今日のしんぶん赤旗日刊紙に、私が敬愛する自治体問題研究所理事長である京都橘大学教授の岡田知弘さんがインタビューで登場しています。
岡田さんは、コロナ後の地方自治のあり方について「行財政改革」問題から紐解いています。
「国は国境措置とともに本来、地方自治体の施策を行財政面から支える役割をもっています。ところが、市町村合併や『行財政改革』の結果、自治体はその役割を十分に果たせない状況です。これも対応が遅れた一因です。コロナ禍に際して、安倍政権は、緊急事態宣言発動にこだわり、『封鎖と隔離』政策をとりました。しかし、これでは対応できないことがはっきりしました。対照的なのは、韓国です。新型コロナ対応では詳細な感染マップをつくり、徹底した情報公開と市民参加で、人命を救うことを最優先しました。ドライブスルーでの大規模なPCR検査も早期に行いました。新自由主義の『元祖』の英国で、新型コロナに感染したジョンソン首相が退院後に『社会は存在する』と発言したことが印象的でした。彼の師匠ともいえるサッチャー首相が『社会は存在しない』と市場原理に任せ公的医療サービスなどを切り捨ててきたからです。コロナ禍のなかで、『公共』の大事さ、役割が国際的に再認識されたと思います。日本でも必要なのは『新しい生活様式』ではなく『新しい政治・経済・社会のあり方』です。何よりも住民の感染防止と命を守るために公共の責任を全うすることです。行き過ぎた行財政改革を根本的に見直し、公立・公的病院の再編計画を即時に中止し、地域の公衆衛生・医療体制を整えなければなりません。」
岡田さんが触れたイギリスの例は、志位委員長が行った記念講演にも出てきます。新自由主義の元祖サッチャー首相は当時このように述べていたのです。
志位委員長は、英国・ジョンソン首相が「コロナウイルスは『社会というものがまさに存在することを証明した」「われわれの国民保健サービスを守れ」と発言したことをサッチャー元首相の発言と比較してこう述べています。
「新自由主義『小さな政府』と自己責任押し付けの元祖-同じ保守党党首だったサッチャー元首相の『社会なんていうものは存在しない』『自分の面倒は自分で見てくいれなければ困るのです』と言い放った言明を、真っ向から否定したのであります。コロナ危機を経験して、新自由主義の居場所は、もはや世界のどこにも残されていない-このことを、ジョンソン首相の発言は、象徴的に語っているのではないでしょうか。」
岡田さんが触れた「行き過ぎた行財政改革を根本的に見直」す作業は、山口県で実際に行われています。
今年6月11日に行われた山口県行財政改革統括本部会議で、「新型コロナウイルスに係る今後のさらなる感染拡大の防止や、県内経済のV字回復のための反転攻勢等に人的資源・財源を集中投資するため、現在進めている行財政構造改革の取り組みを一時凍結する」ことを確認しました。
具体的には、本部会議は、「保健所の体制強化など、新型コロナウイルス対策に最優先の職員配置を行う」としました。
この点で、私は、6月県議会で職員の増員計画を質しました。
総務部長は「職員の増員等につきましては、感染症対策にあたる現場の状況等を踏まえて、健康増進課及び保健所等において、業務継続に必要となる人員配置や応援派遣を行っており、引き続き、適切に対応していく」と答えました。
本部会議は、公の施設の見直しについて「『現行の見直しの方向性』に基づいた市町との移管等に関する協議は中止する』としました。
私は、この点を6月県議会で質し、総務部長は、市町に譲渡及び廃止を検討していた県有施設について「来年度も指定管理を継続する」と答えました。
コロナ禍の中で、山口県で「公共」の大切さが再認識されています。
県内で、更に、「公共」の流れを加速させ、岡田さんが指摘する「地域の公衆衛生・医療体制を整える」山口県を実現していきたいと思います。
岡田さんの主張は、いつも、私に進むべき道を指示してくれるものです。
これからも岡田先生からしっかり学んで、県政の改革に生かしていきたいと思います。
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