宇部市西宇部地区自主防災会主催の防災訓練に昨日参加しました。
この中で、NPO法人防災ネットワークうべの三浦房紀理事長の講演を聴きました。
三浦理事長の講演テーマは、「宇部市デジタルハザードマップ」についてです。
三浦理事長は、宇部日報に掲載中の「防災徒然日記」第141回(7月31日)で、デジタルハザードマップの意義について次のように書いておられます。
「残念ながらこれまでのハザードマップは、『それぞれ』の災害の被害の範囲とその程度(水深など)を示しており、二つ以上の災害を重ねてみることができませんでした。(ただし、洪水と高潮のハザードマップには土砂災害の警戒区域も併記されています)。以前からハザードマップをデジタル化し、重ねて見ることができるようにしたい、ある場所を詳しく見るために地図を拡大したり、広い範囲を見るために縮小したり、場合によっては地面の高低を表した地形と重ねて見ることができれば、その地域の災害に対する危険性を総合的にみることができるのだが、と思っていました。」
学習会では、今年6月に公開された宇部市「デジタルハザードマップ」の使い方を実際に学ぶことができました。
自分の家の近くに土砂災害警戒区域があることやため池や洪水のハザードマップでの浸水想定区域が近くにあることが「デジタルハザードマップ」で分かりました。
3Dで観ることもできますので、より立体的に災害想定を画像上で確認することができます。
宇部市のホームページの「宇部市デジタルハザードマップ」にはこう書いてあります。
「山口県が令和4年度に実施した『デジテック・オープンイノベーション』事業を活用し、株式会社エイム(宇部市)、一般社団法人やまぐちGISひろば(宇部市)、特定非営利法人防災ネットワークうべ(宇部市)との共同により、洪水、高潮などの7種類の各種ハザードマップを重ねて表示できるデジタルハザードマップを作成しました。」
学習会が終わって、私が、三浦理事長とお話しする中で、三浦理事長は「重ねて見ることができるデジタルハザードマップが全県に広げていくことが必要だ」とお話しされました。
インターネットで調べてみると、県内で、個別のハザードマップをデジタル化している自治体は多くあるようです。
しかし、デジタル化したハザードマップを重ねて見ることができるのは県内では宇部市だけではないかと思います。
宇部市で完成した重ねて見ることができるデジタルハザードマップを全県に広げていくために、県独自の制度を創設すべきだと思います。
宇部市の皆さん、「宇部市デジタルハザードマップ」をパソコンかスマホでダウンロードし、ご自分の家の周りをチェックされてみてはいかがですか。
重ねて見ることができるデジタルハザードマップが全県に拡大するよう補助制度の創設の提案を県に行っていきたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
NHK山口放送局は、昨日、上関町で行われた使用済み核燃料「中間貯蔵施設」に関する学習会について次のように報じました。
「上関町で、使用済み核燃料を一時保管する『中間貯蔵施設』の建設に向けた調査が進められる中、反対派の議員などによる講演会が町内で開かれました。この講演会は、『(上関原発)建設に反対する2市4町議会議員連盟』が開いたもの、住民などおよそ450人が参加しました。講演会では、脱原発の立場をとる『原子力資料情報室』の伴英幸共同代表が講演し、中間貯蔵には使用済み核燃料を保管する建物に加えて、港湾整備や専用の道路も必要なため、森林の伐採など大規模な環境破壊が避けられないと考えていると述べました。また、建設の周辺では、少量の放射線に被爆する可能性があり、噴火や地震などで施設が被害を受けるリスクもあると指摘しました。参加した町内の70代の男性は『核燃料サイクルが確立していないため、中間貯蔵と言いながらいつまで貯蔵するのか分からないので反対だ』と話していました。また、山口市の60代の男性は『福井県から使用済み核燃料が運ばれるということは、そのほかの自治体にも危険が及ぶ可能性があるので、上関町だけの問題ではなと思う』と話しました。」
私は、昨日のブログに書いたように、昨日、午前中は、宇部市吉部で行われたお寺の法座に出席しており、上関町の公園会場に到着したのは、午後2時半過ぎで講演も後半でした。
私は、これも先のブログで紹介したように、8月13日、伴さんの講演をお聞きしています。昨日の講演では、13日の話を柱にして、詳細な説明が行われたようです。
