月別アーカイブ:2018年8月

欠陥オスプレイ日本全国50機

 昨年2月12日のしんぶん赤旗日曜版は「日曜ワイド」という特集で、オスプレイの問題を取り上げこう書いています。

 「墜落原因すら分からないまま飛行再開し、怒りを広げた米海兵隊の垂直離着陸機オスプレイ。沖縄だけでなく日本全国の重大問題です。欠陥機オスプレイはすでに全国で訓練を展開。米軍と自衛隊を合わせ、約50機ものオスプレイが日本中を飛び回りかねない事態です。」

 ここに来て、約50機ものオスプレイが日本中を飛び回りかねない事態が現実のものになろうとしています。

 2012年から、オスプレイは、海兵隊普天間基地に24機配備されています。

 米軍は空軍特殊作戦機CV22オスプレイを10月1日に横田基地に正式に配備することを周辺自治体通知しました。

 横田基地に配備されるオスプレイは10月1日から5機配備する計画です。

 米空軍は2024年までには横田基地のオスプレイを10機体制にしたいとしています。

 昨日、小野寺防衛相と山口佐賀県知事は、佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイの配備をめぐって、防衛相が同空港の着陸料として100億円支払うなどの合意文書を取り交わしました。

 陸上自衛隊が佐賀空港に配備しようとしているオスプレイは17機です。

 オスプレイは、沖縄県に24機、横田に5機、佐賀に17機、合計46機体制になろうとしています。

 更に、近い将来、横田にプラス5機で、51機のオスプレイが日本中を飛び交うことになろうとしています。

 米軍が配備に際して作成した「環境レビュー」によると、沖縄以外でも6ルートでオスプレイの飛行訓練をするとしています。

 ルート下の自治体は21県140市町村に及びます。6ルートには入っていませんが、中国山地を走るブラウンルートでも訓練が行われる可能性を海兵隊は認めています。

 山口県の岩国基地は、先ほどの環境レビューでは、「1個分遣隊(2~6機)を月2~3日、給油を目的として派遣」するとしています。実際に、岩国基地にオスプレイが頻繁に離着陸しています。

 今後、山口県で全国で、欠陥オスプレイが今まで以上に飛行することになります。

 沖縄だけの問題ではなく全国的な課題として、際限のないオスプレイの飛行を今後、どう抑制していくのか本気で考えなくてはいけない時期に入っています。

 オスプレイが10月から横田基地に配備されようとしています。

 佐賀空港に陸上自衛隊のオスプレイが配備されようとしています。

 全国に広がるオスプレイの配備を皆さんはどうお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。

 

 

アメリカの若者、社会主義に傾倒

 22日のしんぶん赤旗日刊紙の「潮流」に、こう書かれてありました。

 「かつて中傷の言葉だったのに、なぜいま大人気に?米国のラジオ局が最近、『社会主義』について討論番組を放送していました。米国で『社会主義』という言葉は通常、自由な経済活動を妨げるものとして否定的に使われてきました。ところが、秋の中間選挙に向けた予備選挙では『民主的社会主義者』を名乗る候補者が善戦、勝利しています。押し上げているのは10~20代の若者です。彼らの『社会主義』に明確な定義があるわけではありません。しかしそこに込められた要求は鮮明です。『一握りの少数者ではなく多数者のための政治を。シンプルでしょう?』。こう説明したのはニューヨーク州の民主党下院予備選で大物現職を破った若い『民主的社会主義者』です。彼らに共通するのは資本主義の矛盾への鋭い批判です。貧富の格差、金融投機の横行、環境破壊、政治腐敗。放置したら私たちの将来はどうなるのか。あふれる不安や怒りを胸に、国民皆保険、最低賃金引き上げ、公立大学の学費無償化など多数者のための政治を訴えます。」 

 23日の毎日新聞は「分断の深層 トランプ時代の合衆国」に、こう書きました。

 「資本主義の盟主である米国で、社会主義者を自任する若者が増えている。右傾化するトランプ政権。それを止めることができない野党・民主党。怒れる若者らが事態解決の「答え」を社会主義に求めようとしているのだ。『資本主義ごいう野蛮な制度の代替を探すことが激烈に求められている』。幹部の主張に、Tシャツ姿の若者たちは拳をふりあげて応えた。『社会主義は可能だ』。米中南米シカゴのホテルで7月5~8日、マルクスの革命理論や組織化のノウハウを学ぶ現協会『社会主義2018』が開かれた。主催団体の国際社会主義機構(ISO)によれば、全米から約1700人が参加。これまでで最大規模という。」

