自治体研究社が主催した議員研修会「台風・豪雨災害と自治体の役割」に5日・6日参加しました。
神戸大学名誉教授・田結庄良昭さんによる「土石流など土砂災害や河川氾濫、ダム問題のメカニズムと自治体の役割」と題する講座は大変参考になりました。
講義を行う田結庄神戸大学名誉教授
国土交通省のまとめでは、台風19号の豪雨により、7県、71河川140カ所で堤防が決壊しました(10月30日現在)。また、国管理の24河川、都道府県管理の207河川で河川水が堤防を越え、浸水しました。(朝日新聞、11月12日)。
田結庄先生は、「台風19号での被害の特徴は福島県や宮城県の県管理の整備が整っていない中小河川に被害が集中した点にある」と指摘しました。
台風19号で各地の河川が氾濫しましたが、大きな河川の支流で氾濫が多く発生しました。
台風19号で堤防が決壊した71河川、140か所のうち、8割にあたる112箇所(62河川)が支流と本流の合流点から約1キロの範囲で生じたと報告されているとして、田結庄先生は、「多くの支流は本流の増水で水位があがり、せき止められた形となり越水するバックウォーター現象(背水)で氾濫が生じた。」と指摘しました。
田結庄先生は、堤防強化策として堤防天端をアスファルトで覆い、民家側の側面を補強する「アーマーレビン工法」が有効だと話しました。
台風19号では、5県7箇所でダムの「緊急放流」が行われました。
田結庄先生は「多目的ダムのゲート操作は、地域住民の安全のためだけでなく利水権者有利に働き、被害を大きくするため大雨時ダムは危険」と指摘しました。
台風19号で土石流被害は宮城、福島、岩手、神奈川など20都県の690か所で生じました。
2018年7月の西日本豪雨では、31都道府県で計1044件の被害があり、死者は221人に達し(総務省消防庁災害対策本部2018『平成30年7月豪雨及び台風12号による被害状況及び消防機関等の対応について』)、被災の原因別では、土砂災害が125人で最も多く、洪水の82人を上回っています。
国土交通省砂防部の2018年7月18日発表では、土砂災害のうち土石流で57人と、傾斜崩壊(崖崩れ)で11人と、多くが土石流で犠牲になっています。
田結庄先生は、「マサ土と玉石(巨石)が混在したものが崩壊物として谷に流入し、土石流となり、この玉石が家屋崩壊を起こす」と指摘しました。
学んだことを今後の議会活動に生かしたいと思います。
ヴァレンティナ・キャメリニ著「グレタのねがい」を読みました。
この本の中に、2019年1月末にグレタさんが行ったスピーチの一部が掲載されています。
「大人は若い人たちに希望を与えなければならない。そういう言葉をしょっちゅう耳にします。でも希望なんかいりません。わたしはあなたがた大人たちに、危機感を持って行動してほしいのです。一刻を争う危機的状況に置かれているかのように、迅速に行動を起こしてほしい。だって、実際そうなのですから」
「わたしたちの家は火事になっています。わたしたちのすまいである地球が、炎をあげ燃えています。若い人たちの未来のために、大人たちが、権力を持つ人たちが、責任ある行動をとらなくてはならないのです。」
ジャーナリストの増田ユリヤさんは、この本の最後にこう書いています。
「大人に抗議するグレタさんは、生意気なのでしょうか。発達障害があるから感情的になっているだけなのでしょうか。もし、単にそれだけだとしたら、これだけ世界中の若者たちに影響を与え、環境問題を考える大きなうねり(波)にはならないのではないでしょうか。グレタさんは、大人に反発しているのではありません。子どもができることには限界がある。自分たちが無力なことがわかっている。だから、大人のみなさん、政治家のみなさん、わたしたちを助けてください、わたしたちを守ってください、未来を信じられるようにしてしてください、とうったえているのです。力を貸してくださいとお願いしているのです」
トランプ大統領をはじめ、世界の政治家たちが、グレタさんを攻撃するけれど、攻撃する政治家こそ、地球環境に責任を負った政治を行っているか自戒すべきだと思います。
私も政治家の一人とした自らの活動をこの本を読みながら問い直しています。
増田さんは、更にこう書いています。
「グレタさんの生きる姿勢から学べることは、決して環境問題だけに限りません。今ある問題の根本的なところにある原因を探し、それを解決するために何があるかを考えて行動する。その勇気があれば、あなた自身の未来を変えていくことができるのです。」
「今ある問題の根本的なところにある原因を探し、それを解決するために何があるかを考えて行動する」グレタさんから学んでいきたいと思います。
入江悠監督作品「AI崩壊」を観ました。
2月2日付しんぶん赤旗「日曜版」の「にちようシネマ館」より本作紹介記事を引用します。
「医療AI『のぞみ』の開発者・桐生浩介(大沢たかお)は表彰を受けるため、娘の心(田牧そら)と帰国します。『のぞみ』は亡き妻・望(松嶋奈々子)の弟・西村悟(賀来賢人)の会社が運営しています。しかし帰国の直後『のぞみ』が暴走、命の選別をはじめます。」
映画のパンフレットで主演の大沢たかおさんは、この映画についてこう語っています。