中間貯蔵施設の問題点について講演する伴英幸さん 会場には450人の住民が集いました。
福井県の6月県議会において7月20日に「関西電力による使用済み核燃料仏搬出計画への対応に関する要望・意見書」(以下、意見書)が賛成多数で可決しています。
福井県は、使用済み核燃料の県外搬出を関西電力に求めてきました。関西電力は、6月12日、高浜原子力発電所で保管する使用済みMOX燃料・核燃料の一部をフランスに再処理する計画を福井県に説明しました。
意見書は、「今回関西電力が搬出を計画する使用済み燃料は200tで、同社が福井県内に保有する使用済み燃料の5%に過ぎない。95%の使用済み燃料をどうするのか、計画地点も示さないまま『約束を果たした』とする同社の説明は契約履行の観点から見てもおよそ成り立つものではなく、福井県民の同社に対する信頼も大きく毀損しかねない発言だ」と関西電力の姿勢を批判した上で、国に対し「中間貯蔵施設の課題を事業者任せにすることなく、国として主体的に取り組むよう要望」しています。
福井県議会で、関西電力の使用済み核燃料の県外搬出を徹底する意見書が採択された、わずか12日後の8月2日、中国電力は、上関町に対し、中間貯蔵施設設置に向けての調査を行う意向を伝えました。
福井県議会で意見書が採決された28日後の8月18日に、上関町長は中国電力に調査の実施を了承する回答を行いました。
伴さんが昨日の講演会で指摘されましたが、今回の上関町への中間貯蔵施設建設に向けた調査実施は、「関電救済のための中間貯蔵施設」だと言えます。
福井県が県是として、県外搬出を主張している使用済み核燃料をなぜ、山口県が受け入れなければならないのか、この一点でも、今回の問題を冷静に考えなければならない重大問題だと思います。
拙速に、事を決め、孫子に負債を残すことがあってはなりません。
福井県議会の意見書にあるように「国の責任」が問われています。国は核燃料サイクルが破綻している事実を認め、使用済み核燃料をどう処理するのか明確な方針を示すべきです。
それより前に、山口県内に軽々に中間貯蔵施設を造るべきではありません。そのための調査を行うべきではありません。
使用済み核燃料をこれ以上増やすべきではなく、原発回帰のGX基本計画を国は抜本的に見直すべきです。
昨日、上関町に中間貯蔵施設建設に疑問を持つ町内外の住民が約450人集いました。
私は会場に入り、その熱気に圧倒されつつ、元気をいただきました。
山口県に中間貯蔵施設を建てさせないために、引き続き、県民の皆さんと連帯を深めていきたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
25日、しんぶん赤旗日刊紙は、マイナンバーカードで受診できるようにするためのひも付けが遅れていることに関する厚生労働省の調査結果を次のように報じました。
「マイナンバーカードで受診するできるようにするためのひも付けがされず、健康保険証代わりに利用できない状態が約77万件あることが24日、厚生労働省の調査でわかりました。この問題では全国健康保険協会(協会けんぽ)で、約36万人分のひも付けが7月末時点で未完了だったことが判明。これを受けて、厚生労働省が健保組合なども対象に調査したところ、協会けんぽも含め約77万件のひも付けが済んでいないことが判明しました。厚労省はひも付けを担う健康保険組合などに対し、等該者に通知するよう要請するとともに11月末までの解消を目指すとしています。(解説)協会けんぽの担当者は本紙の取材に、ひも付け未完了の理由として、加入者本人や勤務する事業者がマイナンバーを同協会に提出していないことを原因の一つにあげています。しかし、勤務先の事業者や健康保険組合などに、マイナンバーを提出することは義務づけられていません。出すかどうかについては、加入者本人の意思です。また河野太郎デジタル相は総点検の中間報告をした8日の会見で『制度の登録の申請をする際には、マイナンバーの記載を明確にする省令等の改正をお願いしております』とのべました。これまでの誤登録やトラブルが相次いだことについて、本人がマイナンバーを提出しなかったことに『原因』を求めるのは本末転倒です。政府は来年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードで受信に一本化する方針です。本来、マイナンバーの提出やマイナンバーカードの取得は本人の判断によるもので強制ではありません。にもかかわらず、それが義務化のように政府がゴリ押しするところにトラブルの根本原因があります。」
