議員日誌

「イージス・アショア」県内配備に関する申入れ

 昨日、安保条約廃棄・岩国基地撤去山口県実行委員会(中野敏彦代表)と山口県平和委員会(吉岡光則会長)は、村岡山口県知事に対し「イージス・アショア」年内配備に関する申入れを行いました。

イージス・アショア

申入れ書を渡す吉岡山口県平和委員会会長(左)

 11月12日の新聞報道で、政府は、11日、山口と秋田両県に地上波日型迎撃システム「イージス・アショア」を配備する方向で地元の調整に入り、12月中旬にも閣議決定する方針であると伝えています。そして、山口県の配備先として萩市の陸上自衛隊のむつみ演習場を候補地として進められていると報道されています。

 「イージス・アショア」は、米海軍や陸上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃システムを地上に設置し、大気圏外を飛行する弾道ミサイルを破壊するもので、2基あれば日本をカバーできるとされています。

 広大な施設に多数の付属施設群からなる巨大な「ミサイル基地」であり、自衛隊施設内であるとはいえ「新規の基地建設」で県民、市民の同意無しに強行することはあってはなりません。

 そもそも、北朝鮮が発射するミサイルはアメリカを対話の席に着かせる示威行為であると認識されています。そのミサイルを迎撃するために、しまも使いこなせるかも不明な兵器システムに1基800億円と要員600名の巨額な血税を投入する合理性があるのでしょうか。

 申し入れ書は「『ミサイル基地』になれば警戒は厳重を極めることになり、自由な市民社会が制限される事態も考えられます。また、弾道ミサイル追尾レーダーが発する強力な電磁波による自然環境や人体への影響も看過できないもので、まずは公正な環境影響調査が行われなければなりません。そして、最も重大なことは、『ミサイル基地』は万一の事態に際して、敵の最大の攻撃目標になることで、岩国基地とあわせて県民、市民の命が脅かされることに納得が得られるとは到底考えられません。」とし、「県民の安全を守る責務を持つ知事として、県民の平和的生存権を脅かす新たな『ミサイル基地』への県内への設置は断念するよう政府及び関係機関に申し入れること」を県知事に要請しています。

 対応した山口県総務部村田友宏危機管理監らは「防衛省に問い合わせたところ、『イージス・アショアをどこに配置するかは、決定していない』との回答だった。配置場所が決まったならば、国において、関係自治体に丁寧な説明を行っていただきたい。」などと答えました。

 申入れ参加者から人体に与える影響をどう考えるかとの問いに、村田危機管理監らは「国は、電波法に則り適切に対応すると言っている」と答えました。

 私は、「防衛省は『イージス・アショア」に関し来年度予算計上し、2023年までに運用開始したいと言っている。急いで事実確認をすべきだ」と質しました。村田危機管理監らは「報道にそうように書かれていたことは承知している。引き続き、情報収取は行っていきたい。」と答えました。

 「イージス・アショア」について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

米軍が最も恐れた男

 日本共産党の雑誌「月刊学習」12月号の「発掘あの時あの写真」で瀬長亀次郎さんが那覇市長に当選した時の写真が掲載されています。

 「1956年12月25日、米軍全面占領下の沖縄・那覇市長選挙で、沖縄人民党の瀬長亀次郎書記長が当選しました。『命はないぞ』といった脅迫など激しい攻撃をのりこえての勝利でした。米占領軍は、那覇市への銀行資金の凍結、水源ストップによる『水攻め』などで新市長の妨害をはかりました。瀬長市政を支えたのは市民でした。翌年3月に開かれた『市政報告市民集会』には、5万人が参加。瀬長市長は『私の背後には11万市民、80万県民、9千万祖国の同胞の団結があることを確信して勇気をだしてやっています』と訴えました。財政難から市政を守るための自発的な納税運動がおこり、納税率は97%に達しました。納税者の列が役所まで五百メートルも続いたといいます。市民は自らの力で米占領軍を突き崩しはじめました。」

 私は、姪の結婚式で沖縄を訪ねた際、「瀬長亀次郎と民衆資料 不屈館」に立ち寄りました。

 会場に、佐古忠彦監督の映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」のポスターが貼られていました。

