昨日、熊毛北高校の存続を求める住民の方々が、県議会に請願書を提出されました。
私は、木佐木、河合、中嶋、井原の各県議と一緒に紹介議員として名を連ねました。
請願書提出に対して、NHK山口放送局は、昨日、次のように報じました。
「県教育委員会が10月示した柳井と周南地域の県立高校の再編整備計画の素案をめぐり、再編の対象となっている熊毛北高校のある地元の関係者が、22日、高校の存続を求めて請願書を県議会に提出しました。県教育委員会は今後、急激な生徒数の減少が見込まれるなどとして、10月、柳井と周南地域にある5つの県立高校を再編統合し、新しい高校を2校設置するとした計画の素案を示しました。これに対して、再編の対象となる周南市の熊毛北高校の地元関係者が22日県議会を訪れ、学校の存続を求める請願書を提出しました。請願書では、県東部で唯一の家庭科に特化したコースがあることや、小中学校と高校、それに地域などが連携した教育活動を行っていることなど特色を挙げ、再編の対象から外すよう求めています。県の議会事務局によりますと、請願書は11月29日から開会する県議会に提出され、常任委員会で審議される予定だということです。請願書を提出した勝間コミュニティ推進協議会の内山和美会長は『熊毛北高校は他の4校と地理的に離れていて、統合した場合生徒の通学が困難になる。まずは、教育内容の拡充や生徒数を増やす対策を考えてほしい』と話しています。」
請願者は、勝間コミュニティ推進協議会の内山和美会長と、『ほっと三丘』コミュニティ協議会の宗貞洋治会長、高水地区まちづくり推進協議会の池田博幸会長、鶴里コミュニティ協議会の山本恭弘会長が名を連ねています。
勝間コミュニティ協議会の内山和美会長が、熊毛北高校の存続を求める請願書を県議会に提出しました。
熊毛地域は、「やまぐち型地域連携教育」を指針に、県立熊毛北高校を中心に、高・中・小の連携教育が行われています。
11月2日には、熊毛中学校PTAや地域関係団体の連名で、「県立高校再編整備計画・前期計画」一部改正(素案)に、熊毛北を統合対象にしていることに「賛同できるものではない」という要望書が提出されてました。
今回の再編計画の中から少なくとも熊毛北高校を対象から外すよう、地元の皆さんの声に引き続き、耳を傾けながら、来る11月県議会で大いに発言していきたいと思います。
「反戦情報」(2023・11・15)N0.470に私の中間貯蔵施設に関する小論が掲載されました。
以下の小論は、反戦情報に提供した文章そのままです。掲載された文章は、若干修正されています。
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核燃料サイクル施設が集積する青森県を視察して分かったこと
山口県議会議員 藤本かずのり
1、日本共産党県議団の青森県視察の意義と行程
8月2日、中国電力は、上関町に使用済み核燃料の中間貯蔵施設の立地可能性調査の受け入れを要請し、西町長は、わずか16日後の18日、調査の受け入れに同意しました。
日本共産党県議団は、核燃料サイクル施設が集積する青森県へ視察を行いました。
日本共産党県議団が、青森県視察を行った意義は、次の3点です。①青森県に使用済み核燃料の中間貯蔵施設が唯一建設されている②青森県に使用済み核燃の搬入先である再処理工場が唯一建設されている③青森県から核燃料サイクル施設に関する誘致の経緯や交付金の状況を聞く。
日本共産党県議団は、10月18日午前に、六ケ所村にある日本原燃PRセンターを訪ね、午後に、青森県庁を訪ねました。19日午前に、むつ市にある中間貯蔵施設を訪ねました。
2、六ケ所核燃料サイクル施設
ア、概要