厚生労働省が24日に示した「マイナンバーカードと健康保険証の一体化について」にこうあります。
本年8月段階で、協会けんぽの未登録者が約36万人。
被用者保険及び国保組合の全保険者での未登録者が約77万人。
約77-約36=約41万人が、国保組合及び協会けんぽ以外の被用者保険での未登録者になります。
私は、今、県内の国保組合の未登録者がどの程度いるのか、調査を県健康福祉部にお願いしています。
記事にあるように、マイナンバーカードは強制ではありません。
ならば未登録者はなくなりません。
その根本問題を政府は認識しないまま、保険者や加入者にマイナンバーカードへの「強制」を行うのは根本矛盾がそこにあります。
紙の保険証を残すことは国民の命を守る上で必ず必要なことです。
約77万人の被保険者が、マイナンバーカードにひも付けされていません。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
日本共産党の志位和夫委員長は22日、国会内で記者会見し、岸田政権が決定した東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出について、次のように述べました。
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汚染水の海洋放出を中止せよ
2023年8月22日 日本共産党委員長 志位和夫
一、岸田政権は、24日にも東京電力福島第一原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を行うことを決定した。これは「漁業者など関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」という政府の国民、福島県民への約束を公然と投げ捨てるものであり、断じて許されるものではない。海洋放出の中止を強く求める。
21日に首相と面会した全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長は、「海洋放出については依然として反対するという立場を堅持する」と明言している。岸田首相は、20日に福島視察を行ったが、福島の漁業関係者、自治体首長とは面会もしなかった。「聞く耳」をもたず、約束も守らない、岸田首相の政治姿勢は民主主義の根幹を揺るがすものと言わざるを得ない。
一、核燃料が溶け落ちたデブリに接触して汚染された水は、アルプスで処理しても、放射性物質のトリチウムは除去できず、「規制基準以下」とはいえセシウム、ストロンチウムなどトリチウム以外の放射性物質も含まれていることを、政府も認めており、関係者の同意が得られないのは当然である。
一、汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を強行すれば、漁業のみならず加工・輸送・卸業や観光への様々な影響が出ることは避けられず、福島の復興に重大な障害となる。原発事故を引き起こした東京電力や政府が、その責任を脇に置いて、福島の復興に大きな障害をもたらすことを、被害者に押しつけることは許されない。
一、福島第一原発の建屋内への地下水の流入を止めない限り、汚染水は増え続けることになる。重大なことは、「凍土壁」などの対策が十分な効果をあげていないにもかかわらず、政府が汚染水の増加を止めるための有効な手立てをとっていないことである。政府は、広域の遮水壁の設置など汚染水の増加を止めるための手立てを真剣に講ずるべきである。
専門家から「大型タンク貯留案」や「モルタル固化処分案」など、放射性物質の海洋放出を回避する手立てが提案されている。問題を解決するための真剣な検討と対策を行うべきである。
・・・
福島第一原発の汚染水海洋放出が開始されたことと、上関町で使用済み核燃料の中間貯蔵施設の調査が開始されようとしていることは、岸田政権が昨年末に決めたGX基本計画の延長線上にあるもだと思います。
原発回帰の政策を強行する岸田政権は、国民の不安や諸外国の反対の声よりも、財界や電力会社の意向を尊重する中で、汚染水海洋放出と中間貯蔵施設の調査が強行されようとしています。
汚染水にも、中間貯蔵される使用済み核燃料にも放射性物質が十二分に含まれていることに対する関係者や国民、諸外国政府に対する岸田政権の説明はあまりにも不十分です。
