議員日誌

金子兜太さん死去

 俳人の金子兜太さんが98歳でお亡くなりになりました。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙「潮流」に「金子さんの遺志は、われらに」との記事が掲載されていました。

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 子どもの頃から七五調の秩父音頭を聴いて育ち、自分の体は俳句に仕立てられていると言っていた金子兜太さん。98年の人生のなかで句作を忘れてしまった時期がありました。

 海軍の将校として赴いた南洋のトラック島。米軍の爆撃で島じゅうが黒焦げ。本土からの補給は絶たれ、捨てられた「虚無の島」で飢えてやせ細っていく仲間たち。ひとの死が日常化するなかで頭に浮かぶのは食べ物のことばかりでした。

 敗戦で捕虜となり、日本に帰るとき。「非業の死」を思いながら、船尾から遠ざかる島を見ていたときにつくった句があります。

 〈水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る〉。その代表句は、戦後への出立の決意を込めた原点になりました。

 反戦・平和の社会を実現するために生きてきた俳人が危うさを感じたのが安倍政権です。ふたたび近づいてくる軍靴の響き。体を張って阻止しなければと筆をとった「アベ政治を許さない」の力強い文字は運動のシンボルに。

 カタカナでアベとしたのは、安寧が倍になるどころかどんどん脅かされていくから。

 本紙のインタビューでもアベ政治のすべてを問うとして、戦争に反対することは人生の最後の仕事だと語っていました。

 人間の生や自然、社会を詠み、俳句によって時代を覆う空気を変えようとした生涯。国のために働かされ、死んでいくという制度や秩序は我慢できない。無理に生きる必要のない自由な社会をつくりたい。1世紀近く日本の歩みを見つめてきた金子さんの遺志は、われらに。

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 削るところがなく、全文掲載しました。

 金子さんの書かれた「アベ政治を許さない」の文字は、総がかり行動うべ実行委員会主催の戦争法強行を忘れない行動(19日行動)の際に、冒頭の集会の最後に参加者一同が掲げて続けています。

 宇部市で、金子さんの遺志を引き継いでまいります。

 「アベ政治を許さない」「戦争は許さない」「安倍9条改憲は許さない」

 私は、川柳を20年以上続けています。

 五七調文学の巨星であった金子さんの句から学びたいと思います。

 金子兜太さんへの皆さんの想いをお教え下さい。

裁量労働制 偽りのデータに抗議

 昨日、衆議院予算委員会で、高橋千鶴子議員は、「裁量労働制」に関する調査結果を厚生労働省が『ねつ造』していたことに抗議し、「働き方改革」関連法案の提出断念を求めました。

 高橋議員は、厚生労働省労働基準局が行った「平成25年度労働時間等総合実態調査結果」に基づき、裁量労働制の元でのみなし労働時間と実労働時間の乖離の実態を明らかにしました。

 高橋議員が示したのは、企画業務型裁量労働制の1日のみなし労働時間と・実労働時間についての調査結果です。

 実労働時間が9時間以上である平均的な人の割合は、55.9%、最長の人は、85.7%いるのに、みなし労働時間が9時間以上の方はわすか10.6%です。

 平均的な人の実労働時間10時間以上は31.7%いるのに、みなし労働時間で10時間以上は0.1%となっています。

 何時間働かせても「みなし時間」分の賃金しか支払われない実態について高橋議員は、「サービス残業合理化だ」と批判しました。

 加藤功労大臣は「みなし時間と実労働時間が乖離しないように指導する」などと答弁しましたが、高橋議員は、「裁量労働を隠れみのにただ働きや長時間労働させている実態があり、拡大すればもっと起こり得るという危険意識を持っているということだ」とただし、裁量労働の実態調査と喧騒を求めました。

 今朝の毎日新聞は、「厚生労働省は、働き方改革関連法に盛り込む裁量労働制の対象拡大について、施行時期を現行の予定から1年遅らせて2020年4月とする修正案の検討に入った。」と報じました。

 今朝のNHKは、「安倍総理大臣が裁量労働制で働く人の労働時間に関連した答弁を撤回したことを受けて、政府・与党が最重要法案と位置づける働き方改革関連法案の国会への提出は、来月にずれ込む見通しとなりました。」と報じました。

 法案の提出を遅らせても、裁量労働制の実施を遅らせても、「サービス残業合法化」する法案を強行しようとしている与党の姿勢に変わりはありません。

 サービス残業を合理化する法案は、「働き方改革」法案の名に値しません。

 安全保障法制という名で、戦争法を強行した安倍政権は、「働き方改革」の名で「働き方改悪」法案を強行しようとしています。これでは、ジョージ・オーウェルの「1984年」「ビックブラザー」の世界と同じではありませんか。

  ビックブラザーは、「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」といいました。

 ビックブラザーに酷似した安倍政権に騙されてはいけません。

 平和のために自由のために。知は力です。

 安倍政権は「働き方改革」法案の提出を断念すべきです。

 この法案に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

『ねつ造』データで「働き方改革」

 安倍首相が、裁量労働制の労働時間に関する国会答弁を撤回した問題で、厚生労働省が19日、答弁の根拠となった同省の調査データの検証結果を公表したました。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙の記事を元に問題を追います。