10月18日午前に、六ケ所村にある日本原燃(株)が運営する核燃料サイクル施設のPRセンターを視察しました。この周辺には、①再処理工場②使用済み核燃料受入貯蔵施設③高レベル放射性廃棄物貯蔵センター④低レベル放射性廃棄物埋設センター⑤ウラン濃縮工場⑥MOX燃料工場が立地しています。ここに、日本の核燃料サイクルを左右する施設が集積しています。
イ、 再処理工場
中間貯蔵施設に貯蔵されている使用済み核燃料が、再処理工場に運ばれ、プルトニウムなどの燃料と高レベル放射性廃棄物とに分離されます。
再処理工場が稼働しなければ、中間貯蔵施設に貯蔵されている使用済み核燃料は移動することが出来ずに、永久的貯蔵されたままとなります。
中国電力上関原子力発電所準備事務所は、8月以降「中間貯蔵施設の設置に係る調査・検討の実施について」とするチラシを上関町に全戸配布しました。この中で、再処理工場について「2024年度の上期に竣工する見通し」としています。
これは、私が、9月県議会の一般質問で取り上げた点ですが、9月4日、原子力規制委員会は、再処理工場に関する「核燃料施設等の新規制基準適合性に関する審査会合」を行いました。この中で長谷川清光原子力規制委員会原子力規制部新基準適合性審査チーム長補佐は「年明けくらいというのが、ある種、そこから技術的に始まると思っている」と指摘しています。再処理工場は、工事開始から30年経過したにも関わらず、今日までしゅん工に至っていません。再処理工場に関する原子力規制委員会の技術的審査がようやく年明けから本格化する状況であるのに、来年9月までにしゅん工することは困難だと考えながら、PRセンターでの説明を聞いていました。
ウ、使用済み核燃料受入貯蔵施設
受入容量3000㌧に対して、現在、2968㌧の貯蔵量です。
中間貯蔵施設から再処理工場で処理を待つ使用済み核燃料を保管する施設に余地がない状況です。
エ、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
高さ1・3㍍、直径0.4㍍のステンレス鋼容器(キャニスター)に、ガラス固化された高レベル放射性廃棄物が貯蔵されています。
貯蔵容量は、キャニスター2880本です。現在、フランスから1310本、イギリスから520本、合計1830本が貯蔵されています。残り1050本のキャニスターしか貯蔵容量がないにも関わらず、イギリスにある2200本のキャニスターが日本への返還を待っています。
貯蔵管理センターは、「30年~50年間の中間貯蔵」とされていますが、高レベル放射廃棄物最終処分場は、文献調査にも入っていない状況です。高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターが恒久的な貯蔵施設になることが想定されます。
3、青森県庁視察
10月18日午後、青森県庁を訪ね、田桐立人エネルギー総合対策局原子力立地対策課課長などから説明を受けました。
中間貯蔵施設の調査が開始されるとその年から電源立地等初期対策交付金が交付されます。調査開始年度から知事同意年度までが年1.4億円(期間Ⅰ)、知事同意から2年間が年9.8億円(期間Ⅱ)、がそれぞれ交付されます。
9月県議会で、知事が、期間Ⅰの交付金を県は受け取らないことを明らかにし、来年度以降の対応については言及しませんでした。
青森県の担当者は「むつ市の中間貯蔵施設に係る電源立地等初期対策交付金は、合計24億円。青森県は受け取らなかった。」と回答しました。
また、中間貯蔵施設の着工から運転開始まで交付される核燃料サイクル交付金について担当者は「過去10年で149億円交付された。周辺8市町村に交付された。」と答えました。
更に、県担当者は、六ケ所核燃料サイクル施設に関し①再処理工場の年内のしゅん工は難しい状況だ②県に対し「核燃料サイクル施設建設立地に関する県民投票条例」制定請求運動が取り組まれたことを明らかにしました。
4、 むつ市中間貯蔵施設視察