「『日本映画がハリウッドに挑戦したな』って思われるのが一番よくないと思っているんです。僕らができるSF、近未来でいいと思うし、むしろハリウッドや外国の人が撮れないSFがこの作品だと思うから。だからこそ日本の映画が得意なリアリティのある人間描写みたいなものに、逆に徹底的にこだわっていった。」
映画のパンフレットの「プロダクション ノート」にこう書かれてあります。
「公的に厚労省が発表している超高齢化&超少子化となる10年後の予測数値や、最悪のケースを想定した日本の経済状況などを脚本に取り込むなど、現実に起こりうるシビアな未来図を意識し、エキストラには老人やホームレスを多く配置している。」
映画のパンフレットの「イントロダクション」にはこうあります。
「2030年-わずか10年後の未来。働ける人間は国民の50%、未来を見なう子どもは10%未満、残り40%は働けない老人と生活保護者。国家として崩壊寸前の日本においてAI(人工知能)は、全国民の個人情報、健康を完全に管理し、人々の生活に欠かせないライフラインとなっていた。だがそんな『人に寄り添う』はずのAIが突如暴走、年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪などから人間の生きる価値を選別し、殺戮を始めた!」
しんぶん赤旗日曜版は、本作品の映画評をこうしめくくっています。
「完全な管理社会を目指す政治家の野望も絡み、暴走の謎を追いながら、国の形を問いかけるのです。今日的テーマに挑戦した努力に敬意を表したい。」
私は、本作を観て情報社会の闇と闘っているスノーデンを描いた映画を想起しました。
国民を管理し選別を強化する近未来。
AIの暴走を利用しているのは結局は国家だと感じました。
この映画の結末にならないために、10年前の今の私たちがすべき選択とは何かを考えさせる映画でした。
入江悠監督作品は初めて見ましたが、緻密であり、ヒューマンであり、実力のある監督だと好感を持ちました。
「ジョーカー・ゲーム」「太陽」「22年目の告白-私が殺人犯です-」など、入江作品をチェックしていこうと思います。
「AI崩壊」。私たちは何ができるか考えさせてくれる映画です。宇部市の映画館などで絶賛上映中です。
是非、一人でも多くの皆さんに観ていただきたいと思います。
やっぱり映画はいいですね。リフレッシュできました。
皆さんが最近、観られた映画の感想をお聞かせください。
2日、朝日新聞は、県が行財政改革の一環として進める12の県有施設の見直しで、廃止や譲渡の対象施設の一つとなっている「秋吉台国際芸術村について、芸術村の元副村長である上原久生さんのインタビュー記事を掲載しました。
「県が検討している秋吉台国際芸術村の廃止や譲渡についてどう感じますか。」と問いに上原さんは以下のように答えています。
「芸術文化の支援行政をやるからには息の長い政策が必要です。芸術村は1998年オープン。やや唐突な印象を受けました。言葉は少し過ぎるかもしれませんが、無責任ではないかと思います。」
「芸術村の価値はどんなところにありますか。」との問いに以下のように答えています。
「ホール、ギャラリー、セミナールームと総合的に様々な施設を備えています。特に宿泊施設を併設しているのは、全国的にも例がなく、『創作に集中できる』と海外の芸術家からの評価も非常に高い。芸術村の副村長をしていたころ、財政要求するときにどう価値を伝えていくのか、いつも頭を悩ませていました。芸術の価値は数字やお金では表しづらいもの。財政的な視点だけで芸術村を評価しようとすると、本来の価値を見誤るのではと懸念しています」
「昨年10月、存続に向けた署名活動を始め、1万8千筆が集まりました」との問いに以下のように答えています。
「当初の目標だった5千筆を大きく上回りました。県内外からの関心の高さを感じました」
「県は見直しの対象の理由に、利用率や県民ニーズの低下を挙げています。」との問いに以下のように答えています。
「1万8千という数字のうち、県内が1万5500、県外が2500でした。この数字がニーズの高さを示していると思います。芸術村は現代音楽の創作拠点。音楽家を招いたセミナーを春や夏に定期的に開催していますが、セミナー形式だから参加者は音大生や地域住民が各回とも数十人ずつ。著名なアーティストを呼んで、数千人を収容できる県内のほかの音楽ホールとは性質が異なります。芸術村は必要とする多くの人が思っているからこそ、これだけの署名が集まったと考えています」
「県は行財政構造改革の必要性を訴えています。元県職員としてどのように見ていますか」との問いに以下のように答えています。
「税収が落ちているので、お金がないのは事実。財政改革自体はやむを得ないと思います。ですが、何を倹約してどこにお金を使うのかはもっと慎重に考えるべきです。芸術村だけでなく公の施設であれば、民間の支援を得て存続させることも一つの手。廃止や譲渡だけでなく、外部の有識者も交えて幅広く手法を模索してほしい」
「県は2月にも一定のめどをだすとしています」との問いに以下のように答えています。