 問題になったのは、厚生労働省の「2013年労働時間等総合実態調査」。

 首相はこのデータをもとに一般労働者の労働時間は9時間37分、裁量労働制(企画業務型)の労働時間は9時間16分になっているとして、1月29日の衆議院予算委員会で「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方に比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁しました。

 その後、根拠データに対して野党側から次つぎと疑義が出され、14日に答弁を撤回、謝罪する事態に追い込まれました。

 厚生労働省の検証結果によると、一般労働者の労働時間は1カ月のうち「一日で最も長い残業時間」にちて調査。これに対し、裁量労働制については、最も多くの労働者が属する1日の「労働時間の状況」などを調査しました。

 一般労働者と裁量労働者についてまったく異なる調査方法だったことがはっきりしました。

 長時間労働にならないとする裁量労働制の対象拡大の根拠が崩れただけにとどまらず、労働時間データの「ねつ造」に対する安倍内閣の責任が問われる重大事態になっています。

 小池書記局長は、昨日の記者会見で「いままでの議論の土台が崩れた以上、裁量労働制を含む労働法制改悪案全体の提出を断念すべきだ」と主張しました。

 安倍内閣が今国会に提出している「働き方改革」法案についての皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

外国人との共存社会に向けて

 昨日、厚南校区人権教育推進委員協議会主催の第42回厚南校区人権教育研修会に西宇部校区人権教育推進委員協議会会長として参加しました。

 「外国人との共存社会に向けて」と題して、山口県国際交流員のヘマ・ガルベスさんが講演を行いました。

厚南校区人権研修会

講演する山口県国際交流員のヘマ・ガルベスさん

 ガルベスさんは、スペインのカナリア諸島出身です。

 お父さんは、スペインで生まれ育った両親の元に生まれ、幼少期をカナダで過ごしました。

 お父さんは幼少期英語を話していました。

 お母さんは、スペインで生まれ育った両親の元に生まれ、ベネゼエラで幼少期を過ごしました。

 お母さんは、ずっとスペイン語を話して育ちました。

 カナダ生まれの父とベネゼエラ生まれの母。ガルベスさんは誰が「外国人」なのでしょうかと参加者に問いかけます。

 ガルベスさんは、「生まれた国と本人の所属意識は相関しない」と語ります。

 ガルベスさんは、「家とは愛情があるところ」という諺を紹介します。

 ガルベスさんは、「人間は、愛情をもらえたところに所属意識を持つのではないか。そこに、共存の鍵があるのではないか。」と語ります。

 山口県内に、在留外国人の方が昨年3月末時点で、1万4386人おられます。

 県民の100人に一人は外国人であることに驚きました。

 ガルベスさんは、外国人との共存社会に向けて、短期的施策として、通訳や翻訳や案内の充実が必要とし、長期的施策としては、多言語生活情報の提供や日本語教室の充実が必要と話しました。

 ガルベスさんは、「マズローの欲求の5段階」により、外国人共存社会の発展構造を説明しました。

 第一段階は、生理的欲求の充足です。

 「安くおいしいものが食べたい」「アレルギーや宗教上の理由で食べられないものがあるので、食材を選びたい」

 などの要望を叶えるケアが大切だとガルベスさん。

 第二段階は、安全の欲求の充足です。

 「災害時の対応を伝える情報提供」「病気になった時の情報提供」「法的な問題への情報提供」

 などの要望を叶えるケアが大切だとガルベスさん。

 2016年7月、山口県国際課が「外国人住民のための『防災ハンドブック』」を多言語で発行していることを知りました。

 第三段階は、社会的欲求の充足です。

 外国人に日本の習慣などを伝えることが大切だとガルベスさん。 

 第四段階は、承認欲求。

 外国人一人一人を社会を支える大事な人と認識することが必要だとガルベスさん。

 第五段階は、自己実現の欲求。

 外国人の方にも街づくりに参画してもらうなど、わけ隔てなく人間同士が協力し合う社会の実現が大切だとガルベスさん。

 体系的にかつ、具体的に、外国人との共存社会をどうつくるのかガルベスさんから多くのことを学びました。

 外国人との共存社会に向けて、皆さんのご意見をお聞かせください。

 

猿の惑星

 山本おさむさんのコミック漫画「赤狩り」に魅了され、ダルトン・トランボに関する本やハリウッドの「赤狩り」に関する本などを読んでいます。

 コミック漫画「赤狩り」のオープニングは「猿の惑星」から始まります。

 「猿の惑星」(1968年)、「エデンの東」(1954年)、「ローマの休日」(1953年)