10月19日、午前中、むつ市の中間貯蔵施設を、工藤祥子日本共産党むつ市議会議員らの案内で視察しました。
リサイクル燃料貯蔵(株)が、運営する中間貯蔵施設は、現在、3000㌧規模の貯蔵建屋を建設中で、最終的な貯蔵量は5000㌧で、敷地面積は120㌶(東京ドーム26個)の広さです。
しゅん工は、2024年度上期としていますが、柏崎刈羽原子力発電所が現在、特定核燃料物質の移動制限を受けており、その解除がされなければ、事業開始が見通せない状況です。
使用済み核燃料を密閉したキャスクを積んだ船は、「原子力船むつ」の母港だった関根浜港に入港します。専用道路約1キロを専用車両に乗せたキャスクが中間貯蔵施設に運ばれます。現場は、緩やかな丘陵地です。上関町長島に中間貯蔵施設を作る場合、新たに港、専用道路、貯蔵施設の建設が必要です。5000㌧規模の中間貯蔵施設の場合、100㌶もの開発が必要となると、環境省が生物多様性の観点から重要度の高い海域に選定した長島の環境が大きく壊されることは必至だと感じました。
また、むつ市では、「中間貯蔵施設の是非を問う住民投票条例」制定請求運動が取り組まれ、法定数の6.8倍の署名が提出されたことが分かりました。
5、青森県を視察して分かったこと
中間貯蔵施設に貯蔵された使用済み核燃料の搬入先である再処理工場のしゅん工の見通しが立っていません。再処理工場の見通しが立ったとしても、高レベル放射性廃棄物最終処分場の見通しが立っていません。核燃料サイクル施設が集積する青森県を視察して、国が進める核燃料サイクル全体が崩壊していることが分かりました。
また、六ケ所村への核燃料サイクル施設の立地に対し、むつ市への中間貯蔵施設の立地に対し、住民投票条例制定を求める直接請求運動が行われたことが分かりました。
これら青森県での運動から学ぶべき事が多くあると感じました。
・・・
「反戦情報」No470を若干数、預かっています。読みたい方は、私に連絡ください。
引き続き、中間貯蔵施設に関して調査を続けていきたいと思います。
昨日、私は、広島市内の中国四国防衛局に出向き、米兵犯罪の根絶を求める要請書を日本共産党岩国市議団ともに西方局長に提出しました。
この要請行動が今朝のしんぶん赤旗日刊紙で次のように報じられました。
「米軍岩国基地(山口県岩国市)の米兵・軍属による事故や犯罪が相次いでいる問題で、同県の日本共産党議員団は20日、広島市の中国四国防衛局に米兵犯罪の根絶を求めて要請しました。藤本一規県議、岩国市の松田一志、長岡辰久両市議が出席しました。昨年12月に米兵が酒気を帯びた状態で高級乗用車を窃盗、衝突事故を起こしたのに続き、今年も酒気帯び運転による自損事故(2月)、面識のない女性を殴る(11月)など、いずれも飲酒を伴う事件・事故が多発しています。要請では、山口県基地関係県市町連絡協議会が岩国基地に対し綱紀保持や再発防止徹底を要請してきたにもかかわらず、交通事故や犯罪が繰り返されていると指摘。▽年末年始に向け外出・飲酒規制を抜本的に強化させる▽対策協議のため岩国日米協議会の開催を検討する▽被害者の損害賠償の進捗を明らかに早期解決に尽力するーことなどを岩国基地に申し入れるよう求めました。藤本、松田両氏は青森県三沢市で米軍三沢基地との連絡協議会が定期的に行われているとして、『岩国市で日米協議会を開き、事故・犯罪の根絶について米側に伝えるべきだ』と強調。防衛省側は『日米間で随時協議しており、現時点で開催しなくても支障ない』と回答しました。」
20日、防衛局に提出した文書は以下の通りです。
・・・
中国四国防衛局
局長 西方 孝様
2023年11月20日
日本共産党山口県委員会
委員長 吉田 貞好
日本共産党山口県議団
団 長 木佐木大助
日本共産党岩国市議団
団 長 松田 一志
米軍岩国地基地所属の米兵、軍属による交通事故・犯罪の根絶を求める要請書