 しんぶん赤旗の「潮流」は、8月発表の世論調査によると、米国の若者の間で社会主義を肯定的に見る人は51%に上り、資本主義を肯定的に見る人は8年前と比べて20ポイント以上減ったと書いています。

 毎日新聞の記事では、米連邦準備制度理事会の統計(16年)によれば、富裕層の上位1割が米国内の総資産の77・2%を保有し、残る22・8%の資産を9割の国民で分け合う状態だと書いています。また、米世論交差機関ギャラップ社の16年5月調査によれば、社会主義を「好ましい」経済体制とみる米国民は35%だが、18~29歳に限ると55%に達するとも報じています。

 赤旗だけならともかく、毎日新聞も同じ時期に、アメリカの若者が社会主義に傾倒している様子を報じました。

 日本共産党創立96周年記念講演会で志位和夫委員長は、政府の総合規制改革会議などの議長を10年以上も務めたオリックスのシニア・チェアマンの宮内義彦氏の発言を取り上げました。(「朝日」、2017年12月17日付)。

 「経済が行き詰まった平成では、『会社は誰のものか』という問題も突きつけられた。『経営者は株主に奉仕する』というのが、資本主義の原則だ。私もそれが最も効率的に社会に富をもたらすと訴えてきた。『業績を上げるのが最優先だ』と。いまは、この考え方が変わった。
 米国は企業の稼ぐ力では抜きんでているが、貧富の格差が社会の亀裂を生んでいる。これを調和させるために社会が払うコストは高い。ここ5年ほどで、『そういう資本主義でいいのか』と疑問を抱くようになった。
 会社は人、モノ、カネをうまく使って経営する。だが、人はモノやカネとは違う。最大限の配慮が必要だ。経済活動は人に奉仕するために存在する。『昔言っていたことと違う』と言われるかもしれないが、時代にあわせて人は変わるべきだ。次の時代は、より分配に力を入れた社会をめざすべきだ」

 志位和夫委員長は、講演の後半でこう訴えました。

 「日本共産党という党名には、私たちが理想とする未来社会の展望が刻まれています。人類の歴史は、資本主義で終わりではない、それを乗り越える歴史的時代が必ず訪れる。そうした未来社会の展望をもつ党だからこそ、目の前で解決が求められているどんな問題でも、より大きな視野と展望のなかに位置づけ、確固とした立場でたたかうことができます。みなさん。このことに確信をもち、この誇りある日本共産党という党名を高く掲げて、奮闘しようではありませんか。」

 人類の歴史が、資本主義で終わりだったら若者の未来は展望できません。

 私は、日本共産党の一員として、日本の若者と一緒に、新しい未来社会に一緒に語っていきたと、赤旗・毎日新聞二つのアメリカの若者を取り上げた記事を読んで決意を新たにしました。

 明日から、藤本を囲む集い3連戦です。大いに、よりよい社会を実現するための方途について市民の皆さんと一緒に語り合いたいと思います。

 インフォーメーションに、藤本を囲む集いの日程と場所が書かれてあります。お近くの会場にお越し下さい。
 

金足農業高校

 高校野球100回大会は、私たちに感動を与えてくれました。

 特に、金足農業高校の皆さんに私は元気をもらいました。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙の「潮流」に、金足農業高校が取り上げられていました。

 「プレーは、もちろん、体を反りながら歌う『全力校歌』も有名になりました。『可美しき郷 我が金足』から始まる校歌は唱和の初めに制定。『故郷』や『春の小川』などの唱歌で有名な岡野貞一氏が作曲し、国文学者の近藤忠義氏が作詞したものです。厳しい自然のなかで営む農への愛や敬い。『やがて来む文化の黎明 この道われらに拓かむ』と歌い上がる校歌には、戦前の暗い時勢に新しい時代を開く若者たちへの激励や期待が込められています。日体大の校歌も作詞した近藤氏はこの頃、東京音楽学校(現東京芸大)の講師でしたが、治安維持法で検挙され、敗戦の時を獄中でむかえました。戦後まもなく日本共産党に入党。国文学界の重鎮として、戦前は日本文学研究に新しい学風を開き、戦後は日本文学協会の創設に参加するなど民主的で科学的な文学研究の確立に尽くした評されました。」