これからは、汚染水が海洋放出された福島県の人たちと連帯して、上関町で始まる中間貯蔵施設調査開始に反対する運動を強めていきたいと思います。
明日8月26日(土)上関総合文化センターで13:30から、
「中間貯蔵施設とは」と題する講演会が開かれます。
講師は、原子力資料情報室共同代表の伴英幸さんです。
入場無料です。どなたでも参加できますので、多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
私は、午前中、総代長を務めているお寺で法座があり、その後、宇部市吉部を出発しますので、1時間程度、遅れますが、講演会に参加予定です。
皆さんと中間貯蔵施設のことについて考えていきたいと思います。
汚染水の海洋放出と中間貯蔵施設についてのご意見をお聞かせください。
昨日、呉山口初中級学校長は、村岡知事に、「2024年度 学校法人山口朝鮮学園の『私立外国人学校特別補助金』予算計上並びに交付についての要望書」を提出し、水野学事文書課長が受け取りました。
提出された要望書は以下の通りです。
・・・
2023年8月23日
山口県知事 村岡嗣政様
学校法人 山口朝鮮学園
山口朝鮮初中級学校
学校長 呉 栄哲
2024年度(令和6年度)学校法人山口朝鮮学園の
「私立外国人学校特別補助金」予算計上並びに交付についての要望書
平素より、県の教育向上のためにご尽力下さり敬意を表します。また、3年間に及ぶ新型コロナウイルス感染拡大防止のための取り組みに対しても、心から感謝申し上げます。
昨年度は学校保健特別対策事業費補助金(感染症対策支援事業)に本校を含めていただきました。また、システムの違いにより実現はしませんでしたが、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助金の事業からも本校を除外しませんでした。
今年に入り、幼稚園から中学校等が保有する送迎バスに対して、安全装置の導入のための学校安全特別対策事業費交付金のご連絡もいただきました。本校の規模では必要なかったので申請はしませんでしたが、学事文書課からの申請の連絡には「義務付けの対象は幼稚園から小学校までであり、中学校や貴校を含む各種学校は義務付けの対象外となっています。・・・義務付けの対象外ではありますが、補助金の対象と含めることが可能となったことから、案内させていただいております。」と記されていました。本校の子どもたちを幼稚園生、小学生と認めて対応してくださったことをたいへん嬉しく思いました。
それまでは何もかも、朝鮮学校は除外でした。高校無償化から除外、山口県の補助金の停止、下関市・宇部市からの補助金の停止、幼保無償化からの除外、ひいては校内マラソン大会の道路使用料減免までも朝鮮学校はだめだと除外されました。
本校は朝鮮半島にルーツを持つ日本で生まれ育った子どもたちに、母国の言葉や歴史・文化を教えること、そして日本社会で日本の人々と共に生きる、そうした知識と能力、豊かな人間性を育てることを教育目標にその役割を果たしてきました。
また、身近な国際交流の場としても、地域での活動、近隣の小中学校と交流教育もさせていただいています。
補助金停止から今年で10年になります。しかし、差別状態はもうそんなに長く続かないと思います。
なぜなら、今年4月に施行された「子ども基本法」にもすべての子どもが自立した個人として権利を守られ、差別的とりあつかを受けることがないようにすると基本理念で記されていますし、教育を施し教育を受ける教育権は、政治問題、外交問題に連動するものではありません。本来の姿ではないからです。
山口県には是非、こうした差別の是正に取り組んでいただきたい。そしてその第一歩として補助金の再開を強く望んでいます。
記
県は、2024年度(令和6年度)予算に「私立外国人学校特別補助金」を計上し、学校法人山口朝鮮学園に補助金を交付すること
・・・
水野課長は、山口県が補助金を支給していない理由について「朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、県として、県民の理解が得られないと判断している」と答えました。
私は、同日夜行われた第39回西宇部・厚南・黒石地区人権を考える学習会に参加し、藪本知二山口県立大学名誉教授の「子どもの権利の持つ意味ー子どもの意見表明権を中心にー」との講演を聴きました。
藪本名誉教授は子ども基本法の基本理念である3条にこうあると指摘しました。
「全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、差別的扱いを受けることがないようにすること」