米軍岩国基地所属の米兵、軍属による事故・犯罪(刑法犯)が昨年来、急増し、基地周辺住民はもとより、県民に大きな不安を広げています。
本年だけでも、酒気帯び運転による自損事故(2月)、酒気を帯びた状態での乗用車の窃取(4月)、酒気帯び運転での信号無視(7月)、酒気を帯びた状態での女性への暴行(11月)と相次いでおり、昨年12月には、米兵が酒気を帯びた状態で自動車販売店に不法侵入して高級乗用車を窃盗した上、衝突事故でケガを負わせながら基地に逃げ込むという重大な事案も発生しています。この5件は、いずれも飲酒を伴ったものです。
こうした事故・犯罪が発生するたびに、山口県基地関係県市町連絡協議会(県、岩国市、柳井市、周防大島町、和木町)が米軍岩国基地に再三に渡って「基地関係者に対し、外出・飲酒規制の徹底など綱紀の保持と再発防止の徹底」を要請してきたにも関わらず、交通事故や犯罪が繰り返されていることは看過できません。
ついては、下記事項について、米軍岩国基地並びに在日米海兵隊司令部に申し入れるよう要請します。
記
1,飲酒の機会が増える年末年始に向け、米軍岩国基地に対し、米兵、軍属を対象にした「勤務時間外行動指針」(リバティ制度)に基づく外出・飲酒規制を抜本的に強化するよう求めること。
2,県基地関係県市町連絡協議会の要請に対し、同基地は「事件・事故の再発防止に向け更なる努力を重ね、交通安全教育の徹底を図る」と回答しているが、具体的にどのような措置を取ってきたのかを明らかにさせること。
3,事故・犯罪で警察に検挙された米兵、軍属に対し、米軍としてどのような処罰を課したのかを明らかにさせること。
4,昨年12月3日発生した米海兵隊員による乗用車の窃盗と当て逃げ事件で、多大な損害を被った同乗用車の持ち主に対する損害賠償の進捗を明らかにするとともに、早期解決に尽力すること。
以上
・・・
綱紀粛正が繰り返される中、米軍関係者の事件・事故が後をたちません。
引き続き、必要な行動を継続してまいります。皆さんのこの問題でのご意見をお聞かせください。
18日、読売新聞は、上関町へ調査が開始された中間貯蔵施設に関する問題について次のように報じました。
「上関町が中国電力(広島市)と関西電力(大阪市)による使用済み核燃料の『中間貯蔵施設』の建設に向けた共同調査を受け入れてから、18日で3か月となる。建設計画への風当たりは中電や推進派の想定以上に強く、関係者は『中電や町の対応ミスや説明不足が反発を招いている』と指摘する。中電がボーリング調査を予定する上関町長島の敷地周辺は、16日時点でも木々がうっそうと茂っていた。調査に先立ち、同社は町に伐採届を申請していたものの、期限の19日までに着手できない見通しとなり、再申請する方針を固めた。ただ、具体的な日程は決まっておらず、先行きは不透明だ。複数の関係者によると、8月に計画が表明化する前、県の中間貯蔵施設の推進派の一部は、建設に向けた調査について同社と水面下で調整を続けていた。そのさい、推進派は中電に対し、計画の公表にあたって『関西電力』の名前を前面に出さないよう勧めていた。福井県の原子力発電所で生じた使用済み核燃料の搬出先の選定を急ぐ関電の窮状が目立ち、反発が強まると予想されたためだ。ところが、中電は関電との共同調査を打ち出した。原子力政策を推進する県内の自民党議員にも、『なぜ他県の核燃料をもってくるのか』『福井県と関電の事情で計画が進められていないか』などの批判が寄せられているという。中電は『福井県と関電のやり取りは関知していない』とするものの、党関係者の一人は『なぜ関電との共同調査にしたのか。県民感情を逆なでした中電の(悪手)だ』と苦言を呈する。ある県議は『計画の背景があまりにも不透明だ』と指摘する。上関町の対応にも不満の声が上がり、周辺市町との間には『すきま風』が吹く。