 金足農業高校の校歌を作詞した近藤忠義さんが、戦中治安維持法で獄中につながれ、戦後は、日本共産党に入党していた事実を初めて知りました。

 金足農業高校の校是は3つあります。

 一つは、「寝ていて人を起こすことなかれ」の精神。

 二つは、勤労を尊び汗することをいとわぬ心。

 三つは、自他の生命を尊重し、自然の恵みに感謝する心。

 一つ目の「寝ていて人を起こすことなかれ」の言葉は、秋田県で明治から大正期の農業指導者であった石川理紀之助の言葉です。

 理紀之助は、毎朝3時に掛け板を打ち鳴らして村人たちを眠りからおこし、まだ夜が明けきらないうちから農事に専念し、困窮した村の再建に尽くしたとされる人物です。

 理紀之助が遺した「経済のことば14か条」の第一が、「寝ていて人を起こす事勿れ」です。

 意味は、「自分は動かないで他人にやらせてはいけない。自分が先頭に立って手本を示し、人を動かすこと。」です。

 理紀之助は自らが早起きをして農業の従事し、村人の模範になったことを言葉にしたものだと思います。

 私は、体を動かすことが大好きです。

 「寝ていて人を起こす事勿れ」の言葉が大好きになりました。

 今後の私の座右の銘にしたいと思います。

 この言葉を知ったのも金足農業高校が活躍したからです。

 この言葉を通して、石川理紀之助の事も知りました。

 金足農業の活躍で様々な事を学ぶことが出来ました。

 これからも、農業に従事する一人として、金足農業高校を応援していきたいと思います。

 

陸上イージス 防衛省再照会に回答

 山口県と萩市は、7月18日に、萩市に配備が計画されているイージス・アショア(以下陸上イージス)について、防衛省に照会文書を出し、8月20日付で回答が行われました。

 北朝鮮をめぐる情勢について認識を問う質問に対し、防衛省は、「北朝鮮は、現実に我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルを保有しており、我が国の弾道ミサイル防衛能力の強化は喫緊の課題であることに変わりはありません。特に、北朝鮮は2005年の六者会合の共同声明において、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄することを約束したにもかかわらず、翌2006年には核実験を強行したことなど、北朝鮮が過去に国際社会との非核化等に関する合意を繰り返し廃棄してきた現実を直視する必要があると考えます。」などと、北朝鮮の脅威は依然あるとの理由で、陸上イージスの必要性を強調しています。

 配備候補地の一方が候補地として不適であった場合、もう一方も見直しになるのかとの問いに、防衛省は、「秋田県付近及び山口県付近の日本海側の組み合わせが適切であることから、一方が不適となった場合であっても、上記条件(約1キロ平米程度の広くて平坦な敷地の確保など)に合致し、可能な限りバランス良く我が国全域を防護できる地点を配備候補地として選ぶこととなるため、不適となった配備候補地から大幅に離れた地点が新たな配備候補地となるということは想定し難く、直ちにもう一方の方保知も見直しになることにはならないと考えます。」などと、秋田・山口が最適地であることを強調しています。

 防衛省は、北朝鮮の脅威をあおり、秋田と山口ありきで、陸上イージスの配備を強行する構えであることが、この回答で改めて強調されています。

 弾道ミサイル攻撃を回避する最も安全で有効な手段は、「撃たせない」ことに尽きます。北朝鮮の弾道ミサイルをめぐっては、まさに「撃たせない」ための外交努力が始まっています。端緒的ですが、北朝鮮が一部の核・ミサイル関連施設を廃棄したのもその表れです。日本政府がやるべきことは、こうした平和の流れの後押しです。

 日本政府が、北朝鮮に向けてミサイル基地を設置することは、朝鮮半島の和平の流れに水を差し、北朝鮮の姿勢を硬化させる行為そのものです。

 やはり、秋田と山口に陸上イージスを配備すべきではありません。

 防衛省は改めて、陸上イージスの秋田・山口配備を強行しようとする回答を山口県などに行いました。

 皆さんは陸上イージスについてどうお考えですか。

 

「ゴリラからの警告」読書ノート①

 私が敬愛する山際寿一京都大学総長の最新刊「ゴリラからの警告『人間社会、ここがおかしい』」を読んでいます。

 この本は、7月29日号のしんぶん赤旗日曜版で紹介され、山際さんご本人がインタビューに応じておられます。

 この本の大きな柱が、人間社会が「サル化」していることを憂い山際さんの論説です。

 赤旗のインタビューに山際さんは、次のように述べています。

 「サルは非常に個人主義的です。食物は分けないし、子育てもメスがわが子を育てるだけです。人間は共感力を高め、大きな社会をつくって発展してきました。ところが人間はいまその社会性を捨てようとしています。一人で食べる個食が増え、子育ては単独の家族が背負うようになってきました。個人を血縁や共同体から切り離して、欲求をかなえるのは、資本主義が目指してきた方向です。でも、それは人間の社会性を弱めるものでもありました。」