 映画の元になったTBS制作の昨年8月に放映された「米軍が最も恐れた男~あなたはカメジローを知っていますか?~」を購入し、帰ってきて観ました。

 瀬長市長を支えた市民の団結が、今日の「オール沖縄」の流れにつながっていることを実感しました。

 不屈館では亀次郎さんの次女で館長の内村千尋さんにお会いできました。

不屈館

   不屈館で内村館長にお会いしました。

 不屈館では、瀬長さんが書かれた「不屈」の文字がデザインされた「不屈Tシャツ」を購入し早速、沖縄では着て移動しました。

 日本共産党中央委員会幹部会副委員長で衆議院議員でもあった瀬長亀次郎さん。「不屈館ガイドブック」には瀬長さんのこのような文章が紹介されています。

 「私は非核・非同盟・中立の日本の実現をめざし、平和と社会進歩のため不屈に歩みつづけるつもりである。」

 「不屈館」を訪ね、ドキュメンタリー番組などで、瀬長さんの生き方に触れました。

 瀬長さんの事を想うと笑顔になれます。

 市民とともに歩もうという勇気が湧いてきます。

 「米軍が最も恐れた男」是非、映画館で観たいと思います。

 瀬長亀次郎さんへの想いをお聞かせ下さい。

艦載機部隊の主力戦闘機が移転

 今日昼のNHK山口放送局は、「来年にかけて神奈川県のアメリカ軍厚木基地から山口県岩国基地に配備される計画の空母艦載機部隊のうち、主力の戦闘攻撃機など15機が28日、午前、岩国基地に到着し、部隊の移転が本格化しました。28日、午前11時ごろ、アメリカ軍の空母艦載機部隊の主力の戦闘攻撃機FA18ホーネット6機が山口県の岩国基地に到着しました。さらに正午ごろにかけて、FA18スーパーホーネットと敵のレーダーを無力化する電子戦機、EA18Gグラウラー合わせて9機が相次いで滑走路に着陸しました。28日に到着した戦闘機のうち1機を除いて、今月25日までに先着していた11機とともに岩国基地の配備となり、艦載機の移転第一陣としてことし8月に到着した5機と合わせると、移転する61機程度の半分近くが岩国基地に移ったことになります。計画では来年の5月ごろにかけては、残りのFA18スーパーホーネット24機と今月22日に日本の南の会場で墜落したC2輸送機が移転する予定です。」と報じました。

 山口県は、基地問題の基本姿勢として①今以上の基地機能は容認できない②NLPの実施は容認できないとしてきました。

 基本スタンスとして①これ以上の負担増は認められない②普天間基地移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機部隊の移駐のみを切り離して進めることは認められないとしてきました。

 私は、先日沖縄県を訪ねました。

 24日の沖縄タイムズは、「名護市辺野古の新基地建設を巡、護岸建設用石材を国頭村奥港から会場輸送する問題で、奥集落は23日、区民総会を開き、湊の使用反対を全会一致で決議した。24日に臨時役員会を開いて抗議文を作成し、県や沖縄防衛局に提出する予定。」と報じました。

 先の総選挙でも沖縄4小選挙区中3選挙区で、辺野古新基地建設反対の「オール沖縄」の候補が勝利しました。

 私は沖縄県を訪問した実感として「普天間基地移設の見通し」は全く立っていないと思います。

 県は、県民と岩国市民と約束である基地問題での基本姿勢と基本スタンスをことごとく投げ捨て、国・米軍いいなりに、空母艦載機部隊移駐を容認しました。

 住民との約束を反故にして、空母艦載機移駐を許した県と岩国市の責任は重大だと思います。

 何よりも、アメリカいいなりで岩国基地の東アジア最大の基地化を進める日本政府の責任は極めて重大です。

 私は、これ以上の基地機能の強化には反対という県民と岩国市民と連帯して、また辺野古新基地建設反対で今日も頑張っている沖縄県民の皆さんと連帯して、際限のない岩国基地の拡大強化を食い止めるたたかいとともに進めていく決意です。

 空母艦載機部隊の岩国基地移転が本格化しています。

 皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

生活保護の世帯分離

 沖縄旅行中の25日付け沖縄タイムズの社説は「生活保護の世帯分離」を取り上げていました。

 「保護世帯の高校生が進学するには、制度上、親と生計を切り離す世帯分離の手続きが必要となる。同居は続けられても世帯分離すれば、一人分の保護費が減らされる。」

 沖縄タイムス社説は「かつて、高校進学に際しても、世帯分離の仕組みがあった。高校進学が当たり前となり1970年に廃止されたが、大学進学が将来の収入に影響し、貧困解消につながることを考えれば、同様に廃止すべきである。」と結論づけています。