関係者によると、計画の公表にあたり、周辺市町の首長に町や中電から事前に連絡はなかったという。西哲夫・上関町長が1市3町(柳井市と周防大島、田布施、平生町)の首長に対面で計画を説明したのは、公表から約1か月後。調査に伴う国の交付金を10月末に申請したことも伝えす、数日後に首長らが集まった席では不満が噴出した。首長の一人は『計画は中電や上関町だけの話ではない』と不快感を示す。逆風が強まる中、推進派の中でも一部が中電と距離を置くようになり、計画の停滞を招いているという。村岡知事も慎重な姿勢を崩さない。今月上旬には、同社の中川賢剛社長の『周辺市町の理解を得るよう知事に指示をいただいた』との発言を翌日の記者会見で否定し、『県が推進の立場ととらえられかねない。誤解だ』と強調した。県議の一人は、知事が社長の発言を即座に否定したことに驚き、『知事も言葉一つに慎重になっている。計画への風当たりが強い証左だ』と指摘する。ただ、知事の態度を疑問視する声もある。ある県関係者は『賛否は別としても、広域自治体である県が中電や国に説明を求めて働きかけたり、上関町と周囲の橋渡しになったりすべきだ。県内の混乱に対し、当事者の知事が風見鶏では無責任だ』とくぎを刺す。」
中国電力は、中間貯蔵施設に関する調査の期間について半年程度になると説明してきました。
伐採届の再申請により、調査期間が大幅に延長することが予想されます。
記事にある「なぜ他県の核燃料を持ってくるのか」「福井県と関電の事情で計画が進められれいないか」の県民の疑問は深まるばかりです。
鳩子の海に原発も中間貯蔵施設もいらないの声を今こそ、強く大きくして、中間貯蔵施設建設計画をストップさせていきましょう。
中間貯蔵施設建設に関する皆さんのご意見をお聞かせください。
4日、読売新聞は社説で、夜間中学校について次のように報じました。
「様々な事情で義務教育を受けられなかった人を対象にした夜間中学の重要性が増している。誰もが最低限の学ぶ権利を享受できる場としたい。夜間中学は元々、戦後の混乱期に生活苦で小中学校に通えず、卒業できなかった人が義務教育を受けられるよう設置された。かつては高齢者の生徒が多かったが、現在は母国や日本で義務教育を受けられなかった外国籍の人が7割近くを占める。日本人も、不登校などでほとんど通学しないまま中学校を形式的に卒業した人が学びなおす例が増えている。2020年の国勢調査では、最終学歴が小学校も卒業していない人は約9万人に上った。家庭の事情や不登校など原因は様々だが、見過ごしていい問題ではない。義務教育を終えていないことは社会生活を送る上で制約となる。16年に成立した教育機会確保法は年齢や国籍を問わず、希望者に義務教育相当の学習機会を提供するよう定めている。夜間中学の役割は大きくなっているといえよう。夜間中学は都市部を中心に44校が設置されているが、合計の生徒数は約1500人で、国勢調査の結果と比べてあまりにも少ない。夜間中学の存在すら知らない人が多いのではないか。国は27年度までに都道府県・政令都市に少なくとも1校の夜間中学を設置する目標を掲げており、地方でも新設に向けた動きが相次いでいる。一方、夜間中学で学びたい人を把握する方法やカリキュラム作成などのノウハウが乏しく、設置に二の足を踏む自治体もある。国は財政支援に加え、こうした面での情報提供を進めなければならない。遠隔地で通学が難しい人のために、オンライン授業の活用も積極的に検討すべきだ。夜間中学では、教える側も工夫が求められる。外国籍の人は日本語の習得状況にばらつきがあり、授業を十分に理解できないことが少なくない。習熟度に応じた複数のカリキュラムを作る必要がある。中学校を不登校のまま、形だけ卒業した人には、小学校の内容から学び直しができるよう、個別に指導することが欠かせない。こうした取り組みは、夜間中学の教職員だけでは限界があるだろう。不登校児童を支援する団体や自治体の日本語教室などと綿密に連携し、きめ細かい教育を行うことが重要だ。」