 山際さんは、本の中で、今日の人間社会の個食化について次のように述べています。

 「私たちがこれまで食事によって育ててきた共感能力や連帯能力を低下させる。個人の利益だけを追求する気持ちが強まり、仲間と同調し、仲間のために何かをしてあげたいという心が弱くなる。待ち負けが気になり、勝ち馬に乗ろうとする傾向が強まって、自分に都合のいい仲間を求めるようになる。つまり、現代の私たちはサルの社会に似た閉鎖的な個人主義社会をつくろとしているように見えるのだ。」

 先日、大学教員をしている方から「学生に共感能力や連帯能力が低下している」というお話をお聞きしました。

 我が家の食卓でも個食化が進んでいることを実感します。

 同じ時間に食べていても、それぞれが、スマホなどを観ながら食事をしている風景があります。

 私たちの子どもの頃は、テレビで、ホームドラマという領域があって、家族で食事を囲む姿が見られましたが、今では食卓が様変わりしました。

 社会は非寛容になり、人びとから共感能力や連帯能力が低下していることは実感します。

 私も父たちの時代の人は、更に、共感能力があった人たちが多かったことを思い起こします。

 それを「サル化する」人間と言う視点で分析する山際さんの論説に納得しました。

 しかし、社会が人と人が共同する方向に変化すれば、人間だけが持っている共感能力が発揮されて、社会は好循環に変化するという展望を、山際さんの論説から感じることができます。

 山際さんは、人間と暴力についても後半で論説しています。

 この辺りの問題は、次回以降のブログで触れていきたいと思います。

 以前から、山際寿一さんの本を何冊が読んできました。この本は、山際さんの人類学をわかりやすく集約した良著だと思います。今の時代を乗り越える展望を示してくれる本です。

 山際ファンの皆さん、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

吉田稔麿~維新団・一新団の生みの親~

 18日に、「人権フェスティバルIN宇部」が開催され、毛利博物館顧問の小山良昌さんのお話をお聞きしました。

 演題は、「松下村塾の俊才 吉田稔麿 ~維新団・一新組の生みの親~」でした。

 吉田稔麿は、松下村塾の近く、萩市松本村に生まれます。父は武士ではありましたが、中間という身分の低い階層でした。

 16歳の時、松下村塾に入り、「人間に貴賤なし」を学びます。

 稔麿が23歳の時に、藩の指導者たちに、「屠勇取立之建議」という提案を行います。

 この提案は、了承され、稔麿は、「屠勇取立方」に任命されます。

 稔麿は、被差別民を藩兵に登用する「屠勇取立令」を諸郡に回達します。

 その結果、玖珂郡出身者により「維新団」が、三田尻出身者により「一新団」などが誕生します。

 私の本棚に、周東町教育委員会が編集した「維新の扉を開いた 諸隊の雄 遊撃軍」があります。

 この本の中に、「遊撃軍・維新団の活躍」という章があります。

 この章の筆者は村崎修二さんです。

 維新団は、江戸幕府と長州藩が戦った時に、広島方面で戦ったのが、遊撃軍。

 遊撃軍の中心は、遊撃隊でしたが、遊撃隊と行動を共にしたのが維新団でした。

 この章の「吉田稔麿の提案」という節があります。

 稔麿の「屠勇取立之建議」について、村崎さんは次のように書いています。

 「『屠勇』というのは簡単にいうと、江戸時代に士農工商の身分階層のしたに位置付けられていた賤民のことです。恐らく吉田松陰の影響と稔麿その人の人格から、差別的な考え方や、感情を取り除くかのように、あえて賤民階層の人々を『屠勇』という新語を作って呼んだものと考えられます。」

 吉田稔麿は、この建議を提案した翌年に、「池田屋事件」で新選組によって殺されます。

 村崎さんは、この節の終わりにこう書いています。

 「維新団の名前とともに『屠勇取立策』という革命的な提案を行った吉田稔麿についても、歴史的に忘れてはならない人物だと思います。」

 身分差別が制度化されていた江戸時代の末期に、身分制度を乗り越えて、身分が低かった人々を登用する提案を行った吉田稔麿のことを更に知っていきたいと思いました。

 吉田稔麿について、皆さんの想いをお教え下さい。