこれまで公表していませんでした」と報じました。
私は、「この事案を公表しなかった理由に被疑者が米軍人だったからということがあるのか」と質しました。
大江刑事企画課長は「事件の被疑者が米軍関係者であっても、そうでなくても異なることはない」と答えました。
第四は、交通事故防止施設総合整備事業費についてです。
この事業費は、停止線や横断歩道の白線などを引き直したりするものです。
今年度の補正予算(案)で、県警は、当初予算10億3062万円を1億2560万円減額し9億502万円としました。
また、新年度予算(案)は、8億6957万円とし、今年度の当初比で、1億6104万円減額するとしました。
私は、「新年度予算で、今年度同様の交通事故防止施設の維持が可能なのか」質しました。
中本交通規制課長は「1億6千万円の減額となったものではなく、令和6年度の補正後の予算額は約9億円であり、令和7年度の当初予算額約8億7千万円とを比較すると、約3千万円の減額ということになる、事業自体は計画的に進めており支障はない」と答えました。
次に視覚障害者の方への対応についてです。
私は、先日、盲導犬で移動されている視覚障害者の方のお話を聞く機会がありました。県内で、昨年9月末現在16頭の盲導犬が活躍しています。
その方は、「道路横断時に一番力になるのはエスコートゾーンだ」と話した。
私は、「県内に何カ所のエスコートゾーンがあるのか」質しました。
中本交通規制課長は「昨年末現在、県内150カ所にエスコートゾーンを設置している」と答えました。
警察庁は、昨年7月に一定の条件下で横断歩道の白線間隔を現行の約2倍に広げることを可能にする基準緩和を行いました。
視覚障害者の方々は、白線の凸凹を白杖や足で確認することで横断歩道を確認しています。
私は「音響信号やエスコートゾーンが設置されていない場所で、白線の間隔を広げるべきではない」と質しました。
中本交通規制課長は「音響信号機とエスコートゾーンがセットで設置されている場所への新たな設置など、視覚障害者の方々の安全な横断に十分配慮し設置を進めていく」と答えました。