文部科学省初等中等教育局は、9月14日、都道府県教委夜間中学担当課などに「夜間中学の設置・充実に向けた取組の一層の推進について(依頼)」とする事務連絡を行いました。
この通知によると、夜間中学は、今年4月時点で、23都道府県・指定都市に44学が設置され、来年度には、新たに7都道府県・政令市に、再来年度には、6都道府県・指定都市に設置される予定とあります。
今年4月時点で設置されている都道府県は、北海道・宮城・茨城・埼玉・徳島・香川・高知・福岡の8道県です。来年度に設置予定としている都道府県は、群馬・鳥取・佐賀・熊本の4県です。再来年に設置予定の都道府県は、石川・愛知・三重の3県です。都道府県だけカウントすると、15都道府県になります。指定都市を入れると36都道府県に夜間中学校が設置及び設置予定となります。
国勢調査における山口県内の未就学者は851名、最終学歴が小学校の者が7925名おられます。
文科省は、この事務連絡で「未設置自治体におかれてはニーズ調査の実施など夜間中学設置の速やかな検討に着手していただきますよう」要請しています。
私は、19年9月に、広島市立の夜間中学=観音中学を視察し、19年9月県議会、20年6月県議会、23年2月県議会で、夜間中学校の設置を県議会で求めてきました。
23年2月県議会で木村副教育長は「県教委では、今回のニーズ調査の結果を踏まえ、今後各市町教委と協議の場を設け、引き続き夜間中学設置の必要性について検討していくこととしている」と答えました。
36都道府県・政令市に夜間中学が設置される予定の中、山口県は、文科省の事務連絡通り、「夜間中学設置の速やかな検討に着手」すべきときです。
山口県で一日も早く夜間中学が設置されるよう、引き続き、必要な発言を行っていきたいと思います。
夜間中学に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
公立高校入試の受験日と月経(生理)が重なった生徒への対応について、17日、毎日新聞は、次のように報じました。
「公立高校入試の受験日と月経(生理)が重なった生徒への対応について、文部科学省は16日の参院文教科学委員会で『追試は可能』とする通知を年内に都道府県などに出す考えを明らかにした。病気や事故などで入試を受けられなくなった受験生に別途実施される追試の対象に、生理による体調不良が加わる。生理は女性特有で公然と話題にしづらく、タブー視されがちだった。国が統一的な対応を促すことで理解も広がりそうだ。生理による体調不良の程度には個人差がある。腹痛や頭痛など体調がすぐれなくなる『月経困難症』や『月経前症候群』(PMS)に苦しむ人は少なくない。だが、文科省は2023年6月に出した通知は、高校入試の合否判決に扱われる調査書(内申書)で生理による欠席が不利にならないよう配慮を求めたものの、追試については触れなかった。毎日新聞は9月に全47都道府県にアンケートを実施。受験日と生理が重なった生徒への対応を尋ねたところ、『追試の対象になる』と回答したのは、15道府県にとどまる実態が浮かんだ。調査結果は11月6日にニュースサイトに掲載した。16日の参院文教科学委で、国民民主党の伊藤孝恵氏が毎日新聞の記事を取り上げ対応差の是正に向けた通知を求めた。盛山正仁文科相は『月経に伴う症状を含め、健康上の理由により、やむを得ず受験できない生徒の受験機会を確保できない生徒の受験機会を確保することが重要だ』と強調した。さらに矢野和彦文科省初等中等教育局長が『都道府県にそういうこと(生理による追試)が可能であることを年内に文書により周知したい』と述べた。ただ、文科省は具体的にどのようなケースが追試の対象になるのか示していない。」