 「一見何の脈絡もないように見えるこの3本の映画には、実は目に見えない共通の水脈が隠されている。」

 「それは1940~50年代にアメリカに起った『赤狩り』である。」

 「この三作品には『赤狩り』にまつわる物語が水脈のように流れている。」

 漫画「赤狩り」は、このような内容で始まり、現在、「ローマの休日」の撮影秘話が連載されています。

 「ローマの休日」の脚本家は、アメリカ共産党員であったダルトン・トランボであったことは、私がこれまでに読んだ本全てに書いてあります。

 先日、「ローマの休日」をDVDで見ましたが、クレジットにダルトン・トランボの文字が記されています。

 しかし、現在の私の知識で、「赤狩り」と「猿の惑星」は結びつきません。「エデンの東」もです。

 しかしながら、漫画「赤狩り」を楽しむためにも、「猿の惑星」を見ておこうと思い、DVDで視聴しました。

 ケネディ宇宙センターから打ち上げられた飛行船は、4人の宇宙飛行士を乗せて宇宙旅行を続けています。

 人工冬眠装置で飛行士たちは寝ていましたが、船はある惑星に不時着。気が付けば一人は冬眠装置の故障で、ミイラ化していました。3人は、宇宙船から脱出。

 3人は移動を重ね、緑のある人間住むの村に辿り着く、しかし、そこは猿が支配している地域でした。

 飛行士の内、一人は殺され、一人は捕らえられます。

 飛行士のテイラーは気が付くと手術台へ。

 その後、テイラーは、逃亡を重ね、有名なラストシーンに至ります。

 海岸に胸から上の変わり果てた「自由の女神像」を目の当たりにしたテイラーは、慟哭します。

 私は、「ローマの休日」よりも「猿の惑星」に政治的メッセージを感じました。

 トランプ大統領が、新核戦略「核態勢見直し」を公表しました。

 核戦力を全面的に強化し、使用対象を敵対国からの米国や同盟国に対する通常兵器による攻撃にも広げるというものです。

 また、CO2の排出を制限しきれないなかで、地球温暖化による影響が深刻化しています。

 テイラーの慟哭は、人類の慟哭です。

 「赤狩り」と「猿の惑星」との水脈の謎は謎としつつ、私にとって、とても興味深い作品でした。

 「猿の惑星」には、オリジナル・シリーズ、今にネーション、リブート・シリーズと合計9作品がラインナップされています。

 残りの8作品を引き続き楽しみたいと思います。

 「猿の惑星」及びシリーズの感想をお聞かせください。

赤ひげ

 黒澤明DVDコレクション③は「赤ひげ」です。

 「用心棒」「七人の侍」もよかったですが、「赤ひげ」は、これまでの中で、私にとって心に残る作品でした

 「赤ひげ」は、小石川養生所に見習いとして赴任した保本登の成長を描いた物語です。

 極貧の患者に真正面から向き合う所長の新出去定(赤ひげ)。その姿を見て登は心を入れ替えていきます。

 前半部分で、赤ひげが医者の役割についてこのように述べるシーンがあります。

 「現在、われわれに出来ることは、貧困と無知に対するたたかいだ」「これまで政治が貧困と無知に対してなにかしたことがあるか、人間を貧困と無知のままにして置いてはならなぬ、と云う法令が一度でも出たことがあるか」「貧困と無知さえなんとかできれば、病気の大半は起らずにすむんだ、いや、病気のかげには、何時も人間のおそろしい不幸がかくれている」

 この言葉は、現代にも当てはまると思います。

 一つ違うのは、今日、「人間を貧困と無知のままにして置いてはならぬ、と云う法令」が憲法に書かれてあるということです。

 憲法25条「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

 憲法26条「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべての国民は、法律の定めるところにより、その保障する子女に普通教育を享けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」

 近年、政府は、社会保障や公教育の国の責任を放棄する方向に動いていると感じます。

 その結果、日本の貧困は拡大しています。

 具体例が、志位和夫委員長が指摘した貧困ラインの低下です。

 所得順に全国民を並べたときに、真ん中にくる人の額(中央値)の2分の1が「貧困ライン」です。

 1999年157万だったものが、2014年133万となっています。

 国民の所得が減っている。つまり貧困が進化していることは明瞭です。

 にも関わらず、安倍首相は、相対的貧困率の低下だけ見て、「貧困は悪化していない」とし、新年度予算で生活保護制度の生活扶助を5%切り下げようとしています。

 今日の政治状況に対して赤ひげは再び「政治が貧困と無知に対してなにかしたことがあるか」と叱責するでしょう。

 憲法25条と26条を政治に生かすことが今もとめられており、その憲法を変えることをもってのほかだと「赤ひげ」を観て感じました。

 登は、長崎で医学の勉強をして、幕府の医師になることを目指していました。

 しかし、赤ひげの生き方を通して医師とは何かを考え続けた結果、映画のラストで、「養生所に残る」道を選びます。

 3時間という、今日では二巻分の映画ですが、観終わったあと、爽快感が全身を満たしてくれる作品でした。

 私は大学でセツルメント活動をしていました。「貧困問題」と格闘する大学生活でした。

 その経験が私のその後の生き方を決めました。

 私が歩んできた人生を振り返りながら、「赤ひげ」は、大いに励まされる作品でした。

 これからもこの道を生きていこうと新たな気持ちにさせてくれる作品でした。

 次回は、「椿三十郎」です。引き続き、黒澤作品から様々なことを学んでいきたいと思います。

 皆さんの好きな黒澤作品をお教え下さい。