 生活保護基準を高めつつ「世帯分離」の制度を見直し、憲法25条と憲法26条が守られる社会の実現が求められていることを痛感しました。

 生活保護の世帯分離について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

ひめゆり平和祈念資料館を見学

 23日から上の姉の次女の結婚式で沖縄に行っていました。

 24日の結婚式もとてもいい式でした。

 前後、不屈館、ひめゆり平和祈念資料館、首里城などを見学し、沖縄を満喫しました。

 25日に訪れた「ひめゆり平和祈念資料館」は、4度目でしたが、今度も多くの事を学びました。

ひめゆり

 家族でひめゆり平和祈念資料館を訪ねました。

 改めて、ひめゆり学徒隊について触れてみたいと思います。

 ひめゆり学徒隊は、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校からなります。

 生徒222人、教師18人が、沖縄陸軍病院に配属されました。

 沖縄戦終結までに、教師・学徒240人中136人が亡くなりました。

 ひめゆり平和祈念資料館で、戦後70年特別展「ひめゆり学徒隊の引率教師たち」の図録を購入し、移動中の車中で読みました。

 特別展は、表題の通り引率教師を追っています。

 引率教師18人の内、実に13人が亡くなりました。

 戦後生き残った教師は5人。その一人が仲宗根政善さんでした。

 図録に仲宗根先生が戦後残した言葉が書かれています。

 「あの場合はしかたがなかったと、いくらいいわけをしてみても、それはいいわけにはならない。自分を社会からひき離し、戦争からひき離して考えたときのいいわけで許されるべきことではない。日本国家全体が犯した罪が、具体的には自分を通じてあらわれたのである。」

 「あの時は、どうにもならなかったと、どうして言えるであろうか。戦争への歯車にはめこまれ、ひきずられて、戦争へと生徒を引率した教師の責任である。不明にして、さめた眼ももたず、戦争へ引きずられて行った罪である。その根は深くおそろしい。私は今もその重い負い目を負いつづけている」

 図録には、体験者の次の言葉が引用されています。

 「戦争は準備が始まってからでは止められない。だからその前に何とかしなければならない」

 図録の編集後記は次の言葉で締めくくられています。

 「『教師の責任』-時代がキナ臭くなりつつあると指摘される昨今、教師に限らず私たち一人ひとりにとっても、重い大切な言葉だと思います。」

 「戦争は準備が始まってからでは止められない」

 私は、ひめゆり平和祈念資料館に行って、憲法9条改憲阻止の決意を新たにしました。

 25日の沖縄タイムズに「沖縄子どもの貧困白書」の書評が掲載されていました。

 早速、那覇市の書店で購入して帰りの飛行機の中で半分読みました。

 この本の冒頭に沖縄子ども総合研究所顧問の加藤彰彦さんの「はじめに」に次の文章がありました。

 「戦争は、貧困を生み出す最大の原因のひとつです。生きる基盤を破壊し、支え合う人を奪い、生きる意欲すら失わせてしまうのです。第二次世界大戦による苦悩のなかで、日本は、日本国憲法を生み出しました。そして、沖縄は苦しみのなかから、一人ひとりのいのちを大切にする文化を守り続けてきました。しかし、戦後72年を迎える現在、地球上には貧困と格差が拡大されてきています。貧困化社会は人と人を対立させ、排除し、戦争へつながる構造さえ、もっているのです。子供という豊かな魂は、誰からも愛され、豊かな経験のなかで成長していくものです。」

 高校生たちを戦場に送ったあの戦争を繰り返してなりません。

 憲法9条を守り、格差と貧困をなくし、平和な日本をつくる決意を新たなにした沖縄家族旅行となりました。

 結婚した姪夫婦の幸せを願いつつ、姉夫婦に感謝する沖縄家族旅行でした。

 

 

ドラマ「わたしを離さないで」

 2017年度ノーベル文学賞をカズオ・イシグロが受賞し、彼の作品に触れてみたくなり、2016年1月から放映された綾瀬はるか主演のドラマ「私を離さないで」を観ています。そして少しづつ原作の「私を離さないで」を読んでいます。

 同時に、大野和基インタビュー・編「知の最先端」の中のカズオ・イシグロへのインタビューを読んでいます。

 「私を離さないで」について、大野さんは、「同書は、外界とは隔絶された寄宿学校へーるシャムで過ごす子どもたちが、自らの出生の秘密を知り、成長する過程を描く。彼らはクローンとして生を享け、雑木を提供する存在だった。18歳になり、外の世界に足を踏み出したその姿から、われわれは『人間の生のあり方』を強烈に想起させられる。」

 文庫本の「わたしを離さないで」の裏表紙には、「全読書人の魂を揺さぶる」とありますが、まさに、これまで経験したことや学んだことが揺さぶられる体験です。

 ドラマは、日本を舞台にしていますが、見事に、本作のテーマが、現代日本の中で描き出されています。

 人間とは何か、生命とは何か、文明とは何か、進歩とは何か、色々なことを考えさせてくれる物語です。

 カズオ・イシグロについて、皆さんの感想をお教え下さい。

 さて、今日から、日曜日まで、三泊四日で、沖縄に行ってきます。

 私の上の姉の次女の結婚式に出席するためにです。

 瀬長亀次郎さんの歴史を刻む「不屈館」には行きたいと思っています。

 子どもたちとひめゆり記念館にも行きたいし、辺野古にも行きたいと思っています。

 移動中の車中で、カズオ・イシグロの「君を離さないで」を読了したいと思っています。

 それでは、数日、ブログはお休みします。日曜日にはお会いできる予定です。

 それでは出発します。