「生理で『追試』は認められるのかー。公立高校入試の受験日と月経(生理)が重なった生徒への対応について、毎日新聞が全47都道府県にアンケートしたところ、約3割の15道府県が生理に伴う体調不良が追試の『対象になる』と回答した。一方で、約2割の11府県が『対象外』とし、約半数の自治体は明確に答えず、国の統一基準がないことから、生理を巡る対応に差が生じている実態が浮かんだ。文部科学省は16日の参院文教科学委員会で、『追試は可能』とする通知を年内に都道府県などに出す方針を明らかにした。追試は病気や事故などで入試を受けられなくなった受験生に、別途実施される試験。毎日新聞は2023年9月、全都道府県の教育委員会に対し、公立高校入試の『追試』の対象に、腹痛や頭痛、眠気など体調がすぐれない『月経困難症』や『月経前症候群』(PMS)が含まれるかどうかについて尋ねた。生理は女性特有で、体調不良の程度は個人差があるが、重い症状の生徒は他の受験生に比べて不利になる可能性がある。徳に生理が始まったばかりの10代は生理周期が不安定とされる。公立高校の入試で、生理による体調不良が追試の『対象になる』と答えたのは、北海道▽青森▽秋田▽山形▽茨城▽新潟▽山梨▽岐阜▽愛知▽三重▽京都▽和歌山▽徳島▽佐賀▽長崎ーの15道府県だった。一方で『対象にならない』と答えたのは、栃木▽群馬▽千葉▽長野▽大阪▽兵庫▽岡山▽広島▽大分▽宮崎▽沖縄ーの11府県。態度を明確にしない『その他』の回答は、岩手▽宮城▽福島▽埼玉▽東京▽神奈川▽富山▽石川▽福井▽静岡▽滋賀▽奈良▽鳥取▽島根▽山口▽香川▽愛媛▽高知▽福岡▽熊本▽鹿児島ーの21都県だった。さらに記述式で考え方を聞いたところ、『中学校長が(やむを得ない事情)により追検査に該当すると判断した場合』『これまでに例はないが、状況を踏まえて検討する』などと、追試を認める余地を示すが、曖昧な内容が目立った。追試を認める15道府県も基準が明確なわけではない。過去5年以内に、生理に伴う体調不良による追試を実際に行ったのは京都府だけだった。担当者は『受験当日の午後4時までに生徒に診断書を提出してもらい追試を認めた』と説明した。追試の受験資格を尋ねたところ、体調不良を証明する診断書などの提出を明記したのは、岐阜▽京都▽佐賀ー3府県だった。他の道県はやむを得ない理由』などと基準ははっきりせず、どのようなケースが該当するかは判然としなかった。一方、福岡▽兵庫▽大分▽鹿児島▽沖縄ーの5県は追試ではなく、感染症などと同様に別室での受験で対応するとした。文科省は23年6月に全都道府県などに出した通知で、高校入試の合否判定の資料として扱われる中学校の調査書(内申書)に欠席日数欄を設ける場合、生理に伴う欠席が不利にならないよう配慮することを求めた。追試については生理に関しての言及はなかった。ジェンダーや性教育に詳しい小貫大輔・東海大学教授は『現状では生理の症状が重い女子生徒の大部分が、体調不良を申し出ると追試が受けられなくなるかもしれないと心配して、我慢しているとみられる。声を上げられない生徒がいる可能性を見過ごしてはいけない』と指摘する。さらに『生理の症状が重い女子生徒が受験当日に自ら体調不良を申し出るのは大変勇気がいること』と強調し、『自治体側が追試を認めることは生徒たちに(無理しなくていいんだ)というメッセージを送ることにつながるでしょう』と意義を語った。」
記事にあるように、毎日新聞のアンケートに山口県は「その他」と答えています。
私は、県教育委員会に、どのように答えたのか、昨日付けで照会を行いました。結果については、その内容を本ブログでも紹介したいと思います。
山口県で、公立高校入試の受験日と月経が重なった生徒へ追試が認められるようになるよう、今後、必要な発言を行っていきたいと思います。
公立高校入試の受験日と月経が重なった生徒への追試に対する皆さんご意見をお聞かせください。