子ども基本法5条にはこうあります。
「地方公共団体は、基本理念にのっとり、こども施策に関し、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、その区域内におけるこどもの状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」
つまり、子ども基本法に基づき、山口県は、全てのこどもに差別的扱いを受けることがないような施策を実施する責務があるのです。
その点で、昨日の要望書が指摘しているように、朝鮮学校に補助金を出さないという山口県の対応は、こども基本法5条を順守していないものと言わなければなりません。
水野課長は、懇談の中でこの点について問われ、「回答は控えたい」と答弁しましたが、県は、こども基本法から補助金カットがいかに子どもを差別的に取り扱うものであるかを十二分に検討すべきです。
そして、来年度からは、補助金を復活すべきです。
また、要望書にある「マラソン大会の道路使用料の減免の除外」について、昨日、県警本部にどのような状況なのか、今後どう対応するのか後日、私に説明いただくよう要請したところです。
県警本部から回答がありましたら、本ブログで報告していきたいと思います。
朝鮮学校への補助金カット問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
マイナンバーカードの不具合について20日、しんぶん赤旗は、次のように報じています。
「医療機関でマイナンバーカードを使って受診の受け付けをした場合、患者が所得にかかわる情報の提供に同意しないと、本当は1~2割負担なのに3割負担などと誤った負担割合が表示されるコンピューターシステムが一部機種にあり、医療現場が混乱しています。千葉県船橋市の船橋二和病院付属ふたわ診療所ではー。同診療所は今年4月からカードリーダーを設置し、マイナンバーカードでの受け付けを始めました。すぐに問題が発生しました。『先月まで1割負担だった高齢者が次々に3割負担とコンピューター端末に表示され、驚きました。紙の保険証の負担割合を確認するため待合室に患者さんを探しに行ったり、大変でした』。こう証言するのは医事課主任の近藤純さん(46)です。患者がカードリーダーを操作する様子を確認し、コンピューターシステム業者とやり取りするなかで、不具合の理由が分かりました。カードリーダーにマイナンバーカードを置くと、患者は本人確認の方法をはじめ、複数の項目で選択を求められます。『高額療養費制度』を利用するかどうかも問われます。所得に応じ1カ月の自己負担限度額を定めたものです。『利用する』へ進むと『限度額情報を提供しますか?』と問われます。ここで、『提供しない』を選択すると、誤った負担割合が表示されるといいます。同診療所を受診する1日500~600人の患者のうち、マイナンバーカードで受け付けするのは10人程度。それでも『個人情報を見られたくないという心理が働き(提供しない)を選択する人が多いのだと思います』と近藤さん。原因が分かってからはマイナンバーカードで受け付けする人に職員がつきっきりになり、限度額情報を『提供する』にタッチするようにお願いしています。『大変な手間。1件の受け付けに2分はかかります。自己負担限度額を超える人は一部なのに(限度額情報の提供)に同意しないと正しい負担割合が出ないのはおかしい』。近藤さんは指摘します。厚生労働省は、診療報酬の請求に使うレセプトコンピューター(レセコン)等の一部でこうした不具合が発生しているとして、業者に改修予定などの情報提供を求めています。同診療所が18日、レセコン業者に問い合わせたところ、9月に改修する予定と回答しました。マイナンバーカードでの受け付け開始から半年近く後です。近藤さんは訴えます。『マイナンバーカードによる保険資格の確認は、さまざまな段階で問題が起きる可能性があると分かってきました。保険証が廃止されれば、誤りに気づくことすらできません。保険証廃止はあり得ない。存続させるべきです。」
ある県内の医療団体の方にお尋ねすると、「県内でも同様のことが起こっている可能性は十分にある」ということでした。
県内で同様のことが起こっていないか調査したいと思います。
これほどのトラブルが発生しているならば、紙の保険証の廃止は、きっぱり中止すべきです。
マイナンバーカードに対する皆さんのご意見をお聞かせください。