「政策判断をするにあたってはいろんな意見を聞いてほしい。集まった署名はその一つ。生の声を聴いて、芸術村は地域にとっても県民全体にとっても価値ある場所だと理解してほしいです」
私は、「秋吉台国際芸術村」を存続すべきと昨年の9月・11月県議会で主張してきました。
存続を求める署名を私も周りで100筆以上集めて上原さんにお渡しいたしました。
いよいよ今月、廃止や譲渡の対象施設の一定のめどが出されるわけですが、上原さんが指摘するように県は「何を倹約してどこに使うのかはもっと慎重に」考えるべきです。
新年度の日本共産党の予算要望でも指摘しましたが、 少なくとも、秋吉台国際芸術村は存続すべきであることを改めて要望したいと思います。
秋吉台国際芸術村についての皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、日本共産党2020宇部市新春のつどいが行われました。
宇部市長のメッセージが紹介され、和田副市長にご参加いただきました。
また、射場市議会議長にもご挨拶いただきました。
更に、立憲野党から社民党・市民連合の宮本県議、立憲民主党の坂本県連代表から挨拶をいただきました。
新春のつどいで挨拶する坂本立憲民主県連代表
日本共産党を代表して私が挨拶しました。
私の挨拶の要旨は以下の通りです。
・・・
2020年新春の集いにご参加の皆さんこんにちは。県議会議員の藤本です。市議会議長さんを始めご来賓の皆さんに感謝いたします。多くのご来賓を前に、遅れて参加しまいしたことを最初にお詫びしたいと思います。
日本共産党の宮本徹衆議院議員が、「桜を見る会」の参加者が増えたのは、安倍事務所が参加者を功労者だけでなく、参加者を大きく募ったからだと国会で指摘すると、安倍首相は、「幅広く募っているという認識で、『募集』している認識ではなかった」と答えました。募ると募集は同じです。今日は、新春の集いです。「集いには参加したが集会には参加していない」と言うようなものです。
安倍政権による国政私物化は目に余ります。今日は、野党の皆さんも多数参加されています。野党連合政権を樹立して国民が主役の国会を作る年にいたしましょう。小選挙区3区から野党議員を誕生させましょう。
私は、今月14日から行われた日本共産党の全国大会に参加させていただきました。日本共産党は、この大会で綱領の一部を改訂しました。この中で、資本主義の二つの矛盾を特記しました。
一つは、気候変動です。今、「グレダの願い」という本を読んでいます。
「世界のどこの議会でも、たくさんの政治家がまじめな顔で席につき、さまざまな問題について真剣に議論している。それなのに地球の健康について何も考えない。いままっさきに考えるべきなのは、地球を守ること、世界中の子どもたちの将来であって、それ以外のことは後回しでいい」
地球温暖化の大きな要因と言われる石炭火力発電所が、宇部市にも建設されようとしています。石炭火力発電所を宇部市から日本からなくす努力を始めましょう。地球温暖化への対策に無責任な安倍政権を変えましょう。
二つ目は、格差と貧困です。県労連が、30日、山口県の最低生計費試算調査結果を公表しました。今回の調査では、子育てするために、30代では年額500万、40代では621万、50代では、714万円の費用が必要になるとの結果が出ました。半分程度で労働者は生活しています。
今年に入り、日本経済新聞が「逆境からの資本主義」と題する特集を組みました。最終回に「乗り越えるべき課題は山積しているとはいえ、この先も資本主義に代わる選択肢はない」と書きました。日本共産党は、皆さんに希望ある未来を宇部市で、しっかり示していきたいと思います。
・・・
2部では、長州南蛮連によるよさこい踊りや各後援会からの出し物が披露されました。
新春のつどいで踊る長州南蛮連の皆さん
3部では、福引きが行われました。
幅広い来賓の皆さんの参加と出し物で例年以上に盛会となりました。
参加いただいた全ての皆様に感謝いたします。
海底炭鉱「長生炭鉱」水没事故の犠牲者は、183名。その内136名が朝鮮人労働者でした。「長生炭鉱の『水非常』を歴史に刻む会」は、朝鮮人犠牲者の遺族を招いて毎年追悼集会を開催しています。1日、水没事故78周年犠牲者追悼集会が開かれました。
韓国遺族会の皆さんが犠牲者に祈りを捧げています
韓国遺族会の楊玄は「国家間の利害関係を優先するのではなく、人道主義的な次元で今からでも遺骨発掘の事業に積極的に参加してくださることを要求致します」と挨拶しました。
韓国遺族会の楊会長が挨拶を述べています
追悼集会に韓国行政安全部過去関連業務支援団から鄭九彰団長が初めて参加しました。鄭団長は「日本政府は韓国人犠牲者へ誠意ある謝罪と反省を見せなければなりません。誠意ある謝罪と反省の上、被害者遺族たちによる寛容なる許しを受けるとき、未来志向的な日韓関係が形成されることになるでしょう」と追悼の辞を述べました。
在日韓国人三世で舞踏家の朴曜子さんの「祈りの舞」が披露されました。
舞踏家・朴さんの祈りの舞です
第二部では、「日帝強制動員&平和研究会」研究委員の許光茂さんが、韓国政府が長生炭鉱水没事故調査を行った経緯を講演しました。
許さんの講演会。100人を越す参加者でした